コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.169 )
日時: 2017/11/12 21:24
名前: 彩都 (ID: w93.1umH)  

祐介が呑気にスマホを弄って、時間を潰していると、目の前に一人の少女が現れる、その少女は深い帽子を被り、マスクをした琴音だった、帽子、マスクを外すと容姿端麗、明眸皓歯(めいぼうこうし)な見た目になったが、そんな彼女に祐介は気が付かなかった。
「ねぇ」
「…………」
「ねぇったら」
「…………」
「気づけ!」
「はっ!……あっ、琴音ちゃんだ」
「…………」
「ん?どうしたの?」
「あのねぇ……結構前に来ていたんだけどなぁ?」
「あっ、それはゴメン……」
しゅんとする祐介を見て、溜息を吐く琴音、この状態でどうやって遊ぶのか?琴音はそんな事を思いながら祐介に言う。
「それじゃあ、何処に行くか、決めた?」
「いや?別に……」
「えっ?決めておいてよ……」
「で、でも、遊ぶって話をしていたから、ゲームセンターに行く、みたいな事は考えていたけれど……」
「おっ!それはナイスな提案ね!流石祐介君ね!」
「まぁ、俺だって男だしね?少しは考えているよ……」
祐介は少し呆れた様に言い、スマホをポケットに直す、そして祐介と帽子、マスクをした琴音は一緒に歩き、電車へと秋葉原へと向かった──

「ってか、暑くないの?」
ふと、祐介は深く被った帽子、マスク姿の琴音に話しかける、すると琴音は低音ヴォイスで発言する。
「そうね……確かに暑いけど、正体がバレた方がもっと暑いわ」
「そ、そうなのか……それで、琴音──」
琴音ちゃん、と言おうとした祐介の口を急いで止める琴音、一体何なのだろうか?と思い、言葉を止め、琴音の言葉を待つ。
「あのねぇ、此処で私の名前を言ったらどうなるかしら?ファンが集まって暑くなるっての、後、君にも殺害予告が出るかもしれないのに?」
「あっ……」
言われて気が付いた、確かに琴音ちゃんは超有名なアイドルで歌手だ、そんな彼女と共に居る自分はどうなってしまうだろうか?通り魔に襲われるかもしれないし、最悪殺害予告が出てしまうかもしれない……何と言う事だ、自身と共に自分を護るとは……流石芸能人、自分はそう思い、静かに頭を下げる。
「ご、ゴメン……でも、道中どんな名前で話した方が良いのだろうか?」
ふと、祐介の問いに琴音は片手で顎を支えながら考える、そして安直に琴音は言う。
「そうね、面倒だし、琴ちゃんで」
「そ、それで本当に良いのかい?後悔はしないね?」
「えっ?何でそんな事を言うの?そんなに不備があったかしら、琴ちゃんって?」
「い、いや、逆に考えてみ?たった一文字抜いただけだし……?」
「気付く人は気付く、気付かない人には気付かないでしょ?だからセーフセーフ!」
「ほ、本当にセーフ、で良いのだろうか……?」
祐介はそう言って、『琴ちゃん』と呼ぶ事にした、そして祐介達は電車を降りて、秋葉原に行く道に乗り換える。
「フフフ、秋葉原……楽しみね!」
そう言う琴音に対し、祐介が不思議がる。
「ん?琴ちゃんは秋葉原に行った事が無いの?」
「い、一応は行った事があるわよ!で、でも、それは仕事だったし……遅めだったからね?こんな朝から行った事は無いわね、と言うかこれが二回目の秋葉原だったり」
「へぇ……琴ちゃんはやっぱり大変だね、仕事とかさ?」
「ま、まぁね?今働いて、今後、稼いだお金を使って隠居生活するわよ、矢張りお金は有限だしね?」
その話を聞いて、祐介は少し寂しくなった、最終的には琴音ちゃんも引退ねぇ……そう思うと少し悲しいや、そう思っていると、琴音が祐介に言う。
「まぁ、まだお金は満足する程少ないし、まだまだ働くけどね?」
「えっ……何だ、良かった……」
祐介がそう言うと、細目で祐介を睨む。
「何よ?今引退するとか思ったでしょ?流石に引退しないわよ、私を応援してくれる人が居る限りね……後、好きな人が出来る迄……」
「それは良かったよ、もしも引退したら、泣き喚くだろうね、俺は」
「アハハ……それを本人の前で言うか?」
「あぁ、言うさ、だって俺は琴音ちゃ……じゃなかった、琴ちゃんの事が好きだしさ?……あっ、えっと……それは歌っていたり、アイドル活動している琴ちゃんの事だからね!か、勘違いは困るからな!?」
そう言う祐介を見て、笑う琴音、琴音に笑われて、祐介は少し苦笑いになる。
「アハハハハハ!やっぱり祐介君は面白いなぁ、君、からかわれるでしょ?」
「い、いや、それは無いなぁ……高校でも、あまりからかわれてないよ?ぎゃ、逆にからかう方だし……」
「へぇ?そうには見えないなぁ?」
祐介がそう言うと、琴音は目を細めて、ニヤニヤ笑いながら祐介に言う。
「えぇっ?そうかなぁ……?隠れ属性的な奴かもねぇ?」
「隠れ属性じゃなくて、理解していなかっただけかもしれないわねぇ……?」
「そ、そうかなぁ……?」
祐介はそう呟いて、一つの事を思い出した、それは今朝の話、バスタオル一枚の母親の事だった、も、もしかして、自分は気付いていないが、自分は母にからかわれていたのかなぁ……?と思う、いや、流石にそれは無いだろう、と自分は却下する。
すると電車は『秋葉原ー秋葉原ー』と言うので、祐介は琴音に言う。
「さて、それじゃあ降りようか」
「そうだね」
琴音の言葉を聞いて、祐介は電車が止まるのを待つ、そして電車が止まり、祐介と琴音は共に電車を降り、二人は秋葉原の土地を踏んだ──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.170 )
日時: 2017/11/15 21:47
名前: 彩都 (ID: w93.1umH)  

「ふぅ……久し振りの秋葉原!懐かしの秋葉原!私は立った!あの秋葉原に!」
琴音はニコニコしながら祐介に近づいてはしゃぐ。
「うぉー!矢張り昔の仕事でも理解していたけど、やっぱり電気街!パソコンの器具や小道具を揃えている!」
「……遊園地にはしゃぐガキみたいねぇ、だからこそ可愛い」
祐介はそう言って、琴音の後ろに着いて行き、琴音の手を掴む。
「琴ちゃん、はぐれないようにちゃんと手を繋いでね?万が一はぐれたら困るし」
「あ、あぁ、そうだよね、はしゃぎ過ぎてた……」
琴音は少し顔を赤らめながら、祐介の左手を掴む、まるで恋人同士だな、と思いながら少しだけドキドキする、すると祐介が言う。
「まず、何処に行く?アニメ専門のお店とか?もしくは今さっき言っていたパソコンの小道具を見るかい?」
「うーん……確かにパソコンは欲しいと思っていたし……あぁ、でも、改造もしたいしなぁ……」
「それじゃあパソコンを改造する為に本屋でも向かおうか?」
祐介がそう言うと、琴音は不思議がり、首を傾げる。
「どーしてほんやに?」
「えっ?あぁ、そりゃ『パソコンの改造専用雑誌が売っている』からだよ、其処から情報を手に入れて、購入すればいい、と思ったが……何分ネットじゃあまり信用ならないし、何でもかんでも悪い方向に行くからなぁ……」
「へぇ、そうなのね……私、あんまりそう言う事に詳しくなくて……」
「いや、謝らなくても良いよ、逆に知った分賢くなった、と思えば……」
「成程、祐介君の言う通りかもしれないね、さて、それでは本屋に向かいますかぁ!」
「あぁ、そうだね、それじゃあ向かおう」
祐介と琴音はそう言って、近くの本屋へと向かい、『パソコン改造専用雑誌』を確認すべく、コーナーを探す──するとすぐに見付かった。
「おっ、あったあった……ふむふむ……」
「へぇ、こんなにも改造雑誌が……目が周る……」
「アハハ、確かにね……でも、その分、情報が濃厚だよ?」
目が周りそうになる琴音に対し、祐介はそう言って、琴音に説明する。
「そういや琴ちゃんのパソコンでどんな機種の?」
「えーと……確かバージョンは9(ナイン)の……」
「あぁ、それか、それなら俺も持っているから、ある程度は一緒の扱いで良いね?それじゃあこれはどうだろう?『i−スマート』と言って、インターネットの回線を高速化させるCPUなんだけど……」
「うーん、結構難しい……」
琴音はそう言って頭を垂れる、すると祐介はある事を思いつき、琴音に言う。
「うーん、あっ、そういえば琴ちゃんのパソコンって、何時買ったの?」
「えっ?買った時?買った時は……確か、去年、一昨年だった気が……」
「よし、それだけでも良いや、それじゃあパーツを買う前に少し家電量販店でパソコンを見よう」
「えっ?何でパソコンを?」
不思議に思う琴音に対し、祐介は説明をする。
「ん?簡単だよ、琴ちゃんが買ったパソコンを見れば、対応出来るパーツも分かるし、何分まず『琴ちゃんが触れているパソコン』だし、見ればすぐに分かる、そしてお店の店員に聞けば、少しは導入出来るパーツも分かるかもしれないしさぁ?」
祐介の話を聞いて、琴音は驚愕した表情を見せる、そして琴音は何とか言葉を紡いで言う。
「す、凄いね祐介君……流石男、女の私には考えが辿り着かない場所に……」
「い、いやいや、こんなんでそう言われても……」
琴音の言葉に祐介は呆れる、そして祐介達は家電量販店へと向かい、琴音が買ったパソコンの機種を探すべく、パソコンコーナーを歩き回る、すると琴音が声を上げて祐介の服の裾を掴む。
「あっ!祐介君!あれだよあれ!あのピンクの!」
「えっ?ピンク……あぁ、あれかぁ」
祐介はそう言って、琴音に案内され、ピンクのパソコンを見つける、そして目線を下に下げ、色々と書かれている部分を確認。
値段は約十三万、パソコンのタイプはノートパソコンで、画素数も多く、結構ハイスペックなパソコンだった。
次に製造年を確認、製造年は一昨年だった、祐介はそれを確認し、顎に手を置く、ふむ、二年前ねぇ……パソコンってのは、毎月新作が出る程新作が多く登場する……その新作が出る度に新しい機能、新しく素晴らしいパーツが入っている、なので、パソコンは新作の激戦区みたいなものだ、二年もすれば、今発売されているモノより型落ちして、値段も安くなっている、だが琴音ちゃんの奴はあまり新作が発表されておらず、このパソコンは今でも現役、今でも即戦力たりえるだろう、そう思っていると、琴音が言う。
「祐介君、このパソコン、改造出来るかなぁ?」
「……どうだろう?このパソコン、こんなに高いって事は、まだまだ現役って事になる、だから余計なパーツは入れない方がいいと思うよ」
「成程……分かった、困ったら祐介君に写メで知らせるよ」
「あぁ、分かった、それじゃあ用も無いし、此処を出よう」
祐介はそう言って、琴音と共に家電量販店を出る、そして祐介は時間を確認する、時間は朝の十時半だった、ふむ、ここら辺で少し軽食でも行おう、祐介はそう思いながら琴音とのんびり歩く──次は何処に向かおうか?そう思いながら──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.171 )
日時: 2017/11/18 21:49
名前: 彩都 (ID: hxRY1n6u)  

「ふむ、朝だね、お腹空かない?」
「えっ? そうだなぁ……軽食なら食べたいなぁ」
「そうか、それじゃあハンバーガー屋にでも向かう?」
 自分がそう言うと、琴音は強く頷く。
「うん!行きたい!ってか、ハンバーガーなんて久し振りだよ……仕事もしているし、ダイエットとかしないといけないからねぇ?」
「へぇ……琴ちゃんは大変なんだねぇ……まぁ、今日位は破目を外そうよ? そんなに気張ったり、集中していたら疲れるでしょ?」
「う、うん……」
琴音は少し恥ずかしそうに顔を俯き、赤くなった顔を隠す、そして祐介はスマホでハンバーガー屋のマップを検索、すると案外近くにあったので、琴音の左手を掴んで言う。
「案外近くにハンバーガー屋あるけど……走って向かう?」
「う、うん……!」
琴音の言葉を聞いて、祐介は少し駆け足で進む、琴音も祐介の手を掴んで、はぐれない様に、強く握り締める。
こ、これって完全にカップル……!い、いやいや!祐介君は『アイドル、歌手としての私が好き』なだけで、『今の一般人の私が好き』とは言っていない……そんな事を考えるのは止めておかないと……仕事にも支障が出るし……琴音はそう思いながら、静かに顔を俯いて、祐介の背中を見つめる、するとすぐにハンバーガー屋に辿り着いた。
「よし、此処で朝食と行きましょうか……」
「そ、そうだね……はえぇ、何を頼もうかなぁ?」
そう言う琴音に対し、祐介が言う。
「何頼んでも良いよ?全部俺が払うから」
「えっ?いいよ、そんな事は……」
「いいっていいって!こういう時は男が出すっていうのがじょーしきだしさっ?」
祐介の言葉を聞いて、『常識かぁ……』と思う琴音、まぁ、今は甘えても良いだろう、何故なら今の琴音は『一般人の琴音』だからだ──

そしてハンバーガー屋に入店し、列に並ぶ、するとすぐに列は解消され、祐介、琴音の番となった。
「さぁ、先に選んで?レディファーストだよ?」
「えっ?良いの?分かった……それじゃあチーズバーガーセットとジュースはコーラ、後パンケーキを一つ、それ位かな?」
「じゃあ、俺はハンバーガー単品一つで……後、此処で食べます」
「はい、畏まりました、合計八百九十円となります!」
店員の軽快な声を聞いて、祐介は適当に千円を財布から取り出し、トレイに置く、そして店員の手から、百十円が渡され、レシートを貰う。
「このレシートの番号が呼ばれましたら、隣のカウンターにて、受け取って下さい!」
「えっ?このハンバーガー屋、そうなっていたんだ……」
キョトンとする琴音に対し、祐介もキョトンとしていた。
「へ、へぇ……俺も知らなかったぁ」
「えっ?祐介君も分からなかったの?」
下から不思議そうに見つめる琴音に対し、祐介も照れながら言う。
「アハハ……俺もあまりハンバーガー屋には行っていないからね──去年は行っていたけど、高校辞めたし、それから行っていない──だからこのシステムは分からなかったなぁ」
「そうなんだ……」
そういえば、祐介君って高校辞めたんだ……と初めて知る琴音、そしてすぐにレシートの番号が呼ばれた。
「ハンバーガー、チーズバーガーセットのお客様ぁ!」
「あっ、はい」
「こちら、商品となります、ごゆっくりどうぞぉ」
「さぁ、さっさと移動して、目のつかない所に行こうか?」
そう言う祐介に対し、琴音は手を胸の前で振って、否定する。
「い、いや!どっちでもいいよ!今は変装バレていないしね?」
「で、でも、バレる可能性は十二分にあるが……?」
「そ、そう?」
「うん、見た目──顔とか、身長──とか、声とかでね? 可能性は十二分にあると思うけど?」
「そ、そうして言うなら、二階の端っことか、三階の端っことかに行こうかな?」
「そうだね、それの方が良い」
祐介と琴音はそう言って、二階に向かう、三階はなかったので、二階に向かう事となった。
そして、誰も目につかない場所でトレイを置き、対面上に座る。
「はい、到着っと……さて、食べようか」
「そうだね……移動中に熱は逃げていないかしら?チーズが溶けていなかったら……」
「そ、そこを心配するか……?」
祐介が呆れながら言うと、琴音は少しだけ声を大にして祐介に言う。
「祐介君の馬鹿!ハンバーガーのチーズって言うのは、『四角』なのよ!?それに対しハンバーガーはどんな形をしているかしら?そう!『丸』なのよ!だからチーズの端があまり『溶けていない』状況が起きてしまうの!では、逆に考えて、『ハンバーガーのパンを丸から四角にすれば良い』なんて意見が出てしまう!でも、それはダメ!何故なら四角だと『パン同士がくっつく』可能性があるからよ!だから丸なの!それがあるからバンズは四角に出来ない!でも四角にしないとチーズの端が溶けない……でも、此処で『チーズの端を切ればいい』という考えに到る!だけれど、それは『嫌いだから残す』理論と一緒!だから切りたくないの!分かった!?」
「あ、あぁ、分かった分かった……でも、それは仕方無いと思うけれどなぁ……」
琴音の力説を聞いて、祐介は少し唖然とする、こ、琴音ちゃんはチーズバーガーが好きなんだな……それが理解出来た。
そして琴音の力説に納得した祐介は琴音に言う。
「で、でも、その前にこんな会話していたら、チーズは冷えて、溶けなく──」
「あっ!?それは盲点!それじゃあ、頂きます!」
琴音はそう言って、すぐさまチーズバーガーを開封し、大きな口でハンバーガーを食べ始める──こ、これでこれ以上の力説は回避出来たかもしれない……祐介はそう思いながら、目の前のハンバーガーを掴んで、開封し、食べ始める──うん、やっぱりハンバーガーは美味いなぁ。そう思いながらハンバーガーを食べ始める──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.172 )
日時: 2017/11/19 21:58
名前: 彩都 (ID: GbhM/jTP)  

「ふみゅぅ……久し振りに食べるチーズバーガーは最高だなぁ……!」
嬉々としてチーズバーガーを食べる琴音に少しにやける祐介、とても可愛い、矢張り生の琴音ちゃんは可愛いなぁ……祐介はそう思いながらハンバーガーを食べる手が止まる、その姿を琴音はずっと見つめて細目になった。
「んー?どうしたの祐介くぅん?私の事をずっと見続けてぇ……?」
「えっ!?見続けてた!?ご、ごめん……いやぁ、愛らしくて、ずっと見つめていた、かも知れないね……」
そう言う祐介に対し、琴音は机を叩いて、焦る。
「えっ……?えっ……?」
「あ、あぁ!ゴメン!つい口が滑ってしまった!」
「口が滑っただけですむもんじゃないよ……!」
琴音は祐介の事を睨みながらチーズバーガーを食べ続ける、そんな琴音を見て、祐介は少し怯える。
矢張り芸能人、ストレスが溜まっているのかなぁ……と思った、そしてハンバーガーを食べ終わった祐介は、腹を擦る。
「ふぅ、食べた食べた……」
「ん?祐介君、それだけで足りるの?」
「えっ?あぁ、まぁね……朝にちょっとしたご飯を食べたからね、あまりお腹は減っていないんだ」
「へぇ……」
準備が良いんだな、と琴音は思った、だが此処で『先にご飯を食べた』という点に置いては、少々腹が立った、何で私より先に食べているの?普通は『食べていない』が普通でしょ?と思う、全く、男ってそう言う所で気配りとかが出来ないんだから……琴音はそう思いながらチーズバーガーを食べ終わり、コーラとパンケーキを食べ始める。
「ふむ、矢張りコーラとパンケーキの組み合わせは最高ねぇ……!」
「へぇ、そうか、俺だったら、フライドポテトにコーラかな?フライドポテトの丁度良い塩加減に対し、コーラの炭酸攻撃!喉に通った爽快感もあるし、口の中の塩も洗い流してくれる感覚がするし、とても最高だなぁ!」
「えっ?……あぁ、確かにそれはあるわねぇ……でも、他にもあるわ、コーラに合う物が」
琴音の言葉に対し、祐介は不思議がる、果たして、他にコーラに合う物なんかあっただろうか?そう思うと、琴音が右手の人差し指を立てて言う。
「フフフ、それはねぇ……『チキンナゲットにコーラ』よぉ!」
「おぉっ!確かにそれは有り得るな……!流石だぜ琴ちゃん!」
「へっへーん!そうでしょー?そーでしょー?」
天狗の鼻のように鼻を上に上げる琴音、その琴音を見て、感動する祐介、流石芸能人、俺達の知らない事を知っている!そう思っていると、琴音がコーラのカップを机に置いて、祐介に言う。
「ふぅ……それじゃあ、祐介君、食べ終わったから、次の場所へ向かいましょう?」
「えっ?あぁ、もうパンケーキもコーラも飲食し終わったんだね?それなら先に外に出ていて?俺が片付けるよ」
「えぇ、ゴメンね祐介君、ゴミ捨てなんか頼んじゃって?」
「別に良いさ、家でもやっている事だしさ?そこ迄褒められる事はしていないよ……」
祐介はそう言って、片手でトレイを持ち、もう片方の手で後頭部を掻く、そして先に琴音はハンバーガー屋を出、祐介はトレイの上のゴミを捨てて、ハンバーガー屋を出る。
「お待たせ」
「そこ迄待っていないけどね?」
「そ、そうだね……んで、どうする?目的のゲームセンターへ行くかい?」
祐介が今日の目的を切り出す、すると琴音が静かに言う。
「うーん……そういえば、今は平日でしょ?それも朝、だからカラオケに行かない?」
「カラオケ?……確かに平日だが……でも、急にどうして?」
祐介が琴音の提案に疑問を唱えると、琴音は俯きながら頬を掻いて、説明する。
「え、えっと……一緒にカラオケに行くと、私の歌ばっか入れられるから……だから一人カラオケ──ヒトカラ、だったかな──で好きな歌を歌うんだけど……流石にそれじゃあダメだと思うんだ、少しは自身の曲に克服しないとなぁって……だから他人であり、一般人でもある祐介君と一緒にカラオケに行って、一緒にカラオケで楽しみたいんだ、楽しんでいると、克服出来るかなぁって……どうだろう?ダメかな?」
「成程ねぇ……」
琴音のカラオケに行きたい理由を聞いて、確かにその話は聞いた事がある、と思う祐介、自身の母、父が有名な歌手な為、息子娘が母、父の歌を歌う、という話を聞いた事がある祐介は、『それに良く似たものか』と思う、立場は違えど、琴音ちゃんは『アイドル歌手』なのだ、『自身が歌っている曲を入力される』のも仕方無いだろう……ってか、その前に何時でも聞けるだろ?CD、DVDとかを見たりとかさぁ?そりゃ生歌は素晴らしいかもしれないけれど……祐介はそう思い、静かに頷く。
「うん、いいよ、それじゃあカラオケ屋に向かおうか……っと、スマホで検索してっと……」
祐介はスマホで秋葉原のカラオケ屋を検索し、近くにカラオケ屋がある事を確認する。
「よし、近くにカラオケあるよ!それじゃあ琴ちゃん、向かおうか?」
「うん!でもカラオケが近くにあって良かったね!」
「あぁ、そうだね」
琴音の言葉に祐介は返答する、確かにカラオケが近くにあって良かった、っていうか、秋葉原、色々と揃っているんだな……祐介は色々揃っている秋葉原に驚愕する──そして二人はカラオケ屋に向かう──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.173 )
日時: 2017/11/22 22:02
名前: 彩都 (ID: z6zuk1Ot)  

「さぁ、到着したよ」
祐介はそう言って、目の前のカラオケ屋に辿り着く、そして二人で入店し、店員に言う。
「二名で……えっと、琴ちゃん、時間はどうする?」
「ん?時間かぁ……まぁ、適当に二時間かな?」
「分かった、それじゃあ二時間で」
「はい、分かりましたぁ!それでは、どの機種を使いますか?」
祐介はそう言われ、机の上に貼られてある番号付きの機種を見つめる、すると琴音が言う。
「え、えーと……この二番で」
「はい、分かりましたぁ!それでは、『208号室』のお部屋へ案内させていただきます!」
店員はそう言って、自分と琴音を『208号室』へと、案内し、コップを渡す、どうやらこのカラオケ屋はセルフサービスのドリンクバーのようだ。
「ふぅ……これで、二人っきりになれたね……それじゃ、私の克服勉強!開始する!」
「うん、何時にも増して張り切っているな……」
祐介はそう呟いて、静かに溜息を吐く、そして祐介はタッチパネルのリモコンを操作し、琴音の曲を幾らか入れる。
琴音の曲はまだ新人なので、十曲程度しかない、だが売れているのは事実だ、もっと曲が増えれば良いが……と思う、すると大画面のテレビに琴音の『恋はサマーザマー』という文字が現れる、この曲は琴音のデビューシングルだ。
「えぇっ……いきなりデビュー曲ぅ?何だか恥ずかしいなぁ……」
琴音はそう言って、タッチパネルのリモコンがある場所の近くに配置されているマイクを手に取り、ボタンを上にスライドし、ONにして、発声練習をする。
「あーあー……よし、マイクの音もセーフ!後はミュージックの音だけかなぁ……あまりにも大きいと耳が痛くなっちゃうからね?」
そう言う琴音に対し、祐介はツッコミを入れる。
「でも、ミュージックが大きくないと琴音ちゃんの声が丸聞こえになって、人が集まっちゃうよ?」
祐介のセリフに『確かに一理ある』と思う琴音、それじゃあミュージックはこの音量で良いのかなぁ……?と思う。
「そ、それじゃあこのままで……」
琴音がそう言った瞬間、『恋はサマーザマー』の映像と音楽が流れた、琴音は画面の前に居て、あまりにも煩いから、画面から離れて、出入り口の前に立つ。
「此処ら辺で良いかなぁ……よし、それじゃあ綾川琴音、歌います!」
「おぉー!いっけぇ、琴ちゃん!」
祐介は手拍子で両手を叩きながら琴音の心を昂らせる、そして琴音は『恋はサマーザマー』を歌い始める。
「こーいーはー、サマーザマー!熱く、絡みつく君に私はホレーボレー!」
「いえーい!さいこー!」
祐介は琴音の歌にテンションを上げながら言う、そして約四分が経ち、曲も終わり間近だった。
「こーいーはー、サマーザマー!海で煌く君に私はホレーボレー!!……有難う御座いましたぁ!」
琴音は何とか『恋はサマーザマー』を歌い切り、頭を下げる、祐介は盛大な拍手を送る。
「いやぁ、やっぱり琴音ちゃんは凄いよ、歌唱力が違うって感じぃ?」
「えへへ……そう言われると嬉しいねぇ!」
琴音は笑顔でそう言うと、祐介も少し頬を緩ませる、やっぱり琴音ちゃんは芸能人なんだな、俺の立場じゃ本当は出会えなかったのに……と、祐介が思っていると、琴音が自分の顔数センチ迄近づいていた。
「……うわぁ!?ど、どうしたの!?」
いきなりの出来事に祐介は状況を飲み込む事が出来なかった、そんな祐介に対し、琴音が返答する。
「どうしたのって……それはこっちの台詞よ、祐介君?君こそ、どうしたの?暗い顔をしてぇ?」
「……えっ?」
暗い顔をしていた……?まさか、それは幻想なんじゃないか?と、祐介は思う、自分が暗い顔をする筈が無い、そう思っていると、琴音が言葉を続ける。
「うーん、何だろう……?『物悲しげな表情』って感じかなぁ、その時の表情は?一体どうしたの祐介君?」
「…………」
『物悲しげな表情』、か……果たして自分がそんな表情をしていたかは本人には分からないが、琴音ちゃんが言っているのだ、ほぼほぼ事実なのだろう、と祐介は判断し、琴音に本音をぶちまける。
「い、いや、別に……やっぱり俺みたいな一般人と琴音ちゃんみたいな芸能人は格やら色々と違うなぁ……ってさ、そう思っただけだよ」
祐介がそう言うと、琴音はマイクをOFFにし、机の上に置いてから、祐介の両頬をぱちんっと叩く、琴音のいきなりの行動に祐介は少し戸惑った。
「……へっ?いきなりどうしたの琴音ちゃ──」
「芸能人?一般人?何それ?祐介君はそんな『簡単な事』で悩んでたって訳ぇ?あーあ、心配した自分が損したぁ……あのね祐介君、『芸能人も元々は一般人』だったんだよ?そりゃ勿論『私、綾川琴音だって元々は一般人だった』んだよ?私だってアイドル歌手を目指さなかったら、ただの一介の女子高生……単純にそんだけよ、だからそんなに深く悩まなくても良いのに……祐介君だって、何れは芸能人になれるかもしれないわよ?私の能力で?」
「…………」
諭された、そんな感じがした、確かに芸能人だって、テレビに出る前は『ただの一般人』なのだ、そんな事を忘れていただなんて……って、今さっき何を言ったこの子は?『俺が芸能人になれる』?何を馬鹿な事を……琴音ちゃんの能力でも無理だって……祐介はそう思いながらタッチパネルのリモコンを操作する──


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