コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.139 )
- 日時: 2017/09/03 22:09
- 名前: 彩都 (ID: tDpHMXZT)
「うわっ……何だこの強烈な光は!?」
厳魁はそう言って、目を覆う、すると祐介が静かに声を出す。
「えっ……?な、何で貴方が……!?何で貴方が此処にいるんだぁ!?」
祐介の怒鳴り声を聞いて、『アナタ』と呼ばれた存在は静かに返答する。
「何故って?簡単だよ、此処に居ると創作意欲が湧く、だから此処で籠もって漫画を描いているんだ」
「は、はぁ……!?」
言っている意味が分からない、と言いたげな表情の祐介に対し、厳魁が言う。
「えっ?祐介さん、知り合いですか?」
「い、いや、知り合いでは無いけれど……って、皆はこの人を知らなのかい!?」
厳魁の言葉に返答する祐介は残りの三人にも問いかける。
「知らないなぁ」
「知らないよ(知らねぇ)」
「いや、見た事が無いな……一体誰なんだ?」
「…………」
三人の回答に祐介はその場で凍る、そして『アナタ』と呼ばれた存在は静かに四人に言う。
「んー?僕の事を知らないのかぁい?まぁ、それは仕方無い、それ程有名では無いってコトだしさ?僕の名前は漫画家の石動鳴動(いするぎ めいどう)って言うんだ、本名は……秘密だよ、漫画家の本名は迂闊に出せないからね、それはご了承して頂きたい」
『アナタ』と呼ばれた存在──基、石動鳴動──はそう言って、生えていない頭皮を掻く。
すると厳魁が顎に手を当てて考える。
「石動……鳴動?はて、何処かで聞いた名前だな……何だったかな?」
「おいおい、五人の内、一人しか知らないとか……完全に20%の人しか知らないのかなぁ、僕は……まぁ、良い、その20%が40%になるのだけでも嬉しいがね」
石動鳴動がそう言って両手を上げる、すると厳魁が大きな声を出して石動鳴動を指差す。
「あー!アンタ、漫画家って言ったよな!?まさかあの『漫画』の!?」
「おー!やっと思い出してくれたか!嬉しいねぇ!」
「えっ?一体誰なんだ、祐介、厳魁君?」
「そ、そうだよぉ?一体誰なんだ石動鳴動って……?」
「…………(答えろ)」
弓華、先宮、アリスにそう言われて、石動鳴動が答える。
「少年の代わりに答えてあげよう、僕の名前は石動鳴動、と言ったな?そして漫画家……此処から導き出される事は何だと思う?そう、『少年二人が知っている漫画を描いている』ってコトだろう?じゃあ僕の作品の名前を聞けば君達も驚くだろうね?」
「は、はぁ?まぁ、厳魁君と祐介君が知っている漫画なんだろうね、貴方の名前を知っている、と言う事は」
弓華がそう言って石動鳴動に返答する、そして石動鳴動が静かに言葉を発す。
「うん、そうだ、でも、君達もこの漫画の名前を聞いたらきっと驚くだろうなぁ?僕の代表作は『ゼロ線のゴーシュ』という作品だ」
『ゼロ線のゴーシュ』、その名前を聞いて、先宮とアリスが驚愕する。
「な、何だと!?『ゼロ線のゴーシュ』の作者かアンタ!?」
「私の国でも翻訳されて有名だよ!(すげぇ!)」
「えっ?えっ?何?二人共知っているの?」
驚いている先宮とアリスを見て、弓華が不思議がる、すると先宮が説明する。
「知っているも何も!『ゼロ線のゴーシュ』って超有名な漫画作品じゃないか!主人公のゴーシュが音楽家と戦闘機の乗組員、二束の草鞋を履きながら生活する感動長編じゃないか!三回の深夜アニメ放送で大好評を受け、映画化迄した凄い作品じゃないか!」
「そうだよそうだよ!私の母国でも翻訳されて、超凄い売り上げを出したとか!(すげぇのなんの)」
「おおっ!君みたいな幼女の国にも大好評だとは!嬉しいねぇ、嬉しいねぇ!一回君の母国に連れて行ってもらいたいな」
「うん!いいよ!(OKOK)」
「は、はぁ……?知らないなぁ、そこ迄有名なら私の耳にも入る筈なんだがなぁ……」
先宮とアリスの発言を受け、『うーん』と呻きながら返答する弓華、すると石動鳴動が弓華に言う。
「じゃあどんな作品を知っている、というのだ!?僕が描いた作品以外しか知らないのか!?」
「……うーん、そもそもとして、『テレビを見ない』、『学校の教科書、ファッション雑誌以外の本を読まない』からなぁ……テレビなんか『ワンセグで事足りる』って考えだし、別段漫画を読まなくても生きてはいけるし……小説も文字数が多くて読むのが面倒だし、それなら園児に読ませる絵本の方が楽だし」
弓華の発言を受けて、石動鳴動はその場で驚愕する。
「な、何だと……じゃあ僕は絵本に負けている、とでも……!?」
「ま、まぁ、そうなるんじゃないかな……?」
「う、嘘だ!じゃ、じゃあ今から絵本を描き上げる!だから読んでくれ!そして感想をくれ!」
「えっ?お前何言って……」
弓華の言葉を聞かずして、麗美から紙とペンを奪い、机に向かって、超高速で絵を描き始める石動鳴動──そんな中、祐介、厳魁、先宮、アリスの四人は超高速の執筆を見て、驚愕していた、何でミスをせずに描く事が出来るのだろうか?作者の直筆文字が読めるのか……!と四人は驚愕していた。
そんな四人を見て、『別に其処が凄いってだけで、驚愕出来る事なのだろうか?』と思いながら石動鳴動が描いた絵本が出来上がるのを待つ──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.140 )
- 日時: 2017/09/06 21:31
- 名前: 彩都 (ID: npB6/xR8)
「……コイツ、何やっているんだ……?」
弓華が呆れながら石動鳴動を見て、発言すると祐介が感動しながら言う。
「弓華さんの為に石動先生が絵本を描いているんですよ!」
「で?だからどうしたんだ?感動のかの字も出さないぞ?」
「えぇっ……」
弓華の発言に驚愕する祐介、すると石動鳴動がいきなり立ち上がって叫ぶ。
「完成した!さぁ、レディ、読んでくれ給え」
「あぁっ?何で私が……」
石動鳴動に何枚かの紙を貰って音読し始める弓華──
『少年は孤独でした。』
『それは何故か? 簡単です。』
『少年には両親が居ませんでした、母親は少年を産む時に死んでしまい、父は事故で死にました。』
『でも少年は泣きませんでした。』
『何故なら愛犬の『ポチ』が居るからです。』
『ポチは少年が生まれてくる前から存在している犬で、母親が死んだ後も父親と二人で育ててきました。』
『ですがポチにだって、『寿命』というモノがあります。』
『足はよれよれになり、立つのでさえ、困難になっていました。』
『そしてとある日、ポチに料理を作って、渡すと、ポチが鳴きました。』
『その鳴き声は弱々しく、番犬なら、すぐさま用済み扱いです。』
『久し振りにポチが鳴いて、驚愕した少年はすぐさまポチを抱き締めます。』
『すると突然ポチが人間の言葉を喋ったのです。』
『今迄有難う、御主人様』
『僕はもうすぐ死ぬかもしれない、だから伝えておくよ。』
『此処から先にある山に一つの小屋がある、そこに居る少女と結婚して、生活して欲しい。』
『突然ポチが喋ったので、少年は周りを確認しますが何もありません。』
『するとポチが続けて言いました。』
『何で犬が喋っているかって? 簡単だよご主人。』
『神様に御願いして、『死ぬ前にご主人と喋りたい』と伝えると、神様が『分かった、だけれど、君の寿命を代わりに頂こう』と言ったんだ。』
『だから僕はもうすぐ死ぬ。』
『このご飯を食べると僕は死ぬんだ。』
『涙を流しながら首を横に振る少年を見て、ポチは答えます。』
『『死』というモノは絶対にあるんだよ。』
『それは僕達犬も変わらない、逆に言えば、御主人様にもあるんだ。』
『でも、御主人様と僕の寿命の事を考えると、圧倒的に御主人様の方が長い。』
『だからこそ、『素晴らしい』んだ、命は。』
『長い長い寿命の中で御主人様はどんな風景、光景、絶景を確認出来ると思う? そんなの無限なんだよ。』
『僕には分からないセカイも、常識も御主人様は知る事が出来るんだ。』
『それって素晴らしい事じゃないか? だって、『知らない事を知る』って事は素晴らしいんだ。』
『ポチがそう伝えると、段々とポチの瞼が重くなって、眠たそうにします。』
『あぁ、もうすぐお迎えの時間だ、さぁ、ご主人、早く行くんだ。』
『僕の事を忘れて前に進むんだ、御主人様はそうやって前に進むんだ。』
『ポチは元気を振り絞って少年に伝えます。』
『ですが少年は首を横に振って、拒否をします。』
『するとポチは少年の手首を噛んで、喉を鳴らして威嚇します。』
『まさかのポチの行動に少年はポチを背に逃げ出してしまいます。』
『まさか、あんなに頑張って育てたのに……最後の最後に反抗して……! 少年はそう思いながら家を飛び出します。』
『ポチは誰もいない部屋で静かに一口ご飯を食べて、腕を枕にして眠ります。』
『この眠りは一生起きる事の無い眠りでした。』
『最後は少年に看取られないよう、というポチの最後の反抗でした。』
『ポチは寝る前に少し考えます、今迄の出来事を。』
『御主人様と一緒にご飯を食べる記憶。』
『御主人様と一緒に散歩をする記憶。』
『御主人様と一緒にプールで遊ぶ記憶。』
『御主人様と御主人様と御主人様と……』
『かけがえの無い記憶と共にポチは微笑んで呟きます。』
『もっと、もっと御主人様と一緒に居たかったなぁ……』
『ポチはそう呟いて、息を吐いて、眠り始めました。』
『さようなら、御主人様……そう思いながらポチは……』
『そして家を出た少年は涙を流しながら、ポチに言われた事を実行します。』
『まずは山に登って、小屋を見つける、そう思いながら山を登ります。』
『外を出た時は明るかった空が何時の間にか暗くなっていました。』
『結構な時間を歩いたんだなぁ、と思っていると、目の前に明るい一軒家を見つけます。』
『もしや……? と思いながらノックして、家の中に入ります。』
『そこにはとても美しい少女がポチとよく似た犬を撫でていました。』
『少年は無言で少女を見つめ、少女はその場をゆっくりと立ち上がって、少年に言います。』
『もしかして君がベルの言っていた少年?』
『ベル、とは少女の犬の名前か、と考えて静かに頷く少年。』
『すると少女が急に少年を抱き締めます。』
『よかったぁ! 同年代で嬉しい!』
『少年もこんなに美しい少女を見たのは初めてで、とても嬉しい気持ちになりました。』
『そして彼女は話し始めます。』
『実はベルが『この家に少年がやってくる、その少年と結婚しなさい』って言ってきたの。』
『少女の発言を聞いて、少年は顔を赤らめながら横目でベルと呼ばれた犬を見る。』
『そ、その……だから……け、結婚しましょう?』
『少女の言葉を聞いて、少年は静かに頷きました。』
『そして数ヵ月後、少女と少年は結婚をしました。』
『二人はその後、二人の子宝に恵まれ、名前を愛犬の名前、ポチ、ベルにしました。』
『そして二人は二人の子宝と共に楽しく暮らしました。』
『完』
『題名 〜巡り合わせの犬〜』
「ふぅん……」
一通り読んで、弓華が溜息を吐く、すると石動鳴動が言う。
「か、感想は!?」
石動鳴動の発言を受け、弓華はゆっくり発言する──その感想が辛口か甘口かは分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.141 )
- 日時: 2017/09/09 21:30
- 名前: 彩都 (ID: FSosQk4t)
「えーと、何歳がメイン?」
「ん?そうだな、精々小学六年迄かな?」
「ふぅん、成程ね……」
石動鳴動から話を聞いて、弓華は静かに採点する。
「そうだな、総合的な点数は……」
ドクン、ドクン、と心臓が高鳴りながら弓華の点数を聞こうとする石動鳴動、そして弓華が発言する。
「総合的な点数は『30点』だ」
「……はぁ?」
「えっ?」
「えぇっ!?」
「はいぃ!?」
「……!?(何だとっ!?)」
石動鳴動、祐介、厳魁、先宮、アリスの順番で驚く、そして石動鳴動が言う。
「は、はぁ!?お前は何を言っているんだ!?普通百点満点だろ!?なのに何で30点なんだよ!?意味が分からない!」
「それはこっちの台詞だ馬鹿」
石動鳴動の発言を受け、弓華が点数について説明し始める。
「あのなぁ、小学六年生ならまだしも、小学一年生に読ませるなら、『寿命』なんていう重い設定を作るな、更に小学一年生に『神様が喋らせてくれたんだ』なんていう『神様が存在する』設定を出さない方が良い、何でかって?簡単だ、『小学一年生が『神』を信じる事』が可能か?いいや、そんなの結構難しいぜ?」
「っ……!」
弓華の発言を受け、石動鳴動はその場で膝をついて、絶望する。
「う、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……!嘘だ、その言葉は!どうせ僕の才能に妬み恨みがあるからの発言だろ!?そうだろう!?」
「誰もお前の才能に恨みや妬みなんかねぇよ、客観的な話だ」
「うぅっ……!仕方無い、だったら僕の『能力』で貴様を殺害しよう……!」
石動鳴動はそう言って、左手にペンを持ち、紙に何かを描き始める、すると『急に弓華の口から血が出てきた』のだ、いきなりの出来事に弓華はその場で腹部を押さえ、息を切らす。
『な、何だ今のは……?』弓華はそう思いながら腹部を擦る、今さっき石動鳴動が紙に何かを描き終わった瞬間、『腹部が殴られる』感覚を覚えた、そして急に口から血が……!石動鳴動は何かをしたんだよな……?それじゃあ『何をした』んだ!?弓華はそう思いながら静かに石動鳴動を睨む。
「おいおい、何だよ?僕は君に睨まれるような事はしていないぞ?」
「し、してなくても、『行動』はしたかもしれないだろ……?」
「行動?それさえもしていないなぁ……」
「じゃあ『左手で描いた紙』を見せてくれないか……?」
「!?な、何で!?君に見せるようなモノでは無い!ただの落書きだし!」
少し戸惑う様に言う石動鳴動に対し、『紙に何かを描いたんだな……』と判断する弓華、多分石動鳴動の能力は『紙に書いた事を事実にする』能力かもしれないな、と思い、四人に呼びかける。
「気をつけろ!石動鳴動の能力は『紙に書いた事を事実にする』能力だ!だから気を付けろ!」
「はぁ?そんな下劣な能力にしないでくれるかな?『僕の能力はこの世で最強の能力なんだ』ぜ?『君達には太刀打ち出来ない能力なんだ』ぜ?なのに『気を付けろ』だって?笑わせてくれる……だったら、その予想、『打ち砕いて』みせる!」
石動鳴動はそう言って、両手を一回叩く、すると石動鳴動の右手が大きくなり、大声で発言する。
「ハハハ!どうだ!?これで君達の能力の予想を『打ち砕いて』みせた!僕の原稿を狙う侵入者よ!この巨大な手の犠牲となるが良い!」
石動鳴動の右手を見て、厳魁が叫ぶ。
「まさかカセットか!?」
「そ、それなら理解が出来る!」
厳魁の言葉に返答する弓華、そして石動鳴動は巨大な右手で弓華に張り手を放つ。
「おらぁ!僕の作品を酷評した罰だ!」
「や、止めろぉ!」
「止めない!謝る迄ねぇ!!」
「ふっ、巫山戯(ふざけ)るなぁ!」
祐介はそう言って、石動鳴動に向かって突進を仕掛ける、右手を元のサイズに戻そうとするが、元に戻した所で祐介の突進に間に合わない、と判断した石動鳴動は咄嗟に『左手を大きくして、祐介の突進を防いだ』、そして祐介は巨大な左手の手の平の中で頭をぶつける。
「いってぇ!?」
「祐介さん、多分石動鳴動のカセット能力は『手を大きくする事が出来る』能力の可能性が!」
「成程!」
祐介が石動鳴動の巨大な左手の手の平から離れると、厳魁が祐介に説明する、厳魁の説明に祐介は大声で返答する。
「可能性?そんなのある訳が無い!あるのは『必然性』だ!『絶対なる確率』!『絶対なる成功』!それしかないんだ!『僕の能力はこの二つだけでは無い』ぞ!『何個も、何種類も存在する』ぞ!」
「!?」
「!?」
「!?」
「!?」
「!?(マジで!?)」
『何個も何種類も存在する』、その言葉を聞いて、祐介達五人が驚愕する。
まさかのまさか、『何個も何種類も能力を保有している』だなんて!?厳魁はそう思いながら石動鳴動の体の事を考える。
普通一人一つの能力を二つ持てる様になったカセット、それを使用すれば使用する程寿命を削るというのに……石動鳴動、彼はどれだけの『カセットを体に埋め込んでいる』んだ!?カセット一個でどれだけ寿命が削られるかも分からないが、それを『何個も何種類も』と言っている事から、軽く、いや、最低でもカセットを『二個以上使用している』事になる……って、どれだけ寿命が削られる事か!?厳魁は心の中でそう呟いて、石動鳴動にカセットの危険性を話そうか、考える──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.142 )
- 日時: 2017/09/10 22:30
- 名前: 彩都 (ID: W2jlL.74)
「……お前、『何個『能力』を持っている』んだ!?」
厳魁がカセットの話をしようか悩んでいると、いきなり祐介が大声で石動鳴動に叫ぶ、祐介の行動に厳魁は驚いた。
「……はぁ?『何個『能力』を持っている』かって?そうだな、考えた事も無かったな……ふむ、数える為にも、『能力を数える』能力を作ろうか、僕の持っている『能力を創る』能力で」
……はぁ?『能力』を数える能力?『能力を創る』能力?いきなり何の事か分からない、厳魁はそう思いながら額の汗を拭う、すると厳魁は石動鳴動の発言にやっと理解した。
祐介さんの攻撃を防いだ『手を大きくする事が出来る』能力と、『能力を数える』能力、更に『能力を創る』能力の三つを持っていると言う事!此処で、『最低でも三つの能力を持っている』事が理解出来る!い、一体何個能力が出るのか?厳魁がそう思っていると、指を折って数えていた石動鳴動が祐介に言う。
「今数え終わったぞ、『能力を数える』能力を『能力を創る』能力で創って数えてみた所……」
ドクン、と心臓が高鳴る、これで石動鳴動の能力数が判明する!一体どれだけ持っているのか?それがやっと理解出来る……厳魁はそう思いながら石動鳴動の能力数を聞く、すると厳魁は目を見開いて、絶望する、それは何故か?簡単だ、次の石動鳴動の発言にあるからだった。
「数えてみた所……『一無量大数と二つ程ある』な」
「えっ?『一無量大数と二つ程』?い、一体何を言って……!?」
「ん?何を言っているかって?簡単だ、『無量大数とは不可思議の後の単位』だ」
石動鳴動の発言に厳魁は戦慄しながら発言する、すると丁寧に石動鳴動が返答する。
……ば、馬鹿げている!何が『無量大数』だよ!?意味が分からない!いや、『意味そのものが分からない』!!えっ?と言う事は『一億、一兆、一京をも越えて能力を保有している』と言う事か!?そんな……勝てる筈が無い、こんな人に勝てる訳が……と、思って、少し不思議な事を思う厳魁、厳魁は奥で蹲(うずくま)っている麗美に大声で話しかける。
「麗美さん!あ、アンタ、『『神』を作る』って宣言していたよな?僕が居た時に……で、『何処に『神』が居る』んだ?ど、何処にも居ないじゃないか?め、目の前の石動鳴動さんは『大量に能力を保有している』だけだし……」
厳魁の発言に『はぁ?何言ってんの?』と言いたげな表情をして、石動鳴動を指差す。
「い、居るじゃない……!『神』が!『神』なのよ、石動鳴動は!」
「は、はぁ!?か、『神』だと!?」
麗美の発言を受け、厳魁は驚愕する、なっ、まさか『石動鳴動が『神』だった』とは!!予想もしない回答に厳魁はその場で跪(ひざまず)く。
「そんな……阻止する事が出来なかったか……!すいません四人共……!僕の不甲斐無さで……!」
「そんな事はどうでもいいんだよ」
ふと、不意に祐介の言葉が聞こえる、そして祐介が厳魁の肩を叩いて石動鳴動を指差す。
「『神』を見つける事が出来ただけ、すっげぇ進歩じゃねぇか?麗美って奴を倒して、『『神』を作る計画』を阻止したら良いだけじゃねぇか?石動鳴動先生は麗美って奴に近付く為のコマだ、さぁ、さっさと石動鳴動先生を倒そうぜ?俺達五人なら出来るだろ?」
た、確かに……!厳魁はそう思って、その場を立ち上がって祐介に言う。
「な、何かすみません……一人でまた抱え込んでしまいました……」
「いいんだよ、たまには一人で抱え込んで、抱え込み過ぎたら、何人も集まって解決法を探そうぜ?そうして抱え込んだもんは解消される、よし!前に進もう!さっさと石動鳴動先生を倒して、麗美って奴に近付く!」
祐介はそう言って、走って石動鳴動に近付く、祐介のその勇姿に、厳魁は勇気を貰う。
「頑張って下さい祐介さん!」
厳魁の大声の声援に祐介は強く頷く。
「おぅ!!」
そして祐介は石動鳴動の胴体にダイブを仕掛ける、そして馬乗りになって、石動鳴動を気絶させる為に何度も何度も顔面を殴る。
「俺は前に進まないといけないんだ!石動鳴動先生、すみません!」
何度も何度も顔面を殴って、石動鳴動の表情が段々と苦しくなっていく、後少しで終わる!祐介がそう思った時だ、急に祐介を押して、石動鳴動が起き上がる、そして顔を両手で隠す、すると『祐介が殴った部分は全て、消滅し、綺麗な石動鳴動の顔面』になった、石動鳴動の行動に厳魁は驚愕する。
「なっ!?『全部元に戻った』だと!?」
「おいおい、言っただろう?『一無量大数の能力を持っている』って?『傷を癒す』能力、『痛みを消す』能力を同時使用すれば解決じゃないか……」
「……あっ、そっか」
石動鳴動の発言を受け、厳魁は納得する、そして石動鳴動が頭を掻いて祐介達に言う。
「あっ、そういえば殴られた衝撃で思い出したが、君達は『八『王』』ってのを知っているかい?」
「えっ?『八『王』』?いきなり何で……?一応は知っていますけど?」
「僕はその『八『王』』の一人だ、最後の『八『王』』、『八『王』』の『神『王』』・石動鳴動、宜しく?」
……えっ?いきなり宣言された言葉に厳魁はその場で硬直する、まさか『八『王』』の最後の存在が石動鳴動!?厳魁はそう思いながら、少しずつ後退する──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.143 )
- 日時: 2017/09/13 21:20
- 名前: 彩都 (ID: HTIJ/iaZ)
『八『王』』、とは、『この施設における八人の能力者』の事を指す──『粘液女『王』・知念香夏子』(ちねん かなこ)、『怪力『王』・蛟兼流(みずち かねる)』、『模倣『王』・山上神虎(さんじょう かみとら)』、『腐敗女『王』・安住美月(あんじゅう みづき)』、『破壊『王』・久鬼堅城(くき けんじょう)』、『武器『王』・石蔵蔵人(いしくら くらうど)』、『回避『王』・傘倉厭良(かさくら あきよし)』、そして『神『王』・石動鳴動(いするぎ めいどう)』の八人だ、八人が八人とも、『この施設の中で強力な能力使い』なのだ。
そんな七人に出会い、何とか倒してきた五人、そして最後の一人、石動鳴動を祐介達は倒そうとしていた、だがそんな中、厳魁だけが戦いを諦めていた。
勝てる訳が無い、こんな『無限に能力を持つ存在』なんかに……!厳魁はその場で膝をついて、絶望する。
誰も救う事は出来ないのか!?もう、誰も……!!能力者皆が皆、麗美さんの手の中になってしまう……!それだけは阻止したい!だけど、まず『石動鳴動という巨大な壁を壊さなければ前に進む事が出来ない』のだ!そして石動鳴動は『無限に能力を持つ存在』なのだ、そもそもとして、勝てる方法が無い……厳魁はそう思いながら肩を落とす。
「諦めんな!」
巨大な声が室内に響く、その中で立ち上がる存在が居た、その人物は祐介だった、厳魁はそんな祐介に対し、大声で怒鳴って祐介を止める。
「もう無理ですよ!相手は『無限に能力を持つ存在』なんです!一人一個しか持っていない僕達ではどれだけ努力しても勝てないんです!」
「誰が決めた!?お前か!?違う!どんな能力者にも相性があるんだよ!どれだけ優れている能力者でも、能力でも、相対する能力には弱い!『火を操る能力者は水を操る能力者に弱い』って感じで負ける能力はあるんだよ!『無限に能力を持つ』!?んなもん、俺の能力に勝てるのか!?分からないだろ!だから俺は前に進んで石動鳴動先生を倒して、麗美って奴をブッ倒すんだ!お前も立ち上がれよ!腕力、知力、策略、努力、体力、気力、魅力、握力、威力、怪力、脚力、実力、暴力、何でもいい!『勝って』しまえばいいんだよ!そして石動鳴動先生を気絶させる!その為に前に進め!厳魁君!お前は俺に何と言った?『『神』を作る機関を壊したい』と言った!その為に色々な能力者に打ち勝ってきたじゃないか!この五人で!俺達五人なら石動鳴動先生だって倒せるだろ!?だって、『一対五』だぞ!?多人数の俺達の勝ちじゃないか!イケる!行こう厳魁君!」
祐介はそう言って、厳魁、それ以外の先宮、弓華、アリスを勇気付ける、そして厳魁が立ち上がる。
「確かに……!僕達五人が居れば勝てる!どんな能力者にも!」
「そうだ、その意気だ、さぁ、前に進もう!」
厳魁がそう言って、石動鳴動に突進を仕掛ける、そして祐介もそう呟いて、二人で共に石動鳴動に突進を仕掛ける。
「……理解出来ないのか?私は『神』だぞ?お前達は『神』に歯向かう、と言っているんだぞ……?」
「分かってる!でも、石動鳴動、お前の『神』発言は全て『嘘偽り』じゃないか!本当の『神』は『目に見えない』んだ!なのに目に見えるのは……可笑しい!」
「お、可笑しいだと?それこそ可笑しい!じゃあ何故『イエス・キリスト』が『神』と呼ばれるんだ!?」
「……『イエス・キリスト』は『神』ではない、『神の『子』』だよ!」
石動鳴動の発言を受け、厳魁がツッコミを入れる、すると石動鳴動はその場で驚愕し、尻餅をついて、愕然とした表情で言う。
「う、嘘だ……!で、でも『イエス・キリスト』は『神』のような事をした!それは間違いが無い!」
「そんな事はどうでもいい!『石動鳴動』という『神』は存在しない!ただの『偽りの神』だ!!」
厳魁はそう言って、石動鳴動の腹部に祐介と共にダイブし、攻撃する──そして石動鳴動の体に高校生二人の体重が乗る。
「うっ、重い……」
「そんな事は自業自得だ……さぁ、さっさと元の世界に戻ろうぜ?現実世界じゃアンタは行方不明になっている、漫画を描くなんて、何時も仕事をしている部屋で出来るじゃないか」
「そ、それは違う……!編集はとても酷い!ゲームしていると『原稿!原稿!』と煩くし、ゲームを奪うし、ご飯を食う時間でさえも『原稿原稿!』と言って、食事でさえ、まともに出来ない!でも此処はどうだ!?好きな時間に好きなだけ漫画を書いて、好きなだけ、ご飯を食べる事が出来る!しかも満腹だ!」
石動鳴動の腹部にダイブした祐介が外の世界の情報を言うと、石動鳴動は愚痴を吐く、すると石動鳴動の腹部の上の厳魁は静かに石動鳴動に意見を出す。
「……それ、裁判で訴えるか、編集者さんを変更してもらったらどう?もしくは出版社ごと異動するとかさぁ?」
「あっ、その手があったか」
「えぇ……」
「本当に漫画中毒なんだな、描きたくて描きたくて仕方無いっていうのかなぁ……?」
厳魁、祐介がそう呟くと、石動鳴動は二人を押し倒して、背後の麗美の方に向かって指を指して言う。
「おい!どういう事だよ!?『漫画の法律だと編集者は変えられない』って言ったじゃないか!あれは嘘か!?」
「漫画の法律なんかねぇよ」
「騙されやすいというか、漫画の事しか頭に無いというか……」
石動鳴動の行動に祐介と厳魁は溜息を吐いて、見守る──
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