コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.99 )
- 日時: 2017/06/03 21:20
- 名前: 彩都 (ID: DYDcOtQz)
「こ、今度こそ、勝ってやる!」
祐介はそう意気込んで、藍綬廊に言う、藍綬廊は静かに祐介に言う。
「能力が覚醒する迄、君は私には勝てないよ、何故なら、『心の目で見る』能力がある限り、君は私には勝てないからね」
藍綬廊はそう言ってトランプをシャッフルする、祐介もトランプをシャッフルし、勝利する事を考える、能力?だから何だ、『勝てない敵では無い』のだ、能力を使用しない、と言う事を考えると──だが、能力を使用しているから勝てないだけなのだ、だったら能力を使用させない方向性に向かわせないと……だがそんな事が本当に出来るだろうか?いや、出来る訳が無い、口約束をしても所詮は口約束、約束を守るとは限らない、だから口約束なんか出来ない。
じゃあどうするよ?簡単だ、『自分の能力を覚醒すればいい』だけだ、だがどうやって覚醒させる?覚醒させる方法なんて自分は知らないし、目の前の男性が教えてくれる筈も無い、じゃあどうやって覚醒させる?もう方法が無いのだ、祐介はそこ迄考えて頭を抱える、勝つ方法、能力を覚醒させる、口約束、こんな勝負を放棄して逃げる……?いやいや、そんな事は出来ない、だって厳魁君、アリスちゃん、弓華さん、先宮さんもコイツと戦って外──一応廊下だけど──に出たんだぞ?自分だけズルをする事になる、それだけは厭だな、と思い、静かにカードのシャッフルを止め、カードを一枚伏せる、すると藍綬廊もカードを一枚伏せ、確認(チェック)をする──
三戦目、四戦目、五戦目と『13回連続引き分け』を起こして、藍綬廊は鼻で笑う。
「フゥ……何度も何度も戦って目覚めさせようとしているのに中々目覚めない……君は少し特殊だねぇ、このままだと、廊下に立っている四人の目が自分には怖いねぇ」
「は、はぁ?一体何が……?」
祐介がそう言った瞬間だ、部屋の外から厳魁の悲鳴が聞こえる、その悲鳴はとても大きく最悪この施設の存在自体がこの部屋に集まるかと思った位だった。
「おっと、最初に戦った少年が悲鳴を上げているなぁ?どうしてだろう?どうしたんだろうねぇ?どんな状況になっているのだろう?気になるだろう?興味があるだろう?さぁ、君も急いでこの部屋を出ないとねぇ、アハハハハハハ!」
トランプを持ちながら顔面を手で覆い、嘲笑する藍綬廊に対し、祐介は藍綬廊の胸倉を掴んで藍綬廊を睨む。
「てめぇ……!厳魁君に……何しやがった!?」
「えぇー?何もぉ?何もしていませんよぉ?彼が勝手に悲鳴か何かを上げているだけではぁ?」
「くっ……この野郎!厳魁君、大丈夫かな、俺がこの部屋を出ないから……!」
戯(おど)ける藍綬廊に対し、激怒する祐介、何なんだコイツ……!祐介はそう思いながら急いでこの部屋から脱出する事を考える、だが、どうやって勝てばいい……?祐介はそう思いながら六回目の戦いを行おうとする──
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
部屋の外、ドアの前の廊下にいる厳魁、アリス、弓華、厳魁の内、厳魁が一人だけ悲鳴を上げる、一体どうしたんだ!?と思いながら先宮がその場で蹲(うずくま)る厳魁の体を、揺らす、すると厳魁はポケットから一枚の紙切れを取り出して、先宮に渡す、その一枚の紙切れをアリス、弓華、先宮は確認した、するとこんな事が書いていた。
『最後の一人と戦っている時に、悲鳴を上げて? どんな悲鳴でもいい、どちらかと言えば、若い女の子か、少年、君がいいだろう、それでは宜しく?』と書かれていた、一体どう言う事なのか?悲鳴を上げ終えた厳魁が言う。
「ふ、ふぅ……大まかに言えば、実は祐介さんも能力者なんですよね、彼は祐介さんの能力を開放させて、能力を覚醒させたいそうで……」
「何なんだぁ?そんな回りくどい事をして……?」
先宮がそう言うと、厳魁が言う。
「これをしないと祐介さんの能力は覚醒しないそうですよ?と言っても紙に書かれている事だからいまいち自分も分かりませんがねぇ……アハハ」
頬を掻く厳魁に対して、弓華、先宮、アリスはちんぷんかんぷん、となっていた──この悲鳴が祐介の能力覚醒となるかはまだ分からない──
「早く勝たないと……早く勝たないと……」
祐介は親指の爪を噛みながらカードを一枚場に置いて、待機する、そして藍綬廊もカードを場に置いて、確認(チェック)する、何度も何度も同じ数字で引き分けを起こす藍綬廊に対し、祐介は廊下の厳魁の事も考え、早期決着をしたかった、そして今回の確認(チェック)も同じ数字での相打ちだった。
「畜生!いい加減勝たせろよ!外の様子も確認したいのに!」
「だったら能力を覚醒させる事だな、それ以外に勝利の道は無いさ」
「くっ……!」
祐介は藍綬廊を睨みながら最後のカードを伏せる、藍綬廊もカードを伏せて、最後の確認(チェック)を行う、だが、その確認(チェック)でさえ、同じ数字のカードで相打ちとなる。
「嘘だろ……『六回連続』、計『七十八回連続相打ち』とか……天文学的数字じゃねぇか……!」
祐介はそう言って静かにトランプを集めて、七戦目を開始しようとする──祐介の『何度でも挑戦する』という気持ちが能力の覚醒に幇助している事に祐介は気付かない──それに気付いているのは藍綬廊ただ一人だった──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.100 )
- 日時: 2017/06/04 23:08
- 名前: 彩都 (ID: rLG6AwA2)
「さぁ……七回目のバトルだ!このバトルで俺はこの部屋を出てやる!」
祐介が意気込んで藍綬廊に言う、だが、藍綬廊は鼻で笑って言い返す。
「『それ』を何回言った?軽く七回目だぜ?いい加減負けるって事に気が付けよ?」
「うっせぇ!『心の目で見る』能力だとか、『心を読む』能力だかは知らねぇが、『負けたくない』って気持ちだけはアンタよりでけぇ!だから勝たないといけないんだ!外の厳魁君の為に!他の三人の為に!」
鬼気迫る顔で藍綬廊に言う祐介、だが藍綬廊は少しだけ喜んでいた、何故なら『祐介の瞳に小さな闘志が宿った』からだ、もしもこのまま挑発と煽りをし続けたら……『彼は能力に目覚める』!藍綬廊はそう思いながら小さな希望を持って祐介に言う。
「だから何だよ?結局は『六回連続で負けている』のによくそんな大それた事を発言するなぁ!外では他の能力者達が四人を襲っている事だろうなぁ!?『能力の使用を制限する』能力とかを使って、四人は能力を使用出来ずにボコボコにされているかもしれないなぁ!楽しみだ!君達侵入者が退治される場面を!私は見てみたい!だけど、それは叶わない夢!何故なら私は『盲目』だからだ!視力が無い!光も見えない!だから私は見れない!それが自分にとっては悲しい!だから!私は『音』だけでも楽しみたい!だからこの戦い、私が勝って、お前等侵入者が悲鳴を上げている『音』を聞いてやる!この勝負!私が勝って、侵入者の君達をぶっ倒す!」
心の奥底で能力が覚醒する喜びと笑顔を必死に隠しながら祐介に言う藍綬廊、だが、祐介も反論する。
「結局!?違うね!『六回連続で負けた』だけで、『七回連続で負ける』とはアンタは言っていない!可能性は『諦めなければ』、絶対に実を結ぶさ!俺の能力を目覚めさせる為に戦っているとかどうでもいい!俺は『アンタという敵を倒す』為に勝つだけだぁ!」
祐介の発言を聞いて、藍綬廊は凭れていなかった背凭れに凭れた、理由は簡単だ、『一瞬だけ能力の爆発が起きた』からだ、後少し、後少しの『火薬』と着火剤が必要だ、後少しで彼は『能力に目覚める』!!楽しみだ!こんなに楽しみな事があっても良いのか!?否!あってもいい!藍綬廊はそう思いながら祐介の『能力の爆発』に大変喜んでいた、さぁ、口論も此処迄にして、爆発する迄戦ってやる!楽しい!何なんだ、この高揚感!?『能力の爆発』を間近で感じる事が出来て、体が喜んでいるのか!?藍綬廊は体の中で起きた感覚を不思議に思いながら高笑いをする。
「アハハハハハハ!やってみろよ!『六回連続で負けている』のに『七回目で勝利する』とは限らないだろう!さぁ、七回目の勝負を開始しよう!!」
藍綬廊は笑顔になっている顔を片手で覆い、カードを先に伏せる、祐介も唾を飲みこんで、運命の一戦のカードを伏せる、この一回戦、先に勝った方が一歩リードする、先に勝った方は『次負けてもあいこだし、まだ勝負が振り出しに戻っただけ』と考えられる、だが負けた方は『次負けたら、相手に二点もリードされてしまう、三戦目も負けてしまったらどうしよう?『三点もリードされてしまう』!』と考えられるのだ、この一回戦、勝たないと『心に余裕が出来ない』!祐介は深呼吸をして、確認(チェック)を行う!祐介は『黒の1』、藍綬廊は『赤のK(キング)』だった、負けてしまった!流石に『黒の1』という最弱手を先に出して、相手も『赤の1』を出して、あいこにさせる事が出来なかった!祐介は苦しい表情をして、二枚目を伏せる、この手で勝てるかは分からない、だけど、『出さないと勝敗は分からない』!祐介は自分の残りのカードを見つめ、時に睨みながらも、藍綬廊を待つ、そして藍綬廊もカードを伏せ、二回戦目の確認(チェック)をする、祐介は『黒の3』、藍綬廊は『赤の4』だった、負けた!二回連続!またも!いや、『七回連続で『二回連続敗北』を喫してしまった』!祐介はそう思いながら三戦目も負けてしまうのでは無いか?と考えてしまう、馬鹿!そんな卑屈、弱気になってはダメだ!次こそ勝てる!次こそは!祐介は何とか心の中の弱気な自分の意見を無視してカードを伏せる、三戦目で一つでも白星を挙げないと!三戦目も黒星になると、『自分は負けてしまうのでは無いか?』とまた卑屈な考えをしてしまう!勝ちたい!三戦目でやっと勝利して、白星を挙げ、心に少しでも安心を、安堵を与えたい!祐介はそう思いながら深い深い深呼吸をして、自分を落ち着かせる、大丈夫、落ち着け……落ち着け……そして祐介は額の汗を拭う、あれっ?何時の間に自分は汗を掻いていたんだろう?無意識かな?何か怖いな……祐介はそう思いながら手札のカードを扇の様に広げて風を送る、これで汗も引っ込むだろう、祐介はそう思い、何度も何度も風を送る、そして何とか体を涼ませた祐介は二回連続で負けた事を思い出す、大丈夫、三回戦は勝てるって!祐介はそう思いながら伏せたカードを確認する──三戦目、祐介が勝つか藍綬廊が勝つかはまだ分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.101 )
- 日時: 2017/06/07 21:29
- 名前: 彩都 (ID: ???)
勝てる!勝てる勝てる!祐介はそう思いながら藍綬廊を見る、藍綬廊は悩みながらカードを伏せ、確認(チェック)する、祐介は『黒の4』、藍綬廊は『赤の5』だった。
負けた!三連続敗北!このまま負け続けていき、自分は『八回連続敗北』するのではないか?と思ってしまう、ダメだダメだ!まず、『七回連続で負けている』だけで、『八回連続敗北』するとは決まっていないじゃないか!祐介はそう思いながら四枚目を伏せる、これで負けると相当心に余裕が無い、いや、今もだが!すると藍綬廊が溜息を吐いて、カードを伏せる、そして確認(チェック)する、祐介は『黒の8』、藍綬廊は『赤の9』だった、またか!何でこうも負けるんだ自分は!歯軋りをして、苛つく祐介に対し、藍綬廊が言う。
「さぁさぁ、早く能力を開眼しなよ?そうでもしないと負けるんだぜ?と言っても、開眼した所で君は自分の能力に勝てるかは分からないけれどね?」
嘲笑してカードで口を隠す藍綬廊に対し、祐介は酷く混乱していた、次負けたら五回連続敗北……その次も負けたら六回連続敗北……祐介は絶望しながら適当にカードを伏せる、藍綬廊も口の端を歪ませて、カードを伏せる、そして確認(チェック)する、祐介は『黒の2』、藍綬廊は『赤のQ(クイーン)』だった、五回連続敗北、祐介の中で何かが壊れる、だめだ、勝てない……能力を覚醒しようにもどうやって覚醒をしたら……?そう考えても、方法が見付からない、祐介は仕方なく、勝つ為にカードを伏せる、このカードで負けたら自分は……『六連続敗北』だ!そう思いながら藍綬廊を睨んでいると、藍綬廊はニヤニヤしながらカードを伏せ、確認(チェック)する、祐介は『黒の5』、藍綬廊は『赤の6』だった、ろ、六回連続敗北!?次負けたら、八回目に突入するじゃないか!祐介はそう思い、頭を抱える、嘘だ!厳魁君だって悲鳴を上げているんだぞ!なのに頑張れない人生の先輩って何なんだよ!?クソッ!クソッ!祐介は自分の不甲斐無さに腹が立ち、机を何度も何度も叩きつける、だが、机に手を叩きつけても何も変わらない、祐介はあまりの出来事に涙を流そうとした時だった。
「きゃああああああ!!」
外から高い声が聞こえた、この声はアリスちゃん!?次に低い声が聞こえる、この声は先宮さん!?そして最後に最初の悲鳴より、少し低い、大人っぽい悲鳴が聞こえる、この悲鳴は……弓華さん!?自分はそう思いながら戸と藍綬廊を交互に見る。
「おやおや、もう追っ手が来て、襲われているんでしょうねぇ?この施設にはロリコンや同性愛者が多く居る、と聞きます、女性や男性も性的に襲われるかも知れませんねぇ?」
「はっ……!?」
藍綬廊の言葉を聞いて、一瞬理解が追いつかなかったが、一回深呼吸をして、藍綬廊の言葉を頭の中で繰り返して、理解する。
「お、お前……今さっき何つった……!?」
「んんー?聞こえなかったのかな?『この施設にはロリコンや同性愛者が多く居る、連れの女性や男性も性的に襲われるかも知れませんねぇ』?ですよ?性的虐待もあるようで……」
藍綬廊のその言葉を聞いた瞬間、祐介の体が一瞬だけ熱くなった。
「あぁ!?それは本当か!?」
「えぇ、嘘は言っていませんよ?」
「……てめぇ、どれだけの畜生なんだよぉ!?」
祐介が藍綬廊に怒鳴った瞬間、藍綬廊はその場で驚き、椅子から崩れて、尻餅をついてしまう。
い、今のは何だ!?何が起こった!?今のは『咆哮』だけじゃない筈!では何だ!?藍綬廊がそう考えた時、一瞬だけ、脳裏に思い浮かぶモノがあった、それは『能力』だ、まさか彼の能力が『威圧させる』能力なのですかね!?藍綬廊はそう思いながら手をバタつかせて、椅子と机を確認し、席に座る、そして藍綬廊は祐介の心に対し、『心の目で見る』能力を発動し、『祐介の心の中』を確認する、だが、確認が出来なかった、何故だ!?何故『心の中を確認する事が出来ない』んですか!?可笑しい、可笑しいぞ!『心の目で見れない相手なんかそもそも存在しない筈』なのに!どうして!?彼の能力とは何なんですか!?『威圧する能力及び、視認出来なくさせる能力』ですか!?もしくは『心を閉ざす』能力!?いや、いやいや!そんな能力、聞いた事がありません!そんな能力は私の『心の目で見る』能力のアンチじゃないですか!有り得ない有り得ない!藍綬廊は心の中で叫びながらもう一度祐介の心の中を見る、今度は違う方面から見る……!藍綬廊はそう考えて、違う方面から祐介の心の中を確認する、するとそこには『諦めたくない!』と現れていた──は?何ですかそれ?まさか彼は『諦めたくない』能力と言う事ですかぁ!?ばっ、馬鹿げている!『諦めたくない』気持ち、いや、能力だけで、心を見させなくさせる等!藍綬廊はそう考えて、一つの結論を思い付いた、ま、まさか『心を読まれたくない』という、『諦めない』気持ちが『能力に現れている』のか!?藍綬廊はその結論に対し、馬鹿げている!と思いながら祐介を睨む、どれだけ『心の目で見る』能力を使用しても、見えない……!藍綬廊がそう思っていると祐介が藍綬廊に言う。
「何をそんなに怯えているんだ?怯えているのは実際こっちなんだぜ?自分は急いでこの部屋を出たい、だから早めに戦って、勝たせてくれよ?」
祐介がそう言って、カードを伏せる、藍綬廊は祐介の心が見えないままカードを伏せ、確認する──七戦目、能力が覚醒した、と思われる祐介と祐介の心の中が見れない藍綬廊、どちらが勝つか、分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.102 )
- 日時: 2017/06/10 21:20
- 名前: 彩都 (ID: u5wP1acT)
カードを伏せられたので、祐介は静かにカードを確認(チェック)する、すると、祐介のカードは『黒のJ(ジャック)』、それに対し、藍綬廊は『赤の6』だった。
「やった!遂に勝利したぜ!此処から逆転してやるよ!」
祐介はそう言って、カードをずらして、場を広げる、そんな祐介に対し、藍綬廊は頭を抱える。
は、はぁ!?どういう事だよ!?能力が使えない上に彼が勝利するなんて!?そんなの偶然、奇跡、まぐれ、幸運なだけ!次こそは!次こそは勝つ!藍綬廊はそう思いながらカードを先に伏せる、祐介ものんびりとカードを伏せる、一勝出来た事に心に余裕が出来たのだろう、祐介はのんびりしていた。
「あ、あの、確認(チェック)の前に一つ聞いてもいいですか?」
「ん?何だよ、早めに済ませろよ?」
藍綬廊の言葉に耳を傾ける祐介、藍綬廊は額から流れる汗を拭いながら祐介に問う。
「あ、あの……何か体に変化は無いのかい?」
「変化?別に何とも……体が軽いって事もないし、別に普通だな……あっ、でも何か変わった事といえば──」
祐介がそう言った瞬間藍綬廊がいきなり立ち上がって、机を叩いて祐介に言う。
「なっ、何なんですか!?」
「えぇっ!?い、いきなりだなぁ……え、えーと……大まかに言えば、お前の『この施設にはロリコンや同性愛者が多く居る、連れの女性や男性も性的に襲われるかも知れませんねぇ』って発言を聞いて、何かが切れて、その後、『負けたくない!早く皆を救いたい!』って気持ちが一気に心に流れたって感じかな……?『負けたくない、諦めたくない!』って思いかね、要約すれば」
「…………」
祐介の言葉を聞いて、少し不思議がる藍綬廊、成程、『怒りでの爆発』で能力が覚醒したと……藍綬廊は親指の爪を噛み締めながら横目で睨む、そ、その前に早く確認(チェック)しないと、そう思いながら藍綬廊は確認(チェック)する、祐介は『黒のQ(クイーン)』、藍綬廊は『赤のJ(ジャック)』だった、嘘でしょう!?相当大きい数字を出した筈なのに!?ま、まさかこれが彼の能力!?いや、そんな筈が無い!彼の能力で心が見る事が出来なかったのに!藍綬廊は混乱しながらカードを適当に伏せる、祐介もカードを伏せて、確認(チェック)する、祐介は『黒の7』、藍綬廊は『赤の3』だった、負けた!?この私が三回連続で敗北!?他の四人ならまだしも、『七十八回連続で勝ち続けた』のに『三回連続で負けた』のか!?どんな強運なんだよ彼は!?藍綬廊はそう思いながら息を切らす、すると息を切らした事に気が付いた祐介が言う。
「おい、アンタ……大丈夫か?息を切らしている様だが?」
「だ、大丈夫だ!貴様に心配される筋合いは無い!」
「あ、あぁ、そうか……それじゃあカードを伏せるから、確認(チェック)をしようぜ?」
祐介の言葉を聞いて、『あぁ、分かったよ』と声を荒げて藍綬廊は確認(チェック)する、祐介は『黒の9』、藍綬廊は『赤の7』だった、嘘だろ!?『四回連続敗北』だと!?一体全体どうなっていやがる!?藍綬廊は恐怖する、何でこんな奴が『能力を覚醒しただけで勝てる』様になるんだ!?どんな能力なんだよ彼は!?いや、それは違うかもしれない、逆に『どんな強運なんだよ!?』と考えるべきか……!!藍綬廊はそう思いながらカードを伏せる、この勝負で決める!そう思いながら祐介を睨む。
「ふぅむ……どうしようかなぁ?それじゃあこれにするか」
祐介は独り言を言って、カードを伏せる、そして確認(チェック)する、祐介は『黒の10』、藍綬廊は『赤の8』だった、は、はぁ?はぁはぁ?はぁはぁはぁはぁ!?『今、この場で、何が起きている』んだ!?心が見れないだけで『五回連続敗北』だとぉ!?嘘だろ!?いいや、嘘だと言ってくれ!藍綬廊は頭を抱えながら机を睨む、一体どんな『チカラ』を使用して、こんな芸当を!?藍綬廊は頭を掻き毟りながら祐介に言う。
「お前……私の能力、『心の目で見る』能力の上位互換である『心を読む』能力を使用して何回も勝ち続けているんだろう!?そうだろう!?」
「『心を読む』ぅ?あぁ、斑みたいな能力か──いんや、俺はアンタの心なんか読んでいない、というより、人の心なんてそういう能力を持っていたとしても、読んじゃいけないと思うんだ、というより、俺の能力はそんな能力じゃないと思う──まぁ、本人に聞いていないから分からんがな」
祐介は鼻を指で擦って笑う、そんな祐介を見て、『この笑顔には一点の曇りも無い』、と判断し、藍綬廊は驚く、それじゃあ何故『勝ち続けている』んだ!?分からない!藍綬廊はそう思いながら残り二枚のトランプから一枚カードを取って、場に伏せる、残り二回、この勝負に負けても次の勝負に勝てばいい!藍綬廊はそう思いながらその場で深呼吸する、祐介も呑気にカードを伏せる、まるで『残り二回も勝ってやる』という様な意気込みで……そして祐介もカードを伏せ、確認(チェック)する、祐介は『黒の6』、藍綬廊は『赤の2』だった、負けた!だけど次で決める!藍綬廊はそう思いながら最後のカードを伏せる、祐介も静かにカードを伏せ、確認する、祐介は『黒のK(キング)』、藍綬廊は『赤の1』だった、嘘だろ……?『七回連続敗北』だと!?嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ!藍綬廊はそう思いながら頭を抱え、机に突っ伏する、すると祐介が言う。
「や、やった……初めて勝ったぞぉ!遂に皆の顔を事が出来る!すっげぇ長い戦いだったけど、楽しかったぜ、アンタ……!」
祐介はそう言って席を立ち、部屋を出ようとする、だが、机に突っ伏している藍綬廊は静かに祐介を睨む──祐介は他の四人の顔を見れるかはまだ分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.103 )
- 日時: 2017/06/11 21:29
- 名前: 彩都 (ID: AdHCgzqg)
「ま、まだだ……まだ終わらない!」
机に突っ伏する藍綬廊は静かに起き上がり、服を脱ぎ始める、すると心臓の部分に何かが取り付けられていた。
「フフフ……君は私のこの心臓の『能力』がある限り、一生この部屋を出る事が出来ない!」
「……それは何故だ?」
藍綬廊の言葉に不思議がる祐介、そんな祐介に対し藍綬廊は簡単に答える。
「はぁ?そんなの決まっているじゃん、この心臓に取り付けられているのは『能力を追加する装置』なんだ、『他人の能力を機械で読み取って、奪って小さなカセットにし、私の心臓に取り付けられているこの機械にセットする』事で使用可能となる、勿論『人間の体には能力は一つが限度なので、寿命を短くしている』がな!」
「なっ……!?能力をカセットの様に!?この施設、何て事を……!その実験の所為で何人が死んだと思っている!?」
「知るかよ、だけど、私はキレた!君の『能力』に!こんな理不尽な事があっても良いのか!?」
「知らねぇよ、自分の能力なんて……でも『今』だけは不思議なんだ、『何でも出来る』って感覚がするんだ、まぁ、後で未来の自分に聞くとするかぁ……」
「未来の自分?何訳分かんない事を……まぁ、いい、君は私を倒さないとこの部屋から出られないんだからな!何を血迷っても無駄さ!」
祐介は藍綬廊の言葉を聞いて、少し考える、コイツ、何を言った?祐介は話を思い出して考えた、そして一つの言葉を思い出した、『カセット』、この人は『カセット』と言った、『カセット』は取り外しが可能、と言う事は……『あの心臓に取り付けられている『第二の能力』が嵌められている『カセット』を外せばいい』のだ!祐介はそう考えて、藍綬廊に聞く。
「ま、まさかだとは思うが、その『カセット』、他の能力者の分もあるのか?」
「はぁ?他の能力者ぁ?……一応あるな、だけど、人それぞれ対応出来る種類があるようだが……その種類の中の能力なら何個でも取替え自由だぜ?」
よし!他の能力者の分の事を聞いた、後は『カセット』の話だ!祐介はそう思い、藍綬廊に聞く。
「あ、あのさ……その『カセット』ってのは、何時でも取り外しが可能なのか?まるでゲームのカセットの様に……?」
「ゲームのカセット?お前面白い表現をするなぁ、あぁ、そうだぜ、『ゲームのカセットの様に取り外しが可能』だぜ?」
よし!話は聞き終えた!これから自分が考えた行動をしようか、祐介はそう思い、藍綬廊の前に移動し、立つ、藍綬廊は音を聞いて、祐介が自分の目の前に現れた事に気付く。
「お、おいっ!何なんだよ!?」
「簡単だよ、『ゲームのカセットの様に能力がとっかえひっかえ出来ると言う事は何時でも能力の変更が出来る』と言う事、だよな?」
「あ、あぁ……そうだが?」
「で、だ、逆に考えてだが、『カセットを嵌めている間しかカセットの中の能力は発動出来ない』んじゃないの?つまり『外したら第二の能力とやらは消える』って感じにさぁ?」
藍綬廊は祐介の言葉を聞いて、藍綬廊は一瞬で理解する。
「まっ、まさか貴様!?この心臓のカセットを抜く気だな!?」
「まぁ、正解だな」
祐介は藍綬廊の言葉を聞いて、返答し、心臓に取り付けられているカセットを取る、だが何も起きない、すると藍綬廊が祐介に言う。
「お、お前……この機械の弱点を察する等凄いな……」
「別に?弱点丸出しじゃねぇか」
「そ、そうか……うっ、ずっと能力を使用していたから、急に力が抜けて……」
藍綬廊はその場で倒れる、祐介は藍綬廊を椅子に座らせて、その場を去ろうとする、だが、祐介は少し気になり、藍綬廊に聞く。
「結局の所、お前はどんな能力を使用していたんだ?心を読んだり、扉の開閉が出来なかったり……」
「まず、心読んだりの方は『心の目で見る』能力、これは相手の心の中を見、出すカードを確認していただけ、次に扉の開閉の事だが、これは阿原木鉦継(あばらき かねつぎ)という人物から奪った能力、『モノの開閉を操る』能力だね……」
「『モノの開閉を操る』、ねぇ……それでずっと閉めていたって訳か……成程な」
祐介はそう呟いて、その場を離れようとする、すると藍綬廊が祐介に言う。
「あっ、そうそう、君には伝えておかなければならない事が」
「はぁ?最後に何なんだよ?」
「『その感覚を忘れるな』よ?その感覚が『君の能力を発動する』トリガーだ」
「はぁ?何を言ってんだアンタ、能力を発動するだぁ?その前に俺は能力を発動していないぜ?」
祐介の言葉を聞いて、藍綬廊が驚愕した、まさか彼は『自分が今現在能力に目覚めている事に気が付いていない』というのか!?藍綬廊はそう思いながら祐介に言う。
「いやあのね、君は今、『能力に目覚めている』訳なんだけど?」
「へぇ?そうなの?でも自分が能力者だったなんて……確かに紙に黒く塗り潰されている所があったな、帰ったら聞こう」
祐介はそう言って扉に手をかけて藍綬廊に言う。
「楽しかったぜ、トランプ」
「そうか……君もちゃんとその感覚を覚えて、何時でも能力を発動出来る様にしろよ?」
「ふんっ!そんな事、出来るかは分からねぇけどな」
祐介は藍綬廊と少し会話をして、部屋を出る、その頃には祐介の能力はもう消えていた──そして祐介は四人と合流した──
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