コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.329 )
日時: 2018/11/25 23:05
名前: 彩都 (ID: ShMn62up)  

「一体……どういう事なんだ……?」
顎に手を当て、考える石動に対し、保奈美も祐介も口を出せなかった、何故なら『それ』を知る事が出来るのは石動のみだ、石動以外の意見は当てにはならないからだ。
「どういう事なんでしょうね……」
幸い、言葉に出来るのが、これだけで、祐介は安堵した、此処で会話を途切れさせると、これから先、地味に会話が続かなさそうだからだ。
「……分からないよ、でも、結果、『分裂する能力』としか、分からないから、温度の事は何も……」
そう言って、頭を掻く石動に対し、『あ、あの……』と、発言する保奈美。
「ん?何?」
ぶっきらぼうに発言する石動に対し、『あの……私を、この肉体に戻してくれませんか?』と、保奈美は言う。
「えっ?」
「いや、私の願いは『能力を知る』のではなく、『元の体に戻りたい』、なので……」
「あ、あぁ、そうだったのか、それじゃあ、僕の手を掴んで?」
そう言う石動に対し、『はい』と、言って、掴む保奈美、そして石動は『えいっ』と、言って、『寝ている保奈美の腹部に保奈美の手を突っ込んだ』、すると保奈美は『えっ?』と、言った後、すぐさま石動、祐介の前から消える。
「……消えましたね」
「あぁ、そりゃ、彼女の中に彼女が入ったのだからな」
祐介の発言を聞いて、石動が返答する、すると『寝転んでいる保奈美の指が少し動いた』、そしてゆっくりと、『んー……』と、言って、寝転んだ保奈美は目を醒ました。
「お早う、保奈美ちゃん?」
石動は寝転んだ保奈美に話しかける、すると保奈美は『元の……元の体に、戻れましたか……?』と、言うので、『あぁ、戻った』と、言う、すると保奈美は『良かった……』と、安堵していた。
「これで、私は生きているし、もう他の所に行かなくてもいい……」
そう言って、安堵している保奈美に対し、石動は『いや、まだだ』と、発言する。
「……えっ?」
石動の発言に驚愕する保奈美に対し、石動は『まだ、終わっていないさ』と、言って、保奈美を見る。
「君は……『元に戻りたい』だけじゃ、ないんだろう?」
「…………」
石動の発言を受けて、保奈美は静かに黙る、そして保奈美はゆっくりと口を開けて、『はい……』と、発言した。
「私の、私のこの能力を……『消して下さい』……!『能力者』じゃない、『無能力者』にして下さい……!御願いです、石動先生、私を、『異常者』から、『健常者』に、戻して下さい……!」
涙を流す保奈美に対し、石動は『やっぱやーめた』と、発言して、立ち上がる。
「消そうと思ったけど、やっぱやーめた!よし、それじゃあ、祐介君、保奈美ちゃん?さようならだ、僕は急いで、医療用の漫画を描く為に、編集者さんと出会わないと!」
そう言って、保奈美の空間から離れようとする石動を止める祐介。
「ま、待って下さいよ!?ど、どういう事なんですか!?いきなり編集者さんと出会うだなんて……」
戸惑う祐介に対し、石動は静かに保奈美を見て、『コイツは『言ってはいけない事』を言った』と、淡々と言った。
「……えっ?」
「そ、それは何です?」
祐介、当事者の保奈美は首を傾げる、すると石動は『彼女は『異常者』と、言った、『能力者』の事を……!』と、怒りを露わにして言う。
「何が異常者だよ!?障害者に対し、それが言えるか!?『やーい、お前の足、動かないなぁ!一般人じゃない!異常者だー!』って!言えないだろ!?『お前の腕、動かないんだー!自分の腕はこんなに動くのに、君の手は動かないんだー!異常者だー!』って、言えないだろ!?なのに何だよ!?『能力者』が障害者じゃないから、そんな発言が許されると思ってるのか!?『能力者』も、障害者も『同じ人間』だろうが!人の見た目、障害、『能力』だけで差別される理由が分からない!君は……僕の心を踏み躙(にじ)った!君の行為は……到底許される行為では無い!」
涙目になりながら、石動は怒鳴る、そんな石動を見た二人は戸惑った、いや、一番戸惑ったのは保奈美かもしれない。
そんな事を言われて、戸惑わない存在は居ないだろう、そして石動はその場で静かに『僕にはとある障害者の友人が居た』と、発言する。
「その障害者は何時も全然笑わなかった、でも、僕が描いた漫画を、いや、プロットを見せると、笑ってくれた、『障害者でも漫画は笑える』って言うのが分かった瞬間だった、だから僕は『障害者でも、健常者でも楽しめる漫画』を描こうと、必死に健常者と渡り合える障害者を出しているんだ、僕にとって、障害者は『尊敬する人達』なんだよ、でも、何だよ?保奈美ちゃんの言い方は?完全に障害者と『能力者』を一緒にしている、そんな行為、僕は認めないし、この世じゃ認められないぞ?」
「……ゴメンなさい」
素直に謝るしかない保奈美、そして保奈美は続けて『でも!』と、叫ぶ。
「御願いです!もっと謝りますから、私の『能力』を消して下さい!御願いします!この『能力』の所為で、私は今日、今迄元に戻れなかったんです!もしもまた私の意識、肉体が分裂したら、私は貴方以外にもう元に戻る手段が見付からない!貴方しか……貴方しか居ないんです、石動さん!だから……御願いです!私の、私の『能力』を消して下さい……!御願いします……!」
保奈美はそう言って、ベッドの上で土下座をする、その土下座を見た祐介は立ち上がって、石動に向かって、頭を下げて、『御願いします、石動さん、俺からも御願いします』と、発言する──石動はその場で無言を貫きながら、保奈美、祐介に背中を見せ続けた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.330 )
日時: 2018/11/28 23:43
名前: 彩都 (ID: zbxAunUZ)  

「……はぁ、分かったよ、やればいいんだろう?」
石動はそう言って、振り向いて、保奈美の頭を触り、右手に能力を発動する、発動したのは『能力を消す能力』だ。
「……保奈美ちゃん?今度から障害者と能力者を一緒くたにして、差別しないで?それだけは約束してくれよ?」
そう言う石動に対し、『はい……』と、静かに頷く保奈美、そして石動は手を離し、『これで終わった』と、言う。
「彼女はもう能力を使えない、取り戻せない、再使用出来ない」
「そう、ですか……これで、これで安心です……」
祐介はそう言って、胸を撫で下ろす、すると保奈美が祐介に抱き付いて、『有難う御座います!二人は命の恩人です!』と、叫ぶ。
と、叫んだ所為で何処からか『煩い!』と、叫ばれる、続けて、ナースが『静かにして下さいねぇ?』と、言って、保奈美の空間に入る、すると祐介に抱きついている保奈美を見て、ナースが、『お、起きてる!?せ、せんせぇ!?』と、此方も大声を出して、保奈美達三人の前から走って消える、祐介、石動はその姿を見て、『あっ……』と、言いたげな表情をしていた──

「そ、それじゃあ、僕はもう一階に向かうよ、待たせているからね?編集者さんを?」
「あっ、はい、今回は有難う御座いました」
「いやいや?今日はこういう能力も有るって事に気が付いて、驚いた」
「そうですよね……」
祐介と石動が会話していると、石動、祐介の前に何人かの白衣を着た医者と、ナース、看護師が現れる、祐介は囲まれる保奈美を見て、『それじゃあ、保奈美ちゃん?何時か出会えたら会おうね?』と、言って、立ち去る。
「あっ、は、はい!何時か、何時か会いましょうね!!」
祐介の発言を聞いて、保奈美は元気に返答する、そして保奈美は怒濤の質問攻めをされるのだが、石動、祐介には、それは分からなかった──そして一階では──
「はっ!?い、いきなり先生が居なくなった!?」
「ど、どういう事だ!?」
慌てふためく編集者を見て、鈴鹿、未来の祐介は戸惑っていた。
「なっ……!?あの二人は一体何処に行ったんだ!?」
「ど、何処……!?」
慌てふためく編集者と共に此方も騒いでいた、そして未来の祐介は仕方なく、『元の部屋に戻ろう、もう戻っているかもしれないし?』と、言って、先に行動する。
「お、おい!?戻ってるって確証はねぇだろぉ!?」
「うん、確かにないね、でも、じきに俺は戻らないといけないんだ、だから戻る」
「お、おい……?お前、用事があったのか?」
「あるさ、色々と、な?それじゃあ、先に向かってるぜ鈴鹿ちゃんや?」
未来の祐介はそう言って、エレベーターに向かう、鈴鹿は静かに『私は帰る……』と、言って、一人静かに帰路へと向かう──一階の出来事に対し、そんな事も知らない祐介は自分の病室に戻って、ベッドに座った。
「何とか……何とか、間に合った……多分だけど、今日、明日中には瑠璃御子さんが来る……はぁ、憂鬱だ、これ以上ない憂鬱だ、学校に母さんが来るレベルで憂鬱だ……あぁ、あの姿の母さんが来るっていうのは、息子である俺には相当キツいんだ……だって、母さんはあの見た目だ、普通『誰かの妹さん』とか、思われるから……はぁ……」
祐介がそんな事を呟きながら、溜息を吐く、すると祐介の前に未来の祐介が現れる。
「……お前は」
「何だよ?ドッペルゲンガーってのに、そんな反応が薄いだなんて?」
「反応だって?ドッペルゲンガーだって?何を巫山戯た事を?お前は一つ勘違いしているぜ?『ドッペルゲンガー』ってのぉは、『自身と同じ姿の存在』だ、お前は『自身と同じ姿ではない』、だからドッペルゲンガーではない、ただの『俺の未来』だ、何だぁ?違うかぁ?」
「……中々にいい理論をしているじゃねぇか?あぁ、正解だ、無論からかっただけだ」
「あぁ、最低だ」
祐介はそう言って、唇を歪ませて、未来の祐介、自身を見、発言する。
「……それで?来るのか、あの人は?」
「あぁ、来るぜ?だが、あの人、仕事の休みを申し入れるから、少し時間がかかるって、数時間前にメールで来た」
「……そうか、あぁ、面倒だなぁ?」
「面倒?何がだよ?後少しでメンバーが揃うじゃねぇか?何だぁ?それが息苦しいってかぁ?」
「あぁ、そうだよ……息苦しいさ、だって、こんな紆余曲折を今迄、『他のパラレルワールドの俺は行ってきた』んだろぉ?でも、『失敗した方しかない』んだよなぁ?それなら息苦しいし、憂鬱さ、『俺が無理なら、他の俺に頼むしかない』っていう、その考えが……俺は厭なんだよ、もう……『他の俺に対して、『幸せに生きろ』って、言いたい』んだよ、こんな苦しむのなら、俺迄のパラレルワールドだけで良い、だから……こんな運命、俺が、俺の世界で引き止める!」
祐介はそう言って、右手の拳をベッドに備え付けの机にぶつける、『どんっ!』と、大きな音が鳴って、未来の祐介は『だろうな、俺だって俺を期待している』と、言う。
「……さて、それじゃあ、田中さんを待とうか、待たないと、意味が無いからな?」
「…………」
未来の祐介の発言を受けて、祐介は静かに未来の祐介を見続ける──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.331 )
日時: 2018/12/01 23:32
名前: 彩都 (ID: sE.KM5jw)  

「……田中、さんって?」
祐介が不思議そうに言うと、未来の祐介は『いや?普通に田中さんだが?田中幸子だが?』と、首を傾げ言うので、『あぁ、あの人か』と、思い出す。
田中幸子、それは本名だ、では、誰の本名か?それは簡単だ、『綺羅星瑠璃御子』、そのお方である。
瑠璃御子は祐介が最初に出会った『能力者』であり、初めての『仲間』である。
そんな瑠璃御子はとある『能力』を持っていた、その能力は『未来を見る』能力だ。
彼女はその能力を駆使し、商売をして、お金を稼いでいる、実際問題犯罪では無いので、罪に問われない、が、彼女はそんな『未来が見れる』が為に祐介達の仲間にならざるをえなかったのだ。
もしも『能力者』という事がバレてしまえば、瑠璃御子は何処かの研究機関に売られるかもしれないからだ、もしも売られてしまったら、生きている可能性は低くなるのが普通だ。
祐介、未来の祐介はその能力を知っているがゆえに『何時でもバラせる状況下にある』ので、バラされたくないので、渋々仲間になっているのだが……その前に祐介が未来の祐介が言う『田中さん』という言い方が気に食わなかった。
「何で……何で田中さんって、本名で言うんですか?」
「えっ?何でって……そりゃ、本名で呼んだ方が良いからだろうが?綺羅星瑠璃御子なんざ、言い難いし、読み難いし、見難いし、だから田中だ、田中なら小学生でも書けるからな?言い易いし、読み易いし、見易いし……だから田中なんだよ」
「……へぇ」
「っと、そういうこった、いうて悪かねぇだろ?たかが本名だしさぁ?」
「ま、まぁ、確かにそれはそうなんだけどぉ……」
未来の祐介の発言を受け、戸惑う祐介、すると祐介の部屋の戸がノックされる、ノックされて、『お久し振り?元気だった?お腹の傷?』と、言って、綺羅星瑠璃御子、基、田中幸子が現れる。
「はろぉ?少年?オジ様?」
「おいおい?オジ様なんて言うなよ?俺はまだ若いんだぞ……?」
瑠璃御子の発言を受け、呆れる未来の祐介、そして瑠璃御子は祐介に向かって、とある物を渡した。
「ん?何だこれ?何か色々と乗ってるけど……」
「ん?あぁ、これ?これはただのフルーツ盛り合わせよ?」
「…………あ、有難う御座います」
祐介は少し前の入院の時に起きたフルーツバスケット大量事件を思い出し、冷や汗を流す。
「さて、それじゃあ、今は祐介君が入院している事だし、また数日空けて、外国に行きますかぁ!」
「いや、その心配は無い、これを見てくれ」
祐介は瑠璃御子の発言を切って、自身の患部を見せる、すると『綺麗さっぱりなくなっていた』、その姿を見て、未来の祐介も腹部を確認する。
「!?お、おい!?その傷、何処で治したぁ!?って、俺のは治ってない……あー驚いた……全く、俺の腹部も修復されてしまったと、勘違いしてしまったぜぇ……」
「これはまぁ、追々説明するとして……俺はもう患部を修復させました、だから明日でも行けます!」
「そ、そう?それじゃあどうします?オジ様?」
「う、うーん、確かに回復しているんだろ?じゃあ、今日中に家に帰るか?『もう怪我は治りましたー』って、言って……」
「そうですね、そうしましょう」
「えっ?えっ?えっ?待って?病院って、そんな簡単に退院出来たっけぇ!?」
「んぁっ?そんなの出来るだろ?だって、『患者が治ったらすぐに出て行って欲しい』っていうのが、病院様の思いだぜ?そして空いたらすぐに患者を詰めて看病する、それでいいじゃねぇか?だからさっさと出ようぜ?」
「えぇっ……!?」
祐介と未来の祐介の会話を見て、呆れる瑠璃御子、そして瑠璃御子は祐介の手伝いを行う事にする。
「……それにしても、アンタの肉体、普通ねぇ?」
「普通って何だよ?中肉中背って言いてぇのか?」
「うん」
「おいコイツ……!?」
「まぁ、それは置いといて、良かったね?服があって?」
「服ぅ?……あぁ、未来の俺のか、まぁ、それはよかったな、何時もリュックの中に服を持ってて安心したぜ、おまけにサイズもあんまり変わっていないし……」
祐介はそう言って、数分で未来の祐介に渡された服を受け取り、着替える。
「よし、後はこの病院を出るだけだな!それで全て完了ぉ!」
「あぁ、そうだな!それじゃあ、明日、田中さんの店前に集合だぁ!」
未来の祐介がそう言うと、『待て待て待て待てぇ!?い、一体何処の店前だぁ!?』と、焦る。
「んぁっ?そんなの簡単じゃねぇか?メイド喫茶だろ?」
「なっ……!?」
瑠璃御子は未来の祐介の発言を受けて、顔を赤らめる、祐介は『それ位いいじゃないですかぁ?俺の家の前なんて瑠璃御子さんが知らない場所を言われても困るでしょう?』と、言う。
「ま、まぁ、確かにそれはそうかもしれないんだけどぉ……うーん……」
瑠璃御子は祐介に言いくるめられ、腕を組んで、首を傾げる、そして三人はナースの受付の方に向かう──やっと退院するのか……頑張れよ、保奈美ちゃん……祐介はそう思いながら、保奈美の居る病室の方へ、顔を向けた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.332 )
日時: 2018/12/02 23:34
名前: 彩都 (ID: kJLdBB9S)  

祐介、瑠璃御子、未来の祐介はナースが集まる受付に移動し、話をしていた。
「あのぉ、俺、退院したいんですけどぉ?」
祐介はそう言って、右手に持ったバンドを見せる、するとナースは『いえ、まだ退院時期では無いですが?』と、返答する。
「で、でも!俺はもう完治したんです!証拠見ますか!?」
「えぇ、それでは証拠を御願いします」
「はい」
祐介は服を脱ぎ、患部である腹部を見せる、だが、腹部には何もない、何故なら石動鳴動が能力を使用し、祐介の患部を治療したからだ──治療と言うより、荒療治かもしれないが──ナースはその姿を見て、『少しお待ち下さい』と、言って、電話をしていた。
「よし、それじゃあ、椅子に座るか」
未来の祐介がそう言って、椅子に座る、そんな姿を見て、『まだ決まった訳では無いですよ……』と、祐介が言う。
「まぁまぁ?ほぼほぼ確定したもんだろ?だって、『病気も怪我も無い肉体』なんだから?」
「ま、まぁ、それは有り得ますけど……でも、万が一の可能性を持って!」
「待たなくても良いと思うけどなぁ……?ほら、祐介君?呼ばれてるよ?」
「えっ?」
瑠璃御子の発言を受けて、祐介はナースの方に顔を向ける、すると、『こちらが長谷川祐介君です』と、祐介の隣に向かって、ナースが言う。
「ほう、彼が長谷川……初めまして、私は君の腹部の銃弾を抜いた、佐生 巾啼(さしょう はばなき)と、言う、佐生でいい」
「そ、そうですか……あ、あの佐生先生!お、俺、早く退院したいんです!御願いします!」
祐介はそう言って、佐生の白衣の服を掴むが、佐生は『まぁまぁ、落ち着いて下さい』と、祐介を落ち着かせる。
「えーと?退院したいんだよね?じゃあ、聞くけど、お腹の傷はどうなっている?」
「えっ?あぁ、この通り、完治しました!」
祐介はそう言って、服を捲って、患部だった腹部を見せる、佐生は『どれどれ……』と、言って、祐介の患部があった腹部に触る、だが、祐介はいきなり触られて、びくっと、動いてしまう。
「おっとすまない、痛かったかな?」
「い、いえ、こしょばくて……いきなり触られて驚きました……」
「あぁ、これはすまない、伝え忘れていた、えーと、お腹を少し触ってもいいかい?」
「…………」
「…………」
いや、流石に先に言えよ、誰でも驚くだろうが?未来の祐介と瑠璃御子はそう思いながら、二人を見続ける。
「えっ?あっ、はい、いいですよ?」
「あぁ、それは有難う、それでは触るね?」
佐生は祐介にそう言って、やっと触る事が出来た、まず、患部だった所を撫でる、撫でても反応が無いので、今度は患部だった所を押してみる、傷は完治しても、中ではまだ痛みが残っているかもしれない、佐生はそう思い、押してみるが、全然反応が無かった、佐生は祐介の体に驚いていた、『数日前にはあった傷がたった数日で完治する』なんて!?ましてや『痛み』でさえ!!これは凄い肉体だ……!佐生はそう思いながら、顔を上げて、『君の肉体、凄いね……!』と、驚きながら言った。
「えーと何?どれだけ回復力が凄いんだい君は!?これは学会で発表しなければ!こんなに回復力の有る人間は初めてだ!」
「ま、待って下さい!?」
走って、論文を書こうとする佐生に祐介は急いで止めて、発言する。
「そ、その前に退院させて下さい!後、俺みたいな回復力が凄いからって、学会で発表しないで下さい!迷惑です!」
「で、でも!君のこの回復力があれば、この世界はハッピーになるんだぞ!?」
「うるせぇ!?俺の肉体だ!そう簡単に他人にとやかく言われたかない!と、言う事で、俺をさっさと退院させて下さい!そして学会で発表しないで下さいね!?」
祐介は何度も何度も佐生に釘を刺し、佐生は『わ、分かったよ、発表しないよぉ』と、諦める。
「うーん、でも、この回復力、凄いなぁ?何かした?」
「いえ?今日見たら、完治してました、痛みも無かったです」
「お、おいおい……」
佐生は祐介の腹部の話を聞いて、驚いていた、実際の所、石動鳴動が治したのだが、そんなの、公にする必要も理由もないので、今日の朝、完治した、という話に変更した、これで、少しは退院出来たら良いなぁ?そう思いながら、祐介は佐生を見続ける。
「それは異常だ……本当に凄い肉体だなぁ……?」
「そんなん言わんといて下さいよ?と、とりあえず、退院の旨は伝えたんで、退院してよかですか?」
祐介がそう言って、『あ、あぁ、そうだったね……』と、話の元を思い出した佐生、佐生は仕方なく、『分かった、退院して良いよ、でも、親御さんに連絡してから帰ってね?』と、言う。
「は、はい!有難う御座います!」
祐介は佐生の発言を受けて喜んだ、そして祐介はナースから、退院証を書いて、提出し、見事、祐介は病院を退院する事に成功する──祐介は『良かったよかった……これで、外国に行ける……』と、思いながら、久し振りに病院の外に出て、綺麗な空を見ながら、外の空気を吸った──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.333 )
日時: 2018/12/05 23:04
名前: 彩都 (ID: vzo8adFf)  

祐介、瑠璃御子、未来の祐介三人は病院を出て、レストランへと来ていた。
「過去の俺よ、完治記念だ、好きに食え」
「えっ?いいのか?金はどうするんだ?」
「大丈夫だ、足りなかったら田中さんに出してもらう」
「はぁ!?それどういう事よ!?」
未来の祐介の発言に驚く瑠璃御子、未来の祐介は『じょーだんじょーだん』と、言って笑う。
「じょ、冗談に聞こえないですよ……」
呆れる瑠璃御子に対し、『実際は田中さんの旅費が無くなるだけだから』と、淡々と言う。
「おい!?それはオーバーキルです!?」
ツッコミを入れる瑠璃御子に対し、『これも冗談だ』と、笑う未来の祐介、そんな未来の祐介に信じる気持ちが無くなる瑠璃御子。
「……はぁ、それじゃあ、さっさと食べましょう?ほら、さっさと注文して?祐介君?」
「えっ?でも、あんまり食べたい物が無いからなぁ……いうてパスタ、か……」
祐介は瑠璃御子から渡されたメニュー表を確認し、適当にパスタの面を見る。
「じゃあ、パスタね?他には?」
「いえ、まだ決めた訳では……」
「何よ?じゃあ、さっさと決めてよ?早く外国に行きたいんだから?」
そう言う瑠璃御子に対し、『はぁ?』と、未来の祐介は驚いた。
「誰も『今日、外国に行く』とは言っていないんだが?」
「えっ?どういう事?今日行くんじゃないの!?」
「あのなぁ?過去の俺にだって準備は必要だろ?だから行くのは明日なんだよ」
「な、何よそれ……!?今日行けると思った私がおバカさんじゃない!?」
「そう言う事だ、おバカさん?」
未来の祐介の発言を受けて、驚く瑠璃御子、そんな瑠璃御子を見ながら、祐介は『どんな料理にしようかなぁ?』と、悩んでいた──

「えーと、注文決めました、他の二人は?」
「俺はドリンクバーと『ミートスパゲティ』の二つだ」
「おいおい?未来の俺、同じのを真似するなよ?」
「真似じゃないだろ?同一人物なんだから?」
「ま、まぁ、確かにそれは言いえて妙だ……じゃあ、俺は『きのこスパゲティ』にするよ、そしてドリンクバーの二つ、瑠璃御子さんは?」
「私?私は同じくドリンクバーと、『四種のチーズピッツァ』にぃ、『明太子スパゲティ』にぃ、『ミートドリア』、この四つよ」
「……あの、田中さん?一体誰が支払うと思って?」
少し冷や汗を流す未来の祐介に対し、瑠璃御子は『貴方でしょう?』と、微笑む瑠璃御子。
「……分かってたよ?でも、流石に押さえてくれないと……」
「食欲には勝てないの、ごめんね?」
「……店員呼んで、過去の俺?」
「あっ、うん……」
溜息を吐く未来の祐介を見て、『大変なんだなぁ?』と、思う祐介、そして祐介は近くの呼び出しボタンを押して、店員を呼ぶ。
「はぁい、お待たせしましたぁ、ご注文をどうぞ?」
「え、えーと、ドリンクバー三つ、そして『ミートドリア』一つに『明太子スパゲティ』一つ、『四種のチーズピッツァ』一つ、次に『ミートスパゲティ』一つ、『きのこスパゲティ』一つ、で終わりです」
「畏まりましたぁ、ご注文を繰り返します、ドリンクバー三つ、『ミートドリア』一つ、『明太子スパゲティ』一つ、『四種のチーズピッツァ』一つ、『ミートスパゲティ』一つ、『きのこスパゲティ』一つでよろしかったでしょうかぁ?」
「はい、大丈夫です」
「それでは、暫くお待ち下さい」
店員は祐介の注文を聞いて、機械に入力してから、祐介の前から立ち去る。
「よし、注文は終了した、各々ドリンクバーを楽しもう」
「いえーい!」
「さぁて、何を飲もうかなぁ?」
はしゃぐ二人に対し、未来の祐介は忠告する。
「えー、一つ言うけど、ジュースやドリンクを組み合わせるのは禁止な?どうせ不味いのが出来て、飲めなくなるオチが見えるから」
「祐介さん?それはフリですか?」
目を輝かせる瑠璃御子に未来の祐介は『フリでは無い』と、眉を顰めて言う。
「ちぇー」
「何が『ちぇー』だ、どうせ俺の知らない場所でオリジナルドリンクを作るんだろ?」
「よく知ってますね?」
「何回お前と絡んでいると思っているんだ?十回二十回ってレベルじゃないんだぞ?」
「えっ?何それ怖い」
「それはこっちの台詞だ、何度も何度もオリジナルドリンクを作りやがって……」
未来の祐介はそう言って、溜息を吐く、……やっぱり瑠璃御子さんも俺同様、『何人にも出会っている』んだな……祐介はそう思いながら、立ち上がり、ドリンクバーへと向かった──そして祐介はメロンソーダをコップの中に入れて、許の席に戻ってきた、瑠璃御子もドリンクバーを活用したようで、コップの中に白い液体が入っていた。
「……瑠璃御子さん?それは一体何て名前のドリンク?」
「ミルク」
「み、ミルク?ミルクって?牛乳の事?でも、牛乳は無い筈……」
「コーヒーのミルクです」
「……それ、脂っこくない?」
「大丈夫、胸に行く」
「……それは脂肪違いじゃ……?」
そう言う祐介の頭を叩く瑠璃御子、『うるせぇ!』と、大声を出して、祐介を叩く、祐介は『痛い……』と、思いながら、未来の祐介を待った──


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