コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.174 )
日時: 2017/11/25 21:29
名前: 彩都 (ID: s/G6V5Ad)  

「そうだよね……何か俺、変な事を考えていたな……それじゃあ、気を取り直して、琴音ちゃん、二曲目、行くよぉ!」
「うん!元気になって良かった!よし、二曲目、掛かって来い!」
琴音はそう言って、マイクを持ち、ONにし、大画面を見る、大画面には『ハニーバニー・ビスケット』という文字が現れる、その文字を見て、琴音は顔を思いっきり隠し、その後、祐介からリモコンを奪い取ろうとしていた。
「消せぇ!祐介君、これは急いで消してぇ!」
「ど、どうして!?克服したいんだろう!?それなら恥ずかしさも我慢しないと!」
「う、うぅっ……!」
琴音は赤面しながら涙目で歯軋りをして、マイクを口の前に移動させ、声を発声させる。
「……だぁいすき、お兄ちゃん(はぁと)」
「…………!!」
琴音のアニメ声を聞いて、祐介は口を隠し、興奮する、これを聞きたかった……!祐介はそう思いながら感動する、この曲、『ハニーバニー・ビスケット』というのは、綾川琴音、初のアニメソングなのだ。
そのアニメの内容は『兄・伊利(いとし)が大好きな妹の恋詩(こいし)の伊井藍(いいらん)兄妹、その恋詩が兄の伊利を恋に落とし、カップルとなり、そして現代日本初の近親婚を認めさせる』迄のお話である。
琴音は『アニメソング』とは聞いていたが、『アニメ声で『だぁいすき、お兄ちゃん(はぁと)』と言う』事は知らず、収録でも結構恥ずかしがったという話は祐介も聞いていた。
うぅっ……この歌をまた歌う破目になるとは……琴音はそんな事を思いながら、内心赤面する、うぅっ……恥ずかしい、こんなアニメ声、あんまり出さないから、そもそもとして恥ずかしい……!琴音はそう思いながら何とか『ハニーバニー・ビスケット』を歌い切る。
「はぁはぁ……有難う御座いましたぁ!」
「いやぁ、可愛い声で可愛いよ、うん、可愛い以外のコメントが思い付かない」
拍手をする祐介を見て、涙目で琴音は祐介を睨む、祐介も『少しやり過ぎたかなぁ?』と内心思った。
「ま、まぁ、まだ三曲目がある!頑張って克服しよう!」
「う、うん……」
赤面した顔を鎮めるべく、琴音はコップを持って、祐介に言う。
「ちょっとドリンクバーへ行ってくる、その間、祐介君、適当に歌ってて?序でにトイレにも行くし……」
「ん?そう?分かった、気長に歌って待ってるよ」
祐介はそう言って、適当にタッチパネルを操作する、琴音はそんな祐介を見て、部屋を出る、そして部屋の番号を確認、『208号室』ね、そう判断して、琴音はドリンクバーを探す。
「うーん、とっても恥ずかしかった……もうあの曲は黒歴史、厨二病レベルだわぁ……!」
琴音はそう呟きながら、赤面した顔を冷やす為に目の前のドリンクバーに近づいて、ジュースを適当にコップの中に入れ、すぐさまコップの中のジュースを飲み干す、うん、冷たくて心も精神も冷えそうだった、全く何であんな曲を作ったんだ……?あの曲歌う人、相当恥ずかしいよな?だって歌い手である自分がそうだし……もしもカラオケでその曲を歌う人ってどんな人なんだろうなぁ……?等と考えながら琴音はもう一度コップの中にジュースを補充する、そして欠伸をして、琴音は『208号室』へと戻る、すると部屋の前に祐介が歌っているのを確認する、この曲は……聞いた事が無い、一体どんな曲なのだろうか?琴音はそう思いながら、片手でドアを開けて、ジュースが零れないようにコップを体の内側に持って行き、衝撃を減らしながらコップを机の上に置く、そして琴音はタッチパネルのリモコンの『履歴』ボタンを押し、履歴を確認する、すると一気に履歴が現れ、琴音は一番上の曲を確認する、その曲の名前は『スタッカートを刻んで』という曲だった、琴音はそんな題名、タイトルの曲なんか聞いた事がなかったので、首を傾げる、すると祐介が歌っている、『スタッカートを刻んで』という曲は終了し、カロリー表示が出る、消費カロリーは『12Kcal』だった、うわぁ……結構消費カロリーがある曲なんだなぁ、と思っていると、戻ってきた事に気が付いた祐介が言う。
「あっ、お帰り」
「あっ、うん、ただいま……ねぇ、祐介君、この曲、『スタッカートを刻んで』ってどんな曲なのぉ?」
「ん?どんな曲、と言われたら少し困るな……何と言えば良いだろうか?クラシックに流れてきそうな曲で、ジャズにでも流れてきそうな感じの曲で……色々な所で使える曲、と言えば良いかなぁ?この曲をさ、聞いていると、少し安心するんだよなぁ……」
そう言う祐介の表情は『少し悲しそうな表情』をしていた、と、此処で琴音は『悲しそうな表情の理由を聞いても良いのだろうか?』と思う、だが此処で聞いてしまったら、『何か、引き返せなくなる』感覚を覚えた、何なんだこの感覚は?何なんだこの感情は……?琴音はそう思いながらその言葉を飲み込んで、返答する。
「へ、へぇ、そうなんだ……」
琴音がそう言うと、祐介がタッチパネルの『検索』ボタンを押して、琴音に言う。
「それじゃあ琴音ちゃん、克服の為に、三曲目行こうか?」
祐介の言葉に『う、うん……』と返答する琴音、そして祐介は琴音の曲を探す──祐介が琴音の曲を探している間、『あの時、聞いておけば良かったかもしれない』、と脳裏に言葉が過ぎる、いいや、此処で聞いても何も変わりは無い、と琴音は考えて、マイクを持ち、ONにスライドする、さぁ、次の曲は一体何なんだろうか?それは曲を選んでいない琴音には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.175 )
日時: 2017/11/26 21:51
名前: 彩都 (ID: as61U3WB)  

「ふむ、三曲目は『ビスケットヒストリー』だよ」
曲名を聞いた瞬間、琴音はその場で固まった、それもその筈、『ビスケットヒストリー』は『悲しめの曲』だからだ、なので、その場でないてしまうかもしれない可能性を秘めていた。
だが、この曲を歌っている自身は泣く事が無いが、祐介が泣いてしまうかもしれない、という可能性があった。
「……本当にそれで良いの? 泣かない?」
「お、おぅ……泣かないぜ?」
祐介の言葉を聞いて、歌う決心がつく、そして『ビスケットヒストリー』という曲が始まる。
『ビスケットヒストリー』とは、簡単に説明してしまえば、『ロミオとジュリエット』のような悲恋物の曲である。
一人の青年が一人の女性を愛し、結婚寸前で、二人共殺されてしまう、何とも可哀想な曲だった、因みにこの曲は昼ドラの主題歌である。
「はぁ……初めて出会ったのは15の夏、愛しい愛しい君と出会ったんだ!」
琴音は息を吸って、『ビスケットヒストリー』を歌い始める、祐介は琴音の声に驚く、矢張り生の歌は良いなぁ……そう思いながら曲に酔いしれる。
そして何とか歌い切り、手の甲で自身の口を擦る琴音、すると、祐介は欠伸をして、涙を流していた。
「あ、欠伸?そこ迄退屈だった?」
琴音がそう言うと、祐介が弁解をする。
「ち、違うよ!昨日は徹夜で忙しかったから……」
等と適当な事を言って、琴音を安心させる、この曲を聞いていると、単調なリズムで眠くなってしまう……祐介はそんな事を隠して、四曲目に手を伸ばす。
「さぁ、次は四曲目!何を歌いましょうかねぇ……?」
と、祐介が言うと、琴音が祐介の手を掴んでニッコリと笑って言う。
「ていうか何で私ばっかなのよ?二時間もあるんだから、私オンリーじゃなくても良いんじゃない?というか、私、祐介君の曲が聞きたいなぁ?あっ、『スタッカートを刻んで』以外で」
「えっ……」
急に言われ、祐介は困惑してしまう、ど、どうすればいいだろうか?どんな曲を歌えば良い?POP系な曲を歌った方が良いのだろうか?もしくは演歌か?い、いや、流石に演歌は無いよなぁ……祐介は脳内でどんな曲を歌うかの会議をして、結局POP系にする事にした。
「え、えーと、それじゃあ『ナイト・メアー・ナイト』で……」
「えっ?『ナイト・メアー・ナイト』ぉ?中々最新の曲を歌うじゃない?──まぁ、収録されたの、つい先月だけれど──まさか、最新の曲を歌うとは思わなかった……」
この子は俺にどんな偏見を持っているのだろうか?祐介はそう思いながら、曲名検索をして、転送する、この『ナイト・メアー・ナイト』という曲は簡単に言えば『熱くなれる曲』だった、まるで、心の底から熱くなれるような楽曲だった、そんな楽曲を祐介は歌う、そして大画面に『ナイト・メアー・ナイト』が表示され、曲が流れる。
さぁ、頑張って歌いますかぁ、そう思いながら深呼吸し、祐介は『ナイト・メアー・ナイト』を歌い始める。
琴音は祐介の曲を聞いて、『結構上手いな……』と驚く、これが高校生……合コンとかの二次会でカラオケに行くので、喉やら声量やらが成長して行く……!私達プロとは違い、祐介君は『完全独学』!だから、プロでは辿り着けない所にも簡単に辿り着く事が出来る……!琴音はそう思いながら、祐介の声、声量、喉に敗北感を抱いた──
そして祐介が歌い終わり、椅子に座る。
「ふぅ……久し振りにカラオケでPOP系歌ったなぁ……さぁ、琴音ちゃん、四曲目を……って!?」
祐介がふと、座っている琴音を確認すると、琴音はぐったりとしていた、そして琴音が言う。
「う、うん……」
「ちょっ!?そんなぐったりな状態でカラオケなんか出来ないよ!」
「出来る出来る、少し眠たくなっただけだから」
「そ、そう?それなら良いんだけど……てっきり具合が悪くなった、と思ったよ……」
「さ、流石にそれは無いわよ……」
琴音はそう言って、ゆっくりと立ち上がる、そして祐介は四曲目を入力する。
「ふむ、四曲目はぁ……これにしよう!」
祐介はそう言って、四曲目を転送する、すると大画面に『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』と表示される、琴音はその大画面を視認し、驚愕する。
……何でこんな曲ばっか選ぶのだろうか祐介君は……?琴音はそう思いながら大きな溜息を吐く、この『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』は昔のヤンキーが聞いていそうな曲を目的として作られた曲。
なので、琴音の声でデスボイス並の声が聞けるが、琴音の喉には負担しかなかった。
そんな曲を選んだ祐介君に後でどんなお仕置きをしようか?と考える琴音、そして『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』が始まり、琴音は『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』を歌う。
そして喉を痛めること四分、やっと『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』を歌い切る。
「はぁはぁ……ゆ、祐介君、この曲は体力を使うから、今後出さないで……?」
「あっ、はい」
琴音の姿を見て、相当疲れている様子が伺える、なので、祐介はこの曲を今後出さないように考える。
そして次は五曲目、どんな曲を出そうか、祐介は少し悩む──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.176 )
日時: 2017/11/29 21:29
名前: 彩都 (ID: hjs3.iQ/)  

五曲目、何を出そうか、と考えていると、琴音が言う。
「ねぇ、喉が乾いたから、少し休憩しない?ずっと歌いっぱなしだと、喉を潰しちゃう……特に『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』の所為でね?」
「うっ……すんません……それでは休憩にしましょうか」
祐介はそう言って、自分のコップにジュースが入っていない事に気が付いた、今は休憩中、補充する事を考え、琴音に言う。
「あっ、ちょっとジュース補充してくるよ」
「うん、分かった」
祐介は琴音にそう言って、自身のコップを持ち、『208号室』を出、ドリンクバーの所へと向かう。
ふむ、何を飲もうかなぁ……?祐介はそう考えながらドリンクバーの前で睨めっこをする、メロンソーダも良いし、コーラも良い、でもカラオケだ、『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』の様にデスボイス等で喉を使った後にこんな炭酸系を飲むなんて、喉がもっと痛くなって、大変な事となる、だから此処は炭酸が入っていない普通のジュースだろうか?でも、普通のジュースで紅茶を選ぶのはなぁ……紅茶って基本的に熱いし、カラオケで温まった心、肉体をもっとホットにさせてしまうからダメだ……では、どうしようか?白桃系のジュースは甘いから苦手だし、葡萄系のジュースなら好きだが、此処には置いていない、ていうか、コーンポタージュがあるけれど、甘いから今は要らないし……水を飲む、にしても、今は甘い物が飲みたいのだ、水はノーセンキューだ、ではどうするか?烏龍茶等の冷たいお茶でも選択するか?いいや、今は甘い物が飲みたいのだ、お茶なんて邪道だ、……だとしたら、飲みたい物なんか無いぞ?ど、どうすれば良いんだ……?此処は敢えて、白桃系のジュースを選んで、甘い物に耐性をつけるべきか……?でも、此処で耐性をつけた所で、人生に何も変わりゃしないしなぁ……一体どうすれば良いのだろうか……?悩む、とても悩む、完全に悩む、万事休す、絶体絶命、背水の陣、難攻不落、完全失墜、一体どうすれば良いのだろうか?祐介はそう思いながら顎に手を当てていると、肩を軽く叩かれた、肩を叩かれた方向に振り向くと、其処にはマスク、帽子をした琴音が立っていた。
「あっ……琴音ちゃ……じゃなかった、琴ちゃん……」
「んー?どうしたの?そんな所で立ち止まってぇ?」
そう言う琴音の手には空のコップを持っていた、なので、ジュースを補充しに来たのか、と祐介は判断する。
「え、えっと……飲みたいジュースがなくて……」
そう言う祐介に対し、琴音はドリンクバーに近づいて、コップを置き、コーラのボタンを押す、えっ?『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』を歌って、喉を痛めている筈なのに、何で炭酸を……!?そんな……自殺行為だぞ琴音ちゃん!?と思っていると、琴音が振り向いて、祐介を見ながら言う。
「んー?あっ、もしかして、『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』を歌っているのに、何でそんな刺激の強い炭酸ジュースを選ぶかってぇ?みたいな顔をしているねぇ、祐介くぅん?どうしてだと思うぅ?祐介君は分かるかなぁ……?分からないかもなぁ?」
そう言う琴音に対し、祐介は『自分の思っている事が見透かされた!?』と驚いている、だ、だが、此処で琴音の質問を答えなくてはならない、と考え、祐介は小さな脳味噌で必死に考える。
どうして『炉利板・神努楼夢(ロリータ・シンドローム)』を歌った後なのに、刺激の強い炭酸ジュースなんかを飲むのだろう?と、考えた時、真っ先に思い付いたのは、『コーラが好きだから』という回答だった、でもそんな単純な理由では無いだろう、と祐介は思う、そんな簡単な答なら、普通にこんな質問をしないと思う……では一体何なのだろうか?好き以外で何か思い付かないか……?と、芸能人たる琴音の事を思い、祐介は二つ目の回答を思いつく、それは『見栄っ張り』という所だ、『芸能人だから、見栄を張る』、そうに違いない、と祐介は考えるが、何か可笑しい、流石にそんな上級者ランクの答では無いだろう、祐介はそう考えて、二つ目の回答を無視する事にした、それでは、三つ目の回答は何なのだろうか?と考え、小さな脳味噌はそこで思考停止する。
「……分からないなぁ」
と、祐介が言うと、琴音が笑顔で言う。
「フフッ、矢張り祐介君でも答える事が出来なかったかぁ……では正解を発表しようか、正解は二つある、一つ目は『炭酸が好きだから』である、では、二つ目……」
そう言う琴音に対し、祐介は『最初は合ってたんかい!』とツッコミを心の中で入れた、そして問題の二つ目、この二つ目とは一体何なのだろうか?と、祐介は思う、そして琴音が口を開いた。
「二つ目、それは『私がプロの歌手だから』よ、ちゃんと喉の鍛錬を怠っていないからね」
「…………」
あぁ、盲点だ、其処は盲点だった、琴音ちゃんが『プロの歌手』という所を考えていなかった……祐介はそう思いながら、コーラを注ぎ終わった琴音を見続ける──そして琴音は『208号室』へと入室する、その入室する様子を祐介は見続けていた──さ、さっさと俺もジュースを入れないとなぁ……祐介はそう思いながら、未だ、ドリンクバーの前で悩んでいた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.177 )
日時: 2017/12/02 21:50
名前: 彩都 (ID: e/CUjWVK)  

祐介は仕方なく、炭酸が無い、果汁系ジュースを選択し、コップに注いでから『208号室』に戻って来る、すると琴音は呑気にコーラを飲みながらくつろいでいた。
「あっ、お帰り、次は何にする?」
と、琴音が言うので、祐介はタッチパネル式のリモコンを手に取り、果汁系ジュースが入ったコップを机に置いて、思案する、どの曲なら喉に優しいだろうか?そんな事を考えながらタッチしていき、五曲目を選択する。
そして大画面に五曲目の曲名が表示される、五曲目は『メロンソーダ・ハッピネス』という曲だった、すると琴音が笑顔になる。
「おぉー!祐介君、私がこの曲好きなの、知ってたの!?」
「えっ?そうなの……?」
祐介ははしゃぐ琴音の言葉を聞いて、少し虚を突かれた感覚を覚える、まさかこの曲が好きだったなんて……これは自分が知る限り、本には載っていない情報の一つだ、ちゃんと覚えておかないと、祐介はそう考えて、必死に脳内に記録する。
そして五曲目、『メロンソーダ・ハッピネス』が始まる、この曲はアニメ、『ハート・キャッチャーズ』という、恋愛アニメのエンディング曲だ。
甘酸っぱい恋をメロンソーダの甘さで中和しよう、みたいな曲だった、でも、琴音ちゃんは何でこの曲が好きなのだろうか?やっぱりアニメが好きだから、なのか……?もしくは原作を読んでいるからだろうか?それは分からないが、好きなのだから、放っておこう、祐介はそう考えながら『メロンソーダ・ハッピネス』を歌う琴音を見続ける──そして曲が終わり、笑顔で椅子に座る。
「ふぅー、やっぱりこの曲は良いなぁ、キュンキュンしちゃう」
「へぇ……男だから、あまり恋愛の事は分からないや」
「えぇー?祐介君も結構スタイル、顔も良いし、モテてるんじゃないの?」
ドキリ、と彼女居るんじゃない?発言をされ、祐介は首を横に振って言う。
「いや、実は彼女居ない歴=年齢です……一日たりとも居なかったです……」
祐介がそう言うと、琴音がとても驚いていた、口に手を当てて、驚愕した表情を隠そうとしていたが、祐介から見て、それは隠せていなかった。
「うっそ……彼女居ない歴=年齢……嘘でしょ?」
「嘘じゃないです、だーれも俺の事を拾ってくれた事は無いですねぇ……」
何だろう、自分で言っていて、悲しく感じてきた、そう思いながら自分は琴音に言う。
「ぎゃ、逆に琴音ちゃんはどうなのさ?琴音ちゃん位のクラスになると異性からモテたり同性から憎まれたりするでしょ?」
「うーん……どうだろうねぇ?祐介君の考えだと、どうだと思う?」
顎に手を置いて、頬杖をしながら小悪魔的微笑を浮かべる琴音に、祐介は顎に手を当てて考える、ここで正しい選択をしなければならない、はて、一体どんな答が正答なのか?祐介はそう思いながら一つ目の答を考える。
一つ目の答えは、『異性からモテて、同性から憎まれている』、これだと、一般的に感じる、他に何かあるだろうか?でも、芸能人ってこういうのが多いって聞くしなぁ……二つ目、三つ目とか思い付かないなぁ……祐介はそう思い、一つ目の答を言う。
「え、えーと……『異性からモテて、同性から憎まれている』、とかぁ?」
「……ファイナルアンサー?」
「へっ?」
まさかのファイナルアンサーに祐介は少し戸惑ってしまう、まさか琴音ちゃんがそんな事を言うとは……全く考えもしなかった、祐介はそう思いながら返答する。
「ふぁ、ファイナルアンサーで……」
内心ドキドキしながら言う祐介に琴音は小悪魔的微笑を止める事はなかった、そして琴音は祐介に擦り寄って、近づいて、祐介の右腕を掴んで離れないようにし、祐介の右耳に近づいて言う。
「正解はぁ……」
ドキドキ、その前にこの体勢にドキドキしている、心臓の音がバクバクで耳に集中する事が出来ない……祐介は深呼吸して、耳に集中する。
「祐介君、言った事、地味に正答だよ?でも、同性からはほんの少ししか憎まれていないなぁ?だって、小さい頃から『仲良く』をモットーにしているからね?まぁ、少数の女性が自分を虐めるけどね?でも、軽い虐めだよ?そうだな、大まかに言えば『パシリ』とかね?まぁ、それ位の軽い物ならどうせすぐに終わらせるし?だってパンやジュースを買えば良いし?最低でも500円で済むしねぇ?どう?これで分かった?」
「お、おぅ……」
祐介はそう言って、女子の虐めについて、少し理解した、でも男子の虐めより、陰湿だなぁ、と思う、そして琴音が続けて言った。
「さぁ、これで休憩も終わりかなぁ?それじゃあ六曲目、どうする?」
「えっ……あぁ……」
祐介は琴音の言葉に頷いて、六曲目を検索する、どういう曲にするか、どういう曲調が良いか?あまり喉を痛めない曲にしなくては……祐介はそう思いながらゆっくりと検索する──果たして残りの曲に喉をあまり痛めない曲とかあるのだろうか?言うて、自分は肌を見せている琴音ちゃんが好きなので、アイドル歌手の琴音ちゃんはあまり分からない、新曲とかなら聞くが、過去に発表した曲とかは聞いた事が無い、だから祐介は知らない曲に対して、細心の注意を払いながら、歌詞を少し見て、判断する──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.178 )
日時: 2017/12/03 21:18
名前: 彩都 (ID: u5fsDmis)  

ふむ……どうしようか?そう考えていると、目の前に『ビスケット・バスケット』という曲が目に入った、何か面白そうな曲だなぁ、と思い、六曲目に投稿し、大画面に『ビスケット・バスケット』と表示される、すると琴音の表情は『へぇ、それを選ぶのか』みたいな表情になっていた。
「ふむ、この曲か……成程成程、確かにこの曲は良い曲だからね……」
琴音はそう言って、マイクを持ち、息を吸っては吐いて、を繰り返す、そして琴音は『ビスケット・バスケット』を歌い始める。
「貴方の心にずっきゅん・ばっきゅん!」
いきなり可愛い声で歌い出す琴音、祐介は何が何だか分からずに、急いでスマホで『ビスケット・バスケット』を入力し、検索する。
そして一番上に表示されたのをクリックし、内容を確認する。
「えっ……?」
祐介は『ビスケット・バスケット』を検索し、驚愕する、『ビスケット・バスケット』、この曲は『女児向け』のアニメのオープニングだった。
なので、琴音が可愛い声で歌い始めたのか、と納得する、そしてその女児アニメの内容を確認する。
『ビスケット・プラネット』で生まれたバスケット、そんなバスケットとキュートで楽しい日常アニメ、と書いていた、だがそのアニメはもう放送終了していた、成程ね、だからあんな表情をした訳だ、と考える。
そして何時の間にか、琴音は曲を歌い終わって、祐介の隣に座っていた。
「ふぅー、楽しかった……って、何を見ているの?」
「えっ?あぁ、『ビスケット・バスケット』のアニメを見ているんだよ、こういう内容なんだなぁ、って」
「へぇ……さて、私は歌い終わったし、七曲目はどうするのぉ?」
「えっ?……あぁ、そうか、歌い終わったのか……」
祐介はそう呟いて、タッチパネルのリモコンを確認する、言うて知っている曲がある訳では無いので、もう自分が入力する事は無いだろう。
「うーん、どうしようか……?」
「私は別に他の曲でもいいよぉ?別に『私の曲限定』って訳じゃないし?」
「えっ?そうなの?」
首を傾げながら言う琴音に対し、祐介は少し驚いてしまう、最初は琴音ちゃんの曲を歌わされるから、それの克服だった筈……?まぁ、本人が良いのだから、もう良いのか、と考え、祐介は提案する。
「それなら休憩しよう、歌い過ぎて、明日声が変になってもダメだしね?」
「そ、そう?まぁ、祐介君がそう言うのなら、まぁ良いけれど……」
祐介の言葉を聞いて、琴音はマイクを机の上に置く、そして二人は休憩をする。
「そういえば、彼女居ない歴が年齢って言ったわよね、祐介君は」
突如歌う前に会話した、『彼女居ない歴=年齢』の話をぶり返されて、祐介は少し戸惑う。
「うん、そうだけど……それがどうかしたの?」
「いやさ?流石に片思いの相手は居たんじゃないかなぁって思ってさ?祐介君にしても、相手にしても、片思いは存在したんじゃないかなぁ……?」
今、片思いの相手が目の前に居るのだが……そんなプロポーズじみた発言を自分が出来るとは思えないし、心の奥底で留める事にした祐介、祐介は琴音ちゃんの言葉に返答する。
「さぁ、どうだろうねぇ?俺はあまり恋に落ちるって事は無いかもしれないなぁ、でも逆に片思いの相手、という可能性は拭えないねぇ……」
祐介はそう言って、自身の片思いを濁して言う、すると琴音が言う。
「へぇ、やっぱり居るかもしれないわねぇ……私の場合はどうなんだろ?人を好きになった事が無いなぁ、アニメ、漫画で言う『恋に恋する』って感じかなぁ?まぁ、片思いにされるのは良くあるけれど?」
「そりゃそうでしょ?だって琴音ちゃんは水着になっても、そのままの姿でもスタイルが良いんだし、惚れる男も多いよ」
「えっ?水着……?」
……あっ、失言してしまったか?と思い、自分は弁解する。
「ち、違うよ!高校の時、『琴音ちゃんって、水着でもスタイルが良いよなー』って話だから!俺は決して琴音ちゃんの水着姿とか見ていないから!」
祐介が弁解すると、琴音は小声で『とある事』を言った。
「……私の好きなモノは?」
その言葉を聞き逃さなかった祐介は笑顔で答える。
「えっ?そりゃ明太煎餅でしょ?……あ」
「やっぱり、私の水着の写真集、見てるじゃん?」
琴音の言葉を聞いて、祐介は静かに目を逸らす、『明太煎餅』、それは琴音の好きな食べ物である、だがこの好きな食べ物が掲載されている本は『琴音の水着の写真集』にしか載っていない事なのだ、この内容は『綾川琴音の100のこと!』という琴音に送られてきた葉書等から琴音が選んで解答するという内容の記事だった、その中で『Q.56、琴音ちゃんの好きな食べ物は何ですか?』という質問に対し、『A.うーん、そうだなぁ……好きなのは明太煎餅かな? 辛くて、刺激があって美味しいし!』と答えている、その答を祐介が知っていると言う事は……と琴音は段々と近づいて、問い詰めて行く。
「ねぇ、何で知ってるの?やっぱり写真集、見ているんでしょ?」
「み、……見てます……」
祐介は我慢出来ずに、小声で言う、すると琴音は笑顔で祐介に言う。
「ふっふー!やっぱり祐介君も男の子なんだねぇ……良いんだよ、そうやって言えば──言わないから女子ってむかむかするんだよ?」
「あい、分かりました……」
祐介は琴音の言葉に頷いて、頭を垂れる、女性ってそう言うものなのか……?と、祐介は少し混乱しながら納得する──だが、心の奥底では納得していなかった──


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