コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.44 )
日時: 2016/05/18 21:39
名前: 彩都 (ID: npB6/xR8)  

「さて、祐介君の容態はどうかしら?」
そう言いながら汚いおっさんに聞く琴音。
「……自分で聞きに行け……」
苦笑いを浮かべながら汚いおっさんは言う。
「本人の目で確認した方が良いじゃろ、『百聞は一見にしかず』、とも言うしのう……」
そう言いながら、ペットボトルのお茶を飲むおっさん。
少し溜息を吐きながら、『分かったわよ』と一言言って琴音は祐介の病室に入った。

「やぁ、祐介君、元気かしら?」
『げんきにみえたら、こわいよ』
スケッチブックに文字を書く祐介、少し俯いてから琴音は言った。
「あの……これ……来月のチケット……」
『どうしてこれを?きみはなにもしていないのに?』
そう書くと、琴音は言った。
「何だか申し訳無くて……一応受け取っておいて」
「……」
無言のまま頷く祐介。
そして琴音は病室を出た……そして一人の病室の中でロッカーに隠れていた少女がロッカーから出る。
「……本当に良いのお兄ちゃん?危険だとしても知らないんだからね?(少し困惑)」
『あぁ、いいんだ、すこしたしかめておきたかったからね、アリスちゃんの『力』を』
そう書きながら、祐介は服を脱いだ、上半身裸のまま首の包帯を取る、少し血と包帯がくっついて痛かったが、何とか我慢して外す。
(さぁ……来いよ……アリスちゃんの『力』を……!)
真剣な眼差しでアリスを見る、そしてアリスは自分の背丈程の杖──杖の先に赤い珠が嵌っている、そして杖は下の方が細い──を持って、何やら呪文を唱える……どうしてこんな事になったのか──それは数分前に遡る……

あれは汚いおっさんが病室を出た瞬間だった。
「ぷはー!病室迄息を止めるゲームは大変……(苦しかった)」
『どういうゲームだよ』
そうスケッチブックに書いてツッコむ祐介、すると、アリスは衝撃の一言を呟いた。
「お兄ちゃん、喉を治したくない?それもすぐに……?(どうする)」
その言葉を聞いて、ベッドから転げ落ちる。
『そんなことができるのか!?』
あまりの驚きにこけてしまった祐介はスケッチブックに急いで書く。
「出来るよ、私の『力』なら……どうする?(悩む)」
その発言に少し乗ろうとする祐介、だが、病室外から琴音と汚いおっさんの話し声が聞こえる。
『かくれて!ロッカーに!』
「う、うん、分かった!(治すのバレない様に)」
そしてアリスは急いで隠れた、そして祐介は入ってきた琴音と会話──実際は筆談だが──したのだった。
そして琴音が去った後、アリスはロッカーから現れたのだ。

(さて……どういう『力』を見せてくれるのだろうか?)
そう思いながら、内心ドキドキする、そしてアリスは呪文を唱える。
「『全ての精霊よ、眼前の人間『ハセガワユウスケ』の喉の傷を治し給え、我は全ての精霊の王、『フェリア』の名を紡ぐ者なり、我の命を聞いて、人間の傷を治せ』」
そう唱えた瞬間、杖の珠がある先端を祐介に突きつける、すると、珠から、『ポワワァ〜ン』と音がしそうな光が出る。
すると急に喉が熱くなる、何なんだこれは!?
「耐えてお兄ちゃん!熱いのは『火の精霊』の再生効果だから!(耐久)」
「……!〜〜〜!!  !──!!!!」
声が出せないので、悶えても、声が出せない欲求不満で暴れる……するとアリスが言う。
「お兄ちゃんゴメン……えいっ(痛そう)」
杖の珠がある部分で思いっきり祐介の頭をぶん殴った、あまりの痛みで祐介は気絶した……

ん……?此処は?自分は病室に居た筈……?
そう思いながら、目が覚める、白い病室で寝ていた様だった。
そして自分の近くでお茶を啜るアリスが居た。
「あっ起きた(起きないかと思った)」
「起きた?何でそんなコメントが……?」
そう思うと、何時久しい感覚に見舞われる、自分は何かしたのか?そう思うと首周りの異変さが無い、するとアリスちゃんが鏡を取り出した。
「見てみ?(どう思う)」
すると、首には大きく火傷した跡があった、そう言えば、此処は無くなってた筈……ハッと自分は鏡を見た、そして声を出す。
「あーあー、此方長谷川祐介……声が元に戻っている……?」
そう思うと、アリスちゃんは言った。
「治ったのは良いけど、その喉の火傷跡は戻らないよ?それでも良いの?(困惑)」
「そんなのは良いんだよ、声が出せて、喋れて、ご飯が食べれる、それだけで十分さ」
そう言いながら、欠伸をする。
そして祐介は言った。
「『永久機関』を破壊しに行こう、時間はどうであれ、急がないと……」
そう言いながら、病室から空を見た……綺麗な青空が自分の目に写った、まるで俺の門出を祝う様に……

すると母が入ってくる。
「さぁて、今日は何作ろ──治ってる!?」
「あっ母さん、お帰り」
「あっ只今……じゃなくて!何で治ってるの!?」
「頑張って治したのさ」
「何て凄いの?」
「凄いだろ?」
「あっそ」
「えっ?反応薄──」
「治ったのなら、早く退院しましょう?」
「えっあっ……」
祐介はその日の内に退院した。
その退院に先宮、琴音、春華は驚いた、何で退院したのか分からなかった……
その後祐介の喉を見て、回復力が早いな、と言われ、四人で『永久機関』破壊への作戦を練った……
破壊出来るかは分からなかった……

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.45 )
日時: 2016/05/25 20:30
名前: 彩都 (ID: gKP4noKB)  

数日後──『永久機関』、深夜十一時──

暑い夏に首にマフラーを巻いた少年、白いYシャツの三十代の髭がワイルドなおっさん、ライダースーツの少女、ナース服の少女、黒い服の短いスカートの少女、その五人が『永久機関』の入口の前に居た──
「んで、どうする?強行突破?」
マフラーの少年──祐介は先宮達に聞いた──すると先宮は答えた。
「最後の決定の時、お前が居なかったからな──その時に一気に決めた事だが──」
先宮は少し息を吸って、溜めてから言った。
「──一気に攻める──!そして『永久機関』のボスを叩く!」
「……強行突破とどう違うのか……?」
少し呆れながら祐介は『永久機関』を見た……今日、『永久機関』を倒す──そしてアリスちゃんも春華ちゃんも助ける、もう安心な世界に住まわせるんだ!そう思いながら祐介は頭を掻く──ここで諦めてはいけない、ここで勝たなくては平和なんて何のそのになってしまう。
そして俺は最初の一歩を踏みしめた──

入って数瞬、目の前に目隠しの少女──祐介の喉を抉った本人が──が居た──そのまま目隠しの少女は祐介に向かって『トゥハンド・ソード』を両手に持って向かってきた──だが、祐介は相手の懐に入って、目隠しの少女の頭を持って横へ投げる、そのまま彼女は吹っ飛ぶ、そして先宮が彼女に睡眠薬を飲ませ、寝かせる。
今は戦っている場合では無い、そう、これが祐介に任された『作戦』だった──祐介は目隠しの少女に攻撃を受けている、もしも生きている事が分かったら祐介を殺すだろう、それを逆手に取る、『祐介を囮にする』、それが祐介に任された『作戦』──!
祐介が相手を無力にさせる方法を覚えたら、後は先宮がゴリラをも眠らせる睡眠薬を目隠しの少女に投与して、眠らせる、そしてその間に『永久機関』のボスを倒す。
そして目隠しをされているという事は周りが見えないという事、そして頭を掴まれたら、何が起きているか分からない、その判断が周りの戦況を鈍らせるという事、自分に何が起きているか分からない恐怖、その恐怖を感じてるその数瞬に勝負は着いてしまう。
そして先宮は時間が許す限り、『相手の懐に入って、攻撃を受けない様にする』方法を教えた。
そして目隠しの少女が眠った事を確認して、祐介達は『永久機関』内に向かった──

「へぇ……月(ユエ)を倒したか……まぁ、良いさ、無能力だからな……『有能力』ならどうだろうな?」
そう言いながら、四人の黒尽くめの男女を見る──一人、仮面のメガネの女性は仮面の奥で笑った──そして四人は最深部から出た──

「ふむ……春華、ボスの場所とか分かるか?」
先宮がそう言うと、春華は悩む。
「うーん、あの後ずっと監禁状態だったからなぁ……分からないなぁ……ゴメンね……」
「知らないなら仕方無い……アリスちゃんは知ってる?」
対象をアリスに代える、だが、答えは両方一緒だった。
「私も分からない……(不明)」
「そうか……」
先宮は悩む、さて、何処だろうか?
そう思いながら前に進む、すると一人の──琴音と同じ位の身長か──少女が現れた、すると、いきなり喋った。
「やぁ、侵入者さん──早く『abnormal−G01』と『abnormal−G03』を返して下さい」
そう言いながら彼女は服を脱いだ、服装はマラソン選手の様な格好だった。
その瞬間、彼女は膝をついて、クラウチングスタートのポーズを取る、その刹那彼女は祐介達の視界から消えた。
祐介は思う、消えた?だが、そんな逃げる相手かな俺等は?
すると祐介は気付いてしまった、違う!『移動』したんだ!祐介はすぐに後ろを振り向いた、するとお姫様抱っこのアリス、背負われている春華、この瞬間で何が起きた!?
そう思うと彼女は言った。
「この世には、先天性の能力と後天性の能力がある──ただ、先天性は生まれ付きの力なので大丈夫だが、後天性は『abnormal−G03』の様に『能力を強制覚醒させる』力で覚醒なんかさせると、『能力を使用する為のトリガー』が必要とされる、それに対し先天性はトリガーが無い、つまり先天性の方が優れている、後天性はトリガーの使用により能力を使用する迄の時間が掛かってしまう、つまり後天性の能力者には『トリガーの使用』というラグが存在してしまう、だが、私みたいな能力には『ラグごとき』どうでもいいが」
そう言いながら、彼女はまたクラウチングスタートのポーズを取る、そしてまた消える。
そして、最初に出会った所に彼女は立っていた、何だ、ただの移動か、そう思った時、祐介の頬、胴体、太股に拳で殴った様な痛みが走る、そして膝から崩れる。
何なんだ!?そう思いながら、彼女を見つめる。
そして彼女は言った。
「『abnormal−G01』と『abnormal−G03』を回収完了、それでは侵入者さん、さようなら」
そう言いながら彼女は暗闇へ消えていく──ゆっくりと祐介は彼女が見えなくなって、目を閉じた──
こうして簡単に五人の侵入者は二人を失い、三人は気絶した。

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.46 )
日時: 2016/06/01 21:19
名前: 彩都 (ID: s/G6V5Ad)  

──熱い──此処は何処だ?──ゴポゴボと変な音がする──そして周りが明るい──それにこの音何か聞いた事が──?
少し考えて、思い付いた瞬間、自分はいきなり目覚める、此処は──?
「やぁ、侵入者君、御機嫌よう──私はこの『永久機関』の所長──斑崎駁(むらさきまだら)だ、君達はこの娘達を救う事になるのだが──」
そう言いながら駁は祐介に見せる──鳥篭の中の小鳥──アリスと春華だった──を──
「……どういう事だよ……!?これは何なんだ!?」
そう言いながら祐介はキレる、だが駁は簡単に言った。
「これは『闘技場』だよ──君達侵入者が三人の四天王と戦い、それに勝てば、この二人を解放しよう、もしも勝てなかったら、この下のマグマに落ちてもらう──」
祐介は下を見る、そこにはグツグツと煮え滾るマグマがあった。
ゴクリ、生唾を飲み込む、自分が四天王との戦いに負ければ、この下に……?
それは何とか避けなければ!そう思いながら、祐介は駁を睨む。
「おいおい……君ら侵入者にはそれを拒否する権利は無いんだ、だって、この二人を簡単に落とす事が出来るからね?」
そう言いながら、鳥篭の中のアリスと春華を落とす、ゴォォゥゥゥゥ……と下に沈んでいく、待って、下にはマグマが!?
祐介は急いで二人の下を見に行く、下にはマグマがあり、落としてしまえば二人は助からないだろう──
「お前……何がしたいんだよ……!?」
祐介が聞くと、簡単に駁は言った。
「死に合い、たったそれだけ、人が死ぬのは良いよねぇ、その人の中で一番本能が現れる……さぁ、早く戦いなよ?」
そう言いながら、目の前に大きな鳥篭の様な檻が出来る、そして祐介達のいる場所の反対側に三人の男女が現れた。
「……琴音ちゃん……先宮さん、起きて下さい……これは……!」
祐介は二人を起こす、そして話をする。
そして二人も戦う事にする。

「それでは、決まりましたね、では、死合い開始!」
そう言いながら、一人目が現れる。
一人目は先宮さんが先陣を切る。
相手は筋肉質の男だった。
「因みにルールは簡単、『死んだ方の負け』、そして先鋒が勝つと勝った先鋒が負ける迄生き残り続けるシステムだよ、これでルール説明は終わり」
こんな簡単な説明で納得するとは限らないが、まぁ、そこは関係無いだろう、簡単に言ってしまえば『勝てばいい』という簡単なルールなのだから。
そう思いながら、祐介は先宮を心の中で応援する。
勝って下さい……!
「では、死合い開始!」
そう言って、試合が始まった、先宮は懐から、拳銃を取り出す、先宮は気付いていた、『武器は使うな』、というルールに!
相手の動きを確認しつつ、自分の手で銃弾の段数を確認する、弾数六発、全て埋まっていた。
「俺の勝ちが決まったな、これで終わりだ」
そう言いながらトリガーを引いて、打つ準備をする先宮。
だが、筋肉質の男は、両手の人差し指と中指を口の中に入れて、指笛をする。
ピュゥゥィ!気持ち良い音がする、すると、目にも留まらぬ速さで移動して、先宮の前に移動する。
「!?」
「遅いな、俺の移動はそんなに遅くない」
そう言いながら、拳銃を持って折り曲げる、その行動に驚く先宮に筋肉質の男は檻の棒を抜き取って、先宮の頭に当てる──そのまま先宮は気絶してしまった。
「これでいいな?ボス?」
「あぁ、動けなくなったら、仕方無い、先宮、君は負けた、だから……」
そう言うと、先宮の下の鉄板が開く、その真下はマグマだった。
「敗者には死を、さよなら」
そのまま先宮はマグマに落ちる──えっ?
そしてそのままドボンッ!と鈍い音がして、鉄板が閉まる──えーと、これって、死んだのか?
その瞬間、一気に恐怖が舞い降りる、こんなの勝てる訳無い!
「お疲れ、甘石──さて、次は誰かな?」
鳥篭の外の女性が呟く。
そう言いながら駁は大笑いする。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これは簡単に呆気なく倒したなぁ!こんなんでは二人は救えない!」
そう言いながら、アリスと春華は少しずつ下がっていく──春華は絶叫していた。
「お父さん!お父さぁぁぁぁぁぁぁん!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「クソ!次は……」
そう、その次だ、その次は琴音だった、だが、もう変えられない……すると琴音は覚悟を決めて言った。
「私……頑張る!だから……応援しててね?私が死んでも……CDの中で応援してね?」
「それは……出来っ!?」
そう言うと、琴音は祐介の頬を両手で叩く、いきなりの事に祐介は頬を赤くしながら驚いた。
「男がくよくよするな!私だって怖いわよ!でも、どんな困難も越えなきゃいけないのよ!だから私は前に進む!じゃっ!私は向かうわ……」
鳥篭の中に入る琴音に、祐介は応援しか出来ない……応援しか出来ない自分に歯痒い感覚を覚えながら、祐介は見る事しか出来なかった──
琴音は思いっきり、深呼吸する、どんな結果になろうとも、春華とアリスは救う、そう思いながら、琴音は甘石と呼ばれた筋肉質の男性を睨んだ──琴音が勝つかは……分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.47 )
日時: 2016/06/08 20:55
名前: 彩都 (ID: AtgNBmF5)  

「今度はお前か、綾川琴音──?」
「えぇ、そうよ──良くフルネームを知っているわね──」
「そりゃそうだ、俺はここに居る間、他の情報を手に入れていた──お前の情報も頭の中に入れている、綾川琴音、好きな物はプリン、嫌いな物はピーマン、生年月日は11月15日、BWHは──」
「そこは秘密で御願いします!」
顔を赤らめながら、琴音は甘石の言葉を遮る。
「ふむ、流石に乙女のBWHを言うのはダメだな、だが、体重は言ってはいけないと言ってないな──体重は──」
「それもダメよ!ってか、どこに体重載せてるの!?」
顔をまたも赤らめながら、琴音は甘石のセリフを遮る。
「ふむ……体重もダメか──何処に載っているか等知らん、所詮はネットの情報だ──では、戦おう、お前を殺せば良いのだからな」
そう言いながら、甘石は構えを作る。
「やっちゃいな、アンタの豪腕でねぇ!」
酒を飲んでいる女性が元気をつけさせる、琴音は冷や汗をかいていた──
(果たして、私は勝てるかしらぁ?)
そう思いながら、目を瞑る──そして思い付く。
(これしか無い!)
そう思いながら琴音は言った。
「『アンタは私に勝てない!甘石!』」
だが、そう言っても、何も起きていなかった。
「ん?どうした綾川琴音?」
甘石はピンピンしていた、それは確認済み、まだまだ!
「私の筋力!『それをリミットブレイクさせる』!」
ムキュキュ……自分の肉体が肉団子に感じる琴音は、右手を振り翳しながら甘石を殴る。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
だが、簡単に、甘石は琴音の右手を避ける、そして甘石は琴音に向かって、蹴りを一発入れる、クリティカルに鳩尾(みぞおち)に入り、吐き気を催す。
「かはっ!?」
あまりの痛みに琴音は腹部を抑えながら、呻く──そして甘石は言った。
「俺の勝利を無くす──それの何処に意味があるか分からんが、俺に言葉を通用しないぞ?そして、お前の筋肉をリミットブレイクしても無駄だ、男の筋力と女の筋力では格が違うからな──という事で死ね、綾川琴音、綺麗な声のアイドルよ、俺の力で殺される事に喜べ?」
そう言いながら、呻く琴音の背中に対して、踵落としを当てる、あまりの衝撃で、肋骨が骨折させられる──運が良かったか、それは分からないが、背骨は折れなかった──そして甘石は言う。
「ボス、もう終わったぞ」
「そうか──では、マグマに落ちろ」
非常なボスの声に祐介は叫ぶ。
「やっ……止めろぉぉぉおぉぉぉおおぉぉぉぉおおお!!!!!」
そんな声も虚しく、簡単に、琴音の下の鉄板が開き、落とされる──そして無情にも『ボドンッ!』と鈍い音が部屋の中で響く──えっ──?
「うわあああぁぁぁっぁああぁあぁぁぁあああぁぁああああ!!!!!!!」
祐介は泣いてしまう、そして俯いてしまう──あまりにも無情だった──アイドルが死んで、祐介は悲しむ、誰よりも……誰よりも近くに居たのに!
「あーあー煩い、次はお前だ、ガキ」
プチンッ、と祐介の中で『何かが切れた』、俯いていた祐介は立ち上がり、甘石を睨む。
「──お前を倒す──甘石!」
「簡単に倒せるかな?俺は強いぜ?何故なら──」
「それを言うと興醒めじゃないか、もっと、考えさせようぜ、あの少年に?」
「それもそうだな、それでは掛かって来い」
祐介は威嚇する甘石を放って置いて、鳥篭の中に入る、そして大きな深呼吸をする。
もしも自分の考えが『正しかったら』、『鳥篭の中でずっと逃げ回れば』いい、そう思いながら、膝を柔らかく、動かしていく。
「もう良いか、侵入者君?」
ボスの駁が言う、祐介は頷く。
「それでは死合い開始!」
その瞬間、祐介は甘石から間合いを取る、そして何時でも移動出来る様に周りの障害物を確認する。
「何だ?追いかけっこか?楽しそうだな、何故なら、お前をもっといたぶれるからなぁ!」
そう言いながら、凶悪な顔になって、祐介を追いかける甘石。
だが、それに気付いた祐介は右往左往して逃げる。
果たして、それの何がしたいのだろうか?そう思いながら酒を飲む女性──そして少し考える、まさか、甘石の『秘密』に気付いた!?
そう考えた時にはもう遅かった、甘石の額には大きな汗が一杯ついていた。
「甘石!少しは『能力』の事も考えろ!」
そう言った瞬間、甘石は自分の『能力』について考えた──そして気付く。
「おっお前!まさか!」
「そう、アンタの『能力』の時間は刻一刻と迫っている、どうする?マグマに落ちるか、俺に倒されるか?どうする?」
汗を拭いながら、甘石は言った。
「少しでも抗うさ」
そう言った刹那、甘石はぶっ倒れる、そして呼吸するだけになって、動かない。
「おい、駁ぁ……もう、これで良いだろう?もう終わった!だから、この人を急いで治療──」
「ではドボン」
そう言って、甘石の肉体はそのままマグマの海の中に落ちていった──その非情さに、祐介は怒る。
「お前……何してんだよ?仲間だろ?何で……」
すると斑は言った。
「仲間?何それ?コイツ等は私に仕えるだけだ、それ以外何者でもない」
その発言を聞いて、祐介は呟く──
「お前……本当に人間かよ……」
そう言いながら、次の相手──酒を飲んでいる女性だった──が鳥篭の中に入る──
次はこの人か、そう思いながら、祐介は身構える、二戦目は勝てるか分からなかった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.48 )
日時: 2016/06/15 20:58
名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)  

「やぁやぁ、少年よ、落ち着くんだ、別に取って食ったりはしないんだからねぇ──まぁまぁ、酒でも飲んで、落ち着くんだ」
そう言いながら、河童の絵柄が描かれていそうな巨大な銚子に御猪口で酒を呑む女性──中身は日本酒だ──そして自分は考える、なんて呑気なんだろう?まるで自分が『死なない存在』と言うかの様な──そして祐介は言う。
「何で……呑んでいるんです?ましてや自分は未成年なので飲めません、もしかして、貴女は『死なない』んですか?」
それを言うと、銚子ごと呑んで、『プハーッ!』と大きな声を出す女性、そして祐介に対して、声を出す。
「んー?『死なない』ねぇ──いや、私は『死ぬ』よ、でもねぇ、『死に難い』って言えば死に難いんだよねぇ──っとそういや聞いていなかったからねぇ、何で甘石の『能力』が分かった?」
その発言を聞いて、祐介は言った。
「いや、予測していましたが、物の見事に当たった、というのが自分の考えですね──多分、自分の考えが当たっていたら、あの筋肉質の男性の『能力』は『筋肉をフルに使える能力』と考えています、『筋肉をフルに使う』、という事は、『筋肉のリミッターを解除して、100%使う』、という事、そして人間の筋肉はフルに使わない様、20%〜30%に抑えられている、もしもフルに使ったら、人間の肉体は壊れる、そして筋肉をフルに使う分、疲労が募る、なので、時間制限が必要、もしも時間制限を越えたら、筋肉質の男性は壊れる、だからあの人はその『時間』が来たから、ぶっ倒れた、というのが自分の考えですね──違うのかな?」
祐介がそう言うと、女性は大笑いをする、そして女性は言った。
「アッハッハハハハハハハハハ!!!!!!こりゃ、魂消た!こんなに頭が良いのは始めてみたよ!でもねぇ、少し惜しいねぇ!『筋肉をフルに使う能力』では無いんだ、正確には、『筋肉のリミッターを解除する能力』なんだよね、だから説明は合ってるんだけどねぇ──いや、正確には違うんだけど──私の解説から言うと、甘石の力は数分しか使えない、そしてあの瞬間移動も、『足の筋肉のリミッターを解除して』移動したんだよね、まぁ、全身の筋肉をフルに使っていたからね、まぁ、体が動かせなくなる程筋肉のリミッターを解除した甘石は悪いんだけどねぇ──」
しみじみとなりながら、胡坐を掻きながら女性は言う、そしてお酒をまた呑む。
「まぁ、アンタの説明は九割合っているんだ、喜べ、だが、私の『能力』は分からないだろう?まぁ、こんなにお酒を飲んでいる女に戦うバカは居ないだろうけどねぇ──」
そう言った瞬間、祐介の後ろから打撃が与えられる、一体何だ!?そう思い、後ろを振り返るが、何も無い──どういう事だ?この女性が攻撃したのか?だが、どうやって?
そう思いながら周りを見渡す、だが何も無い。
するとフフフ……と彼女は笑った。
「おっと、ここで自己紹介が遅れたなぁ、私は志染、志染浅里(しじみ あさり)って言うの、アンタは?」
そう言うと、祐介は言った。
「──長谷川祐介だ……これで良いか?」
「そうか、祐介、私は『特殊』、アンタも『特殊』になればいいさ」
「『特殊』?何なんだ?」
祐介がそう言うと、浅里は言った。
「アハハ!簡単だ、『後天性の能力者』になれって言ってるんだよ」
「はぁ?何言ってるんだ?そんなのなりたかないよ」
「そうか、それは仕方無い、だったら、私の『能力』で死にな」
そう言いながら、また後ろから頭を殴られる、一体どういう『能力』なんだ!?
そう思いながら、周りを見る、だが何も無い──そして浅里を見る、まさか何か『している』のか!?そう思いながら彼女を見るが、お酒を飲んでいる以外何もせず胡坐を掻いている。
すると、浅里は言った。
「あー……酒が切れたぁ!救世主ー!お酒くれー!」
そう言いながら鳥篭の外の女性に声を掛ける、そして外の女性は同じサイズの銚子を渡す。
「そうそう、これこれ!やっぱこの日本酒だよなぁ!」
そう言いながらお酒を飲む、完全に呑んだくれだなぁ、そう思いながら、頭を掻く。
さて、一体誰が攻撃しているのか?そう思うと外の女性に気が付いた。
「まさか、アンタが俺を攻撃してるのか!?」
そう言うと、外の女性は言った。
「いやいや、私の『能力』はそこ迄の範囲は無いです、なので遠距離攻撃は姉さんの得意分野です」
そう言うと浅里はキレた。
「ちょっと!救世主!何言ってるの!私の『能力』がすぐバレるじゃないの!」
「あっ……今気付いた、すまん、姉さん」
そう言いながら無表情のまま頭を下げる。
祐介は必死に考える、『遠距離攻撃が出来る』、『見えずに攻撃』、『後ろからしか攻撃してこない』──そして思いつく事はたった一つ……以上。
『その中』から急いで少しずつ当てはまらない事を削っていく、少しでも正確な『能力』を当てに行かないと──そう思いながら考える。
浅里は祐介を見ながらニヤニヤ笑って、お酒を飲む──どちらが勝つか分からない──


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