コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.74 )
- 日時: 2016/12/14 21:39
- 名前: 彩都 (ID: RuL2wqqJ)
シャーシャーとシャワーの音が聞こえる、そんな部屋がある寝室に一人、ベッドに座る祐介が居た。
「…………」
どうしろと?そう思いながら大きく深呼吸をする。
事の始まりはこうだ……琴音ちゃんが『私が好きなら襲えるでしょ?』と言って、ご飯が食べ終わった後、ホテルへと連れ込んだ、そのホテルがどういうホテルかは察して欲しいですが……その前に可笑しい、何だか怖い、どういう意味の恐怖かは分からないが、何と言うか……『言えない恐怖』と言う感じだ、まさかこれが恐妻家の夫の気持ちなのだろうか?とか思いながら大きく溜息を吐く祐介、何でそういう事をしようと思うかなぁ?ていうかさ、自分はそんなホテルでの一軒の事より厳魁さんの事を実行しないといけないのに何なのこの迂回ルートは?生憎自分はこの迂回ルートを近道ルートにして急いで厳魁さんを助けないのだ、なのに何で自分は為すがままにホテルなんか来たんだろう……?祐介はそう思いながらベッドに凭れかかる、本当、今日は不運だな。
「はぁ、不運だなぁ、完全に不運だ、本当に不運だ、究極的に不運だ、何でこうなったんだ?自分は不幸過ぎるだろう」
そう呟きながら祐介は上着を脱ぐ、焦り過ぎて汗が出て、服が少し蒸れてしまった、なので上着を脱いだ。
はぁ、と一度大きな溜息をすると、風呂場のドアの開閉音がした、あ……出てきましたか、琴音お嬢が……自分はそう思いながら、身構える。
「あら?お風呂上がったわよ?」
「……上がったわよって」
「どうかしたの?」
祐介は風呂上りの琴音と会話する、琴音の格好はバスタオル一枚を体に巻いた姿だった。
「まさか自分だけ風呂に入らずに襲うスタイル?」
「そうじゃねぇ」
バスタオル姿の琴音にツッコむ祐介、すると琴音が祐介に近付いてきた。
「私は良いわよ?貴方の匂いが堪能出来るから?」
「凄く怖い言い方だね……」
琴音がそう言うと、祐介は少し焦りながら言う。
「そうかなぁ……?さっさとお風呂に入るか、私と絡むか、どうする?」
「……お風呂に入って頭を温めてくよ」
「何それ?面白いね」
「面白いかは分からないけれど……」
祐介はそう言って、お風呂場に向かった──
「…………」
祐介は無言のまま湯船に浸かって考える、さぁ、どうしたら良いんだ?相手を傷付けずに回避する方法……思い付かない、というより、初めてこんな場所に来たのだ、ドキドキしていて、頭の回転力が下がっている。
本当にヤバいな、完全に思考が纏まっていない、少しは纏まってくれよ、自分の脳味噌……考えようぜ?この状況を打破する考えを……!
「……うん、もうダメ、流れに身を任せるしかない、本当、もうダメかもしれないな」
祐介はそう呟いて、湯船に鼻の下迄浸かる、もう、為すがままに行動しよう、頑張って、抗おう、今の状況に。
「上がったよ、琴音ちゃん」
祐介はバスローブ姿で琴音の前に現れる、琴音は布団に入って完全に戦闘体制だった。
「あら、もう準備万端のようね──さぁ、大人の運動会でも始めましょう?」
琴音はそう言って、布団をパタパタと扇ぐ、だが祐介はその場で立ち止まって呟く。
「本当にそれで良いのかなぁ?」
「えっ?急にどうしたの祐介く……」
「本当に俺とそう言う行為をしたいのかって話」
「えっと……そりゃしたいわよ」
「違うね、本当はしたくない、痛い事はしたくない、汚れたくないって思ってる」
「はぁ?急にどうしたの祐介君……?」
急に変な事を言い出して琴音は焦る、祐介は思う、よし、成功した、と──
「実際の事だよね?したくないんだよ、琴音ちゃんは」
「え……どういう事?何が言いたいの?」
琴音は焦っている、そして祐介はトドメの言葉を言う。
「琴音ちゃんは『怖いと思っている、その行為』をね……怖がっている女の子を俺は襲えないし、襲いたくも無いんだ、だから、早く服を来てこんな場所、離れよう?」
「……ははっ?何それ、私が怯えてるって?怖いって?だから祐介君はそう言う行為をしたくないって?」
「そうだよ、俺は怖がっている琴音ちゃんなんか見たくない、そんな行為で怖がって欲しくない、普通に怖がって、普通の女子をしている琴音ちゃんが好き、アイドルをして、キラキラしている琴音ちゃんが好き、こんな行為で泣いている琴音ちゃんは嫌い」
祐介がそう言うと、琴音は祐介のバスローブの胸倉を掴む、そして琴音はバスタオルを脱いで言う。
「ほら!これならどう!?私の下着姿よ!生物よ!モノホンよ!!」
「…………」
祐介はそっぽを向いて見ようとしない。
「何で……何で見ないの?それ程私の体が醜いっての?」
「……もういい加減にしろよ、本当は怖いんだ、だから虚勢を張っている、たったそれだけ、もう素直になりなよ、『怖い』って言えばいいし、『痛いのは厭』って言えばいいし、たったそれだけなんだよ、俺は琴音ちゃんの本心が知りたい、だから本心を聞かせて?」
祐介が優しく言うと、琴音は泣き出した、そして祐介に抱き付いて泣き始めた──何とか回避出来たのか?と思いながら祐介は少し溜息を吐く、本当焦った、でも『痛い』、とか、『怖い』とかで、論破出来たのは驚きだけど……そう思いながら祐介は琴音の頭を撫でる──泣いてもいいから服だけは着て下さい、実は俺も寒いんだけど……
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.75 )
- 日時: 2016/12/21 21:24
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「ごめんなさい……」
服を着てベッドに座る琴音に対し、『大丈夫だよ』と呟く祐介。
「本当……私は追い詰められているなぁ」
「…………」
追い詰められている、その言葉の意味はあまり良く分からないが、窮地になっていた事だけは確かだ。
「どうして……」
「?」
「どうしてそういう行為をしようとしたの?」
祐介は我慢出来ずに琴音に聞いた、すると琴音はゆっくりと言い始めた──
「実はね……学校の女子と会話する事があるんだけどね、『私は彼氏ともうヤったしー』とか、『昨日初めてシたけど、気持ち良かったー』とか話を聞いていて、『琴っちはまだシていないのー?』とか言われたりしてて……後、次にやる──ドラマ、映画かは言えないけど──作品で人気アイドルがプロデューサーとホテルに入るって言う内容の一話完結型の作品の二話目に出演するんだけどね……結構本番に近い事をするって言ってて……」
「ちょっと、待って欲しい、女子の会話にて、琴音ちゃん、『琴っち』って言われてるの!?」
祐介がそう言うと、琴音は頷く。
「まぁね、一応は『琴っち』って言われてるね」
「そ、そうなのか……そしてその作品と女子の会話で押し潰されて俺とそう言う行為をしようと?」
祐介が要約してそう言うと、琴音は渋々頷いた。
「……成程なぁ、つまり、相当心が追い詰められたって訳なんだね」
「うん……何か、色々とゴメン、でも、シちゃう?今はそう言う状況だよ?」
「琴音ちゃんは人の話を聞いていたのかいないのか……」
祐介はそう呟きながら溜息を吐く、すると琴音は言う。
「そっ、そうだよね、やっぱり厭だよね……」
「……い、厭って訳じゃないんだけど……何と言ったらいいんだろう?俺は琴音ちゃんの事をよく知らないし──知ってても本だけの情報でしょ?だからもっと私生活とか、休日の過ごし方とか知れればまだ仲良くなれるけれど──勿論その逆、琴音ちゃんは俺の事をよく知らないだろう?言いたい事は簡単だ、『もっと仲良くなってからそう言う行為はしたい』ね、だから今の所は保留でいいかな?だから、もっと仲良くなろう?琴音ちゃんがよければ、もっと仲良くならないか?」
祐介の言葉に対し、琴音はクスッと笑った、何がそこ迄可笑しいのだろう?
「フフフ……アハハハハ!やっぱり面白いねぇ、祐介君は!私的には相当仲良しだとは思うけど、祐介はそう思っていなかったんだね……」
「いっ、いや、そう言う訳じゃないんだけど……」
祐介がそう言うと、琴音は笑っていた、まぁ、何とかホテルでは何も起きなかったし、良かった、とするか……祐介はそう思いながらホテルを出て、次の場所へと向かった──
「さぁ、次は何処へ行こうか……」
そう言った瞬間だった、祐介はアイスクリンのお店の事を思い出した、あぁ、琴音ちゃんにもあの味を知って欲しいな、そう思いながら琴音ちゃんに提案する。
「ねぇ、琴音ちゃん、『アイスクリン』って知ってる?」
祐介がそう言うと、琴音は首を傾げる。
「えっ?『アイスクリン』……?何それ?アイスクリームのパロディ?」
「いや、それは違うよ……昔っからあるんだけどなぁ……知らない人が多いのか、もしくは有名じゃないのか……」
「アイスクリンねぇ、それは美味しいの?」
琴音がそう言うと、祐介は琴音に言う。
「うん、美味しいよ、だけど素朴な味だから気に入るかか分からないけれどね」
「素朴な味ねぇ……少し気になるわ、その『アイスクリン』って食べ物がある場所に連れてってもらえないかしら?」
「あぁ、いいよ、だけど、電車で移動しないと無いんだよねぇ、あんまり作られていないかも」
「何それ……相当貴重じゃないの?」
「昔はよくあったけど……今ではあまりそう言うお店は無いねぇ……時の流れは非情なのかも知れないね」
祐介がそう言うと、琴音が呟く。
「祐介君、私とほぼほぼ同い年よね?何気にお爺さんみたいな雰囲気を感じるわ」
「フフッ、何で?一応十七歳ですけど……そこ迄有名じゃないのか、アイスクリンは……悲しいねぇ」
「まぁまぁ、そういう風に感じただけだし、まだ若いわよ、だって私と同い年だし」
「そうか、まだ若い、か……」
そう言う琴音に対し、祐介は思う、だったら未来の自分を見せたらどうなるだろう?どっちもどっちで驚くだろう、琴音ちゃんは琴音ちゃんで、『随分老けたジジィねぇ』とか言いそうだ、もしくは『きったないジジィね』とか……逆に未来の自分は『何て懐かしいんだ、琴音ちゃんがこんなに可愛いだなんて──今では……げふんげふん』とか、『未来の琴音ちゃんも自分みたいに老けとるわい!』とか言うのかな?そう思うと少しにやけてしまう。
にやけた祐介を見て、『何を考えているんだろう、祐介君は……?』と思ってしまう琴音、祐介に対し、少し引いてしまった──
「さぁ、そのアイスクリンを食べる為に電車に乗ろうか」
祐介がそう言うと、琴音が頷く、祐介達は氷檻のお店へと向かう──琴音ちゃんは氷檻さんの見た目に驚くかなぁ?と思いながら祐介は心の中で笑う。
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.76 )
- 日時: 2016/12/28 21:04
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「さぁ、此処だよ」
祐介はそう言って、バス停近くの氷檻のお店を案内する、暖簾には『アイスクリン販売中!!』の文字が書かれている。
「成程ねぇ……結構こじんまりしているお店なのね」
「ま、まぁそうだね……味は最高だよ」
祐介がそう言うと、琴音が祐介の言葉を聞かずに、氷檻のお店に突入する。
「すいませぇん」
「はいはい、すいません、本に夢中でして……って琴音ちゃん!?何でこんなこじんまりとした街に!?」
氷檻がそう言うと、ゆっくりと歩きながら氷檻の前に祐介が現れる、そして祐介が氷檻に言う。
「アハハッ!やっぱり驚きましたか……御久し振りです、祐介ッス」
祐介がそう言うと、氷檻が驚く。
「えぇっ!?琴音ちゃんと知り合いなんですか!?驚きですぅ……」
「うーん、やっぱり驚かれたか……琴音ちゃん、一応この人は──」
祐介がそう言った瞬間、琴音は氷檻の頭を撫でて感心する。
「でもこんなちっちゃい子が店番なんて……母親や父親はどういう考えなの!?何で一緒に行動しないの!?」
「……あ」
祐介が唖然となる、完全に氷檻の周りには赤いオーラが感じ取れた、流石にこのオーラはヤバい!少しでも話を逸らさないと!そう思い、祐介はアイスクリンを注文する。
「すっ、すいません氷檻さん、アイスクリン二つ下さいな!」
祐介がそう言うと、赤いオーラが感じ無くなった、何とか防いだ様だ。
「えーと、琴音ちゃん、氷檻さんは……自分達の二倍の年齢なんだけど……」
祐介が冷や汗を掻きながら琴音に言うと、琴音は驚いていた。
「えっ……?どういう事?まさか三十代って事?」
祐介がそう言うと、氷檻は『アハハ、言っちゃいますか、祐介君……』と半分笑いながら言う。
祐介と氷檻のやり取りに対し、琴音は頭を下げる。
「す、すいません!小学生みたいな扱いをして!まさか大人の女性だったなんて!」
琴音がそう言うと、氷檻は笑いながら言う。
「アハハ……大丈夫だよ、流石に頭撫でられた時は怒りが込み上がったけど……」
「あー!はいはい、分かりましたから、アイスクリンを二つ……」
祐介がそう言うと、氷檻は『あー、忘れてた、急いでやるよ』、と言って、コーンにアイスクリンを乗せていく、そして祐介に一つ、琴音に一つ渡す。
「今回は琴音ちゃんを見る事が出来たから、一つ三百円、合計二つで六百円の所だが、おまけで五百円でいいよ」
氷檻がそう言うと、琴音は喜ぶ。
「えっ!?良いんですかぁ!?いやぁ、すいませんねぇ、態々こんな失礼な事をしてもらったのに……」
「いいんだよ、流石に祐介君が止めてなかったら、ぶっつんしてたかもね!」
可愛い笑顔で言う氷檻、その笑顔に対し、琴音は恐怖を覚える。
「す、すいませんでした……」
「まぁ、割引してもらったし俺が払うか」
祐介はそう言って、財布から五百円玉を取り出す、その五百円玉を氷檻に渡す。
「有難う御座いますぅ」
「ふぅ、購入完了、さて、少し移動してベンチで食べよっか?」
祐介がそう言って、氷檻のお店から移動しようとする、すると氷檻が言う。
「っていうかぁ、何で祐介君が琴音ちゃんと一緒なの?まさか彼氏?」
「…………」
「…………」
聞くなよ、そんな事……と二人は思った後、氷檻に言う。
「流石にそれはありません、俺は一般人です、彼女はまだ居ません、琴音ちゃんはアイドルです、一般人の俺に適う様な人じゃあない、もっと相応しい人がいるんだ、その人と結婚とか、カップルになって欲しいですね」
「まだ私には彼氏が居ません、アイドルを続けている限り、彼氏は作りませんね……彼氏を作るなら、アイドルを辞める覚悟なので……!」
二人の言葉を聞いて、氷檻はにやにや笑って、二人に言う。
「でも二人共、カップルか?って言われたら、百人が百人がこう答えるよ、『カップルだ』ってね……もうカップルになっちゃいなよ?その方が私的にはお似合いと思うけどなぁ……」
「……それでも」
祐介がそう言うと、琴音が割って入る。
「流石にそれは無いですよ、氷檻さん……祐介君はただの男友達です、そうただの……いや、かけがえの無い男友達です、だからそんな関係になれません、そんな関係になったら祐介君の方が可哀想です、何人何十人ものの私のファンが祐介君を攻撃するかもしれないので……」
「……それが『琴音ちゃんの覚悟』かい?その覚悟も大切だ、だけど、『相手の覚悟』も聞いておかないとねぇ、祐介君?さぁ、『祐介君の覚悟』とやらも聞きたいねぇ、教えてくれるかい?」
「…………」
自分に振られた、何も考えていないので、言葉が思い付かない……だけど、言わないといけない、そう考えて、祐介は言葉を紡ぎ出す。
「あー、えっと……確かに琴音ちゃんの言う事も正しいかもしれない、だけど、俺の事は気にしなくても良いんだよ、琴音ちゃんの好きな様に、すればいい、俺の事なんか放っといていんだよ、自分の進みたい道に進んで欲しい、それが一ファンとしての言葉だ、そして俺個人の言葉は……」
祐介はそう言って、息を飲んだ後、二人の前で言う。
「俺個人の言葉は、『無言』で行かせてもらいます、自分の言葉では琴音ちゃんの運命なんか決められない、琴音ちゃんの運命を決めるのは琴音ちゃんしか居ないんです、だから『何も言いません』、俺自身は琴音ちゃんの言葉を尊重する、だから俺の言葉は『無言』なんです……何か優柔不断ですいません……」
祐介がそう言うと、氷檻は少し笑って、優しく言う。
「本当優しいね、祐介君は……」
「いや、あまり優しいとは思いませんけどね──」
「まぁ?私には優しく感じたけどね……それじゃあ『二人の覚悟』は聞いたし、楽しくアイスクリンでも食べてくれ」
氷檻はそう言って横に手を振る──祐介は思った、氷檻さんは何を言いたかったんだろう?そう思いながら歩く、琴音は自分の心の中で思う、氷檻さんの言葉……何でこんなに重く感じるんだろう?そう思いながらアイスクリンを食べていく──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.77 )
- 日時: 2017/01/04 20:39
- 名前: 彩都 (ID: n1enhNEv)
「ねぇ、祐介君」
「ん?何だい琴音ちゃん?」
祐介は琴音に呼ばれる、そして祐介は不思議そうに琴音に聞いた。
「氷檻さんの言っていた事、少し気になってね……『カップル』だなんて……まだまだ私はそんなの作る可能性があまり無いかもしれないのに……」
「えっ?琴音ちゃんまだ男性と付き合った事無いの?」
無頓着に祐介が言うと、顔を赤く染めながら琴音は頷く。
「うん、だからこうやって祐介君と一緒に二人で居るのは実はドキドキしているんだ、もしもこのドキドキが聞かれていたら恥ずかしい」
「……実際、同じ感覚だね、俺も少しドキドキしている、だって琴音ちゃんみたいな美しくて可愛い女性は滅多に居ないからね」
「……もうっ!恥ずかしいんだから!」
そう言って琴音は祐介の肩を思いっきり叩く、地味に力が強くて痛かったが、琴音はそんなの関係無しに言う。
「でもねぇ、確かに氷檻さんの言う通りかもしれない、私は彼氏を作った事が無いから分からないけれど、私達は『カップル』がお似合いかもしれないね!」
「そ、そうかなぁ?流石にそれは無いよ、だって琴音ちゃんはアイドル、アイドルに対して一般男性っていうのもね……似合わないと思う、だから琴音ちゃんは本当に好きな人と結婚した方が良いと思うよ、その方が幸せになれる──」
祐介がそう言うと、いきなり琴音は不思議な事を言った。
「ねぇ、祐介君、『幸せ』って何?それは好きな人と結婚して『幸せ』って言うの?好きな人と一緒に居れる事が『幸せ』なの?祐介君の考えを聞きたいなぁ」
「えっ?何小難しい事を……」
琴音の言葉に動揺する祐介、いきなりどうしたのだろう?そう思いながら返答する。
「うーん、自分の考えは、個人の場合は『『楽しい』と感じれたら『幸せ』』、二人以上なら、『一緒に居て『楽しい』って感じれたら『幸せ』』って思うな、まぁ、思うだけだけどね」
祐介がそう言うと、琴音は笑いながら言った。
「そっかぁ……『楽しい』が根幹に入っているんだね、祐介君の『幸せ』って……私はね、『心がほっかりする場所、相手』が『幸せ』って思う、心が温かくなるって言った方が良いのかな?」
「いや、それでも伝わったよ琴音ちゃん」
琴音の言葉に対し、祐介は反応する、そして琴音は優しい声で言った。
「そしてね、祐介君の『幸せ』も、私の『幸せ』も私の中では『今満たされている』んだよ──」
「えっ?それって──」
そう言った瞬間だった、祐介は琴音の方に向いて続きを言おうとした、すると祐介の唇に琴音の唇が重なった、一瞬の出来事だったが、祐介にとっては数十秒、数分にも感じられた、ドクンドクン、と心臓が高鳴る、頭の中では自分が琴音にされた行動の意味は理解していても琴音が何故この行動をしたのかは頭の中で整理が出来なかった。
そしてその行為を終えて、琴音は立ち上がった。
「それじゃっ!私、明日早いからこの辺で帰るね」
「…………」
「祐介君、また今度遊びましょうね!」
琴音はそう言って、祐介の前を離れた──そして祐介は一人ぼっちになって自分の唇に触れて呟いた。
「柔らかかったな……」
そして祐介は一人で氷檻の所に行った、そしてお代わりのアイスクリンを注文する事を考える、そしてのんびり歩いて氷檻の店に辿り着いた、そして開口一番に氷檻はとんでもない事を言った。
「どうしたの一人で?あっ、振られたのね!?まぁ、二人共若いからねぇ、意見の相違があったのかもしれないわねぇ……」
「分かれましたよ、確かに、ですがそう言う意味での分かれたって訳じゃないです、彼女はただ単に帰りました、『明日の仕事が早いから』って……それとアイスクリン一つ下さい」
「そう言う所はちゃっかりしているわね、何気に注文するその所……」
祐介の言葉に対し、少し呆れる氷檻、そしてコーンにアイスクリンを乗せる。
「三百円になります」
「五百円で」
「二百円のお釣りです」
「受け取ります」
祐介はお金を払ってアイスクリンを手に入れる、そしてアイスクリンを食べていると氷檻が突然とんでもない事を言い出した。
「ねぇ、祐介君、風の噂で聞いたんだけど、もうすぐ日本が隕石で消滅するらしいねぇ、んで、祐介君が日本を隕石から救うリーダーとして、頑張っているらしいわよねぇ?」
「……何故、その事を……?何時知った、何時聞いた、何時!?」
祐介が鬼気迫る顔で氷檻に言うと氷檻はメガネを上に上げるポーズを取る。
「フフフフフ……そんなの簡単さ、二人の人間に私は出会ったからね!」
「ふ、二人の人間?一体誰なんです?氷檻さん?」
氷檻の言葉に対し、不思議がる祐介、そんな祐介に対し、氷檻は胸の裾を引っ張る。
「フフフ、その情報は私の谷間に挟んでいるのさ!」
「そんな巫山戯た事をせずに教えて下さいよ!」
祐介がそう言うと、泣きながら氷檻は言う。
「うっ……漫画みたいな事をしようと思ったさ、だけど私には胸も谷間も無いからそんな事は出来なかった!」
「へぇ、無かったんですか、道理で幼い体型だなぁって思いました」
「煩い煩い!幼い体型って言うなぁ!一応は祐介君より二倍の年齢!」
「まぁ、確かにそうですけれど……ってその前にその二人って誰なんですか?」
「おっと、話を逸らしているがバレてしまった様だ、大丈夫だよ、谷間じゃなくてパンツに挟んである」
「外国のチップかよ!?」
「まぁまぁ、嘘なんだけどぉ、ほい、ちゃんと名前を聞いておいたから」
そう言って、氷檻はポケットから紙を取り出した、そして祐介はその紙を受け取って確認する。
「えっと……『長谷川祐介』、『田中幸子』基『綺羅星瑠璃御子』……って何でその二人なんですか!?」
祐介がそう言うと神妙な顔つきで氷檻は言う。
「祐介君、どぉーして君の名前と私の前に来たお爺さんが同じ名前なんだろうねぇ?君の口から根掘り葉掘り聞かせていただこうかぁ?一から十、いや、一から百迄ね!」
そう言って氷檻は祐介の事を引っ張って路地裏へと向かった──祐介はこの人は能力者だったのか、と判断して、話をする事を考える──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.78 )
- 日時: 2017/01/11 21:38
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「さて、それでは話してもらおうか?長谷川祐介君?」
氷檻はそう言って、祐介の胸倉を掴む、祐介は少し焦りながら心の声で呟く。
未来の自分が会話した、と言う事はこの人は能力者なのだろう、だけど何で怒っている様に感じるのだろう?そう考えながら祐介は返答する。
「……何から何迄でしょう?生憎話す事は多いんですからねぇ──」
「何から何迄って……そんなのは、何でそんな重要な事を大人に言わなかったんだ、って事、国連でも、警察でも良いじゃないか、もしくは総理大臣とかさぁ!?ガキってこういう隠す部分があるからあまり好きじゃないんだよなぁ……」
プツン、祐介の中で何かが切れた、そして祐介は少し怒鳴った。
「黙れよ、大人でも解決出来ないから、ガキがするんですよ!お前等大人は何でもかんでもガキ扱いしやがって!ソイツだって一人の人間だろ!?なのに何で『ガキと大人』ってカテゴリに分けるんだよ!19歳の男性女性はそれでもガキなのかよ!?」
祐介がそう言うと、氷檻も怒鳴る。
「そりゃそうだ!二十歳を超えていない人間は全てガキだ!何も可笑しくはない!」
「可笑しい!外国には18歳で大人と言う場所もあるんだよ、それに対しあんた等はまだ『ガキだ』って言うんかよ!?」
「……確かに外国ではそうかもしれないけどさぁ、此処は『日本』なんだよ、外国の法律は効かない」
「だけど!」
祐介がそう怒鳴っても彼女、氷檻には無駄だった、氷檻は祐介の頬を殴って怒鳴る。
「黙れ!ガキは大人に守られてろ!」
「…………」
痛い、今迄経験した痛みの中で最も痛い、何でこの人は『ガキ』って言葉にここ迄怒れるのだろう?少し不思議に思いながら殴られて倒れた祐介は立ち上がる──
「関係ない、全部全部関係ないさ!俺はガキでも日本を守るって決めたんだ!隕石から日本を守る!これは決心なんだ!自分の好きな国、日本を守る為にガキでも頑張る時代になったんだよ!」
祐介がそう言うと、氷檻は呆れた様に言う。
「ふぅ……その言葉を待っていたよ、祐介君──さて、話を聞こうか、隕石の話と私の能力の話を……!」
氷檻がそう言うと、祐介は驚いた、何だ、自分を試しただけなのか、そう思うと、少し安心した、そう胸を撫で下ろしながら祐介は氷檻に伝え始めた──
「単純に言えば約半年後にこの日本に隕石が降ってきて、日本が壊滅します、だけど何の因果か分かりませんが、『タイムマシン』が完成します、その『タイムマシン』を使用して、『タイムマシン』を作らない世界、つまり、『隕石が降っても日本が回避する』未来にしないといけないんですよ……なので、その未来を作る為に色々な能力者を集めているんですよ、その中に氷檻さんが居た迄です」
祐介が氷檻にそう説明すると、氷檻はうんうん、と頷いて、相槌を打つ、本当に理解をしているだろうか?と少し心配になるが、何とか理解しているのだろう、と判断する。
「ふぅん、それで?私の能力を使用して、隕石を回避したり、その他諸々って言う事?」
「はい、そうなります……って、氷檻さんってどんな能力者なんですか?」
氷檻の言葉に返答する祐介、祐介は氷檻の能力を確認する為にそう発言する、すると氷檻は右手を差し出して、大きく息を吸って、吐く……そして一気に右手に力を込める。
すると右手から氷の塊が現れる、その光景を見て、祐介は驚く。
「うわぁ!?氷が何も無い所から!?……と言う事は、氷檻さんは、『氷を生み出す』能力者……?」
祐介がそう言うと、氷檻は頷く、そして祐介に言う。
「そう言う事、私は『氷を作り出す』能力者さ……だけど、驚いたねぇ、あの琴音ちゃんだって能力者だなんて……」
氷檻がそう言って、うんうんと頷く、氷檻さんにとっては驚きなんだろうなぁ、と思う。
すると氷檻が祐介に言う。
「よし!まぁ、アンタの気持ちは聞いた、私も日本を救わせてくれ、この力で日本が救えるなら、安いもんだ!」
「えっ?最初は散々詰(なじ)っておいて、今更手の平返しかよ!?酷いですよ!完全に仲間になってくれないかと思いましたよ!?」
祐介はそう言って、冷や汗を掻いた、本当にこの人は……と呆れながら思う。
「まぁまぁ、まず仲間になる事は決まっていたんだ、後は君の言葉が聞きたかっただけ、たったそんだけさ」
氷檻がそう言うと、祐介はハァ、と溜息を吐きながら、呆れる、何なんだこの人は……少し面倒なタイプだなぁ、と祐介はそう思いながら路地裏を離れる──
「とりあえず、隕石から救うメンバーになるんですよね?」
「あぁ、そうだっての」
最終確認を取って、安堵する祐介、祐介はメアドが書かれた紙を氷檻に渡す。
「これ、俺のメアドです、このメアドに連絡さえくれれば、俺が他のメンバーにメールを送れます、『新メンバー加入!』って……」
祐介がそう言うと、氷檻はスマホを取り出して、赤外線通信をしようとする。
「打つとか面倒、だから赤外線ちゅうしん……」
噛んだ、噛んで可愛い言葉になったよ、このお姉さん……祐介は心の底で笑いながら氷檻を見る、すると氷檻は顔を赤くして、頬を膨らませていた。
「笑ってるでしょ、祐介君?」
「笑っていませんよ、ぶふぅ!」
流石に耐えられなくなり、噴いてしまう祐介、そんな祐介を見て、『笑っているじゃん!』と叫ぶ氷檻、と、とりあえず赤外線通信ね、それしないと登録出来ない……そう思いながら自分のスマホを起動して、氷檻と赤外線通信をする、そしてメアドを確認すると氷檻のメアドが登録されていた、すると氷檻が祐介にスマホを見せた。
「これで祐介君のメアドを手に入れた、これからメールが出来るね、それじゃあまた今度会いましょう……そして残り半年で日本を救おうね……!」
「はい……!」
氷檻の言葉を聞いて、祐介は力強く返答する、そして祐介は家に帰る為に駅へと向かった──これで新たな仲間を手に入れた、祐介はそう思いながら空を見て黄昏る──本当に隕石なんか降ってくるのだろうか?そう思いながら大きく息を吸った──
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