コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.179 )
日時: 2017/12/06 23:20
名前: 彩都 (ID: n3KkzCZy)  

「で、でさぁ、どうする?七曲目は?」
「ん?七曲目?七曲目かぁ……どうしようか?あっ、祐介君、歌ってみる?」
「えっ?」
いきなりマイクを渡され、祐介は少し困惑する、歌ったのは『スタッカートを刻んで』しか歌っていない、なので、二曲目に歌う曲なんて考えていなかった。
「え、えーと……」
祐介は目を輝かせる琴音の言葉に耐え切れずに、仕方なく、二曲目を選択する、二曲目は『ハートソウルは首ったけ』という曲だった。
この曲は大まかに言えば、ロックな曲である、だが、琴音、祐介の生まれる前に発表された曲だ、何故その曲を祐介が知っているかは琴音は分からなかった。
「愛!哀!悲しい夜は忘れろぉ!今よりも明日!明日よりも未来!一歩踏み出せぇ!」
祐介はそう言って、『ハートソウルは首ったけ』が始まった、へぇ、結構声量が必要な局だ、と琴音は考えながら、祐介の歌声を聞く。
そして、時間が過ぎ、祐介は曲を歌い終わる。
「はぁ……結構喉が痛くなるなぁ」
祐介はそう言って、目の前のジュースに手を伸ばす、ふむ、こういう時のジュースが美味いな、祐介はそう思いながらマイクの電源を切る。
「凄いねぇ、声量が半端ないや」
「いや、まだまだだよ、俺の高校の友達、驚愕坂(きょうがくざか)の方が凄いよ」
「へぇ……でも祐介君、そうやって、自分をあまり卑下しない方が良いよ?君の個性が潰れてしまうからねぇ?」
そう言う琴音に対し、祐介が不思議そうに言う。
「はぁ?俺の個性がぁ?そもそも俺に個性なんか無いよ、ただの一介の高校生、未来の自分に日本の運命を受け継がされた存在だ、単純に言ってしまえば、『たったそんだけ』の存在だよ、こんなのは卑下じゃないよ、謙遜さ」
「……でも、『祐介君』という存在は『祐介君』しか居ないじゃない?卑下も謙遜も無いよ」
祐介の言葉に対し、琴音は的確に、正論を述べるように祐介に言う、祐介は琴音の言葉に折れて、静かに頷く。
「あぁ、そのようだね、俺は少し謙遜、卑下し過ぎていたのかもしれないなぁ?」
「そうだよ!祐介君は祐介君!それ以外の存在じゃないでしょ?もっと自信を持ってよ!」
「あぁ、そうだね」
祐介はそう言って、琴音の言葉に頷く、そして祐介は琴音に言う。
「……で、七曲目、どうするの?」
「え、えーと……もう出る?ある程度は克服出来たかもしれないし……?」
「そ、そう?それならもう出ようか?」
「そ、そうだね……もう出ちゃおう」
琴音の言葉を受け取って、祐介は先に立ち上がって、伝票を取って、部屋を出る、そして琴音も部屋を出る準備をし、部屋を出る、すると部屋の外で祐介が静かに待っていた。
「あっ、遅れてゴメン、待ったでしょ?」
「別に?たった数秒でしょ?」
「そ、そう?それなら良かった……」
琴音はそう言って、祐介と共に会計へと向かい、会計の列に並ぶ、そして待っている間、琴音が祐介に聞く。
「ねぇ、私の歌声、どうだった?」
「えっ?……そうだな、やっぱり琴ちゃんの歌声は最高だよ、この世のどんな歌手よりも、ね?」
「もう、照れるなぁ……」
祐介の言葉を聞いて、琴音は少し照れる、そして列は段々と解消されていき、祐介、琴音の番となった。
「えー、会計、1080円となりますぅ」
「じゃあ1100円からで」
「畏まりましたぁ、えーと、二十円のお釣りとなりますぅ、後、これ、次回の来店から使えるクーポン券となりますぅ」
そう言って、会計のお姉さんから20%引きのクーポン券二枚を受け取った、祐介は二枚のクーポン券を琴音に渡す。
「はい、これ上げるよ、俺には使えないと思うし?まぁ、一人で行くのは寂しいねぇ?琴音ちゃんなら、色々な芸能人と共に行けるでしょ?」
「えっ?良いの?」
「あぁ、いいよ、どうせ使えないしね、俺だけだと」
「そう?有難う!」
琴音は笑顔で祐介に言う、あぁ、もう可愛いなぁ、祐介はそう思いながら話題を作る。
「そ、そうだ!カラオケに行ったんだから、次はゲームセンターに行かない?行きたいってメールでも書いていたしさぁ?」
「あー……そうだねぇ、カラオケの次はゲームセンターかぁ……いいねぇ!行こう!」
琴音はそう言って、少しはしゃぐように言う、次はゲームセンターに決定して少し安堵する祐介、もしもゲームセンター以外の所を選択していたら、困った……そして祐介はスマホで大きなゲームセンターを検索し、案外簡単に発見する。
「ふむ、此処から徒歩十分か……琴ちゃん、歩ける?」
「別に歩けるよ?そんなに心配しないでよ……」
琴音は少し冷や汗を掻くように言う、そして祐介の腕の中に手を回して、歩き始める。
「こうして歩くと……恋人同士みたいだね?」
琴音の言葉を聞いて、祐介は顔を赤らめる、ど、どうして急にそんな行動、そんな言動を……?祐介はそう思いながら内心ドキドキしながら言う。
「そ、そうだね……」
心音がバレないように!神様御願いします!祐介は神にそんな願いをしながら琴音と一緒にゲームセンターへと向かう──だが、琴音には祐介の心音が丸聞こえだった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.180 )
日時: 2017/12/09 22:16
名前: 彩都 (ID: 32zLlHLc)  

そして祐介と琴音が歩いて数分、大きな信号にぶつかる。
「ありゃ……この信号止まると軽く数分は食うんだよなぁ……」
「へぇ、そうなんだぁ……」
琴音はそう言って、この信号の事について、少し知る。
そして琴音はスマホを起動し、時間を確認する。
「ふむ……もう十一時だね、そりゃ人通りが多い訳だ……」
琴音はそう呟いて、目の前の人だかりを確認する、目の前の人だかりには、学生、外国人、通勤途中の男性、女性が沢山、大量、多大に存在していた、そして琴音は帽子を深く深く被る。
「……あぁ、そうか、こんな所で正体がバレたくないもんね」
祐介はそう言って、琴音の左手を掴む。
「それじゃあ、走って走り抜けようか?その方が安全だぜ?」
「……そ、そうだね……」
いきなり手を掴まれて、琴音は少しドキッとしてしまう、何でドキッとしてしまったのか?琴音にはそれが理解出来なかった、すると信号は青に変わり、色々な人々、人種が歩き始まる、祐介も琴音が着いて来られるように、駆け足で信号を渡る。
「うひゃあぁぁあああぁぁ……」
腕を掴まれて走るなんて何年振りなんだろう?母親父親が掴むのとは少し違う感覚、そう、『同年代に腕を掴まれる』なんて、そもそもとして、初めての出来事だった。
そして琴音は腕を掴まれたまま、何とか、信号を渡りきる。
「ふぅ……これで、何とか渡りきった……」
祐介は渡りきった琴音を抱き締めて、安堵する、すると自分がしている事に気が付いた祐介は急いで琴音を離す。
「ご、ゴメン!つい無意識に……」
「い、いいよ……何とか渡れたんだしね?」
琴音は赤い顔を隠しながら祐介に感謝する、そして琴音は祐介に続けて言う。
「そ、それじゃあ、ゲームセンターへと案内してもらおうかな?」
「あ、あぁ……分かった、うん、分かった……」
祐介は琴音を抱き締めた感触を忘れようとしながら、琴音と並んで、一緒にゲームセンターへと、向かう、一体何時になったら、この感覚を忘れる事が出来るのか?祐介はそう思いながら、深呼吸して、ゲームセンターへと、歩を進める──

そして数分が経った、目の前には巨大なビルが建っていた、このビルの中にゲームセンターが……祐介はそう思いながら琴音に言う。
「このビルの中にゲームセンターがあるんだよ」
「へぇ……ゲームセンターって、ショッピングモールの中じゃないのね」
「まぁ、秋葉原のど真ん中にそんなのがあったら、驚きだけれどね……因みに此処のゲームセンターは『ゲームセンターオンリー』を目指して建てられたんだ、だから普通一般のゲームセンターよりゲームの筐体が多いんだ、そして普通のゲームセンターなら、二台、三台の所、此処のゲームセンターは軽く八台はあるんだ、だから、色々なゲーマーがこのゲームセンターに来るんだ」
「へぇ……そんなにゲームの筐体があるのね……そしてそんなに筐体があるって事は、相当売れているのね」
「そ、そうかもしれないね……」
祐介は冷や汗を掻きながら返答する、いや、売れているとか、繁盛しているとかは良く分からないが……祐介はそう思いながら琴音に言う。
「さぁ、もうすぐ到着するよ?百円玉の準備は出来た?」
「えっ?あっ……千円札、五千円札、一万円札しかないや……」
「お、おぅ……それなら両替しないとねぇ……あっ、ビルの一階にコンビニもあるし、一万円とか、崩せるかもね?」
「あぁ、そうなの?それならコンビニでジュースでも買って、小銭にしないとね」
琴音はそう言って、財布から一万円を取り出す、ていうか、小銭、あんまり持ち歩かないのかなぁ?と考える、まぁ、アイドルで芸能人だし?結構稼いでいるし、小銭ではなく、お札単位なのかもしれないな、祐介はそう考えて、自分も遊ぶ為に財布の中身を確認するが、自分も琴音と同じ様に札しかなかった。
小銭なんて十円、二十円、五十円、五百円玉、一円玉、五円玉ばっかりだった、うーわ……琴音ちゃんの事が言えない財布の中身でござんす……自分も両替しよう、祐介もそう考えて、琴音と共にコンビニへと向かう事にした。
「ふむ、コンビニで何を買おうかなぁ……?ジュースを買うのは無いな、ドリンクバーで飲んできたし……ではどうするか?お菓子?お菓子なんか買ってどうする?手が汚れてしまうだけだろう?では何を買うか?本?本なんか買ってどうする?今読まないのだ、だから、今使える、もしくは今食べれるモノを購入しなければ……」
祐介はブツブツと呟きながら顎に手を当てて考える、どうしようか?本当に買うモノが思い付かない……祐介がそう思っていると、琴音は何時の間にかレジに並んでいた、琴音の手をよく見てみると、二本程ジュースを選んでいた。
まさか今飲む気なのだろうか?祐介はそう思いながらタブレット菓子を手に取り、琴音の後ろに並ぶ。
「琴音ちゃんはそれでいいの?」
「うん、歩いている途中に喉が渇いたからねぇ、んで、祐介君はタブレット菓子でいいの?」
「うん、別に食べたい訳じゃないけれど、俺も琴音ちゃん……じゃなかった、琴ちゃんみたいに、小銭がなかったから……」
「そ、そうなんだ……何だか似た者同士だよね、私達、こういう不運な所がさぁ?」
「あ、あぁ、そうだね……」
似た者同士と聞いた瞬間、驚いたが、『運』の所か、と判断して、内心落胆する。
そして二人は会計を済ませ、二階のゲームセンターへと突入する──どんなゲームがあり、どんなゲームを自分と琴音はプレイするか、分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.181 )
日時: 2017/12/10 22:06
名前: 彩都 (ID: GudiotDM)  

「うわぁ……此処がゲームセンター……!」
琴音は入店して早々、そう言いながら目を輝かせる、琴音の後ろを歩く祐介の目の前に『麻雀(マージャン)』の筐体が目に入った、へぇ、麻雀かぁ、久し振りにしようかなぁ?と考え、琴音に言う。
「それじゃあ俺は麻雀をするよ」
「麻雀?あの難しいのを?」
「難しい?何で?」
琴音の言葉に不思議がる祐介に対し、琴音が首を傾げながら言う。
「だって麻雀って、どうやって勝てば良いのか分からないし……」
「あ、あぁ、そう言う事ね……でも、案外簡単だったりする」
祐介はそう言って、『麻雀大国』というアーケードゲームの前に座って、百円を投入、『ゲスト』として、プレイを進める。
「えーと、まず、麻雀のやり方としては、『十四枚の牌を集めて、役を作る』ってゲーム、牌って言うのは、カードゲームで言う『手札』の事、役ってのは、『形』と言う事、この形を色々と集めて、点数を高めて行くって感じ……んで、麻雀には四つの牌の種類がある、まぁ、一番分かりやすいのが、『萬子(マンズ)』というモノかな?『一萬』、『二萬』みたいに、漢数字が書かれているモノ、二つ目、『筒子(ピンズ)』と呼ばれるモノ、まぁ、簡単に言えば、『丸っこい絵柄の牌』の事、三つ目、『索子(ソーズ)』と呼ばれるモノ、細長い感じの牌だよ、四つ目、『字牌』と言って、『東西南北の漢字』が書かれているのと、『中』、『發』、『白』の七つだよ、此処迄は分かるかな?」
祐介がそう言うと、琴音はスマホのメモ帳に祐介が言った事を書き始める。
「え、えーと、漢数字のが、『萬子(マンズ)』、『丸っこい絵柄の牌』が『筒子(ピンズ)』……」
「ふむ、書いているのか……少し待とう……」
祐介は静かに呟いて、画面をタッチして、ゲームを開始する──開始していると、琴音が言う。
「ゆ、祐介君、一応は書き連ねたよ?で、他に何を教えてくれるかな?」
「他?他ねぇ……じゃあ、役でも教えるよ、初心者の中で一番簡単な役は色々とある、まずは十四枚の牌の説明をしないとな……えーと、まず、麻雀というのは『三枚で一つの役の面子(メンツ)』と、『二枚の雀頭(ジャントウ)』があるんだけど、この面子を四つ集めるんだ、これで十二枚、そして二枚の雀頭(ジャントウ)を一組作って麻雀の勝利が出来るんだ、んで、雀頭(ジャントウ)ってのは、絶対に『同じ牌』でなければならないんだよね、此処迄は……?」
「うん、一応は分かる、それで役は?」
「うん、分かった、役の説明をしようか、まず、三枚で一つの面子を作る、と言ったね?そういえば琴音ちゃんは『大富豪』というトランプゲームを知っているかな?」
「えっ?『大富豪』?まぁ、パソコンでやったりするけど……」
「そうか、それは良かった、それで『大富豪』にも役はあるでしょ?『階段』とかさ?」
「う、うん……あるねぇ……」
そう言う琴音に対し、祐介は静かに頷く。
「そう、麻雀にも階段を作ると役になるんだよね、でも、『大富豪』と違って麻雀には『ダイヤ、スペード、クローバー、ハート』のようなスートがないよね?」
「う、うん……一応はね」
「そう、『大富豪』の場合はそれらのスートを使って階段とかを出すよね?でも、麻雀にはそれが出来ないんだ、つまり、言いたい事は一つ、『階段を作りたければ、一つの牌の種類では無いといけない』んだ、まず、一、二、三の階段を作る、それをする場合、『萬子(マンズ)』だけの階段、『筒子(ピンズ)』だけの階段、『索子(ソーズ)』だけの階段にしないといけないんだ、ただ『字牌』には、階段の概念が無いから、此処は無視する、一の『索子(ソーズ)』、二の『筒子(ピンズ)』、三の『萬子(マンズ)』みたいな階段は出来ない、と言う事なんだ、此処迄はどうかな?」
祐介がそう言うと、何度も頷く琴音。
「な、成程……それで、他に役はあるの?」
「ん?あぁ、多分これは一番簡単な役だろうねぇ」
祐介はそう言って、パネルをタッチし、牌を作って行く、画面には、五の『筒子(ピンズ)』が二枚、一、二、三の『萬子(マンズ)』が一枚ずつ、八の『索子(ソーズ)』が三枚ある。
その他は『字牌』が六枚、東、西、南、北、中、白の六つ、そして十四枚に離れて、一枚、七の『索子(ソーズ)』を引いていた。
「ふむ、今、俺の持ち牌の中に八の『索子(ソーズ)』が三枚あるよね?これでも、役となるんだ」
「へぇ、成程……これも階段と一緒で、同じ牌でないといけないの?」
「いい質問だね琴音ちゃん?そうだよ、同じ牌三つで無いといけないんだ」
祐介はそう言って、東を捨てる、そしてゲームを進めて行く。
すると何時の間にか残りの牌がなくなって、ゲームは終了し、次のゲームが始まる。
「あちゃー……負けちゃったなぁ、よし、次の勝負は負けないぞぉ!」
そんな事を言う祐介に対し、琴音は今迄にメモした事を繰り返し覚えるようにする。
麻雀は案外奥深いゲームなんだなぁ、そう思いながら、祐介のプレイを見続ける──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.182 )
日時: 2017/12/13 21:58
名前: 彩都 (ID: AwgGnLCM)

「負けちゃったねぇ」
そう言う琴音に対し、祐介は静かに溜息を吐く。
「まぁね?だって麻雀というゲームは『運が全て』と言われる程のゲームだからね……勝てないイコール運が無いみたいなもんさ」
「へぇ、そうなんだ……」
祐介の発言を受け、琴音は静かに頷く……そして琴音が祐介に言う。
「そういえば、この隣に書かれている『四暗刻(スーアンコウ)』、『三暗刻(サンアンコウ)』って何?」
「あっ、忘れていた……えーと、『四暗刻(スーアンコウ)』ってのは、同じ牌を三つ集めるって言ったでしょ?それを四つ集める役の事だよ、『三暗刻(サンアンコウ)』は『四暗刻(スーアンコウ)』の一個役が違う版の事だよ、この二つは結構出来難い役の一つなんだ」
「えっ?同じ牌を三つを四つ集める……?つまり自分の牌は五つの絵柄しかないって事?」
「そうだなぁ、極論そう言う事になる、でも、そんなに牌を集めにくいから狙わない方がいいかも?」
「そうなんだ……」
琴音はそう言って、しょんぼりする、すると祐介が続けて言う。
「他にも、大三元(だいさんげん)ってのがあるねぇ……」
「だ、大三元?何それ?」
「そう言うと思いました」
祐介はそう言って、自分の牌の中の、『發、中、白』を見せる。
「この三つの『字牌』、この三つを『三暗刻(サンアンコウ)』の様に三つずつ集めるんだ、そうする事によって、出来る役の一つだよ、この役も案外難しい事で有名」
「へぇ……って、それじゃあ麻雀の役って作るの難しい物ばっかじゃない!?」
「いや、そうとは限らないんだよなぁ、別に『三暗刻(サンアンコウ)』とかを絶対作れって訳じゃないからね、慣れれば簡単だよ……あぁ、そうだ、別に牌は階段や同じのを三つ集めなくても良いんだよね」
祐介がそう言うと、琴音は驚愕していた。
「えぇっ!?それじゃあ私が覚えても無駄じゃ……」
「い、いや、それは数種類の役の中だけだから……」
「そ、そうなの?よ、良かった……」
そう言って安堵する琴音、祐介も説明するのに冷や冷やした。
「えーと、『七対子(チートイツ)』という名前なんだけど、これは『同じ牌を二つ作る、その二つ作った牌を七つ集める』事で出来る役なんだ、これは案外簡単だと思うよ、覚えるのに」
「あぁ、それなら分かりやすいかも……」
「良かったよ、それでは、次の役、次の役は色々な所で有名な奴だよ、『国士無双』と言ってね」
「あっ、知ってる、その名前!ゲームの名前っぽい!」
「そ、そうだね……えーと、『国士無双』という役ってのは、『一、九の『索子(ソーズ)』、一、九の『筒子(ピンズ)』、一、九の『萬子(マンズ)』、『東、西、南、北、發、中、白』の字牌が手の内にある時に、今さっき言った『一、九の『索子(ソーズ)』、一、九の『筒子(ピンズ)』、一、九の『萬子(マンズ)』、『東、西、南、北、發、中、白』の何れか一つの牌が『七対子(チートイツ)』の様に、二枚になる事で上がる事が出来る超特殊な役の事、これも『四暗刻(スーアンコウ)』、『三暗刻(サンアンコウ)』の様に出にくい役と言われている、これ位かな?後は、ポン、カン、チーをあまりしない方がいいって感じかなぁ?」
祐介の解説に琴音は何度も何度も頷く。
「成程、成程、そういうゲームなんだね」
「そう言う事、基本的にプレイする時は、『階段』、『同じの三個』を集めるって感じで覚えればいいよ」
「分かった、有難う祐介君!これで私も少しは麻雀の事が分かったよ!」
「それは嬉しいなぁ、琴音ちゃんはアイドルだし、アイドル麻雀プレイヤーという新しい称号を手に入れられるかもねぇ?」
祐介がそう言うと、琴音は顔を赤らめて言う。
「えへへ……それは照れるなぁ……でも、どうして祐介君は麻雀のルールを知っているの?」
ふと、琴音がそう言うと、祐介は静かにプレイしながら言う。
「……そうだな、まず、プレイしていたのは母さん、父さんだったんだよ、其処から始まった、まず、両親がプレイしているのを、隣で見ていて、父さん、母さんに麻雀のルールを教えてもらって、ルールを覚えた、だけれども、父さんが仕事で忙しくなると、麻雀も三人で出来なくなったんだ……でも、今はいいよね、こうやって、インターネット対戦が出来て、CPU、COMとプレイ出来る麻雀ゲームもあるしさぁ……」
祐介の言葉を聞いて、家族ぐるみでの、ゲームか、と思う琴音、でも、祐介君の両親が麻雀をプレイしなかったら、祐介君はルールを理解していなかったし、私も理解していなかっただろうな、と思うと、麻雀を教えた両親、ナイス!と思う琴音。
そして二回戦が終わった所で祐介が琴音に言う。
「琴音ちゃんもプレイしてみる?」
「えっ?少ししか知らない初心者の私が?」
「初心者でも麻雀はルールを覚えたら、楽しめるよ?」
「えっ?そうかなぁ……?でも、初心者だし、祐介君、指示してくれると有難いなぁ?」
琴音が祐介にそう言うと、祐介は『うん、いいよ』と答える。
「それじゃあ、琴音ちゃんの初プレイ、初勝利をもぎ取ろうよ?」
「うん、そうだね!」
琴音はそう言って、祐介と座っている場所を交代し、手元に配られる麻雀の牌を確認する──琴音の初プレイで、初勝利をもぎ取れるかは分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.183 )
日時: 2017/12/16 21:29
名前: 彩都 (ID: KqRHiSU0)

そして琴音がプレイして数分、祐介との指示もあり、何とか初勝利をもぎ取る事が出来た。
「ハァハァ……よかったぁ、結構焦ったよ」
「俺もだよ琴音ちゃん、今回のは色々と危うかったなぁ」
祐介がそう呟いて、安堵する、そして、その後、快進撃を見せるかと思いきや、相手三人が一気に攻めていき、琴音の点数は一気に23000点から、3000点へと減る。
「うっわ、結構減ったなぁ……こりゃヤバいぜ……」
「う、うん……確か麻雀のルールって『点が無くなれば負け』なんでしょ?」
「うん、だから、この試合、勝つ為には、軽く『三万点以上をもぎ取らなければ』ならない……!」
「そ、そんな……!」
琴音はそう言って、驚愕する、嘘でしょ?『三万点以上をもぎ取る』……?しかも『たった一回で』……?これはとんでもない勝負になりそうだ……琴音はそう思いながら祐介に聞く。
「ね、ねぇ、『一気に三万点以上をもぎ取る方法』ってあるの……?」
「……『天和(テンホー)』とか……かなぁ?」
「『天和(テンホー)』?何それ?」
「え、えーと、『天和(テンホー)』ってのは、『配られた牌で和了(アガ)る』事だよ」
「んっ?それって普通の事じゃないの?」
「違うよ、『天和(テンホー)』っていうのは、『配られた牌を捨てる前に和了(アガ)る』役の事、だけど、『天和(テンホー)』は親でないと発動出来ない……でも、琴音ちゃんの番は『親』!だから可能性は拭えない!」
「えっ……?と言う事はつまり『天和(テンホー)』ってのは『運のみ』の勝負って事?」
「あぁ、そう言う事だよ」
琴音の言葉に何度も頷く祐介、そして琴音の番が始まった、すると、牌はすぐに集まって、役が出来て行く、おぉっ!もしかすると『天和(テンホー)』に……!と思っていたが、『字牌』が来て、『天和(テンホー)』は出来なかった。
「あぁ……惜しいな、でも、リーチは出来るし、大丈夫でしょう?」
「う、うん、そうだね……リーチボタンを押してっと……そして『字牌』を捨てて……」
一番に琴音がリーチを仕掛けた、これでいい牌が来てくれればいいが……祐介はそう思いながら、静かに安堵しようとする、すると琴音の番でまさかの出来事が起きる。
「あっ、和了(アガ)れる」
「は、はぁ!?」
一息なんてついていられなかった、琴音はそう言って、『和了』ボタンを押して、和了(アガ)った、役は『立直一発』、『門前清模和』、『三暗刻』、『ドラ7』の12000点オール、つまり、『36000点』!!これで何とか勝利を収める事が出来た……琴音は思いっきり溜息を吐いて、安堵する。
「よ、良かった……」
「す、凄いよ琴音ちゃん……こんな点数、ゲームでは見た事が無い!」
「わ、私も……初めての勝利……!」
琴音はそう呟いて、右手を拳にして、下に思いっきり下げた、これが『勝利』、これが『麻雀』!琴音はドキドキしながら、『一位』の称号を獲得する。
「凄いや琴音ちゃんは……」
「え、えへへ……そんな事は無いよ……それでどうする?」
「んー?どうしようかぁ?『麻雀』は終えたから、何処に行きたい?」
祐介がそう聞くと、琴音が大声で言う。
「『太鼓マスター』!」
「えっ?『太鼓マスター』?」
いきなりの発言で祐介は驚愕してしまう、そして琴音が続けて言う。
「いやぁ、私、『太鼓マスター』が好きでね!家でもずっとしているんだ!でも、あんまり本物のは触らせてもらえないから……」
「そ、そうなんだ、それは大変だ……よし、それなら『太鼓マスター』の所に移動しようか」
「えっ?良いの!」
「いいよ、だって、今日は琴音ちゃんが目一杯遊ぶ日なんだからさぁ?」
祐介がそう言うと、琴音は『イエーイ!』と喜ぶ。
「よし!それじゃあ『太鼓マスター』の所に行きましょう!」
「そうだね」
二人はそう言って、『太鼓マスター』の場所へと移動する、まさか琴音ちゃんが『太鼓マスター』が好きだなんて……自分でも知らなかった情報だ、少しでもメモしておこう、そんな事を思いながら祐介はメモ帳を開き、『琴音ちゃんは『太鼓マスター』が好き』とメモする。
そして二人は少し歩いて、『太鼓マスター』のある場所に到着する。
「ふむ、琴音ちゃんは1P、2P、どっちにする?」
「えっ?そりゃやっぱり1Pの方かなぁ?」
「そう?それじゃあ俺は2Pだなぁ……どう?対戦する?」
「えっ?祐介君がぁ?止めておいた方が良いよ、私、難易度『鬼』を軽々クリア出来るから!」
「そう?実は俺も少しは出来るよ?」
祐介がそう言うと、琴音は驚愕する。
「えっ?そうなの?それじゃあ対戦しましょう!」
「おっ?乗ったな?負けないよう、後悔はしない事だね?」
祐介はそう言って、百円を投入する、琴音も続けて百円を投入、そして1P、2Pの準備をし、曲を選択する。
「ふむ、琴音ちゃん、先に選んでも良いよ?琴音ちゃんの実力、見させてもらおう!」
「へぇ……『太鼓マスター』の私に勝てるとでも?それじゃぁ、お言葉に甘えて、選択させてもらいましょうかねぇ?」
琴音はそう言って、ニヤニヤして、曲を選んで行く──最初と最後ら辺で失敗して、琴音ちゃんに勝利へのお膳建てをしないとな、祐介はそう思いながらバチを握って、静かに深呼吸をする──


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