コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.204 )
- 日時: 2018/02/03 22:30
- 名前: 彩都 (ID: ???)
そしてステーキが出来上がる間、祐介と鈴鹿は椅子に座って、のんびり水を飲んでいた。
「ふむ、それにしても、出来上がる時間迄暇ねぇ」
鈴鹿はそう言って、その場で溜息を吐く、そんな鈴鹿に対し、祐介が返答する。
「それもそうだねぇ……暇だからしりとりでもする?」
「し、しりとり?あんな簡単なのを?」
鈴鹿がそう言うと、祐介が口の端を歪ませて、発言する。
「果たしてそうだろうか?だったら『縛り』でも追加する?」
「し、『縛り』ぃ?い、一体何を縛るっての?言語の不使用化?もしくは使える言葉の制限?もしくは文字数の制限?」
鈴鹿がそう言うと、祐介は鈴鹿を指指して、『せぇかぁい』と発言する。
「そうだよ、『文字数の制限』だよ」
「えっと……『文字数の制限』って何文字にするのよ?」
鈴鹿がそう言うと、祐介が説明する。
「えーと……そうだなぁ、それじゃあ、簡単に『漢字二文字のしりとり』でどうだろうか?『漢字二文字』なら、どれだけの長さでもいいって奴で」
「うーん、それなら、『ふかのう=不可能』とか、『むらさきしきぶ=紫式部』とかが使えないわね……」
「そう言う事、どう?そういうしりとり、してみる?」
祐介の言葉を聞いて、鈴鹿も口の端を歪ませる。
「えぇ、いいわね、面白そう、やってみるわね……でも、『自分しか知らない二字熟語が出た』場合、どうするの?」
「そんなの簡単だよ、『スマホで検索すればいい』だろ?最近のスマホは凄いぜ?『予測変換が凄い』からな?それで分かるでしょ?」
「……成程、それはいい考えね」
「そう、そして『自分しか知らない二字熟語が出た』場合、『相手に予測変換してもらう』という事でどう?それなら、創作二字熟語も出ないだろうし?」
「うん、そこ迄ルールをつけるのなら、セーフね……それじゃあ、『二字熟語束縛尻取』、開始ね?」
鈴鹿がそう言うと、祐介が手を叩いて誉める。
「おぉー!『二字熟語束縛尻取』、何かカッコいいな!」
「ウフフ、そうでしょ?全部『二字熟語で縛って』みたの、だから『二字熟語束縛尻取』って名前に」
「うん、素晴らしいね、それじゃあ、先攻後攻を決めようか」
祐介はそう言って、スマホの中にあるアプリ、『コイントス』を起動する、続けて祐介は鈴鹿に言う。
「鈴鹿さん、コイントスで先攻後攻を決めるんだけど……表と裏、どっちを選ぶ?」
「うーん……そうだなぁ、それじゃあ、『裏』で」
「OK、それじゃあ俺は『表』か……それじゃあ、コイントス、スタート
」
祐介はそう言って、机の真ん中にスマホを置き、コイントスを開始する、するとスマホの画面に表示されたのは『裏』だった。
「よしっ!それじゃあ、私が先攻ね!」
「それじゃあ、先攻の鈴鹿さん、『何でも自由に開始』して?」
祐介がそう言うと、鈴鹿は腕を組んで考える。
「う、うーん……祐介君に勝つ二字熟語、あるかしら……?」
「いきなりの勝利宣言に驚きだよ……」
祐介はそう言って、少し呆れる、そして鈴鹿が言った、
「うーん、それじゃあ、『風貌=ふうぼう』、『う』で」
「『う』かぁ……『う』ねぇ……」
祐介はそう言って、腕を組む、おっ?こりゃ私の勝利か?と思う鈴鹿に祐介が言う。
「よし、思いついた、『運送=うんそう』、『う』返しだよ」
「えぇっ……『う』返しぃ?そんなの聞いていないなぁ……」
鈴鹿はそう思いながら静かに考える、そして何とか思いつく。
「え、えーと……『海原=うなばら』、『ら』で」
「『ら』、ねぇ……『裸婦=らふ』、『ふ』で」
「……裸婦って……祐介君のスケベ」
「ちょっ!?そんな酷いよ……」
祐介の発言に対し、鈴鹿がそう言うと、祐介は少し傷ついた、裸婦って
女性の前ではダメなのかなぁ……?そう思いながら鈴鹿の発言を待つ。
「ふむ、『裸婦=らふ』、『ふ』かぁ……中々に難しいわね、『ふ』から始まる言葉って……」
そう言って悩む鈴鹿に少しだけ心の余裕が出来た祐介、そして鈴鹿が『思いついた!』と叫んで祐介に言う。
「『吹雪=ふぶき』!『き』でどぉ!?」
「ふむ、確かに『吹雪=ふぶき』は漢字二文字だね……次は『き』かぁ……」
祐介はそう呟いて腕を組む、『き』かぁ……うーん、中々難しい漢字が思いつかないなぁ……仕方ない、簡単なものでいいか、と考え、鈴鹿に言う。
「それじゃあ『木々=きぎ』で、『ぎ』だねぇ、『ぎ』って何かあったかなぁ?」
そう言う祐介に対し、鈴鹿が言う。
「うーん、嫌らしいなぁ、祐介君は……でも、私は答えるよ、『義勇=ぎゆう』、『う』だよ祐介君!」
口の端を歪ませる鈴鹿に対し、祐介が『おぉっ!?』と思う、そして祐介が言う。
「『う』は中々思いつかないんだよなぁ……そっちの方が俺より嫌らしいよ……」
祐介はそう言って、頭を垂れる、うーん、『う』で思いつく単語……『う』で思いつく単語……祐介はそう思いながら、腕を組む。
「『う』……『う』……『初孫=ういまご』、『ご』で」
「おっ、古臭い言い方だねぇ祐介君は……うーん、『ご』かぁ……」
何とか尻取りを返す事が出来た祐介、だが、鈴鹿が返答してしまえば、まぁた苦しくなってしまう……どうにか思いつかない状況をひっくり返せないだろうか?祐介はそう思いながら、その場で大きな溜息を吐く──鈴鹿は『ご』を返答することが出来るだろうか……?それは鈴鹿には分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.205 )
- 日時: 2018/02/04 21:48
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「『ご』、か……」
そう言って悩む鈴鹿に対し、やっと自分は休憩出来る……と思う祐介、すると鈴鹿が祐介に言う。
「『誤解=ごかい』……『い』だよ?」
「…………」
祐介の休憩はたった数十秒だった。
「『い』ぃ?そうだなぁ、『稲荷=いなり』、『り』でどう?」
「ほう?『り』で来たかぁ、それじゃあ『林檎=りんご』、『ご』で?」
「『ご』、か……『五重=ごじゅう』、『う』で」
「うぅむ……そう来たかぁ……それじゃあ『植木=うえき』、『き』で」
「成程、『き』か……それじゃあ、『帰着=きちゃく』、『く』で」
「『く』……『薫風=くんぷう』、『う』で」
「えぇっ……面倒だ……『有働=うどう』、『う』返しで」
「ひっどぉい!完全に負かせに来ているよ!うぅっ、酷いなぁ、それじゃあ──」
鈴鹿が尻取りを言おうとした瞬間、鈴鹿の手元近くのベルが鳴った、ベルが鳴った、という事はステーキが出来上がった、という事だ。
「あっ……」
「あっ……」
二人はそう言って、見つめ合って、発言する。
「どうする?まだ続ける?」
「でも、ステーキが完成したって鳴っているし……」
「…………」
「…………」
二人は沈黙した後、祐介が言う。
「まぁ、尻取りの発案者は俺だ、だから俺が言おう、『一時休戦』にしないか?」
祐介の発言を受けて、鈴鹿は静かに頷く。
「それもそうだよね……喋る暇があったら、食べようか……」
「そ、そうだよなぁ……」
祐介と鈴鹿はそう言って、一緒にステーキ屋の方へと向かった──
「ふむ、いい匂いだ……久しぶりにステーキの匂いを嗅いだよ……」
鈴鹿はそう言って、笑顔でトレイの上のステーキの皿を運ぶ、祐介は『アハハ……』と笑って、自身のステーキの皿を運ぶ。
……本当に大変なんだなぁ、鈴鹿さんって……何かもう、色々と援助したくなるな……祐介はそう思いながら自身が座る席に到着し、先に椅子に座る、続けて鈴鹿も自身が座る席に到着し、椅子に座る。
「よし、それじゃあ、ステーキを食べますか」
「それもそうだね、頂きます」
「頂きます」
二人はそう言って、両手を合わせて、トレイにあるナイフとフォークを手に取り、ステーキを切って、口の中に運ぶ、すると口の中に広がる熱さと口の中に広がる肉汁、それらを感じて、『美味しい!』と心の中で叫ぶ。
こんな美味しいお肉を俺は食べた事がない!凄い柔らかいし、凄く美味いし……!何なんだよこのお肉は!?素晴らしい以外の言葉が思いつかない!祐介はそう思いながらステーキを堪能する。
うわぁ……やっぱりステーキは美味しいなぁ、何年も食べていないから、とても懐かしく感じる……そうそう、これだよこれ、ステーキってこんな味だったんだよ!これが人生最後のステーキになってもいいから、ちゃんと味を堪能しないと……鈴鹿はそんな事を思いながらステーキを食べ続ける──とても美味いなぁ、二人はそう思いながらステーキを胃袋に納める──
「ふぅ……美味しかったなぁ」
祐介はそう呟いて、500グラム程のステーキを食べきる、案外重い、と思っていたが、案外軽く食べれた。
「確かに……私、こんなに美味しいステーキを食べて、もう人生に悔いはありません!」
そう言う鈴鹿に対し、祐介はツッコミを入れる。
「おいおい?まだまだ人生は長いんだぜ?だからもっと未来ある発言をしようよ?」
祐介がそう言うと、悲しげな表情をして、鈴鹿が言う。
「は、果たして、そうでしょうか……?もしも、もしもですよ祐介さん?もしも『隕石が回避出来なかった』ら……今後、こんなに美味しいお肉を食べる事が出来なくなる可能性だってあるんですよ……?」
「…………」
祐介は鈴鹿にそう言われ、完全に隕石の事を忘れていた事に気が付いた、あっ、そういえば隕石、あったなぁ……と、思い出す。
「でも、鈴鹿ちゃん?『隕石を回避出来る運命があった』らどうなの?これからも美味しいステーキを食べる事が出来る!そんなに気弱にならないで?俺が絶対に隕石を回避させる、それを鈴鹿ちゃんに叶えさせてるよ!」
祐介がそう言うと、『祐介さん……!』と発言する鈴鹿、そして鈴鹿もガッツポーズで祐介に言う。
「そ、それもそうですね!私が弱気になってちゃダメですよね!私も祐介さんをお手伝いしますので、頑張ります!……でも、エッチなお世話はご勘弁願いたいなぁ、なんて……」
「そんな事はしないよ!?ってか、そんなお手伝い要らないからね!?」
鈴鹿の発言にツッコミを入れる祐介、まさか鈴鹿さんがそんな事を言う人だったとは……最初はお堅い人かなぁ、と思っていたけれど、こんなに面白い人だったとは……矢張り、人ってのは見た目で判断しちゃダメなんだな、祐介はそう思いながら静かに安堵する──
「さて、それじゃあ、食べ終わったし、皿を片付けようか」
「そ、それもそうですね、あっ、私が運びますね!」
鈴鹿はそう言って、自分の皿とトレイを自身の皿とトレイに重ねて、ステーキ屋の方へと向かう、さぁ、次は何処へ向かおうかなぁ……やっぱり鈴鹿さんは女子だし、もう少し服でも見せようかなぁ……?祐介はそう思いながら、顎に手を当てる──いや、自分が決めるのもなぁ、やっぱり鈴鹿さんに決めてもらう方がいいかなぁ……?そんな事を思いながら鈴鹿が戻ってくるのを待つ──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.206 )
- 日時: 2018/02/07 21:44
- 名前: 彩都 (ID: ???)
祐介が鈴鹿を見送った後、のんびりとコップの中の水を飲もうとした瞬間だった、急に『きゃあ!』と可愛らしい悲鳴、鈴鹿の悲鳴が聞こえた。
祐介は悲鳴の方へ顔を向けると、そこには何人かの男性がトレイを持った鈴鹿を囲っていた。
「おいおい姉ちゃん姉ちゃん?俺達と遊ばなぁい?」
「たのしーぜぇ?」
「そうだぜぇ?」
「ちょ、ちょっと……」
困っている鈴鹿を見て、『助けないとな』と思う祐介、祐介は鈴鹿の方へ向かって、『おーい!』と叫ぶ。
「あっ、祐介君……」
「大丈夫かぁい?って、おじさん達、誰?鈴鹿ちゃんの知り合い?」
自分がそう言うと、鈴鹿の周りの男性の中で、リーダー格に見える存在が言った。
「さぁ、そうだよ少年?俺達はこの子と知り合いなんだよ、だからお前は消えろぉ!」
リーダー格に見える存在が祐介の前に現れて、祐介を蹴ろうとする、だが、祐介にはこれよりも酷く、こんな蹴りよりも倍以上の痛みを受けた事もある、更に大量の攻撃を受けた事があるのだ、なので『避ける事なんて容易』だったのだ。
祐介は後方にジャンプして、『おっせぇ蹴りだなぁ』と煽ると、リーダー格に見える存在が祐介を殴ろうとする、だがそんな攻撃さえ避ける事は容易かった、祐介は再度後方に移動してリーダー格に見える存在の攻撃を避ける。
「遅い、遅いなぁ、本当に遅い、本当にそんな攻撃を当てられると思っているのぉ?」
「あぁっ!?避けるだけしか能がないお前に何が言える!?」
「言えるよ、おじさん、アンタは弱いって事が」
祐介の発言を聞いて、イライラが募ったリーダー格に見える存在は祐介に突進しようとする、そして祐介はその攻撃も避けようと思ったが、背中に何かが当たる、ん?何だろう?と思って顔を向けると、そこには『机と椅子』があった、は、はぁ!?そんなに俺は下がったのか!?そ、それじゃあ『横に避けるしかない』ってかぁぁ!?祐介はそう思いながら自分の方に向かってくるリーダー格に見える存在を見つめる、リーダー格に見える存在は段々と自分に近付いてきている、だからどうやって『避けよう』か……と、考えて、祐介は『とある事』を思いついた、よし、その作戦を使用するか、祐介はそう考えて、リーダー格に見える存在をもっと煽った。
「おいおいぃ!?お前の攻撃はそんなんかよぉ!?遅過ぎて欠伸が出ちまうぜぇー!?」
そう言う自分に対して、リーダー格に見える存在は『ふっざけんなぁ!?』と叫ぶ、よしよし、作戦は成功、後は『この作戦の第二段階が成功するかどうか』だな……祐介はそう考えて、規定距離の方迄早く来い、と願う。
そんな様子を見ている鈴鹿は『ゆ、祐介君がボコボコに!?』と思う、いや、それだけは回避しなければならないだろう、でもどうやって回避するのだろうか?私が叫んで場を止める?否、そんな事をしても無駄だろう、ではどうしようか?そんな事を思っているとリーダー格に見える存在は祐介にタックルした──
規定距離迄早く来い!そう願った祐介に対し、リーダー格に見える存在は物の見事に祐介が願った規定距離迄到達した、そして祐介はリーダー格に見える存在を見つめながら、『体を下に下げて、低姿勢になった』、この行動が『絶対に正しい』とは言えないが、今の祐介にとって、『絶対に正しい』という回答に辿り着いた。
そしてリーダー格に見える存在は低姿勢になった祐介を見る事は出来たが、『体は反応する事が出来なかった』、何故なら『自身の最高速度で走っている』からだ、いきなり自身の体を止めるとその場で反動が起き、逆に倒れてしまうからだ、更に止まった反動で低姿勢の祐介に対し、バネの要領で体当たりを受けてしまう可能性もあった、そしてリーダー格に見える存在は祐介の背後を確認する、祐介の後ろには机がある、こ、このまま
走って突進すれば……『机にダイブしてしまう』!!だが、体を止める事は出来ない!くっそ、万事休すじゃないか!リーダー格に見える存在はそう思いながら攻撃を祐介に避けられ、机にダイブしてしまう、そして華麗にペンギンのように腹で滑って、地面に落下する──
「……ん?痛みがない、という事は成功したんだな!」
祐介はそう叫んで机から落ちたリーダー格に見える存在の体を踏んで、発言する。
「おい?これで実力は分かっただろ?だから鈴鹿ちゃんには手を出すなよ?」
祐介はそう言って、踏む力を強める、するとリーダー格に見える存在は『痛い痛い!』と叫んで地面を叩いて降参する。
「お、おい……リーダーがやられたぞ!逃げよう!襲われる!」
鈴鹿の周りにいた存在は急いで走って鈴鹿の周りから立ち去る、そして祐介も足を離し、リーダー格に見える存在も祐介の前から立ち去った──
『がっちゃぁん』、と大きな音を立てて、鈴鹿は一度目を瞑った、そして何も音がしないので、目を開けると、そこには『机の前で蹲った祐介』が存在していた、えっ?あの人は……?鈴鹿はそう思い、祐介の周りを確認する、すると祐介の後ろの机の奥にリーダー格に見える存在が顔面から突っ伏していた。
そして祐介は『……ん?痛みがない、という事は成功したんだな!』と叫んで、机の奥のリーダー格に見える存在の胴体を踏んで、何か言っている、次に自身の周りにいる存在が『お、おい……リーダーがやられたぞ!逃げよう!襲われる!』と叫んで、自身の周りから消える。
そして足を離した祐介からリーダー格に見える存在は走って逃げる。
こ、これで私は助かったんだ……その場で一安心し、胸をホッと撫で下ろす、そしてピースをする祐介に向かって鈴鹿は頭を下げた──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.207 )
- 日時: 2018/02/10 22:31
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「ほっ、本当に有難う御座いました! 何とお礼を申したらいいか……」
頭を下げる鈴鹿に対し、祐介は首を振って、『大丈夫、大丈夫』と言う。
「あぁいうのはよく慣れているから、安心して?とりあえず、今日一日は守るからさ?」
そう言う祐介に対し、頭を下げ続ける鈴鹿は言う。
「本当に有難う御座います……!」
鈴鹿はそう言って、トレイを運んで、祐介の前に戻ってくる。
「たっ、ただいま戻りました!」
「うん、お帰り……それでどうする?次は何処に行く?」
祐介がそう言うと、鈴鹿が目を輝かせて祐介に言う。
「映画!今度は映画が見たいです!」
「え、映画……はて、今の時間やっているかなぁ……?」
祐介がそう言うと、鈴鹿は首を傾げる。
「はい?映画って年中無休で放映していますよね?」
「う、うん、そうだけど?」
「なのになんで『今の時間やっているのかなぁ?』なんていう発言が出来るんです?」
「いや、流石に映画だって、テレビと同じように放映する時間が決まっているんだ、もしも今が放映時間内なら、その映画には入れないし……」
祐介がそう言うと、鈴鹿が大変驚愕していた、まさか映画の事を知らなかったのか……?
「そ、そうだったんですね……すみません、人生でまだ映画という物を見た事がないので……」
「そ、そうだったのか──ってか、映画初心者って案外珍しいな──」
祐介はそう言って、静かに驚く、そして祐介が言う。
「よし!それじゃあ映画館に向かおうか、確か映画館は……」
祐介がそう言うと、鈴鹿がパンフレットを見て、発言する。
「えーと、五階だそうで」
「な、成程……それじゃあ五階に向かおうか」
「えぇ、そうですね……!」
鈴鹿の説明を受けて、祐介は映画館に向かう事を決める──さぁ、どんな映画を見ようかな?そんな事を思いながら、鈴鹿と共に映画館へと向かう──
祐介達は五階に移動し、映画館へと到着した、そして祐介は券売所の前で今日放映する映画の一覧を確認する。
今、放映、もしくは数時間後放映する映画一覧を確認、映画は放映中もあれば、掃除中のもあった。
そして今見れる映画は十本あり、祐介は十本の映画の説明を見た。
一本目は『日本─NIPPON─ 〜世界と戦った男達〜』という実写映画、第一次世界大戦、第二次世界大戦を生き抜いた男、田中 栄一(たなか えいいち)、その友人、信濃川 田燕(しなのがわ でんえん)の生涯を描いた映画作品だった。
二本目は『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』という外国のフル3Dアニメーションだ、主人公のジャガーとその友人、シュガーの軽快なギャグアニメの映画版だった、実は日本で映画を公開するのはこの映画を含めて五本目だった。
今回の内容は『ショート・ストリート』という短い道路での出来事で、『深夜歩くとこの世から消える』と言われている『ショート・ストリート』に深夜向かおうと言うシュガーに渋々乗るジャガー、果たして二人はこの世から消えてしまうのか!?という内容だ。
今迄のシリーズも案外面白いので、個人的にレンタルして、自室で再生したりする。
三本目は『麻雀黙示録 牌神(マージャンもくしろく はいしん)』というアニメだ、主人公の牌神(はいがみ)が麻雀で悪と戦う内容の漫画をアニメ化し、更に映画化した作品だった。
この映画は完全オリジナル映画だそうで、牌神を倒す為に牌神と戦った敵が集まって、選ばれた三人と牌神とで、戦って、牌神を倒す、という内容だ。
四本目は『ラブ・ライフ』という実写映画だった、主人公のキャサリンは愛に生きる人間、そんな中、愛する事が嫌いな青年、ジョニーと出会い、ジョニーに愛を教える、という感動作品だ。
因みにこの作品は漫画原作で、最終話では二人共愛の為に死ぬ、という救われない内容となっている。
五本目は『スカーレット 〜血神(けつしん)と呼ばれた聖女〜』という実写映画だ。
この作品は『ジャンヌ・ダルク』を題材にしている作品で、血塗られたジャンヌ・ダルクが泣いている、というポスターを見た事がある。
因みに内容はネット上で酷評の嵐らしい。
六本目は『金座 〜銀座と戦った町〜』という実写映画だ。
この作品は小説が原作で、有名な賞を何個も取っている有名な作品だ。
主人公の東海 双葉(とみ ふたば)と友人の桜庭 箱庭(さくらば はこにわ)、獅 煙硝(じし えんしょう)が銀座を倒す為に金座を作って
、それを町の名前にし、銀座を潰そうという内容だ。
だが、ネタバレをすれば、国の圧力で金座は潰されてしまい、双葉、箱庭、煙硝の三人は逮捕されてしまう。
七本目は『ストライク・ラブ』という実写作品だ、主人公のレイは一目惚れしやすい性格、そんな中、一人の女性、ジェニファーに惚れて、レイはジェニファーに惑わされる、と言う内容だ。
八本目は『ブラック・クラブ』という実写映画だった、この作品は黒い格好に身を包んだ男子大学生が色々な事をするというギャグ映画だ。
一度でも見たらはまる人多数だそうで。
九本目は『ロスト 〜0から増えた男〜』という実写映画だった、この作品は妻にも息子にも見放され、お金がなくなった主人公、ロウが宝くじを買い、宝くじを当ててしまったが故に色々な事件に巻き込まれる、という映画作品だった。
そして最後の十本目は『デッド・ドリーム』というアニメ作品だ。
『この夢を見たら死んでしまう』という夢がある、そんな話を聞いた主人公、大前 霖(おおさき りん)、霖には『夢の中で意識を持つ事が出来る』特殊な人間だった。
霖はこの夢をぶち壊す為に自分にその夢が現れないかを待ち続け、そしてやっと来た夢を倒す、というアニメ作品だ。
前にこの映画のコミカライズを見て、案外面白かったので、今度見ようと思う、一人で。
ふむ、一通り映画の説明を見たが、鈴鹿ちゃんは一体何を見るのだろうか?自分はそう思いながらその場で顎に手を当てる──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.208 )
- 日時: 2018/02/11 22:04
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「そうですねぇ……それじゃあ、『デッド・ドリーム』にします!」
鈴鹿はそう言って、『デッド・ドリーム』のポスターを指差す、ふむ、『デッド・ドリーム』か、まぁ、一人じゃなくても、一緒に見ても良いか、と自分は判断し、時間を確認する。
時間はまだ昼過ぎ、もう三時、四時を超えていた、果たして『デッド・ドリーム』を見る事が出来るのだろうか?と、思い、『デッド・ドリーム』の上映時間を確認する。
『デッド・ドリーム』 10:00 公開終了 12:30 公開終了 15:00分 公開中 17:30 20:00
と書いてあった、うーん、もう少し早く来れば良かった……自分がそう思い、鈴鹿さんを見て発する。
「え、えーと、十五時の奴が前だね、んで次の放映時間は夕方五時半、どうする?それ迄時間を潰すかい?」
自分がそう言うと、『あぁ、そうなんですか……それなら『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』を見ましょう』と返答する、え、えーと、『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』か……上映時間は何時だろう……?自分がそう思って、『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』の上映時間を確認する。
『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』 10:00 公開終了 12:00 公開終了 14:00 公開終了 16:00 公開中 18:00 20:00
と書いてあった、これもアウトかよ、自分はそう思い、鈴鹿さんに言う。
「す、鈴鹿さん……あの、『ジャガー・シュガー・ショート・ストリート』も今上映中です、そして次のは十八時ジャスト……」
「は、はぁ……!?そんな不運、有り得るっての!?」
祐介の発言を受け、鈴鹿はとんでもなく驚愕してしまう、そして鈴鹿はその場で溜息を吐いて、祐介に言う。
「あ、諦めましょう……?流石にそれ以外は見たくないわ……」
「そ、そうですか……それなら何処へ向かいます?」
鈴鹿の言葉に静かに反応する祐介、そして祐介は鈴鹿に問う、すると鈴鹿は祐介に振り向いて言う。
「……服屋」
「OK、分かりました」
祐介は鈴鹿の発言を聞いて、服屋へ向かう事にした、服屋は三階、二階が多い、なので、此処から降りなくては……祐介はそう思い、鈴鹿に言う。
「え、えーと、鈴鹿さん、服屋は基本、二階や三階にあるので、この階から降りましょう?そうでもないとこの五階に服屋は無い、筈です……」
「あら、そうなの……?それなら此処から降りましょう?」
鈴鹿はそう言って、親指でエスカレーターを指す、成程、其処から降りようってか、祐介は静かに納得し、『分かりました』と返答し、鈴鹿と共にエスカレーターに乗って、五階から、四階、四階から三階、三階から二階へと移動する──
「さぁて、二階につきました、さぁ、どの服屋に行くんです?」
祐介がそう言うと、鈴鹿はパンフレットを見ながら、『うーん……』と顎に手を当てて考える、ふむ、女性って考える時間が長いよなぁ?自分はそう思いながら、ポケットに手を突っ込んで、のんびり待つと、鈴鹿が、パンフレットを指差す。
「此処に向かいましょう!」
「ん?此処って……?」
祐介はそう呟いて、鈴鹿が指差す方を見る、すると其処には『カジュアルファッション 裏表(リバーシ)』という店名だった。
何つー名前だよ!?表裏じゃなくて、裏表かよ!ってか、名前が『うらおもて』じゃなくて、『リバーシ』かよ!オセロかよ!?自分は心の中でそうツッコんでしまう、すると鈴鹿が言う。
「へへー!良いでしょこの名前!案外面白そうな名前だよね!」
「そ、そうだな……」
果たして面白い名前なのかどうかは自分には分からないが、彼女が面白い、というのなら、面白いのだろう、祐介はそう判断して、『カジュアルファッション 裏表(リバース)』へと、二人で向かう──一体どんな服があるのか、それは祐介には分からない──
そして少し歩いて、『カジュアルファッション 裏表(リバース)』へと到着する。
へぇ、案外明るい色のお店なんだな……と思っていると、鈴鹿が勝手に『カジュアルファッション 裏表(リバース)』の店内へと進入する、この子、躊躇いもなく入るな!?祐介はそう思いながら冷や汗を拭い、鈴鹿の後を追って、『カジュアルファッション 裏表(リバース)』へと入店する。
はぁ、色々な服がある……祐介はそう思いながら服の値段を確認する、一着約2000円程度で、案外安いな、と思った、すると『裏表限定デザイン!』と書いてあった、へぇ、限定デザインね、そうなんだ、と理解すると、『服の内側に、表側とは違うデザインが存在して』いた、はぁ?どういう事だ?意味が分からない、祐介がそう思っていると、服のバーコード部分に『裏表の服は表でも裏でも着られるダブルタイプ!』と書いてあった、はぁ、そうなんだ、だから名前が『裏表(リバーシ)』なのか、オセロみたいだ、とは思ったが、本当に『裏表(リバーシ)』なんだな……と祐介は『裏表(リバーシ)』の服に驚愕する。
そして祐介は内心驚愕しながら、遠くの鈴鹿を確認する──鈴鹿の目が輝いているのを確認する、矢張り鈴鹿さんも女の子なんだなぁ、と祐介は静かに思う──
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