コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.129 )
日時: 2017/08/12 21:36
名前: 彩都 (ID: 1lEcCkWN)  

……めんどくさい、それがアリスにとっての一言だった、確かに厳魁お兄ちゃんの言う通り、私は外国人で、日本語は難しい、だけれど、それは昔の話、今は結構流暢になった、気がする。
言葉遊びや頓知も日本の漫画を読んで、少しは分かるし、謎かけだって日にちをかければ出来る。
だからこそ、だからこそ『めんどくさい』のだ、アリスはそう思いながら嘆息する。
アリスはその場で体を少し動かし、喉の調子も考える、よし、何度も『魔法』を使った所為で喉の調子が悪くなっているかもしれない、ちゃんと詠唱しなければ……!アリスはそう考えて、厭良の前に立つ。
「ん?何だアリスとやら?」
「…………面倒だから先に進ませてもらうよ!『キマイラの噛砕』!(いけぇ!)」
厭良の前でアリスは『キマイラの噛砕』を宣言する、アリスの背後に魔法陣が現れ、『キマイラの噛砕』が厭良に向かって噛もうとする、だが、『『キマイラの噛砕』は厭良の隣を通過し、厭良には当たらなかった』のだ、アリスは『キマイラの噛砕』が当たらない事に驚愕する。
「!?(何が起きた!?)」
「おいおい、俺に『攻撃』なんて無粋な真似はするなよぉ?言ったじゃないか、『俺の『能力』は戦闘向きでは無い』となぁ」
厭良はそう言って、頭を掻く、そしてアリスは二度目の『魔法』を放つ。
「あ、あぁ……!『ヘカトンケイルの巨手』!(これはどうだ!?)」
アリスは『ヘカトンケイルの巨手』を詠唱し、アリスの背後に魔法陣を出現させ、巨大な手がアリスの背後から現れ、厭良に向かう。
『だが、その巨手でさえ、厭良の横を通り過ぎ』た、『ヘカトンケイルの巨手』が厭良の横を通り過ぎ、アリスは口を開けたまま呆然とする。
「はぁ……全く俺の話を聞いて欲しいねぇ?一つだけ言っておく、『俺に攻撃は効かない』から、ムダだぜ?」
そう言う厭良に対し、アリスは不思議に思う、『どうして攻撃が当たらない』?『どうして攻撃が横に逸れるのか』?アリスには分からない、いや、理解出来無かった。
まだだ!まだ、『手』は残っているんだ!アリスは歯軋りをして、もう一度『魔法』を詠唱する。
「あああぁぁぁ!まだ!諦めない!!『ヘカトンケイルの両巨手』ぅぅぅ!!(これで終われぇ!)」
アリスの『ヘカトンケイルの両巨手』がアリスの背後の魔法陣から現れる、厭良は煙草を吸って、煙を吐いてから頭を掻く。
「だから『俺には効かない』って言っているだろう?」
厭良がそう言うと、『『ヘカトンケイルの両巨手』は厭良を避けて、奥へと進んで』いった、またか!?アリスは心の中でそう思い、その場で、膝をつく。
「な、何で……何で『私の『魔法』が当たらない』んだ……?(訳が分からない)」
「…………そりゃそうだろ、だって、『当たらない物は当たらない』んだからな」
厭良の発言を受け、アリスは混乱する、『当たらないモノは当たらない』?ど、どういう事なのか……?アリスはそう思いながら厭良に問う。
「き、貴様……何故『当たらない』んだ?原理を教えろ!(早く!)」
「『原理』、ねぇ……お前は何を言っているんだ?『原理等無い』、これが答えだ」
アリスの発言を受け、簡単に答える厭良、厭良の発言でもっともっと混乱したアリス。
「えっ?えっ?何言っているのおじさん?(頭大丈夫?)」
「ハッ、ガキには分からなかったか……お前も『魔法』を使っているから、『『魔法』を操る』能力なのだろう?だったら分かる筈だ」
「いや、もっと訳が分からなくなった、後私の能力は『『魔法』を操る』能力では無いし、まず、『魔法』は私の能力と無関係なんだけど?(アンタは何を言っているんだ?)」
アリスはそう言って、辛辣な言葉を厭良にぶつける、厭良は『ち、違うのか……』と呟いてその場で溜息を吐く。
「何だよ何だよ、『魔法』って奴がお前さんの能力じゃないのかよぉ?だったらお前の能力は何なんだよぉ?」
「それを私が聞いているの!質問を質問で返さないで!(馬鹿言うな!)」
アリスが厭良にそう言うと、厭良は溜息を吐いて発言する。
「あぁ、分かったよ、俺も能力を説明するから、お前も説明しろよ?」
「何で?開示理由がない(馬鹿じゃねぇの?)」
「開示理由はある、『対等に能力を言えば不正は無い』からだ」
「……確かに、アンタの言う事も一理ある、だけど、それはそれ、これはこれ、アンタに私の能力を開示する理由は無い、『貴方の能力は戦闘向きでは無い』と言った、私も『自分の能力は戦闘向きでは無い』と説明しておくわ、だから能力を開示するのは厭よ?開示するなら貴方一人分で充分なんだけど?(巫山戯るな!)」
「……外国人の癖に口だけは回り、達者だな……!あぁ、良いぜ、お前は能力を開示しなくても良い、俺だけが能力を開示したら良いんだろう?アリスとやらはそれが望みなんだろう?」
アリスと厭良の会話、アリスと会話していて、痺れを切らした厭良がアリスの能力を聞く事を止め、自分の能力のみを説明する事になった。
「はぁ、全く我侭なガキは嫌いだぜ……俺の能力は──」
そう言って厭良が自身の能力を説明する──厭良の能力がどんな能力か、アリスには分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.130 )
日時: 2017/08/13 22:29
名前: 彩都 (ID: Ga5FD7ZE)  

「俺の能力は『回避する』能力だ、だから俺は『八『王』』の一人、『回避『王』』になっちまった……おっと、『八『王』』の事を知らなかったか、『八『王』』というのは──」
「それは要らない、聞き飽きた(本当)」
厭良の発言をアリスはバッサリと切る、そして厭良が言う。
「ふぅん?聞き飽きたってんなら、説明しなくても良いよな?どっかの誰かから説明を受けた、って解釈が出来るからな……!俺の能力は『回避する』能力、『この世のどんな出来事も回避出来る』能力だ、『どんな攻撃もどんな能力の攻撃でもどんな衝撃でもどんな出来事でもどんなどんな事でも回避出来る』無敵の能力、だから『アリスとやらの攻撃も回避出来た』って訳だ……だから言っただろう?『俺の能力は戦闘向きでは無い』、と……ほら、これで充分だろ?お前等の聞きたい事は終わっただろう?だからさっさと言葉遊びなり、頓知なり、やってくれよぉ?」
「…………」
厭良の発言を受けて、厳魁は冷や汗を掻いてしまう、『回避する』能力、か……相当強いな、そう思いながらこの空間を脱出する方法を考える。
一体全体どうしたら良いだろう?頓知も言葉遊びも思い付かないのだ、これは完全に『投了』である、そう思って、深い溜息を吐くと、目の前に先宮が現れる。
「あっ……」
「さ、最初の回答者は俺が行く、皆はそれで良いな?」
先宮がトップバッターを選択する、厳魁以外の三人は静かに頷く。
「厳魁君も、俺が先で良いよな?」
「…………」
果たして先宮さんにトップバッターを任せても良いだろうか?『仲間』としては、相当信頼している、だが、そう簡単にトップバッターを任せても良いのだろうか?何だか厭な予感がするんだよなぁ、厳魁はそう思いながら、渋々『えぇ、いいですよ』と発言する。
「よし、それじゃあ先に行くわ」
先宮さんはそう言って、厭良の前に立って宣言する。
「お、俺達は侵入者では無い!」
「侵入者では無い?では、何者だ?」
厭良にそう言うと、厭良は先宮を睨みながら発言した、そして先宮は額の汗を拭って言う。
「え、えーと、俺は今日たまたま此処の清掃を任された清掃業者だ!」
「……ふむ、そうか、それなら此処を通そう、さぁ、残り四人、どう通る?」
先宮の回答を聞き、三人は呆れて厭良を見る。
たったそんだけでいいんかい!と、三人の心の中でツッコミが入った、何だよ、何なんだよ!?結構簡単じゃないか!それなら僕だって簡単に回答出来るじゃないか!厳魁がそう考えて、前に出る、すると、厳魁の前に弓華、祐介がもう立っていた。
「次は私の番だな、私は侵入者じゃないぞ?」
「あっ!ずるいですよ弓華さん!」
「うるせぇ!さっさと此処を攻略しないといけないんだろ!?考えても埒が明かない!適当に法螺吹いときゃあいいんだよ!」
「……侵入者で無い?では何者だ?」
二人の喧嘩を呆れながら見ている厭良は静かに発言する、そして弓華が回答する。
「私は探偵だ、この先に殺人事件が起きた、と言うから、調べに来た、早く犯人を見つけたいぜ」
「……ふむ、色々な面倒事を回避しているからな、『この奥で殺人事件が起きた』という面倒事も回避していたのかもしれん、さぁ、通れ」
「よっしゃ!」
弓華の発言を受け、厭良は簡単に奥へ通す、結構簡単なんだぁ、と思いながら厳魁は頬を掻く、そして祐介が厭良に言う。
「お、俺も侵入者じゃないです」
「侵入者では無い?では何者だ?」
「俺はあの探偵弓華さんの助手です、探偵には助手が付物でしょう?」
「……確かに、今迄読んできた小説、漫画、アニメの探偵には助手が居たな、よし通そう」
「よし!後は厳魁君とアリスちゃんだけか……二人は回答出来るかなぁ?」
厭良に言った祐介は何とか通過する事が出来た、残るはアリスと厳魁、祐介は二人が通過出来る事を願って、奥に少し進んで立ち止まる。
「…………」
そう簡単に攻略出来るのなら、先にアリスちゃんを進ませた方が良い、それなら、相当数選択出来る選択肢を減らす事が出来る、そして何よりアリスちゃんは『この中で一番若い』のだ、知識もそれ程ないだろう──『魔法』の知識は僕達以上だけど──だから先に進ませるのはアリスちゃんの方が良い、と思い、厳魁はアリスに言う。
「僕は後で良いから先に進みな?」
厳魁がそう言うと、アリスは静かに頷く。
「うん、分かった……でも、私は厳魁お兄ちゃんが心配だよ、だって、『回答出来る内容があるかどうか分からない』からね、だから不安で心配(大丈夫なの?)」
アリスの発言を聞いて、微笑む厳魁、確かにアリスちゃんの言う通り、回答出来る内容があるかなんて分からない、だけれど、何もかもが無い訳じゃない、絶対に、絶対に抜け道はあるのだ、厳魁はそう思いながらアリスに返答する。
「だ、大丈夫だよ、僕は色々な回答が頭の中に入っている、だから大丈夫だよ」
厳魁はそう言って、アリスを元気付ける、そしてアリスは厭良の前に走って向かう、そう、これで良いんだ、『回答なんか無くても、捻り出せば良い』、厳魁は静かに息を吸って、アリスの回答を見届ける──先宮、弓華、祐介は静かに残っている厳魁とアリスを見つめる──アリスは回答して、先宮、弓華、祐介達の方に向かえるかは、四人には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.131 )
日時: 2017/08/16 21:32
名前: 彩都 (ID: h4V7lSlN)  

「私は侵入者じゃないです(マジマジ)」
アリスはそう言って厭良を見つめる、厭良はアリスの発言を受け、『じゃあ何者だ?』と言う。
「私は魔法使い、この奥に居る人に呼ばれて此処に来た(マジだよ)」
「!魔法だと!?ど、どういう事だ!?」
厭良はアリスの発言でその場で驚愕して、後ろに体を引く、そしてアリスが厭良に言う。
「じゃあこれで指を傷付けて?(痛いけれど我慢)」
アリスはそう言ってマントの中からナイフを一本取り出す。
「は、はぁ?ナイフが何の……」
「このナイフで自身の指を傷付けて下さい、そして私が魔法で傷を無かった事にする、それで魔法の証明は出来る(そうでしょ?)」
「…………」
果たして信じて良いのだろうか?厭良の中で自然とその考えが思い付いた、逆に言ってしまえば、『大嘘』という可能性がある、何故なら厭良自身『魔法』という物を見た事が無いからだ。
……仕方無い、信じてみよう、厭良はそう考えて、アリスからナイフを受け取り、人差し指を切る、とても痛い、何回も何回も痛い事は避けてきたから久し振りの痛覚で厭良は息を切らす。
「ハッ、ハッ……は、早く治せよ、自分の指をよぉ!?」
「分かった、『全ての精霊よ、目の前の存在、『傘倉厭良』の体を治し給え、我は全ての精霊の王、『フェリア』の名を紡ぐ者なり、我の命を聞いて、我が命令せし存在の傷を治せ』!」
アリスがそう言うと、厭良の切れた人差し指は綺麗に完治する、その様子を見て、厭良は『魔法は実在する』と言う事を確認する。
「わ、分かった、と、通れ……!」
「うわぁーい!やったぁ!(いえーい!)」
アリスは喜びながら先宮の胸の中に飛び込んだ、三人は喜んでアリスを迎え入れる、そして祐介は厳魁を見つめる。
後は君だけだ、色々な考えを使用して此処に来てくれ……!祐介はそう思いながら厳魁に声にならない応援をする──

果たしてどうすれば良い?そもそもとして、啖呵は切ったが、ネタが思い付かない。
一体全体どうすれば良い?神様?私はどうしたら良いのでしょう?厳魁はそう思いながら必死に考える、だが一文字たりとも思い付かないのだ。
あぁ、そうか、僕は馬鹿だから思い付かないのか、そうかそうか……ダメだ、これ以上何も思いつかないでは無いか……厳魁はそう思いながらその場で座り込む。
何も思い付かないのであれば、意味が無い……厳魁は溜息を吐いて蹲る、いや蹲っても意味は無いのだが、何だか蹲っていると安心するんだよなぁ。
そう思っていると、一つだけ『とんでもない』事を思い付いた、それは『蹲ったから思い付いた』考えである。
も、もしもこの回答をしてしまったら……色々な意味で後には引けない!厳魁はそう思いながらゆっくりと立ち上がり、厭良の前に立つ。
「……僕は侵入者では無い!」
「ほう?じゃあ何者だ?」
ドクン、と心臓が高鳴る、この回答で自分の身がどうなるだろう?結構危険な賭けでもある、厳魁はそう思いながら鼻で息を吸って、口で吐く、そして厭良に言う。
「僕は……『所長の愛人』です、若くして僕は所長の愛人になったんです、勿論今日は愛人の行動をする為に此処に来たんです」
「……!?ど、どんな愛人の行動なんだ?」
厭良が顔を引き攣らせながら厳魁に言う、厭良の後ろでアリスが弓華に言う。
「ねぇ、弓華お姉ちゃん、『愛人』って何?(何なの?)」
「そ、それは大人になったら分かる!うん!ガキのアリスちゃんは知らなくて良いから!うん!」
弓華は厳魁の発言を聞く為にアリスの話を終わらせる、だが厳魁は厭良の耳に口を近付けて発言したので弓華は厳魁の発言が聞けなかった。
「…………」
「えっ……」
厭良は厳魁の発言を受け、顔を赤らめてしまう、だが厭良は静かに頷いて、厳魁に言う。
「そ、それなら仕方無い、先に進め、厳魁よ……!」
「えっ?良いんですか!?」
「い、いいともさ、さっさと所長の所に行って、愛人行動をし給え?」
「有難う御座います!」
厳魁はそう言って四人の所に向かう、そして先宮を抱き締める。
「やりましたよ!やってやりましたよ!これで先に進めますね!」
「あぁ!そうだな!」
「やったね!(いえーい!)」
「おめでとう!」
「よし、次に進もう!」
厳魁が先宮に抱き付いてそう言うと、先宮、アリス、弓華、祐介の順番で発言する。
そして五人は先に進む──一人、厭良を残して──

「あぁ、面倒だ、実に面倒だった、何でこんな事を私がしなくちゃならないんだよ……?自分以外にも適役、というのは存在する、自分の能力、『回避する』能力を使って五人に会う事を回避する』と言う事も出来た、だけれど、一目見たかったんだ、『仲間』と言った五人の力を……でも、結構面白い五人だったなぁ、中々に面白かった、さぁ、彼等の次なる相手は一体誰なんだろうなぁ?……『八『王』』志願者の『アイツ』にだけは当たって欲しく無いな、色々面倒だし……さぁ、所長に報告しないとなぁ、『侵入者は居なかった、魔法使いと探偵と探偵助手と所長の愛人と清掃業者が来た』ってのを説明しないとなぁ」
厭良はそう呟いてその場を離れる──祐介達は最深部に到着する事が出来るだろうか……それはまだ分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.132 )
日時: 2017/08/19 22:24
名前: 彩都 (ID: Fm9yu0yh)  

傘倉厭良と戦って数分後の事だった、祐介は目の前に膝を抱えて三角座りの様に座る女性を見付けた。
祐介は不思議に思い、四人よりも先に進んで話しかける。
「おぅい?大丈夫ですかぁ?」
「…………」
「おぅい?」
「…………」
二回声を掛けたが、返答が無い、すると急に女性が祐介を押し倒した。
「フフフ……『傷害罪』完了……!」
「は、はぁ!?何言っているんだよ!?『傷害罪』なら、すぐに離れないと!」
「フフフ……!貴方には関係が無い!」
女性はそう言って、祐介の胸板を殴り始める、その度に『傷害罪、傷害罪!』と喜んでいる雰囲気を感じた、そして『傷害罪。傷害罪』と叫びながら殴る力が強くなっていく。
「痛い!痛いって!」
「もう、何が起きているんだ……?」
先宮がそう言って、祐介から女性を離す、すると女性は先宮の脇腹目掛けて、小型ナイフで刺そうとするが、先宮は小型ナイフに気付いて、何とか横に避ける、だが、完全に避ける事は出来ずに、脇腹を掠ってしまう。
「……チッ、『殺人未遂罪』か……!」
女性はそう言って、その場で溜息を吐く、先宮は脇腹を押さえながら女性に叫ぶ。
「てめぇ!?何しやがる!?殺す気か!?」
「えぇ!そうよ!『罪』!あぁ、何と素晴らしい言葉なの!?私はそんな『能力』を手に入れる事が出来て、最高よ!」
「は、はぁ……?」
先宮は困惑し、両手の人差し指と親指で作った長方形のポーズをして、『見たモノの情報を得る』能力を発動する、すると先宮は驚愕する。
「は、はぁ!?何つー能力だ……!久し振りに『恐ろしい』という感情を思い出したぜ!」
「えっ?先宮さん何言ってんですか?俺達にも分かりやすい説明を」
先宮の発言を受け、隣で祐介が言う、すると先宮が返答する。
「俺から返答するのは少々怖い、だから奴から聞け」
先宮は指を指す、指を指した方向は祐介、先宮を傷付けた女性だった。
「えっ……?」
祐介は不思議がる、一体何の事なのか……?そう思っていると、先宮が言葉を発す。
「……アンタ、能力を教えろ」
「えっ?何で私の能力を聞くんだろう?まぁ、良いや、私の能力は『罪を重ねると強くなる』能力!そして私は『八『王』』候補者!どう!?驚愕した!?アハハハハハ!!」
「『罪を重ねると強くなる』……って、どんな能力だよ、意味が分からん……!」
祐介は自分で言ったセリフに対し、顎に手を当てて考える、ちょっと待てよ?そういえばこの人……『傷害罪』、『殺人未遂罪』とか言っていなかったか……?そして何度も何度も俺を殴りながら『傷害罪』を何回言った!?何回も何回も言っている!と言う事は……今は『相当強い』って事にならないか?祐介はそう考えて、額の汗を拭う。
今はもう痛みは引いた、だから普通に動けるけれど……何つー能力だよ、本当に恐ろしいな……祐介はそう思いながら立ち上がって後退する。
「おい……俺は何者か分かって言っているのなら、とても素晴らしいぞ?」
「はぁ?アンタ何を言っているの……?」
先宮がそう言うと、女性は不思議がる、そして先宮は懐から一冊の手帳を取り出す
「俺はこういう者だ」
先宮は手帳を広げて女性に言う、すると女性は驚愕していた、それもその筈、先宮が見せた『手帳』は警察手帳だからだ。
「俺は警察の先宮、という者だ……アンタがこれ以上罪を重ねる、というのなら……逮捕も検討しないとなぁ?」
「へぇ?警察かぁ……ん?警察から逃げる事は何の罪だろう?『公務執行妨害罪』?もしくは『脱走罪』?でも、警察から逃げたら、罪が一つ増えて、また強くなるかも?」
「…………ほざくな!罪は罪だ!『罪を重ねると強くなる』能力でも関係が無い!結局は逮捕される!現に俺とこのガキが被害者である!後ろの三人も証人になる!いや、本当に証人になるか?それは分からんが──」
先宮はそう言って女性を睨む、すると女性が口の端を歪ませて言う。
「だから?被害者だろうが、加害者だろうが、『罪を重ねて』しまえば、私は強くなる!逮捕されても、他の人を殴れば、色々な罪が私に降りかかり、逆に強くなる!」
「で?両手両足拘束されて移動されてもか?」
先宮の発言に少し冷や汗を掻く女性、女性は静かに返答する。
「さぁ、どうだろうねぇ……拘束を力技で解除するのは軽く百以上も罪を重ねないと……」
「でも、どうやって罪を重ねる気だ?両手両足を拘束されているんだ、そもそもとして罪は重ねられないが?」
先宮はそう言って女性に近づいて、懐からビニール紐を取り出し、女性の腕を拘束する。
「はい、これでアンタは動けない……今回は許してやる、次から人を襲うなよ?次人を襲ったら……お前を逮捕する」
先宮はそう言って、四人より前に進んで、振り向いてから言う。
「さぁ、解決したから先に進もうぜ?四人共?」
先宮の発言に四人は『カッコいい!』と思ってしまう、そして四人は先宮の後ろを着いて行く──

「こらー!私の腕の奴を離せー!おーい!……って、見えなくなっちゃった……」
女性はそう言って、その場に座り込んで助けを待つ──確かに私の能力は完全に『悪い能力』だ、でもあの警察の人は叱ってくれた……明日から罪は抑制しないとな、女性はそう思いながら三角座りになって、助けを待つ──その後女性が改心したかは先宮には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.133 )
日時: 2017/08/20 22:02
名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)  

先宮の後ろを着いていき、数分が経った、すると厳魁が先宮を呼び止める。
「すいません、此処で止まって下さい」
「えっ?どうして?」
「いいから御願いします」
「……あぁ」
厳魁が先宮を睨んで先宮を止める、そして厳魁は静かに周りを確認して、顎に手を当てる、祐介が厳魁を見ると、悩んでいる表情をしていた。
「ど、どうしたんだ厳魁君?」
「あ、あぁ……実はもうすぐ到着するんですよね、所長室に、で、何か可笑しい所があるんです」
「お、可笑しい所?それって?」
「それは『何処に所長室が有るか』、です」
厳魁の言葉を聞いて、祐介は眉を顰めて顰めた部分に右手の人差し指を置いて、唸る。
「う、うーん?ど、どういう事かなぁ?」
「簡単ですよ、僕が所長室に行った時は『こんなに長く感じなかった』と言う事です、ど、どう説明したら良いでしょうか?まるで『所長室迄の道程が長くなった』、と言えば良いのか……」
厳魁の発言を受け、そもそもこの施設の事を知らない四人は『へぇ、そうなのかぁ』と思った。
だが、『流石にそんな事はない』と思っていた厳魁は四人に頑張って説明する。
「え、えーとですね……今さっき何人か能力者が現れましたよね?でも、それは『有り得ない』んです、何故なら『地下に入って、所長室迄向かうのに数分程度で着く筈なんです、というより、地下の入り口から所長室迄の距離は精々20mから30m程度なんです』よ、だから可笑しいんです、こんなに長い道程だとは思わなくて……」
「そ、それは厳魁君の勘違いかもしれない、前に所長室に行ったのって何日前の事なんだい?」
厳魁の発言に祐介が割って入る、そして厳魁が答える。
「え、えっと……軽く三年は有ると思います」
「そうか……思い違いがあるかもしれない、もしくは勘違いとか……もう三年も経っている事だし、改装工事とかしているかもしれない」
「ですが、それなら壁の材質とか変わっている筈ですよ?思い違い、勘違い、だとしても、『長くなっている』というのは有り得ません、何故なら『僕は何度も何度も所長室に向かった事がある』からです」
厳魁の発言を受け、祐介は人差し指を立てて発言する。
「……もしも、もしもだ、『能力者が道程を伸ばしている』と言う事はないだろうか?」
「無いに決まっているでしょう!どんな能力なんですかそれぇ!?」
「し、知らないよ!多分『感覚を狂わせる』能力とかじゃない?」
「結構アバウトだなぁ!もう少し分かりやすい能力にして下さいよぉ!」
「そ、それを言われてもなぁ……」
祐介の言葉を聞いて、厳魁は逆切れを起こしてしまう、すると急に女性の声が聞こえた、その声はアニメ声で可愛かった。
「ちょっと……静かにしてくださる侵入者さん?もう夜遅いのです、喚いていては近所迷惑ですわ?」
「あっはい、すみませ……えっ?」
可愛い声を聞いて厳魁は謝ろうとしたが、言葉の内容を聞いて、『ん?』と思って変な声を出してしまう。
「今さっき、何て言いました?僕の耳だと、侵入者さん、と聞こえたのですが?」
「幻聴ですわ」
「それは幻聴じゃないと思うんですよね、だってそんな可愛い声をして聞き間違えるなんて」
「…………」
可愛い声の女性は無言になって、胸の中のクマのぬいぐるみを強く抱き締める。
「……幻聴だもん!」
「可愛い……!(アニメの魔法少女っぽい!)」
可愛い声の女性の声を聞いて、アリスが目を輝かせる。
「ねぇねぇお姉さん!何かアニメの声優とかしているの!?ねぇねぇ!(どうなのどうなの!?)」
「えっ?ちょっ、何この子?質問攻めは止め……」
アリスの口撃に可愛い声の女性はたじたじになる、祐介は目を輝かせるアリスを見て、先宮に話しかける。
「……アリスちゃん、魔法少女系のアニメでも見て、ハマっているんですか?」
「さ、さぁ?俺は仕事だから昼間は居ないから分からん……春華なら知っているかもしれんな……」
「なぁるほど……」
先宮の発言を受けて納得する祐介、そして可愛い声の女性に抱きつくアリスを弓華と厳魁が協力して引き剥がす。
「アリスちゃんも良い子だから、あの女性から離れて!あの人も困っているでしょう!ねぇっ!?」
「弓華さんの言う通りです!困っている様だから離れて、ねっ!?」
「えぇー!?いいじゃんいいじゃん!話位ぃ!(御願いだよ!)」
「……厭よ、侵入者と会話だなんて……私は孤独が好きなの、友達はクマタロウだけでいい……!」
そして何とか弓華と厳魁は可愛い声の女性からアリスを引き剥がし、何とか一安心する。
「何かすいませんね、うちの仲間が……」
「良いよ良いよ、『貴方達侵入者を足止めする事が出来た』から!」
「はぁっ?一体どう言う事で……」
目の前の可愛い声の女性の発言を聞いた厳魁が言い返そうとする、すると『急に厳魁と可愛い女性の間が開いた』のだ、えっ?何が起きて……?そう思った時には、目の前に居た可愛い声の女性は遠くに存在しており、豆粒、米粒の様に小さく見えた。
一体何が起きたんだ!?まさかこの女性は囮で、他の人間が能力を発動したのか!?厳魁はそう思いながら冷や汗を拭う──そして厭な予感がした厳魁は背後の四人を確認する、すると背後の四人は可愛い女性の様に『豆粒、米粒の様に小さく、遠くに存在』していた。
ど、どういう事だ!?何が起きたんだ!?厳魁はそう思いながら、離れた四人を走って追いかける──


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