コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.269 )
- 日時: 2018/07/08 22:47
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「もう三周目かぁ……」
先宮さんはそう呟いて、一位争いをしているアリス、祐介を見る。
それにしても、どちらが一位になるんだ?もしもこのまま進んで、同着になったら、ビデオ判定でもするのだろうか?もしくはそのまま同着一位、俺達親子のどちらかが三位になるのか……まぁ、それは少々気になるな、まぁ、ゴールすれば分かるか、後数分で終わるし……先宮さんはそう思いながら、三位の砦を死守する──
「ふむぅ……早く一位になりたいなぁ?そしてアリスちゃんと一位二位フィニッシュしたい……でも、中々に難しそうなんだよなぁ?だって、祐介君とお父さんと言う壁を超えなきゃならないし……あぁ、面倒だ……」
春華はそう呟いて、その場で溜息を吐く、さぁ、さっさと三位四位になれよ、お父さんに祐介くぅん?そんな事を思いながら、春華は真っ直ぐ見つめる──
「あー、お兄ちゃんがセクハラに動揺しないから、先宮のおじさんに怒られちゃったんだよ……(はぁ)」
アリスはそんな事を呟きながら、虚空を見つめる、だが、手にはハンドルが握られている、ちゃんと運転している事は確かだった。
それにしても、もう最終レースって言うのに、あまり動いていないな……もしかしてラストスパートをするのかなぁ?でも、私はそれはしない、何故なら、『今がラストスパートと同じレベル』だからだ!アリスはそう思いながら、口の端を歪ませ、『まだまだ二位なんだ、勝てる可能性は残っている!!(一位になるぜ!)』と、思う──
「……今は一位かぁ……何とかアリスちゃんとの言い合いで気をとられている間に、先にスピードを上げて、一位になれて良かった……が、まだ油断は禁物、油断大敵、まだまだ一位の壁は高いかもしれないし、分厚いかもしれないし、もう乗り越えている可能性だってあるんだ、だから、頑張って、先に進まないと……!」
祐介はそう呟いて、前を見る、まだまだ三周目に突入したばっかだ、だから、まだまだ油断は出来ない、さぁ、頑張って、一位を維持しなければ……祐介はそう思い、ハンドルを強く握って、息を吸って、吐いた──さぁ、頑張らねば──
今の所、一位は祐介、二位はアリス、三位は先宮さん、そして四位、最下位は春華だった、春華に逆転は起こるだろうか?先宮さんにも逆転が起きるだろうか?アリスにも逆転が起きるだろうか?それは誰一人として分からない、このまま祐介が一位で突っ走るかもしれない、逆に祐介が操作ミスやコースアウトして、二位、三位、はたまた四位、最下位になるかもしれない、それは起きるか分からない、何故なら、祐介の操作ミスやコースアウトは『運』によって決まるからだ、なので、このレース、『祐介の運が掛かっている』のだ!祐介が一位になれたのは『運』のお陰かもしれないし、そう言う星の下に生まれているだけかもしれない、なので、祐介が一位を維持するのか、もしくは、二位、三位、四位に落ちるかは、祐介の『運』次第なのだ、今、一位になっているのは祐介の『運』なのだ、だが、此処、レース中でアリスの『運』、先宮さんの『運』、春華の『運』が祐介の『運』より上回るかは、それは当人の『運』次第だ──
「はぁはぁ……後少しで半分だなぁ」
祐介がそう呟いて、汗を拭う、レースが半分になる迄はずっと、祐介が一位になっており、二位と、三位、四位のメンバーは順位を変えずに、ただ、只管(ひたすら)に順位をキープ、維持していた。
と、この時だった、祐介がレースの半分に差し掛かったカーブを行った時だ、『負けるかぁ!(負けん!)』と、『アリスが元の姿になって、一気にスピードを上げてきた』のだ、まさかの魔女モードから、幼女モードになったのは祐介にとっては衝撃的で、驚きのあまり、端に『ゴーカート』を寄せてしまった、そう、『寄せてしまった』のだ!アリスはその隙を、隙間を逃さず、一気に加速した。
これにより、祐介の一位状態が陥落され、再びアリスの一位王政が始まった。
まさかのアリスの変身に祐介は衝撃を隠せなかった。
「あ、アリスちゃん!?」
「へっへっーん!お兄ちゃん、私はこの『最後の瞬間』を狙っていたんだよ!『どうせ三周目だし、もうじき終わりだろう、少しでも、ゆるーく行こう』なーんて、考えでもしていたんでしょう!?甘いんだよ!勝負の世界に油断は禁物なんだよ!これはお兄ちゃんが油断したから起きた事象なんだよ!あーっはっはっ!これで私が一位!体も小さい、体重も小さい!スピードの世界において最強!更にこの状況、カーブ時のスピードに気をつけたら、一位は完全!先宮のおじさん!春華お姉ちゃん!そして祐介お兄ちゃん、これで私の勝ちは決まった!この勝負、女子チームの勝ちでけってぇい!!(お兄ちゃんも先宮のおじさんももう勝てまい!これで私達女子チームの勝利だ!)」
アリスは後方の祐介、先宮さん、春華に高らかに宣言する、祐介、先宮さんは『畜生!やられたぁ!』と、思ったが、春華だけは『やった!これで女子チームが勝つ!』と、思った。
現在一位のアリスはこのまま、一位を続ける事が出来るのか?それはレースの残り半分に懸かっている──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.270 )
- 日時: 2018/07/11 22:24
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「くっそ!?アリスちゃんが一位!?うーわ……早く一位を取り返さないと……」
祐介は一位になったアリスを見て、声を荒げる、そんな筈が無い、俺が一位だったのに!祐介はそう思いながら『ゴーカート』のアクセルを踏む、だが、早く先に進むアリスよりかはスピードが遅かった、もっとスピードを上げなければ!だが、自分の体重、重さでは、アリスよりも軽くなる事は出来ない、ではどうするか?どうする事も出来ないのだ、なので、祐介はその場で運転しながら考える、残り半分のレースの中で、急いで、早めに思いつけと思いながら、ハンドルを握る──少しでも、一位を取りたい、そう思いながら──
「アリスちゃんが一位、かぁ……こりゃ、もう勝ち目ねぇなぁ……俺、三位だしなぁ……」
先宮さんはそう呟きながら、額の汗を拭う、もう、これ以上自分が順位を上げる事は不可能だ、だが、『後者に対して、邪魔をする事は可能』である、先宮さんはそう思いながら、蛇行運転を行う、右へ左へ、左右へ揺れ、右往左往する、これをする事によって、三位である先宮さんの後続、春華を三位に浮上させる事を不可能にするという行動が出来る、さぁ、この行動で春華を邪魔するぜ!親だろうと、卑怯な手を使ってはいけないというルールは無いからな!ルールがなければ、警察の俺だって、自由なんだよ!先宮さんはそう思いながら、ハンドルを強く握って、真っ直ぐ見据える──だが、蛇行運転をしているので、視界は真っ直ぐ見えず、横に揺れる──うっ……あ、案外蛇行運転って、吐きそうだ──
「うぅっ、お父さん、蛇行運転で邪魔してる……!親だからってして良い事、悪い事があるでしょうよ……?全く後で家に帰ったら、怒っておこう、女を舐めない事ねお父さん?」
四位の春華はそう呟いて、頭を片手で抱える、そして、『とりあえず、お父さんを抜かないと』と、判断し、真っ直ぐ前を見て、父、先宮さんの蛇行運転の弱点を見つめる、だが、『蛇行運転とは、『蛇のように左右に移動する』運転方法の事、なので、父、先宮さんの蛇行運転の弱点は何一つ理解出来なかった』、一体どのタイミングで右へ左へ移動しているのか、分からない……春華はそう思いながら、『これを突破するのは難しそうだなぁ』と、思う、そして、父、先宮さんの蛇行運転の邪魔を受けながら、春華は静かに進む──
「ふーはっはっはっー!これで私が一位!これで私が『レース最強の女』と言われる!さっすがアリスちゃんだねぇ!素晴らしいよぉ!!アハハハハ!(自分で何言ってんだ)」
アリスは口の端を歪ませながら、目の前に誰もいないレースのコースを走る、そしてアリスは後続の三人を見て、『プププ、おっせー(笑える)』と、思っていた、だが、日本の言葉に『油断大敵』、『油断はするな』という言葉がある、『油断』とは、確か『気を緩めている』という事、だから、『油断大敵』、『油断はするな』っていう意味は、『気を緩めず、気を引き締めろ』って意味だったっけ?まぁ、良いか、今、日本語の事を思っていても意味が無い、今思うべきなのは、レースの事だけ、レース上で一位になれるかが問題だ、アリスはそんな事を思いながら、一気に息を吸い、体に新鮮な空気、酸素を送る、体に新鮮な空気、新鮮な酸素を送ると、思考がスッキリし、冷静になれる気がするからだ、アリスは、その行動をし、少し、冷静、落ち着いた、さぁ、頑張ろう、アリスはそう判断し、残り半分のレースに挑んだ──残り半分、この半分で何かが起こるかもしれないし、何かが起こらないかもしれない……それはアリス、祐介、先宮さん、春華の四人の運次第だ──
そしてレースは進み、残り四分の一になる、残り四分の一になっても、一位はアリス、二位は祐介、三位は先宮さん、四位、最下位に春華が存在していた、アリス以外の三人は『少しでも良い順位に進まなければ!』と、躍起になっており、アリス以外の三人は二位争いをしていた、もうアリスには勝てないと、判断したからだった、だが、此処で、急に『アリスがスピードを落とし、二位の祐介の隣に移動』する、この出来事があり、祐介は驚愕してしまう、『どうして?』、祐介の心の中でその四文字がぐるぐると回転していた、一体どう言う理由でアリスが、二位に陥落したのか、祐介には分からないが、アリスには、何かしらの理由があるのかもしれないと、祐介は思った、そして、そのままレースは進み、アリスの事をずっと見つめていた祐介は、『どうして自分と同じスピードで二位になっているのだろうか?……まさか、『兄』と掛けているのだろうか?『お『にい』ちゃん』だけに……?』、という、巫山戯た事を考えた、いや、実際、そうかもしれないし、祐介の思った通りかもしれない、だが、流石に日本語をあまり知らないアリスだ、流石にそれは無いよなぁ?と、祐介は思った、そしてレースはもうすぐ終盤になる、祐介は『このままなら、一位になれる!』と、思い、アクセルを踏んだ、そしてアリスより少し前に出始める、よ、よし!アリスちゃんは何も反応が無い!これで俺が一位だ!祐介はそう思いながら、二位のアリスを見つめた──だが、アリスは何もしない、一体何を考えているのか、祐介には分からなかった──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.271 )
- 日時: 2018/07/14 22:37
- 名前: 彩都 (ID: ???)
祐介が急スピードを出し、先へと進む、そして祐介は一位になる、二位はアリスだった、そんな中、祐介はカーブを見つける、おっと?カーブには気を付けないとなぁ?そう思い、スピードを落とした瞬間だった、『真横から、アリスの『ゴーカート』が現れた』のだった、よくよく見てみると、アリスは魔女モードになっており、体重も増えていた。
「甘い!お兄ちゃん!私はこの直線を待っていたんだ!(行くぜ!)」
アリスはそう叫んで、カーブした後、すぐに幼女モードに戻って、スピードを上げた、すると、アリスの『ゴーカート』はスピードを上げ、祐介を二位にする、そして、最後の直線を走りきり、アリスは一位になる、そして、アリスは両手を挙げ、『やったー!(大勝利!)』と、叫ぶ、だが、アクセルは踏んでいた為、真っ直ぐぶつかる。
「あでぇ!?(いってぇ!!)」
「あぁー、負けちゃったなぁ……」
祐介はゴールした後、そう言い、『ゴーカート』を降り、アリスの方へ向かう。
「だ、大丈夫かぁ?」
「だ、だいじょばない……(汗)」
アリスはそう言って、『ゴーカート』の中で項垂れる、まぁ、そりゃそうか、祐介はそう思いながら、ハハハ……と、笑った──
そして、二位に祐介、三位に先宮さん、四位に春華がゴールした、春華は四位で最下位だったが、『アリスちゃんが一位だし、実質女子チーム優勝よね?』と、言う。
「ま、まぁ、そうだけど……さぁ、後はお片付けだな」
「そうですねぇ……おーい、アリスちゃぁん?生きてるー?」
「い、生きてる……(このお兄ちゃん酷い)」
アリスはそう言って、先に『ゴーカート』に乗って、元の場所に直す祐介の後をゆっくりと追う、そして、『ゴーカート』を直し、アリスは何とか、『ゴーカート』から降りる。
「ふー、案外痛かったぁ、それにしても、私優勝だよ!(やったぜぇ!)」
「そうだなぁ?それにしても、アリスちゃんが能力で変身するのはずるいなぁ、と思った」
先宮さんがそう言うと、アリスはニヤニヤ笑いながら胸を張る。
「甘いですおじさん!勝負の世界にずるいも無いんだよ!(知ってた?)」
「う、うぅむ……た、確かにそれもそうだなぁ……」
「何丸め込まれているんだ、先宮さん……」
祐介はそう言って、静かに呆れる、そして、祐介達四人は次のアトラクションへと向かった──
時間は昼の一時を越えていた、そんな中、春華が言う。
「それじゃあ、次は迷路にしましょうか、迷路なら、楽しいでしょうし?」
「えぇっ?迷路ぉ?ふむ、今度は足を使うんだな!」
先宮さんは娘、春華の発言を受けて、脹脛(ふくらはぎ)を叩いた、『お父さん……』と、恥ずかしそうに顔を隠す春華に、祐介が一言言う。
「ふむ、迷路、ですか……でも、何処で迷路をするの?パンフレット見ていないし、何処か分からないんだけど……?春華ちゃんは迷路のアトラクションの場所、知っているの?」
祐介の発言を聞いて、『あぁ』と、春華は答える。
「一応はパンフレットに載っていますし、大丈夫でしょう、此処から近いかもしれませんし」
「そ、そうか?それなら安心だ、もしも適当に言っていたら怖いし、何より迷路のアトラクションがなかったら、怖いしな?」
「アハハ……確かにそれもそうですねぇ……」
春華は祐介にそう返答し、パンフレットを見る、ふむ、案外広い迷路なんですねぇ、これは時間が掛かりそうだ……でも、場所は何処だろう?……あっ、見付けた、成程、最初の脱出ゲームの近くですか、成程成程、春華は心の中で判断し、三人に言う。
「それでは、脱出ゲームの方へ向かいましょうか、迷路はそっち方面に有ります」
「成程、分かったぜ」
「よし!それじゃあ、誰が一番ゴール出来るか、競争だぁ!」
「いえーい!迷路楽しみぃ!!(ゴール出来るかなぁ?)」
祐介、先宮さん、アリスはそう言って、迷路にワクワクする、そして春華の案内で迷路のアトラクションへと向かった──
「へぇ、此処が迷路のアトラクションかぁ……うっわ、ひっろ……」
祐介は迷路のアトラクションがある場所を見て、そう呟く、それもそうだ、この迷路のアトラクション、実はこの『安瀬パーク』の中で、最大級の規模を誇る大きさの迷路だからだ、『安瀬パーク』の二割を占める広さでもある。
「えーと、とりあえずは並びましょうか?並ばないと意味が無いからね」
「まぁ、それもそうだな?」
春華の発言を受け、先宮さんが返答する、そして四人は綺麗に縦に並んで、迷路の順番を待つ。
「ふむ、それにしてもどんな迷路なんだろうか?楽しみなんだが?」
「ふふふ?それは私もだよ祐介君?一体どんな迷路か?私もワクワクだよ?」
「はははっ!大丈夫だって!祐介君や春華でも解ける、安心設計だろ?……まぁ、アリスちゃんは身長の所為で不明だが?」
「えー?能力で大きくなればいいじゃぁん?大人の姿にさー?(ふふふのふー)」
「い、いや!それはアウトだって!」
「いやいや?トイレの中で変身すれば……(大丈夫!)」
「成程……確かに一目がつかなきゃ、能力の使用はOK……って、なるかぁ!?」
アリスの発言を受け、ノリツッコミを行う先宮さん、それにしても、一体どんな迷路なんだろうか?祐介はそう思いながら、顎に手を乗せる──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.272 )
- 日時: 2018/07/15 22:27
- 名前: 彩都 (ID: ???)
迷路のアトラクションで遊ぶ為に並んで待機する四人、すると、四人の中で一番前の祐介迄の約十人が一気に前に進んで、迷路のアトラクションの中に入った、そして、横の掲示板を見ると、『一回に入れるのは十人迄です(団体除く)』と、書いてあった、成程、そりゃ、俺入れないや、祐介はそう判断し、静かに待機する。
そして、待機していると、アリスが祐介の上着の裾を引っ張って、言う。
「ねぇ、お兄ちゃんは迷路、得意?(どう?)」
「迷路……?どうだろうなぁ?人生の迷路には困っている、かなぁ……?」
「そう言う大人向きの答ではなくて?(巫山戯んな)」
「えぇっ……いや、得意と言うか、そもそも迷路はあまりやった事が無いな?母さんとよく遊んでいたからなぁ……」
祐介がそう言うと、先宮さん、アリスは冷や汗を流しながら、呟く。
「あぁ、それは分かる……」
「まぁ、身長の事を考えれば、幼稚園児のお兄ちゃんと、あの母親なら、親子じゃなくて、姉弟扱いだもんね……(笑える)」
「う、うぅ……確かに小学校終える迄、母扱いではなく、姉や妹扱いでした……」
祐介は先宮さん、アリスの発言を受けて、頭を垂らして、静かに呟く。
「そ、それは災難でしたね……?」
すぐさま春華がフォローに入るが、『ま、まぁ、仕方無いさ……』と、呟く祐介。
そして、時間は過ぎて、『それでは、次の十名、どうぞー』と、従業員の声が聞こえた。
「よし、行こうか」
「そうだね(うん)」
「さぁ、どんな迷路が待っているんだろ?」
「知らないよ?進まないと分からないさ」
祐介の発言にアリス、先宮さん、春華が言う、そして、四人は迷路のアトラクションへと、身を乗り出した──すると、迷路のアトラクションに入るや否や、いきなり緑の床、緑の壁、茶色の壁紙で満たされていた。
「な、何だこれは……?」
祐介がそう言うと、迷路の入口に立っていた女性の従業員が言う。
「今回の迷路は『アマゾンの迷路』となっております、なので、森林や木の幹を表現する為に、こんな色合いとなっております」
「成程……確かにアマゾンはこんな色、しているよなぁ……?」
女性の従業員の説明を受けて、祐介は静かに納得する、すると、先宮さんが『何だぁ?あの壁ぇ?随分高いなぁ』と、呟く、すると、また女性の従業員が言う。
「え、えぇ、高いでしょう?一応、2mの人でも見れないように、2m50cmの高さにしているんです、これで、誰も見れないと思います……」
「成程、高身長の奴は迷路を見れるしな?って、それでも、迷路を見る奴がいるんじゃぁ……?」
先宮さんがそう言うと、女性の従業員は『大丈夫です』と、言う。
「迷路の上の方に何本も糸を張っているのがお分かりでしょうか?あそこに当たると、糸の先のベルが鳴って、『あっ、肩車して、見ているなぁ?』ってのが分かるんです、だから、見れないんですよ」
「成程、流石にそこ迄計算しているんだなぁ……」
先宮さんはそう言って、成程成程と、言葉を続ける、そして、『あっ』と、声を出した。
「そうだ!今回も二人一組になろうぜ!どっちが早く迷路を攻略出来るか、勝負だ!」
「えぇっ……またぁ?お父さん、飽きるよー?」
「だー!今回ので終わるって!だから頼む!」
「うぅむ……仕方無いなぁ」
先宮さんの言葉に春華が否定するが、祐介は静かに頷く。
「やった!有難う祐介君!それで、今回は『祐介、アリス』ペアと、『春華、俺』の先宮親子ペアだ!」
「えっ?お父さんとぉ!?まさかの組み合わせ!?」
春華はその場で驚愕する、驚愕する春華に対し、『へっへーん!』と、鼻を高くする先宮さん。
「甘かったな我が娘よ!こう言う事になる事も忘れるなよ!」
「ぐぅぅ……お、お父さんと二人きりは恥ずかしいなぁ……?」
頬を赤らめる春華に対し、アリスが言う。
「でも、今絡んでおかないと、人間何時死ぬか分からないよ?明日死ぬかもしれないし?(でしょう?)」
「……えっと、あぁ、うん、そうだね……」
アリスのガチ系の発言を聞いて、テンションが下がる春華、まぁ、アリスちゃんの言う通りだ、お父さんは一応警察の人間、犯罪者の家族に襲われたり、犯罪者との銃撃戦でぽっくり逝ってしまう可能性もある、殉職も有り得る職業なのだ、そんな父がこうやって、はしゃいでいるのだ、まぁ、アリスちゃんの言う通りかもしれない、仕方無い、仕方無いから、お父さんと一緒に組んであげるか、春華はそう思い、はぁ、と、大きな溜息を吐いた。
「分かった、分かったよお父さん?お父さんと私が組めばいいんでしょう?」
「おっ?どうした?心変わりかぁ?」
「さぁ?それは秘密よ?さて、それじゃあ、アリスちゃんと祐介君チームよりさっさと先に進めばいいんでしょう?じゃあ、さっさと行きましょう?」
「お、おぅ、待てって?……えーと、大人三枚とー……」
先に進もうとする春華を止めて、先宮さんは祐介達三人、アリス一人の金額を支払う。
「よし!支払いも済んだから、さぁ、二人に分かれて、進もう!」
「はい!」
「分かったー(行くぞぉ?)」
先宮さんの声を聞いて、自分とアリスは返答する、そして先に春華、先宮さんが進む。
さぁ、先に攻略してやるぞ!自分はそう思いながら、アリスの左手を握る──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.273 )
- 日時: 2018/07/18 22:06
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「あっ、ちょっと待って」
迷路の入口の前に立って、春華が言う。
「ルールを言っておくね?私達が先に入る、その後に祐介君チームが入って?後、五分後に入ってね?」
「あ、あぁ……」
「う、うん……(ややこしい)」
祐介とアリスは春華の発言に静かに返答し、その後、先宮さん、春華ペアは迷路に進入する、う、うーん、暇だなぁ?祐介はそう思いながら、スマホを起動し、タイマーを起動、五分後に時間を設定し、待機した──
ピピピ、と、スマホが鳴る、もう五分か、そう判断し、祐介はアリスの手を握る。
「よし、行こうか」
「うん(さぁ、勝つぞぉ!)」
祐介の発言に返答するアリス、そして、祐介、アリスペアが迷路に進入する──どんな迷路なんだろう?とりあえず、右手を壁に当てていれば、出れる、そう判断し、祐介は息を飲みこんだ──
「はぁはぁ……」
春華は歩きながらその場で汗を掻いていた、まぁ、一応は夏だし、汗も掻くだろう、そう判断する先宮さんだが、この迷路には決定的な、致命的なミスがあったのだ、それは『空調設備』である、『高さ2m半もあるのだ、壁にエアコンを設置しなければ、迷路内は涼しくならない』のだ!その事に気がつかない従業員も従業員だが。
上に設置しても、迷路内迄、冷風が来るとは限らないのだ、そんな事も知らずに、先宮さん、春華の二人は進んでいた。
すると、顎に水が溜まる感覚がした先宮さんは顎に手を触れ、手を視認する、すると、そこには、べったりと、水が指先についていた、うぉっ!?俺も汗が!?先宮さんはそう思いながら、春華を確認する、春華はタオルを頭に巻いて、バンダナの様にしていた。
「…………」
「……何、お父さん?」
「い、いや、何でもない……」
春華の様子を見、『夏だけじゃないな?』と、判断する先宮さん、そして、先宮さんは春華に言う。
「な、なぁ、春華?」
「何お父さんって?」
「えーと……暑いか?」
「暑いに決まってんでしょうか?もしも暑くなかったら、汗も掻いていないし、他にも、タオルを頭に巻いていないでしょうが?でしょう、お父さん?」
「え、えと、そうだな……実はお父さんも暑いんだ……ムラっと、というか、むわぁ、とした感じが、するんだ、お父さん的には?」
「……私も同じ感覚をしているよ?もわもわって感じかもしれない」
「あっ、流石にそれはお父さん理解出来ないなぁ?もわもわって、どんな感覚なの……?」
「えっ?分からないの?まぁ、仕方無いか?言葉だけじゃ、伝わらない場合もあるもんね」
「う、うん、そうだよね、うん……って、それにしても暑いなぁ?クーラーどうなってんのぉ?」
「さ、さぁ?でも、『手を上げれば、冷風は来ている』んだよね、だから、この壁が邪魔している可能性も……?」
「……マジかよ、巫山戯んなよ、迷路め……ってか、誰が上って見ているんだよ?上るから悪いんだろうがよぉ……!」
先宮さんはそう言って、舌打ちをする、すると、春華が『同感』と、一言言う。
「だよなぁ!さっすが俺の娘、同調してらぁ」
「そりゃそうじゃない、私はお父さんの娘よ?大体が同調するわ?」
そう言って微笑む春華、すると、先宮さんも口の端を歪ませ、『親子だなぁ』と、呟いた。
「そりゃそうじゃない?だって、お父さんの血を半分も受け継いでいるんだから?」
「まぁ、それは否定しないし、九十九パーセント合っている事だろうしな……」
先宮さんはそう言って、『暑いなぁ』と、呟きながら、先へと進む──先宮さん、春華ペアが先に迷路を脱出出来るかは分からない──
「ふむ、結構進んだけど」
「迷った(これヤバい)」
祐介、アリスがそう言って、お互いがお互い頭を抱える、マジかよ?こんな簡単に迷路で迷うのかよ、祐介はそう思いながら、『マジかぁ』と、呟く、うわぁ!日本の迷路がこんなに難しいだなんて聞いていないんだけどぉ!?どういう事ぉ!?日本人こういう遊びに対しては本気なんだからぁ!後、機械関係とか、部品関係とかぁ!細かい作業大好き国家、国民めぇ!!アリスはそう思いながら、『遊びに本気になるんじゃねぇ!(日本人の馬鹿ぁ!!)』と、心の中で、叫ぶ。
「と、とりあえず、前に進まなければ先には進めない!」
そう言う祐介だが、アリスがツッコミを入れる。
「いや、その前に前に進むと壁にぶつかるんだけど?右か左か、左右どっちかに移動しないとダメじゃん(ダメじゃん)」
「うぐぅ!た、確かにそうだけどさぁ……い、いや、こういうのって、言葉の綾じゃん?」
「外国人の私に日本語での言葉の綾なんざ伝わらんよ?分かってる?(馬鹿なの?)」
「……ご尤(もっと)もだなぁ?じゃあ、どうする?右手を壁に当てて進むのは、何か間違った道に行きそうで面倒だし……」
「じゃあ、左にずっと進もうよ、そうしたら、外と近付けるでしょう?(でしょ?)」
「成程、そして周りの音を聞いて、前に進むってか」
「そう言う事、それならどう?(どうかな?)」
「……ナイスアイデアだ、その作戦を行おう!」
「分かった(分かった)」
アリスの案を受け入れる祐介、そして祐介とアリスは左の方へと向かい、建物の出口の方へと、向かう──先宮さん、春華ペアより、祐介、アリスペアが先に出るかは分からない──
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