コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.59 )
日時: 2016/08/31 20:31
名前: 彩都 (ID: O/vit.nk)  

「へぇ、高校を辞めたのか、でもそれは一身上の都合だろう、私は詳しくは聞かないよ」
そう言いながら黒いライダースーツの女性は欠伸をする、そして黒いライダースーツの女性は続けて言う。
「そういや、私の自己紹介をしていなかったねぇ、私の名は水花弓華(みなか ゆみか)だ、宜しく、祐介君」
そう言いながら黒いライダースーツの女性基水花弓華は手を出して握手を求める。
祐介も手を差し出して握手をした。
「宜しく御願いします、俺は世界を救いたいから、協力御願いします」
「あぁ、良いわよ、私だって、この世界を壊したくないからね──」
そう言いながら二人は握手をした、そしてメアドを交換して、祐介は河川敷から離れた──今日は災難だったなぁ、そう思いながら祐介は欠伸をする──もう眠い、時間を確認すると、夕方の五時だった。
「おいおいおいおい……もうこんな時間か、早く帰らないとなぁ」
祐介は少し足早で家に向かって走っていった──

「……居るんでしょ?」
そう言いながら弓華は河川敷の陰に目をやる、すると汚いおっさん──基未来の祐介が立っていた。
「中々恐怖を植え付けたな──まぁ、良いけれどな、どうせ、『自分には関係ない』からな……」
そう言いながら弓華の方へ向かう未来の祐介──そして隣に座り呟く。
「まぁ、凄かったなぁ──一撃加えたって所なぁ──何とか俺の言った事を遂行してて驚いたよ、無意識って怖いなぁ」
「そうですね、中々驚きましたよ、でも軽い一撃でまだまだですけれどね──少ししか許してませんがね──」
そう言いながら不満を呟く。
「まぁ、良いじゃないか、少しでも仲間を集めないといけないんだ、今はそんな戦いをしている場合じゃないからな──」
「はい、そうですね──さて私も帰りますか、今日は久し振りに遊んだ、遊んだ!」
そう言いながら弓華は立ち上がって欠伸をする、本当に退屈な戦いだったのだろう、そう思いながら未来の祐介は立ち上がる。
「俺も他の所へ行くか──」
「何処か行くんですか?」
弓華がそう言うと、未来の祐介は答えた。
「んー?沖縄」
素っ気無く呟いてから手を振って消える──沖縄……?沖縄に能力者でも居るのか?そう思いながら弓華は沖縄に行った知り合いを思い出す。
「流石に私と同年代の能力保有者なんか居ないわよねぇ……」
顎に手を当てながら考えるが、流石に無いと考えて、スーパーに寄る事を考える──今日の夕飯は何だろうなぁ?スーパーに着いてから考えるか──

「今日は大変だったなぁ──」
そう呟きながら祐介は頬を触る、痛みは引いたものの、少しだけ痛覚が反応して痛い、ジワリ、と痛みを感じ、少し虫歯の感覚を感じる。
「はぁ、早く家に帰らないと──今日の晩御飯は何だろうなぁ?」
祐介は誰にも悟られない声で言う、祐介はコンビニに向かい、水分補給をする為にジュースを買って、水分補給をする、さて、これで熱中症で倒れる事は無いだろう。
「うーん、学校もないからなぁ、やる事が無くなってきたなぁ……」
祐介は自分の周りの事を考える、皆は学校へ行って、青春を楽しんでいるが、自分はあまり青春を楽しむ事が無く学校を辞めてしまった──恋愛も、学業も無い、つまり自分は『人生で楽しい青春』を無くして、『世界を救う』為に色々なモノを犠牲にしている──それを考えると滑稽だ、完全に滑稽に感じてしまう、あぁ、何て惨めな人生なのだろう?自分は警察の偉い人に出会って、国民的アイドルグループの人と出会って、未来を観る事が出来る女性と出会って、無意識に雨を降らせる事が出来る人と出会って、ベクトルを変更出来るロリ少女と出会って、今さっき、怪力な女性と出会って──あれっ?っと、此処で祐介は気付いてしまう、普通の人間の人生より楽しい人生じゃねぇか?普通の人は『アイドルグループの人とメアドなんか交換しない』し、『警察の偉い人に出会わない』し、俺は『普通の人生の何倍も楽しんでいる』のではないか?んでもって、未来から自分が現れたりで……待てよ待てよ待てよ!完全に『普通の人より人生凄い』じゃねぇか!完全に誇れる人生じゃねぇか!何怠けた事を言っているんだ自分は?俺は普通の人より凄い人生を歩んでるじゃないか!ちゃんと考えたら凄い、としか言えないじゃないか!何腐抜けた事を言っているんだか──そう思いながら自分の人生に驚く祐介、少しは誇れる人生にしないとな──そう思いながら顔を上に向ける。
空は綺麗な夕焼けを作っていた──この日本を救う、そう思いながら汚いおっさんが書いていた紙に目をやる、集める人数は半分を切っていた──後、何日で全て集まるのか……それは祐介でも分からなかった──
って、夕焼け見ている場合では無い!早く帰って母親のご飯を食べないと!そう思いながら足早に祐介は移動する──母は時間に対しては厳しい、何とかして早く帰らないと!祐介は走りながら少し笑う、日本を救う為に少しでも早く行動しないと──そう思いながら祐介は自分の足に力を込める──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.60 )
日時: 2016/09/07 22:38
名前: 彩都 (ID: oN2/eHcw)  

『世界終了ハウマッチ!?』 本章 第六章 凍てつく氷檻

もうじき夏が終わる、そして冬が始まる──そう思いながら祐介は一人、ゆっくりと歩いていた、最近先宮さんから電話が掛かってきて、『アリスが会いたがっているんだ、家の住所を教えるから来てくれないか?』という内容だったので、確かに会っていない感覚がする、その思いで祐介は会う事を了承したのだった。
そしてバスに乗って数分して目的地に辿り着く、そしてお金を払って降車、次は電車を使用するか──そう思った時、目の前に一つの涼しそうなお店──というより出店か──を見つける、バタバタと風で靡くのぼり旗、そののぼり旗には『アイスクリン売ってます』と書かれていた、おいおい、今時アイスクリンかよ、そう思いながら祐介はその『アイスクリン』の出店に近付く──

『アイスクリン』、今で言うアイスクリームの過去の呼称、素朴な味がする氷菓でアイスクリームよりも少しだけクリーム分が少ない氷菓である。
今ではスーパーでも売っている、もっともアイスクリンはアイスクリームディッシャーで掬うタイプの方が有名だろう。
今では公園でも売っている出店もちらほらある、でもこんなバス停の近くに売っているなんて初めて見ただろう。
祐介は出店に近付いて店員に声を掛ける。
「すいませーん、今、アイスクリン売ってますか?」
そう言うとメガネをかけたポニーテールに純文学を読んでいる可愛い文学少女は椅子に座りながら足を組んでおり、そして顔を見上げる、そしてハッ!と口を開けてバタバタとして立ち上がる。
「すすす、すみません!ちょっと本に没頭してました、すみません……えっとアイスクリンですか?アイスクリンはまだ在庫があります、ご購入されますか?」
「あぁ、それでは一つ下さい──」
そう言いながら祐介は五百円玉を取り出す。
「会計は三百円になります、五百円からお預かりします、二百円のお釣りになります」
彼女はてきぱきと祐介にお釣りを渡す、そして引き戸を引き、アイスクリンをアイスクリームディッシャーで掬い、コーンカップに乗せる、そして乗せたアイスクリンを祐介に渡す。
「うおっ、大きいなぁ、これで三百円は安いなぁ」
「えへへ、まぁ、自家製なもんで……自家製だからこそ安く作って売れるんですよ、えへへへへへ……」
頭を掻きながらメガネのポニーテールの文学少女は照れる、この子は可愛いなぁ、そう思いながら祐介はその場を離れる、また出会えたら良いなぁ、そう思いながらアイスクリンを一舐めする──矢張り、アイスクリンは美味しい。

「おー、来たか」
そう言いながら道端で肩車をしている先宮さんとアリスを見つける、祐介はその時にはアイスクリンを食べ切って、コーンについていた紙を何処に捨てるか悩んでいる所だった。
「あぁ、御久し振りですね、あまり日にちは経ってないんですけれどね」
そう言いながら祐介は自分の頭を摩る、するとアリスが喋る。
「お兄ちゃん、懐かしい、『永久機関』の戦いがまるで何百年も前の様だよ(故郷感覚!)」
「俺はそんなに生きてられないけれどね」
「私の能力で年齢のベクトルを変更して若返らせるのに……(苦笑)」
「つまり年齢のベクトル変更で高齢者の自分から今の自分の17歳に元通り、それを何回も何回もするって事か?」
「そう言う事だよ(ドヤァッ!)」
「何だか厭だなぁ、『死ぬ』事が無いって何だか平凡な自分にとっては耐えられないかもしれない──ましてやそれが普通の平凡である『自分』にとっては怖い、老衰で『死なない』って事は──やっぱり普通に生きて、普通に死にたいなぁ」
「お兄ちゃんのは何て怖い死に方なんだろう?私は魔法の失敗で死ぬか、弟子に殺されるかの二択だなぁ(妄想中……)」
「そうか……ってどこぞのバトル漫画の師弟対決だよ」
「憧れない?弟子が自分を越えるのって?(ドキドキ!)」
「……いや、息子娘が父である俺を越えるってなら憧れるかもしれないけれど、弟子を取っていない自分には分からないよ」
「あっ、そっか!(成程!)」
そう言いながらアリスは先宮さんの頭の上で手を『ぽんっ!』と手を打つ。
「おいおい、君達魔法使いと俺ら庶民を一緒にするなよ……」
そう言いながら俺は頭を掻く、すると先宮さんが思い出したかの様に僕に言う。
「あぁ!それなんだが、本当にアリスは魔法を使えたんだな!驚いたよ、数日前に掃除機が壊れてなぁ、何だか杖を持ちながら変な事を呟くと、掃除機が光ってまた使える様になったんだよ、それを見た時は流石に春華も驚いたんだよ──」
「むぎー!だから私は魔法使いで、変な事って言うのは呪文の事だよー!(プンスカ!)」
そう言うと頭をポコポコと軽く殴るアリス、先宮さんは『あはははは』、と軽い笑いをする。
「それでは、序でに春華ちゃんにも会いましょうか?」
「あぁ、そうしてくれると嬉しい、春華も『永久機関』から助かって今はのんびりしているからなぁ、祐介君が来てくれたらきっと驚くだろう」
そう言いながら先宮はアリスを肩車のまま振り向いて、来た道を戻る──祐介も先宮に着いていく──先宮、アリス、祐介が向かうのは先宮の自宅だ──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.61 )
日時: 2016/09/14 21:55
名前: 彩都 (ID: hVaFVRO5)  

「うーい、今帰ったぞー!」
先宮さんはそう言いながら自宅の玄関のドアを開ける、そしてアリスを降ろして、靴を脱がす、まぁ、外国では土足出入りだからちゃんと日本のやり方を教えているのか、って俺の家で覚えなかったのかな?そう思いながら祐介も靴を脱いで整える。
「おーい、春華ー?長谷川君を連れてきたぞー?」
玄関で大声を出す先宮さん、するとドタタタ、と部屋の中を駆け巡る音がする、そしてガララ、と引き戸を開けて現れたのは化粧をした春華ちゃんだった。
「あっ、御久し振りです、祐介さん」
「あぁ、お久振りだね、とても綺麗になったね、危うく『付き合って下さい』って言いかけたよ」
「えっ……それはまだ早いですよ……隣に親がいるのに……」
しまった、口を滑らせたか、そう思いながら隣の先宮さんを見る、すると後ろから阿修羅の様なオーラを感じた、少しは口を慎まないと……
そう思いながら祐介は先宮の家に上がった、そしてリビングでアリスと遊ぶ、すると春華が冷たいお茶を用意する。
「有難う、まだ外は暑いものなぁ、早く冬か秋になって欲しいよ」
「それもそうですねぇ、私の学校も暑い暑い言ってますもん」
「アハハ、やっぱり暑いんだね、今時は……」
そう言いながら冷たいお茶を一気飲みする、祐介は春華に冷たいお茶のお代りを要求する。
「それにしても電車で此処に来る前にバス停の近くにアイスクリンがあったんですよ、三百円なのに結構大きな量で美味しかったですよ」
「へぇ、こんな時期にアイスクリンか……珍しいな」
「えぇ、そうなんですよ、その店の店番が可愛い女子でしたよ、小説も読んでいましたし、多分、文学少女ですかねぇ?」
「ふむ、その子、何だか見覚えが……?」
先宮がそう言うと、『あっ!』と大きく声を出し、手を打った。
「思い出した、その子は俺が確認した奴だった!」
「えっ?先宮さん、見覚えがあるんですか?」
「あぁ、幼かったからな、ちょっと確認だけしに行った事があってなぁ──免許証を出されて俺は焦ったよ、『こんなガキが免許証だなんて……』ってなぁ、まぁ、その後の年齢にも驚きなんだがな……」
「えっ?年齢ですか?あの子は十代後半なんじゃないんですか?」
「いや、違うよ、まぁ、聞きたかったら本人に聞きな、俺は驚き過ぎて何回も免許証を確認したレベルだから」
「そうなんですか……少し気になりますね──」
そう言うと冷たいお茶を入れてきた春華が二人に言う。
「あんまり女子の年齢を聞く事はお勧めしませんよー?聞き過ぎると若い年齢専門のナンパみたいに思われますしねー」
「あぁ、そうなのか、でも俺は仕事柄仕方無いけれどなぁ……」
「それでも少しは躊躇してあげてよ……女性の年齢を聞く事は失礼なんだからね」
「だったら男も年齢で判断するなよ……」
「男性と女性の年齢はちーがーいーまーすー!そうですよねぇ祐介さん?」
「いいや、一緒さ、男のお前には分かるよな?そうだよなぁ、祐介?」
先宮父子の会話に巻き込まれる祐介、祐介は二人の意見を一刀両断する。
「俺の意見を求めるなよ、先宮親子よ……ってアリスちゃんに聞いてから俺に聞いた方も良いんじゃ無いか?」
祐介がそう言うとお人形遊びしていたアリスが『うにゅ?(どうしたの?)』と可愛い声を出しながら祐介、先宮、春華の方向を向きながら頭を傾げる。
「どうしたの、お姉ちゃん達?(何か用かな?)」
「ん?いや、アリスちゃんには関係ない話だよー?」
「そう?それじゃあ、パティちゃん、一緒にお遊戯しましょうねー?(お人形遊び、楽しい!)」
先宮がアリスに向かってそう言うと、アリスはそのまま祐介、先宮、春華を無視してお人形遊びに没頭する。
「てめぇ、純真無垢な幼女に年齢の話はまだ早かろう?」
少し半ギレ状態の先宮に祐介も反ギレ状態で言い返す。
「何で自分だけ関与しなきゃいけないんです?男の意見を聞くなら女の意見も取り入れないとですねぇ……?」
「分かった分かった、私が悪かった、だからそこら辺で止めろ」
そう言いながら春華は祐介と先宮の胸倉を掴む、春華のあまりの形相に祐介と先宮は春華に謝った。
「はい、すみません……」
「す、すまなかった……」

「そういえば祐介さんはお昼ご飯を食べました?」
「ん?昼ご飯はまだだなぁ、食べたのはバス停のアイスクリンだけだが?」
祐介が先宮の自宅に来る前に食べた物を言うと春華が言う。
「それじゃあ、お昼ご飯食べます?お父さんもアリスちゃんも食べてないし……」
「あぁ、そうだったなぁ……お前も春華の手料理を食え!美味いぞ!」
春華の言葉に先宮が反応して祐介の頭をロックする、『手料理』という言葉に春華は顔を赤らめる。
「いたたたたたた!食べても良いのかい?」
「いえ、どうせ私の料理はまだまだ下手糞ですもの……食べなくても良いですよ……?」
春華がそう言うと祐介は笑顔で言う。
「春華ちゃんの手料理、食べてみたいな、だから俺にも作ってくれないか?」
祐介がそう言うと春華は笑顔になって言った。
「はいっ!頑張って作ります!」
そう言いながら春華はテキパキと動き始める──祐介はのんびりと冷たいお茶を飲んだ──どんな料理が出るかは祐介も先宮も分からなかった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.62 )
日時: 2016/09/21 22:08
名前: 彩都 (ID: kct9F1dw)  

「さぁ、今日は何を作るのだろうか?」
先宮はそう言いながら祐介を見ながらニヤニヤと口を歪ませる。
「えっ……何なんですか、その笑みは……?」
祐介はそう言いながら少し冷や汗を掻く。
「いや?ただ単に春華の料理には当たり外れがあるって話さ……外れを引かない様な料理が出てくる事を考えておくわ」
先宮はそう言いながらソファに座って新聞を読む、何だか不安が込み上げてた──

「さて、もうすぐ完成だ」
春華はそう言いながら調味料を投下していく。
「ふむ、もうすぐ完成か……ジュージューと何かを焼く音が聞こえたが──今日は焼く料理かな?」
先宮はそう呟きながら祐介の隣に座る。
「それで、アリス以降の人間は見付かったか?」
先宮が祐介に向かって言う、すると祐介は溜息を吐きながら答える。
「まぁ……それなりに、とは言いたいのですが、まだ一人しか集まっておりません……」
「そうか……」
祐介の言葉を聞いて少し先宮も溜息を吐く──すると祐介に向かって明るい声で先宮は言う。
「あっ、そうだ、俺も春華から能力を使って能力を覚醒させたんだ、どんな能力か分かるか?」
先宮がそう言うと祐介は少しだけ動きを止める、えっ?能力を覚醒させた?それはどういう──
「まぁ、あまり使用出来ない能力なんだがな──」
そう言いながら祐介の顔に両手の人差し指と親指で長方形を作る、そしてその長方形の中に先宮の目を近付ける、すると先宮は『ふむふむ……成程成程……』と呟いてから、人差し指と親指で作った長方形を離す、そして先宮は言った。
「お前のベッドの下には綾川琴音の水着写真集がある、だが過激過ぎてまだ全部は見ていない」
人差し指と親指で長方形を作っている間に祐介は冷たいお茶を飲んでいた、そして次に先宮の綾川琴音の水着写真集の話をされて、祐介は口の中のお茶を噴き出した。
「ブッ!」
「おっ、その反応は当たった様だな、どうだ、これが俺の新たな能力だ」
ケホッケホッと咳ごむ祐介にアッハッハッハと笑う先宮、何で分かったんだ?てか、どんな能力なんだ!?と祐介は頭の中の思考を巡らせる。
「面白いからこの能力の秘密は言いたくは無いがなぁ──まぁ、面白い反応を頂けたし、バラすとしようか──この能力は『見たモノの情報を得る』能力なんだ、何でも対象内だ──ただし、今さっきの様に両手で長方形の四角を作って、その中を見なくちゃいけないけれどな──警察なら結構使える能力だとは思うけどなぁ──」
そう呟きながら色々な所を人差し指と親指で作った長方形で見まくる先宮、すると春華がソファの前の机に料理を置いた。
「はーい、三人共出来ましたよー、今日はチャーハンです」
そう言いながら大きな器にネギ、玉子、塩胡椒、ご飯が入ったチャーハンを机に置く。
「へぇ、綺麗なチャーハンだ、結構美味そうだねぇ」
「えへへ、そうでしょ?大変だよ、こんなに綺麗に作る方法は」
そう言いながら春華は三人に小さなお椀にチャーハンを盛り付けていく。
「へぇ、美味そうに盛るねぇ、やはり春華ちゃんは料理面では良い妻になると思うよ、後は春華ちゃんをお嫁に貰ってくれる人、か──」
「それはまだ早いよ、まだ中学生だ、これ位出来る人は普通に居ると思うさ、まだまだ春華はそのスタート地点に立ったばかりじゃないかなぁ?」
先宮がそう言うと春華は笑いながら言う。
「それでも私は家庭科の授業で久し振りに出たのに、実技満点でしたが?ウフフ、人って見かけによらないんですねぇ」
「何だ、実技が満点だったのか、それを早く言いなさい……」
先宮はそう言いながら蓮華を持って、お椀の中のチャーハンに手をつける。
「それでは頂きます」
そう言いながら祐介もお椀の中のチャーハンに手をつける。
「美味そうだー!(どんな味かな?)」
アリスもそう言いながらお椀の中のチャーハンに手をつける。
そして一口、蓮華の中のチャーハンを食べる、な……何だこれは!?熱々だが、火傷しない熱さだ、それに味付けがしっかりしている、これがチャーハンの味か!?こんなチャーハン、食べた事が無い!と、祐介の心の中で言葉の羅列が喜んでいる、こんなに美味いチャーハンは食べた事が無い。
「美味いね、それも極上だ」
祐介がそう言うと春華は喜んでいた。
「そうですか!?それは頑張った価値が有ります……お父さんやアリスちゃんは味はどう?」
春華は他の二人に味の感想を聞く。
「ふむ、美味いんじゃないか?だがお父さん的には春華のすき焼きが好きだなぁ」
「ふむふむ、すき焼きですか──」
父の言葉にメモをする春華、次にアリスが言う。
「うーんとねぇ、味が濃い!んでねぇ、もう少し野菜が欲しいなぁ、此処は蓮根が欲しいかなぁ?大根や蓮根みたいに歯応えがあるのが欲しかったなぁ!(でも美味かったよ!)」
「うーん、そうかぁ……ゴメンねぇ、春華お姉さんはまだまだ下手っぴちゃんだから」
そう言いながら頭を自分の拳で、ぶつける。
「まぁ、それでも美味しかったんだし、良いんじゃないか?まだまだ進化出来るし──」
そう言いながら祐介が助け舟を出す、それに対し、先宮はナイス!と思う。
「それもそうですねぇ……美味しければ何でも良いですもんね!」
そう言いながら春華はガッツポーズをする、そのポーズを見て、先宮と祐介は安心する、祐介は思う、これからももっと美味しいご飯を作れる様にと──春華に願って──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.63 )
日時: 2016/09/28 21:24
名前: 彩都 (ID: lBubOowT)  

「ふぅ〜、食べた食べた……」
そう言いながら祐介は考える、あのアイスクリンの女性に対して、年齢を聞くか、聞かまいか、を──流石に初対面で年齢を聞くのは可笑しいし、このままもやもやのままで済ましても良いのか?いや、済ましてはいけない、流石にもやもやとしたものを払拭するには聞くしかない、仕方無い、失礼を承知で聞いてみるか──
祐介はそう考えながら立ち上がる、そして先宮に言う。
「それでは、俺はこれでお暇させて頂きます、それでは」
そう言って、祐介は帰ろうとする、だが春華が不思議そうに言う。
「えっ?泊まらないんですか?何時でも泊まれますけど……」
「いや、それは先宮さんに迷惑だから止めておくよ、流石に今日泊まるって母さんに言いたくないしね」
そう言って、祐介は玄関に向かう、するとアリスが言う。
「また来てね、お兄ちゃん!(また会う日迄!)」
「あぁ、そうだね、アリスちゃん、また今度だね──」
祐介はそう言って、靴を履く、そして先宮に言う。
「それでは、先宮さん、また会いましょう、俺は帰るんで」
「そうか、あまりゆっくりしていないけど、アリスも春華も喜んでいるよ」
先宮がそう言うと顔を赤くして春華が言う。
「ちょっと、お父さん!?私はそんな事一回も考えてないって!」
プンスカぷんすか怒る春華に対して、祐介は言葉を発す。
「大丈夫だよ、チャーハンも美味しかったし、良い奥さんになれるよ、未来のお婿さんが羨ましいよ」
祐介はそう言いながら、春華の頭を撫でる、そして春華は恥ずかしながら言う。
「そ、そ、そ、そんな訳無いですよ!私はまだまだ下手ですよ……」
「いいや、そんな事は無い、大丈夫だよ、俺の舌がそれを証明しているからね──それでは先宮さん、俺は帰ります、ではでは、今日は有難う御座いました」
祐介はそう言って、先宮の家を出た、春華は顔が真っ赤であった──

「さぁ、アイスクリンの出店の所に行かないと俺は帰れない訳だが……」
一人でそう言いながら祐介は考える、その場所に近づくにつれて、段々と不安になっていく、本当に初対面の人に年齢を聞いても良いのか?いいや、普通は聞いてはならないだろう、だが聞かないと話は進まない、仕方無い、少しは腹を括って、聞くしかない、そう思いながら段々とアイスクリンの出店に近付いていく──
祐介は電車に乗り、バス停迄向かう、そしてバス停に乗る前に、閉め出しをしているアイスクリンの出店を見つける、おっと、中々危ない時間だな、そう思いながら祐介はアイスクリンの出店に近付く。
「すいませーん……」
祐介が消極的な声で言うと、ポニーテールの可愛い文学少女は言う。
「はい、何でしょう?すいませんがアイスクリンはもう売切れてしまいまして……ってお昼の時のお客さんじゃないですか、どうしたんです?」
ポニーテールの可愛い文学少女が祐介に向かって喋る、そして祐介は深呼吸をしてからポニーテールの可愛い少女に聞く。
「あの、失礼かと思いますが、年齢を聞いてもよろしいでしょうか?」
祐介がそう言うと、ポニーテールの可愛い少女は笑いながら言う。
「はい、良いですよ、私の年齢は──」
ドクンドクン、簡単に成功して、少し驚いている、いや、それよりも承諾してくれた事に驚きなのだが──ドクンドクン、心臓の音が良く聞こえる、何なんだろう、この感覚は?まるで親に秘密がバレた様な感覚だ──おや、落ち着け、安心しろ、単純に年齢を言ってくれるだけじゃないか、何をそんなに不安がっている、そう思いながら自分を落ち着かせる、そしてポニーテールの少女は言う。
「私の年齢は──35歳です」
……はぁ?いや、いやいや、何て言った、この少女は?35歳だって?そんな見た目でか?いや、どんな見た目で35歳って名乗っているんだよ?
祐介は心の中でそう呟きながらポニーテールの少女──基ポニーテールの女性──を見続ける、どうも35歳には見えない……
「まぁ、それもそうですよねぇ……身長160cmですし、見た目も若く見えるだろうし──」
そう言いながらポニーテールの女性は免許証を取り出して祐介に見せる、確かに35歳だ、驚きだ、いや、驚きしか頭に入ってこない。
「あ……有難う御座います……何かすいません」
祐介はそう言って、走ってバス停に乗った、偶然バス停には祐介の帰るバスが停まっていて、ギリギリ発車寸前だった──

「それにしても驚きだなぁ……」
バスに乗りながら一人ごちる祐介──本当に驚き過ぎて、言葉が『驚きだなぁ』になっていた──それにしても綺麗な女性だった、どうやって若く作っているのだろう?あの母親も見習って欲しいものだ──いや、あの母親の方が若いか、何も化粧もエステもしていないただの『ろりぃ』な体型だし──そう思いながら祐介は自分の母とポニーテールの女性を頭の中で比較する、いや、比較するのも悪そうだ、そう思いながら比較した事を消そうとする。
そしてゆっくりと、ゆっくりとバスは進んでいく──祐介の住んでいる街迄後少しだ──


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