コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.69 )
- 日時: 2016/11/09 21:19
- 名前: 彩都 (ID: 1lEcCkWN)
「祐介ー?昼ご飯出来たよー?降りてきてー?」
母がそう言った瞬間、階段から祐介が降りてくる、あまりにもタイミングが良過ぎて母は驚いてしまう。
「うわーお……ナイスタイミングだねぇ、今日は炒飯だよ?今日の出来は結構良いんだ」
……昨日も炒飯だったんだけどなぁ……、祐介はそう思いながら冷や汗を掻く。
「んで?今日のはどう出来が良いんだ?焼き目?良く炒められたとか?」
祐介がそう言うと母は言う。
「フッフッフッ……違うよ、今日は炒飯を炒めるのにいい調味料を買ったのさ!それで食べたら何と!美味しかった」
「何だ、美味しかっただけか──母さんが『美味い』と言うんだ、とても美味しいんだろうね?」
祐介がそう言うと、母は無い胸を前に押し出しながら言う。
「そうです!美味かった!明日からこの調味料で炒飯を作るよ!」
「今日じゃないのかよ!?」
祐介がツッコむ、すると母は言う。
「アハハ……いや、言葉の綾だよ……勿論、今日の昼飯の炒飯に使ったけどね!」
母がそう言うと祐介の腕を引っ張って、リビングに向かわせる、祐介は母の力におっとっと、と千鳥足になりかけた。
すると鼻腔を擽(くすぐ)る良い匂いがする、とても美味そうな匂い、祐介はその匂いの元に近付く、すると目の前に母が言っていた炒飯があった。
これかぁ……美味そうな匂いをしている、だが、俺の味覚と合うかは分からない──祐介はそう思いながら、椅子に座って、一口、蓮華で掬って食べてみる──
ドクンッ、と口の中に広がる熱気と味、そして祐介は思う──これは美味い、と──祐介はそのまま、熱く、炒めたご飯を無心、無言のまま食べ続ける。
その姿を見て、母は呟く。
「やっぱり……親子だから味覚が似るのかなぁ……?」
母は祐介の食べっぷりを見ながら自分も炒飯を食べ始める──母も祐介と同じ様に、炒飯を無言で食べ続ける──
「ふぅー、美味しかったぁ……」
祐介はそう言いながら冷たい水を飲み込んでいく、昼ご飯が熱々の出来立てだったので、食道が焼ける様に熱い、もしくは火傷しているかもしれない、祐介はそう思いながら二杯目の水に小さな氷を入れて、ゆっくり飲み込んでいく。
「熱かったんなら、ゆっくり食べれば良かったのに──」
母が炒飯を装ったお皿をスポンジと洗剤で洗う、カチャカチャと食器と食器が擦れる音がキッチンに響く。
母の言葉に対し、祐介は呟く。
「俺みたいにがつがつ食っていた母親本人が何を言うか」
「ありゃ、バレてたのかい?」
母が笑いながらそう言うと祐介は呆れながら言う。
「そりゃあ、蓮華でカチャカチャ鳴らしていたし、俺は音を減らそうとしても音が鳴っていたし、俺が食べ終わった後もカチャカチャ音が鳴っていたし──母さん、アンタ以外に音を鳴らした人物は居ないよ?」
祐介がそう言うと母は笑う。
「そうかそうか、フフフ」
「何だか怖い笑いだなぁ……さて、少し出かけてくるよ」
「あら?急にどうしたの?」
祐介が立ち上がって言う、祐介の発言に対し、母がそう言うと祐介は言い返す。
「まぁね──ちょっとコンビニで立ち読みとかしたくなってきた」
「そう?コンビニの迷惑にならない様に立ち読みしなさい?」
母がそう言うと祐介は言う。
「母として、その発言はどうかと思うけど──」
「ん?何か言った?」
祐介の小言に対し、母が反応する。
「なっ、何でもないよ、今日の母さんもロリロリしているなってだけの話」
祐介がそう言うと、母が言う。
「あら?何時の間にロリコン属性が付いたのかしら?付けた覚えは無いけど……まさかロリコンの知り合いが属性を付けたか!?全く──困るわねぇ、私だって見た目はろりぃけど、中身と実年齢は──」
「はいはい……分かりました分かりました、お巫山戯です、すいませんでした、生憎俺はロリコン属性より、お姉さん属性かもしれない、もしくは琴音ちゃん属性」
祐介がそう言うと母が言う。
「お姉さん属性は分かるけど、琴音ちゃん属性って──祐介は本当、アイドルが好きねぇ……」
「そう?人並みだよ、ひーとーなーみー」
「はいはい……とりあえず、祐介にはロリコン属性と母親を襲う属性に育てないと」
「分かった、つまり、母親をボコれ、と?」
「あら?何気に話が通じない、つまり、母親とえっちな関係に──」
母がそう言う瞬間に祐介が遮る。
「何でだよ!?何で母親とそんな事をしなくちゃいけないんだよ……ってコンビニで立ち読みする話から、何で属性の話になったんだ?どう展開したらコンビニの立ち読みの話から、ロリコン属性とか、属性の話になったんだ?」
祐介がそう言いながら頭を抱える、そして祐介は溜息を吐いてから、呟く。
「まぁ、とりあえず、コンビニで立ち読みしてくる、んじゃ、行ってきます」
「行ってらっさい、出来れば何かレジの隣のホットスナックとか買って来てくれる?何か食べたい」
「……太るぞ、母さん」
祐介がそう言うと母が言う。
「甘いね、私は太らない、それだけには自信があるからね!じゃっ、行ってらっさい」
「はいはい、レジの隣のホットスナックね」
祐介はそう言って、二階の自室に向かい、財布をポケットに入れて、家を出る、そして祐介はのんびりと歩く──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.70 )
- 日時: 2016/11/16 20:34
- 名前: 彩都 (ID: sFi8OMZI)
「…………」
無言のまま祐介は歩いていた、向かうのはコンビニ──ではなく、アイスクリンのあるお店である。
「さぁ、さっさと行って、怪しまれない様に行動しないとな」
祐介はそう言って、電車に乗って、移動する。
そしてアイスクリンのあるバス停がある駅に辿り着く、祐介は電車を降りて、駅から出る、更に少し歩いて、アイスクリンのお店を捜す、すると案外簡単に見付かる。
「やぁ、お姉さん?」
祐介はそう言うと、本を読んでいたポニーテールの女性は顔を上げて、驚く。
「あれっ?この前のお客さんじゃないですか、どうかしたんですか?まさかリピーターになってくれるんですか?」
「はい、そうですね、自分、此処のアイスクリンにハマってしまいました」
祐介がそう言うと、ポニーテールの女性は喜んだ。
「そうなんですか!?有難う御座います!いやぁ、嬉しいなぁ……何とも嬉しいですよ、アイスクリンを作った甲斐がありますよ!」
ポニーテールの女性はそう言って、アイスクリームディッシャーを持って、カチカチと音を鳴らす。
「そうですか……それは嬉しいです、あ、アイスクリン一つ下さい」
祐介はアイスクリームディッシャーを持ったポニーテールの女性を見て、注文する事にした、アイスクリンは一つだ。
「はい、有難う御座います!お一つ三百円です!」
ポニーテールの女性がそう言うと、祐介は財布から、五百円玉を取り出して、支払う、ポニーテールの女性は、アイスクリンを掬う前に二百円のお釣りを祐介に渡す。
「有難う御座います、えっと、お客さんの名前は?」
突然自分の名前を問われて、祐介は驚く、だが少し間が経ってから、祐介は答えた。
「えっ……?あぁ、長谷川祐介です、長い、谷に、流れる川、それで長谷川、カタカナのネに左右の右で、祐、介護の介で、介、それで祐介です」
「有難う御座います、祐介君……って呼んでもいいかな?」
ポニーテールの女性がそう言うと、祐介は返答する。
「ん?何でも良いですよ──逆に聞きますが、貴女の名前も聞いていいですか?」
祐介が逆にポニーテールの女性に言い返すと、ポニーテールの女性は、少し驚きながら顔を赤くして、恥ずかしそうに言う。
「えっ!?えっと……その……私の名前ですか?私の名前は雹利谷氷檻(ひょうりだに こおり)と申します、雹利谷でも、氷檻でも良いですよ?」
ポニーテールの女性──雹利谷氷檻──は祐介にそう言う。
「雹利谷、氷檻……氷檻さんでいいですか?」
と、祐介は氷檻に名前を問う、すると氷檻は祐介に対し、返答する。
「あっ、はい、それでも良いですよ、祐介君……」
氷檻はそう言って、コーンにアイスクリンを乗せて、祐介に渡す。
「はい、アイスクリンの完成です、有難う御座いますね!」
氷檻は可愛い顔で笑顔を作る、祐介はアイスクリンが乗ったコーンを貰って、氷檻に向かって言う。
「有難う御座います、時間があったら、また来ますね──」
祐介はそう言って、その場を離れた、すると氷檻が祐介に向かって手を振って、叫ぶ。
「ご利用有難う御座いましたー!またのお越しをー!」
祐介は氷檻のその言葉を聞いて、少し、にやり、と口の端を上げて、駅に向かった──
また、来ますね──そう思って、祐介は心の中で呟いた──
「えーと、確か、レジの隣のホットスナックを買えば良いんだっけ……」
祐介は氷檻の居る駅からアイスクリンを食べながら自宅が有る駅に着いて、アイスクリンのゴミを捨てて、コンビニに寄ろうとしていた。
「うーん、適当に買うのもなぁ……とりあえず、立ち読みしてから考えよう」
祐介は一人、ブツブツ言いながらコンビニに入店する、そして週刊誌を読み耽る。
「フフッ、何これ……爆笑だわぁ」
祐介は隠れて笑いながらページを捲っていく、そして読み終わって、祐介は溜息を吐く。
「あー、面白かった……早く母さんのホットスナック買って帰ろうか……」
祐介はそう呟いてから、コンビニの入口近くの籠を手に取って、500mlのジュースを入れたりして、レジに向かう。
「いらっしゃいませー、カードはお持ちでしょうかー?」
「いや、無いです」
「それではお作りしますか?」
店員のカード作成攻撃に対し、祐介はそれを拒否する。
「あっ、良いです」
「そうですか、祐介君……」
不意に、自分の名前を呼ばれたので、頭を垂れながら、財布の中を確認していた祐介は頭を上げた、するとレジの店員が厳魁さんだった。
「えっ……?」
「はろはろー、祐介君?」
柔らかな笑顔を作って、厳魁は、手を振った。
「えっ? 何で厳魁さんが……?」
「俺だって、働かないといけないよ、何時迄も親の脛は齧れないからね……」
厳魁がそう言うと、祐介は言う。
「そうなんですか……」
祐介がそう言うと、厳魁は祐介に向かって言う。
「あぁ、そうだ、祐介君、後で少し話があるんだ、だから後で会わないかい?時間は指定するからさ?」
「えっ?いいですけど……あっ、『フライドチキン骨なし』一つ下さい」
祐介がそう言うと、厳魁は少し微笑んだ。
「有難う、祐介君──えーと、『フライドチキン骨なし』一つだね──」
厳魁はホットスナックのショーケースから、『フライドチキン骨無し』をトングで取って、袋に入れる。
そして祐介は会計を済ませ、レジ袋を持って、家に帰宅した──そして数時間後、スマホにメールが来た、メールの主は厳魁だ、祐介はメールを確認して、自分の家に来るよう、メールで案内する。
そして家に厳魁が来る、祐介は自室に案内して、厳魁を座らせて、話を聞いた──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.71 )
- 日時: 2016/11/23 20:49
- 名前: 彩都 (ID: eso4ou16)
「…………」
「…………」
無言のまま、祐介と厳魁の二人はその場で座って誰かが声を出すのを待つ、そして数分が経った、仕方なく、祐介は厳魁に言う。
「はぁ、一体何なんですか?こうやって黙っていても分かりません、生憎テレパシスな人間じゃないので──」
「あっ、そうだよね……えーと、今から話すのは僕の決意の言葉だ、どうか、受け取って、協力して欲しい……!」
「…………協力?」
祐介は不思議そうに厳魁に言う、そして厳魁は話し始める──
「ねぇ、祐介君、僕と君が出会った時を覚えているかい?」
「えっ?何でそんな少し前の事を──まぁ、覚えていますよ、雨が降っていたんですから」
「だよね、そこで話した事を覚えているかい?」
厳魁がそう言うと、祐介は不思議がる。
「いや、もう覚えていませんけど……」
「だよね、分かってた、だから思い出させるよ──『『神』の製作』──」
厳魁がそう言った瞬間、祐介はやっと思い出す。
「あぁ!ありましたね!確か『能力の開発』がどうとかって……確かその研究所で、厳魁さんの能力を研究されたとか」
「そうだね、で、その研究所の話だよ」
厳魁は大きく息を吸って、静かに祐介に言う。
「祐介君……僕と共にその研究所を壊して欲しい、もう跡形も無く、ね?」
厳魁の言葉を聞いて、祐介は驚く。
「はぁ?何言ってんですか?研究所を壊す?って、どういう事なんですか?何があって、その発想に!?」
「うん、やっぱりそうだよね、そう言う反応だよね、優もそうだったよ、『祐介さんにそんな話をするなんて、どういう意図があるんだよ!?』ってね」
厳魁は祐介の言葉を聞いて、ニコニコ笑いながら悲しむ、だが祐介は厳魁の『研究所を壊す理由』が知りたかった。
「そうじゃなくてですね!何で研究所を壊そうと思ったんですか!?確かに厳魁さんと優君には厭な出来事、厭な場所かもしれない!でも!」
「祐介君、男はね、黙って行動しなきゃいけないんだよ?例え、それが『家族』でも……!」
「でも!」
祐介が唸る、すると溜息を吐いて、厳魁が言った。
「分かったよ……実は君と出会った後、考えたんだ、『研究所が厭なら、壊せば良いのでは……?』とね、自分は一応は研究所の関係者だ、だから……もう犠牲を出さない為に壊さないといけない、『神』も、『『神』の製作』も止めよう?その製作でもしも少年少女の命が無くなる、と考えると……!」
「つまり、『『神』の製作』を止める為に厳魁さんは研究所を壊すんですね……!?」
祐介が要約すると厳魁は頷く……厳魁の言葉に祐介は言葉を紡ぐ。
「…………分かりました、手伝いましょう、犠牲は出したくないですからね、こっちだって準備があります、だから、一緒に研究所を壊しましょう!」
祐介はそう言って、厳魁と握手をする、厳魁も、涙を出しながら頷く。
「有難う!最後の頼みは君なんだ!僕は頼れる人が居ないからね、優以外は……!」
「最後の頼み、ですかぁ……中々重大な存在に聞こえますね」
祐介がそう言うと、厳魁は笑いながら祐介に言う。
「そりゃそうじゃない、君は世界を救う為に未来から未来の君が来たんだ、君が総大将と言っても過言では無いよ」
「うーわ、何だか世界を救うのが難しく感じてきたぞー?」
祐介は少し呆れながら呟く……そして祐介が言う。
「それで、何時行くんですか?その研究所に?」
祐介の言葉に厳魁が言う。
「そうだねぇ……来週の土曜日かなぁ?翌日は日曜日で休めるからね」
「成程、来週の土曜日ですね、分かりました、こちらも仲間を集めて行くんで、何処で集合しましょうか?」
「そうだな、どうする?現地集合……は祐介君が知らないし、とりあえず、祐介君の家で良いかなぁ?」
「えぇ、大丈夫ですよ、では来週の土曜日に!」
「あぁ!これは僕の一大決心だ、僕が死んでも良い、と思いながら研究所を壊そう!」
「それはちょっと……生きないとダメですよ!」
厳魁の言葉に対し、祐介はツッコミを入れる──来週の土曜日、この家の前に集まって、『『神』を製作』する研究所を壊す──祐介はスマホのメモ機能を使用して、メモを取る──祐介は研究所の事を思いながら、厳魁を帰らせた──
研究所──
「あへ……あへ……漫画描くのは楽しいなぁ……あへ……」
坊主の男性が涎を垂らしながら、両目がバラバラの方向を見ている、だが坊主の男性の手元にある、タッチ式のパネルには、綺麗な漫画のネームが出来ていた、とても今の状態の坊主の男性が描いた物とは思えない線画だった。
すると一人の男性が、坊主の男性を見ていた女性に話しかける。
「彼は?」
「彼ですか?漫画家です、この漫画家、『『神』の製作』に対し今現在最も『適合する肉体』です、彼が『神』になったら、相当面白い漫画と共に、世界を統一してくれると嬉しいですね」
「そうか、彼が『神』候補の一人、最も『適合する肉体』ね──」
男性はそう言いながらその場から離れる──さぁ、早く『『神』の製作』を行わなくては──男性はそう思いながらほくそ笑む──『神』の完成迄もう少し。
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.72 )
- 日時: 2016/11/30 21:50
- 名前: 彩都 (ID: 4mrTcNGz)
「…………」
考えろ、考えろ、俺と厳魁さん、其の他二人、三人が欲しい……そう思いながら祐介は悩んでいた、その理由は簡単だ、厳魁さんの言った、『『神』を製作』する機関を壊す為にメンバーを考えなければならないのだ。
まず、此処で二人が消える、他に誰を入れようか……?と考えて祐介は自分の頭の中の人を数える、うーん、いい人が居ないなぁ……そう思っていると家のチャイムが鳴った、こんな朝からなんだろう?と思いながら外に向かう、すると琴音が居た。
「えっ?琴音ちゃん?何でこんな朝早くから……?」
祐介がそう言うと、琴音が持っていた鞄で祐介は叩かれる、とても痛かった。
「祐介君!昨日の約束!」
琴音はそう言って、顔を赤く染めた、昨日の約束?何だったかな……?と、そう思い、スマホを確認する、メール欄を先に確認した、すると、『明日の朝九時に雄介君の家の前で待っているね』というメールが来ていた、あっ、思い出した、昨日は厳魁さんの話を考えていて、琴音ちゃんの事を完全に忘れてしまっていた、これは大失態だ。
祐介はそう思って、急いで服を着替えに二階の自室に向かって、着替えを行う、そして財布をポケットに入れて、玄関に向かう。
「ゴメンゴメン、昨日、琴音ちゃんと遊べると思ってたら、時間を忘れてたよゴメン」
「全く……しっかりしてよね!私の大事な休日が簡単に崩れ去る所だったわ!」
「アハハ……ゴメンゴメン……」
祐介は謝りながら琴音と一緒に外を出る──の前に、母の寝室に向かう、母はまだ寝ている、今日は琴音ちゃんと楽しい一日を過ごそう、そう思いながら祐介は深呼吸をする。
「ねぇ、祐介君?朝よねぇ?一緒に朝ご飯を食べない?」
琴音が言った、確かに、昨日の晩御飯から何も食べていない、流石にお腹が減っている、琴音ちゃんと一緒に朝ご飯か、そう思いながら琴音は先に先にへと進んでいく、祐介は勝手に進む琴音を追いかける。
「待ってよぉ!」
祐介はそう言って、駆け足で琴音を追いかける、すると琴音は急に立ち止まり、駆け足で走る祐介に言った。
「此処で食べない?」
そう言って、琴音はお店に向かって指を指す、祐介は指を指す方向へと顔を向ける、そこにあったのは、レストランだった、親子連れの家族が多い安いレストランだった。
「……此処で良いの、琴音ちゃん?もっと高級そうなの選ぶと思ってた」
祐介がそう言うと、琴音が顔を赤く染めて言う。
「アイドルの前は一般市民だっつーの!」
「あっ、そっか、生まれて直後のアイドルじゃないしね」
「何その言い方、少し腹が立つわ」
「あっゴメン」
流石に暴言が過ぎたか?と思いながら、祐介と琴音はレストランに入店した──
「とりあえず、『ドリンクバー』、二つ、後、『季節の野菜ふんだん! ハンバーグ』を一つ、それと『コーンポタージュ』を一つ、えーと、『シフォンケーキ』を一つで」
琴音が店員に注文する、さぁ、自分も考えなくては……
「えーと、俺は、『チーズたっぷり! チーズハンバーグ』を一つ、『ライス 大』を一つ、『明太子パスタ』を一つ──これでいいかな、では、それだけで御願いします」
祐介がそう言うと、店員はタッチパネルで入力していく。
「えーと、ご注文を繰り返します、『季節の野菜ふんだん! ハンバーグ』がお一つ、『チーズたっぷり! チーズハンバーグ』がお一つ、『明太子パスタ』がお一つ、『ライス 大』はお一つ、『コーンポタージュ』がお一つ、『シフォンケーキ』がお一つ、と、『ドリンクバー』がお二つで宜しかったでしょうか?」
「えぇ、大丈夫です」
琴音がそう言うと、店員は『畏まりました』と言って、琴音から離れた。
よし、これで注文は終わった、後は待つだけだな……そう思いながら祐介は考えた、来週の土曜日、誰と共に『『神』を製作』する機関に行くのかを……まず、琴音ちゃんを勧誘しようか、その方がとても安心だ、彼女の能力は相当強い、強いからこそ、頼りになる存在だ……だけど、春華ちゃんを救った時の様に簡単に頷いてくれるだろうか?それが心配、それが不安──だけど、琴音ちゃんはアイドルである、来週の土曜日、なんてピンポイントな日にちなのか?だから……琴音ちゃんは参加させられない──
「君……介君!祐介君!!」
「ハッ!?」
いきなりの琴音の怒号に気が付いた祐介、えっと……今はどういう状況なのだろう?そう思い、机を見る、机には色々な料理──琴音と祐介が頼んだ料理だ──が置いてあった、あれっ?考える時間が長かったか?と思いながら琴音は祐介に言う。
「ドリンクバー、頼んでるから、行きましょう?」
「えっ?あぁ、うん……」
何時の間に時間が過ぎ去ったんだ、と思いながら祐介はスマホで時間を確認する、時間は注文して、二十分も経っていた、それだけ時間が経つのなら、料理も運ばれて来る訳だ。
さぁ、自分もドリンクバーでドリンクを取りに行かないと……祐介はそう思いながらその場で立ち上がり、ドリンクバーがある場所へと移動する──祐介は深呼吸して、考える、来週の土曜日、誰と一緒に厳魁と『『神』を製作』する機関へ行くかを……
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.73 )
- 日時: 2016/12/07 21:09
- 名前: 彩都 (ID: noCtoyMf)
「祐介君はさ、アイドルとして頑張る私を見てどう思う?」
琴音のいきなりの発言に対し、祐介は驚く、えっ?『アイドルとしての私を見て、どう思う?』どういう事なんだ?琴音ちゃんは何が言いたいのだろう?
「私はさ、結構頑張ったと思うんだ、だから……」
琴音が言う、だが途中で止まる、祐介は不思議そうに思いながら琴音の言葉を待つ。
「だからさ……言いたい事は分かるかな、祐介君?」
「ゴメン、情報量が少なくて分からないよ……」
祐介は今の気持ちを素直に言う、すると琴音は諦めて、本音を祐介に言う。
「私……大学に行きたい、だからアイドルを辞めたいの、つまり、アイドルとしての活動はもう二年を切ったわ、私はアイドルを辞めてでも大学に行きたい、大学でちやほやされたくないからアイドルを辞めるの……」
「……アイドルを辞めるねぇ、でも逆に言うけど、『ファンの皆を裏切る』っていう行為になりかねないんだけど、そこはどう考えてるの?」
祐介の痛い言葉に琴音は涙ぐむ、苦しい選択、苦しい選択だったのに私は今でもファンの事が大事……!だけど、大学に行くにはそんなファンでさえ捨てなければならない……!
「……で、でも、私は大学に行く為に」
「でももすもももないよ、考えを聞きたいんだ、大学の話はしていないよ」
「……そ、そうだよね……私は苦しい選択だよ、最初は数人、数十人だったけど、今では数万、数十万、最高数百万のファンが自分についてきてくれている、そんなファンを私は捨てたくない……!どうしたらいいの祐介君?私に正しい選択は無いの?ねぇ、答えられるなら答えて?祐介君は私のファンなんでしょう?だから少しは理解出来ると思うんだ、私の気持ちに……だって一番近いファンだったから──」
「…………」
無言、琴音の言葉に対し、祐介は無言で返した、決して回答が面倒だった、という訳でもなく、ただただ、難しかった、『ファンも琴音ちゃんも安心出来る方法』が思いつかなかったのだ、どうしたらいい回答が出来る?ただの一般人の自分がアイドル、ましてや芸能人の未来を決めても良いのか?いや、答えは簡単だ、『勝手に決めるな』、だ──琴音ちゃんはそれを自分で考えないといけないんだ、だから自分では答にも回答にも、模範解答にも出来無いんだよ……祐介はそう思いながら琴音に言う。
「……それは、簡単だよ、『ファンだったら琴音ちゃんの事を応援する』に決まっているさ、俺だって琴音ちゃんが好きだ、だからこそ、大学でも頑張って欲しいと思うし、大学に行く為にはアイドルを辞めるって言う気持ちも尊重しなければならない、だから……『琴音ちゃんの好きな様にしたらいいんじゃないかな』?琴音ちゃんって言うアイドルも琴音っていう人間も、『一人しか居ないんだ』、だからそういう考えはもっともっと考えてから出してもいいと思うんだ、今決断する時じゃない、もっと、もっとその先でも大丈夫だと思うんだ、琴音ちゃん、今の気持ちを率直に答えると、『ファンの皆を捨ててでも大学に行って欲しい』、と言ってもただの一般人のファンの言葉だから気にしないで!それを決めるのは琴音ちゃん自身だと思うんだ、俺の回答なんか意味無いと思う……だから大学に行ってもいいと思うよ、自分はね……って琴音ちゃん!?」
祐介の言葉にただただ琴音は泣いていた、何て弱いんだろう、私は……そうだよね、『一人しか居ない』、正論だ、確かに正論だ、だからこそ……『祐介君の言葉は正しい』、やっぱり祐介君に話して良かったな、と琴音は思う。
「相談に乗ってくれて有難うね、祐介君……大学に行っても、影で応援してくれるファンがいるかもしれない、だから私、頑張るよ、大学でも!」
琴音がそういうと、祐介は溜息を吐く。
「それでいいんだよ琴音ちゃん?全部全部君が決めたらいい、君の人生に指図する者は居ないんだ、君の恋愛も、君の結婚も、君の初体験も……全部全部君が決めたら良いんだよ、俺は琴音ちゃんが好きだからそう言うだけだけどね、アハハ……」
祐介がそう言うと、琴音は祐介の顔をガン見して言う。
「ねぇ、祐介君、『琴音ちゃんが好き』って言葉、ホンモノ?」
「えっ?何を言っているんだよ琴音ちゃん?そりゃ本物に決まっているさ、それのなにが……」
祐介が焦る、だが琴音は祐介を見続ける。
「その『好き』は『一般人がその子を好きだから自分も便乗して『好き』って言っている』だけじゃないよね?『恋愛感情としての『好き』』、だよね?」
「それってどういう……?」
祐介は驚く、何を言っているんだ琴音ちゃんは……?すると琴音はとんでもない事を言う。
「『恋愛感情としての『好き』』なら出来るよね?」
「な、何をだよ……?」
「何って……ホテルに行きましょう?『恋愛感情としての『好き』』なら出来る筈よ、私を襲う事位」
琴音がそう言うと、祐介はパスタを食べていたフォークを落とす。
「は……はぁ?」
祐介はただただ琴音の言葉に困惑する事しか出来なかった──そして二人の朝ご飯はもうじき終焉を迎える──
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