コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.184 )
日時: 2017/12/17 22:03
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)  

琴音が『太鼓マスター』で先に選んだのは『源氏物語 〜桐壺〜』という『源氏物語』シリーズの作品だった。
『源氏物語』シリーズとは、紫式部の作品、『源氏物語』を題材とした楽曲である。
この作品は『源氏物語 〜○○〜』と、『〜』の間に『源氏物語』の巻名が書かれている作品で、最初はBGMだけだったが、何時の間にか、有識者、歌詞製作者等が現れ、曲に歌詞が付いた。
その話を知った『源氏物語』シリーズの製作者は逆に歌詞を作って、公式として発表をしているが、別に『この歌詞で歌わなくてもいい、二次創作の歌詞で歌っても良いよ』と発表しているので、色々な動画サイトで『『源氏物語』シリーズ 二次創作』として、投稿されている。
そして『源氏物語』シリーズ最初の作品である『桐壺』を選択するとは……本当に難易度『鬼』を攻略した人なんだな、と祐介は思う。
祐介は『太鼓マスター』の画面を見ながら、さぁ、どんなのが流れるのか?と思う。
実は祐介、『源氏物語』シリーズは未経験だった、アニメの曲とか、『源氏物語』シリーズ以外の曲をやっていたからなぁ……そもそもとして、『源氏物語』シリーズの曲は聴いた事が無い……祐介はそんな事を思いながらゲームが開始する。
いきなりの連打に祐介は少し驚き、急いで連打し、コンボを稼ぐ、琴音のバチも早く動いていて、祐介はゲームで久し振りに焦る事となった。
「くっそ……!中々に難しいなぁ!」
祐介はそう言いながら手の動きを早める、これで一応はコンボを稼げている……途中で失敗し、琴音ちゃんに勝利をあげないと……!祐介はそう思いながら画面を見る、すると画面は連打をまたする破目になる画面になっており、『うっそだろ?』と祐介は心の中で溜息を吐く。
そして二人は『太鼓マスター』で連打、そして叩く、連打、更に叩くを繰り返し、何とかゲームは終了──ハァハァ、何だよこの『源氏物語』シリーズってのは……!?『鬼』とかそれ以前の問題、『今迄経験した事の無い難しさ』だ……!祐介がそう思っていると、琴音が言う。
「へぇ、祐介君も上手いねぇ……!これは点数が気になるや」
「…………」
内心焦る、もしも琴音ちゃんより点数が高かったら?そんな事を思うと、お膳立ての意味が無い……!そして祐介は画面を確認する、すると画面には『フルコンボ!』と表示されていた、『二人共』……!だけれど、このゲームには『良』、『可』、『不可』の三つがある、その三つの内、『良』を大量に取れていたらその分点数は高い。
だから『可』が多いと、『良』より点数は低い事になる、幸い『フルコンボ』なので、『叩けていない』を意味する『不可』はない、なので、この勝負、『良』、『可』の多さの勝負となる!祐介は小さな可能性を信じ、点数を確認する。
琴音、『良』、1189回、『可』、17回、『不可』、0回。
祐介、『良』、1178回、『可』、28回、『不可』、0回。
「……良かった」
祐介はそう言って、ホッと胸を撫で下ろす、もしも12回、多かったら、俺の勝ちになっていた……!ナイス、過去の俺、そう思っていると、琴音が喜ぶ。
「やったぁ!何とか白熱の勝負だった!うーん、嬉しいねぇ、ゲームに勝つって!」
「そ、そうだね……それじゃあ次はどうする?」
「んー?次ぃ?次は祐介君のターンだよ?最初に私が選んだし?」
「えっ……?あぁ、そうか」
祐介はそう言って、二曲目の選択が自分だと言う事に気が付いた、あぁ、しまった、ずっと一人でやっているから、『1Pしか選べない』って考えになっている、少し改めないと、祐介はそう思い、次は何の曲を選ぶか考える。
……此処は無難に『源氏物語』シリーズの次回作を選んだ方が良いのか?いや、此処は別に『源氏物語』シリーズオンリーイベントではないから、『源氏物語』『のみ』を選ばなくても良いのか、それだとしても次は何が良いだろうか?何かいい曲は無いのか?とりあえず、琴音ちゃんの曲を選ばない方がいいかもしれない、自分の曲が恥ずかしくてプレイに集中出来なさそうだし?うーん、じゃあどうしよう?アニメの曲にするか?って、何で自分の好きなのを相手にも強要せねばならんのだ?いやいや、普通ならBGMを選べば良いのか?かと言って、今確認した所、自分が過去にやっていた曲はもう配信終了しているみたいだし……あ、これ詰んだ、祐介はそう思いながら残りの制限時間が『30秒』になったのを確認する。
ヤバいヤバいヤバい、どうするどうする?時間が少ない、急がないと!祐介はそう思い、適当にカテゴリを『アニメ、ゲーム曲』にし、何度も右の縁を連打し、適当に選択する。
「よ、よし、これでどうだ!?」
祐介はそう言って、難易度を『鬼』にして、ゲームを開始する、そして始まった曲は『ナイトメア・ファンクラブ』という曲だった、懐かしい曲を選んだなぁ、祐介はそう思いながら曲の始まりを聞く。
『ナイトメア・ファンクラブ』はアニメ、『ナイトメア・ナイトメア』という作品のオープニング曲だ、アニメの曲として、珍しく、ダウンロード数ミリオンとなった有名な作品だ、今は『ナイトメア・ナイトメア 〜夜目無い琴乃・ナイトメア〜』という『ナイトメア・ナイトメア』の登場キャラの息子娘達が登場している続編が放送されている。
まさかこの曲を選ぶとは……祐介君も知っているのか、と琴音は思う、そして琴音は強くバチを握って『ナイトメア・ファンクラブ』を聴きながら、太鼓を叩く──この勝負、どちらが多く点数を手に入れられるかは分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.185 )
日時: 2017/12/20 22:45
名前: 彩都 (ID: FLOPlHzm)  

太鼓を何度も何度も叩く二人、そんな中、『源氏物語』シリーズで体力を使い切ったと思われる琴音の手がゆっくりとだが遅く感じる、そして琴音は手を滑らせて初の『不可』を出してしまう、しかも何回も何回も。
『不可』を積み重ねていったら点数が低くなる、祐介は隣で琴音を見ながらどう対策するか考える。
もしも此処で叩くのを止めてしまったら、流石に琴音ちゃんも気付くだろう、では、どうするか?そんなの簡単だ、『人類の生理現象』を使うしかない、でもどうやって使えば良いんだ?トイレなんてそう簡単に起きる訳も無い、じゃあ、どうすれば……?と、考えて、祐介は『とある事』を思いつく。
そうだ、『これ』をすればいいんじゃねぇ?よし、そうしよう、祐介はそう考えて、鼻に力を入れる、だが、何も起きない、う、うーん、出ない!?嘘だろ!?祐介は内心そう思いながら焦る。
祐介がしようとしていたのは『くしゃみ』だった、くしゃみをすれば無意識に目を閉じて『不可』を出せるのでは?と思ったからだ、でも、この作戦は失敗になってしまった、それでは、他の作戦をしなければならない……と思い、静かに祐介は考える。
ふむ、どうすればいいだろうか?個人的に言ってしまえば、『万策尽きた』状態なんだが……祐介はそう思いながら他の事を思案する、すると、自分の近くで『咳をする人』を見る、あぁ、それだ!祐介はそう思い、右手で急いでバチを離し、その場で『咳を出す振り』をする、すると片手でバチを持ち、太鼓を叩く事になったので、『半分以上は『不可』になって』いく、おまけに咳で目を閉じているので、上手い事太鼓を叩く事が出来ない。
「だ、大丈夫?」
ふと、隣が気になった琴音が言う、祐介は振りなのに騙されてる……と思いながら琴音に言う。
「だ、大丈夫……ケホッケホッ」
右手で口を押さえ、咳をし、画面をチラリと確認する、これで点数は琴音ちゃんの方が上回ったよな?そう思い、点数を見る、すると点数は琴音ちゃんの方が上回っていた。
よし、これで良いぞ自分、ナイスだ自分、祐介は自分を内心鼓舞し、褒める、そして何時の間にかゲームは終了していた。
「あっ……」
まさかのゲーム終了に驚きを隠せない祐介、すると琴音が祐介に言う。
「だ、大丈夫だった?」
「ま、まぁ、一応はね……」
祐介はそう言って、息を整える、まぁ、これで良いんだ、そう思いながら太鼓を少し叩き、点数確認をする。
結果、点数は勿論琴音の方が高かった、これで良い、うん、祐介はそう思いながらその場で安堵の溜息を吐く、そんな祐介に対し、琴音が言う。
「祐介君って本当に『太鼓マスター』上手いの?」
「えっ?あぁ……でも、琴音ちゃんの方が上手いって事だろう?」
「そうかなぁ?何だか手加減されている感じがして……」
うっお!?鋭い!?何か鋭いな!?これ、浮気したら『女の勘』って奴で分かるアレだ!祐介はそう思いながら横に目を逸らして、琴音に言う。
「そ、そう?俺は別に手加減している気は無いんだがなぁ……」
祐介はそう言って、退路を探るが、案外難しい退路だった、だが、祐介は一個だけ、逃走路を見つけていた、なので、祐介はその逃走路を使う事にした。
「こ、琴音ちゃん!」
「な、何?」
「じ、時間!」
「時間?あっ……」
祐介はそう言って、『太鼓マスター』の画面を指差す、すると制限時間は『41秒』になっていた、そして琴音は焦って、曲を選択する。
ふ、ふぅ……これでセーフだ、これで曲を選択、ゲーム開始、そしてゲーム終了で、綺麗さっぱり忘れている筈、祐介はそう思いながら小さな可能性に身を投じた。
そして琴音は曲を選択し、難易度『鬼』に設定する、今度の曲は何だろうなぁ?祐介はそう思いながら琴音の選択した曲にワクワクする。
そして琴音が選択した曲は『ドリーム・ドライブ』という曲だった、そして曲が流れる、何だろう、この曲、聞いた事がある気がする……?祐介はそう思いながらバチを握り締めて、叩く準備をする。
そして一気に流れて行く、祐介は速さに遅れないように太鼓を何度も何度も連打する、琴音も何度も何度も連打していた、そう言う事か、この曲は『連打が多い曲』なのか、と祐介は考える。じゃあ、もっと連打しそうだなぁ、と思い、体力を温存させる事にする。
そして連打ゾーンへと突入する、何だよこれ……?相当難しいじゃないか!何で琴音ちゃんはこんなのを選んだんだ!?祐介はそう思いながら、目で画面を見て、手を必死に動かす。
こんなゲーム──というより、曲か──やっていたら目が疲れる、腕も疲れる!人間の部位、二つも疲れる!祐介はそう思いながら必死に太鼓を連打する──そして、曲が終了した、祐介の額にはだらり、と汗が流れていた。
隣の琴音を確認する、すると琴音も汗がだらり、と流れていた。
琴音ちゃんも苦労しているじゃないか……祐介はそう思いながら静かに溜息を吐く。
「た、大変だったね祐介君……」
「そ、そうだね……」
二人は息も絶え絶えになっていた、そして『太鼓マスター』の画面に点数が表示される──祐介、琴音、どっちの方が点数が高いか、それは見て見ないと分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.186 )
日時: 2017/12/23 21:06
名前: 彩都 (ID: b92MFW9H)  

自分は『太鼓マスター』の画面を見て、絶句する。
何故なら点数は……『自分の方が高かった』からだ。
『たった一つ』、『たった一つの失敗』で『太鼓マスター』というゲームは点数が大きく開く、祐介はそれを目の当たりにして、『絶句した』のだ、では『たった一つの失敗』とは一体何か?それは『『良』と『可』の差』だった。
祐介、琴音の『良』の差はたった一つ、『可』の方が琴音は多かった、そして『良』の方が祐介は多かった、お互い『不可』はない。
と言う事は……『祐介の方が若干点数が高い』のだ!その差、軽く数千点!『良』の差、これが勝敗を分けたのだった。
「…………」
「……負けちゃった、いやぁ、惜しいなぁ!でも、結構祐介君、凄いなぁ!完敗だよぉ!」
「…………」
勝ってしまった、個人的には『負けなければ』と思っていたからだ、なのに勝ってしまった、勝つのは嬉しいが……何だかなぁ、と思う、そんな事を思っていると、琴音が言う。
「ど、どうしたの祐介君?具合でも悪いの?」
「えっ?あぁ、いや、何でも……勝利の余韻に浸っていただけだよ」
自分がそう言うと、琴音は『ふーん』という、そしてゲームが終了、後ろに並んでいる人が居たので、祐介と琴音は『太鼓マスター』から離れる。
「さぁ、次はどうしようか?」
「うーん、どうしようか……上に向かってUFOキャッチャーでもする?」
琴音の発言を聞いて、祐介は静かに頷く。
「うん、そうだね、そうしよう」
祐介はそう言って、琴音と共に二階のフロア──クレーンゲームフロア──へと向かう。

「へぇ、色々なUFOキャッチャーがあるねぇ!」
琴音は喜びながら目を右往左往、縦横無尽に見る、そして『とあるUFOキャッチャーの前』に走って向かう。
急に走ってどうしたのだろう?祐介はそう思いながら首を傾げ、琴音の許へと向かう。
「うわぁ……!これはぁ!」
琴音はそう言って、目をキラキラさせる、『これはぁ!』?何なんだ?と思い、自分は琴音が見ているモノを確認する。
琴音が見ているモノ、それは『みっ君人形』だった、『みっ君人形』、それはアニメ『ミミック・パンデミック!』というアニメの主人公、『ミミック君』こと『みっ君』を人形化した物だった。
何時も箱の中で隠れている『みっ君』を人形化した事で、『ミミック・パンデミック』の市場は結構凄い事になった、と聞いているが、まさかその『みっ君』に出会えるなんて琴音は一つも思っていなかった。
「よし!『みっ君』を捕まえる!三百円で取れるよね!?祐介君!?」
「えっ?どうだろう?クレーンゲームって結構難しいって言われてるけど……」
「大丈夫だよ!店員さんに言えば良いし!」
最終手段それかよ、自分はそう思いながら琴音に言う。
「それなら大丈夫でしょう、さぁ、プレイしようよ」
「そうだね!」
自分のセリフに琴音は強く頷き、クレーンゲームの投入口に百円を投入し、ゲームを開始する。
右に移動させ、次に奥に移動させる、こんな簡単かつ、単純な動作だが、クレーンゲーム、UFOキャッチャーはそう簡単、単純な動作では攻略出来ない。
こういうゲームは緻密な置き場所に置かれており、計算し尽くした方法でないと、攻略は出来ない、そう思っていたが、琴音は案外簡単に『みっ君人形』を手に入れた。
「…………」
あっれぇ?何時の間に獲った?ってか、俺、一回もそう言うゲームで取れた事が無いんだけれどなぁ?まさか琴音ちゃんって相当強運なのかなぁ?やっべぇ、俺が何だか惨めに見えるなぁ、と、祐介は思う、すると琴音は店員を呼んで、『みっ君人形』を袋に入れてもらっていた。
「やったぁ!一発ゲット!」
「す、凄いね、俺より凄いや、俺はそういうゲームでは一回も獲れた事が無いからなぁ」
「へぇ、祐介君にも得手不得手ってあるんだね」
「まぁ、そうなるかもしれないけれど……逆に『琴音ちゃんが万能』って事じゃないかな?俺より一歩進んでいる、というか、何と言うか……」
祐介がそう言うと、琴音は顎に指先を置いて、『うーん』と呻く。
「成程、そういう事もそう言う考えもあるのねぇ……」
琴音の言葉を聞いて祐介は返答する。
「そうだね、そういう考えだな、自分は……それじゃあ他のUFOキャッチャーのところに行こうか」
「そうだね……でも、『みっ君人形』で相当満足だしなぁ……他に欲しい物が見つかるかどうか……」
「確かにそれもそうだ、でも一通り見て見ないと分からないと思うよ?」
「あー、それもあるぅ……よし、それじゃあ一通り見て回りますかぁ!」
琴音はそう言って、『みっ君人形』が入った袋を持ちながら、自分より先に進む……はぁ、結構ゲームセンターを楽しんでいるよなぁ、本当にあまり来た事が無いのか……それじゃあもっとゲームセンターを楽しませなければなぁ?自分はそう思いながら顔を綻(ほころ)ばせ、琴音の後ろに着いて行く──さぁ、次はどんなクレーンゲーム、UFOキャッチャーを見つけるのか、それは先に進む琴音にも、琴音の後ろを着いて行く祐介にも分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.187 )
日時: 2017/12/24 21:38
名前: 彩都 (ID: ET0e/DSO)  

「うわぁ……」
琴音はそう言って、顔をクレーンゲームのガラスに引っ付ける、もしも琴音ちゃんファン歴が長い人なら、『琴音ちゃんが顔をぶつけたガラスになりたい……』とか言っているのかもしれない、だが、この俺こと、長谷川祐介はそんな事は思わない、何故なら、『隣に琴音ちゃんがいる』という、琴音ちゃんファン歴が長い人でも中々無理な状況に陥っている──いや、『陥っている』なんていう言葉は使っちゃダメだ、正確には『なっている』が正しいだろう──のだから。
と、祐介は静かに心の中で巫山戯ていると、琴音が財布からお金を取り出した。
「よし、やりますか!」
「ん?今度は何をするの?」
「んー?今度はねぇ、普通のぬいぐるみのクレーンゲームだよ」
「へぇ……」
琴音の発言を受け、目の前のクレーンゲーム内のぬいぐるみを確認する、するとそのぬいぐるみはとても大きかった、まるで片腕の長さレベルだった──と言っても、実際のサイズは50cm程度だが──案外でかい、自分はそう思いながら琴音に言う。
「こ、これ、取れるの……?」
「さぁ?どうだろうねぇ?でも、試して見ないと分からないでしょ?」
「た、確かにそれもそうだけど……」
このぬいぐるみを獲るのは少々骨が折れそうだった、果たして琴音ちゃんは百円で取る事が出来るのだろうか?否、『何円で獲れる事が出来る』だろうか?自分はそう思いながら、琴音ちゃんを観察する。
「フフフ……獲ってやる、このぬいぐるみを!」
「はぁ……頑張ってね、琴音ちゃん!」
自分はそう言って、琴音を応援する、そして琴音はクレーンゲームに百円を投入し、プレイを始める、まずは右に動かして、次に奥に押す、するとぬいぐるみの腹部を押してしまう、そしてクレーンは上に戻ってしまう、だが、クレーンが押したお陰で、静かにぬいぐるみは落ちていき、最後には、落ちてしまった。
「……えっ?」
「うん……!?獲れた!?まさかの!?」
「や、やったね琴音ちゃん?」
あまりにも驚いた状況になったので、感情が良く分からない感覚になる、そして琴音は店員を呼んで、ぬいぐるみを袋に入れてもらう。
「フフフ……今日から快眠出来そうだ!」
「それはよかったね、それじゃあ次は何処のクレーンゲームに──」
祐介がそう言うと、琴音は首を横に振って返答する。
「いや、もう良いや、大体欲しい物は獲れたかなぁ……次は三階かなぁ」
「三階ねぇ……三階って何があるんだろう?」
祐介はそう言って、階段の方へと向かう、そして階数が書かれている部分のコーナーを確認する。
「えーと、一階がアーケードゲームコーナー、二階がUFOキャッチャー、クレーンゲームコーナーで、三階が大型ゲームコーナー……ん?大型ゲーム?何だそりゃ?」
祐介はそう言って、首を傾げる、すると琴音が言う。
「と、とりあえず、確認しに行ってみよう?そうでないと分からないでしょう?」
「た、確かにそれもそうだね……それじゃあ三階に向かおうか」
琴音の発言を受け、祐介は三階に向かう事にする、『大型ゲームコーナー』の『大型ゲーム』とは一体何の事なのか?祐介は不思議に思いながら琴音と共に三階への階段を上る──

「三階……暗いなぁ」
祐介は三階に着くや否や、そんな発言をする、そして琴音も三階に到着する。
「うーん、確かに暗いね、それなら四階の方が明るいや」
「確かにそうだ──あぁ、そう言う事か『大型ゲーム』ってのは」
祐介は琴音の発言に返答しようとしたが、それを途中で止めた、そして『大型ゲーム』という言葉を理解する。
「成程、確かに『これら』は『大型ゲーム』だ……!」
祐介がそう言うと、琴音が不思議がる。
「は、はい?ど、どういう事?」
「んー?あぁ、簡単に言えばね、『競馬のゲーム』とか、『レースゲーム』、『大きなコインゲーム』の事を『大型ゲーム』と言うみたいだね、このお店では……でも、俺達には、競馬の面白さは分からないから、プレイしても無駄だなぁ……どうする?レースゲームでもする?」
祐介が説明して言うと、琴音がサムズアップして言う。
「ふむ……良いねぇ!良いねぇ!私は案外レースゲームが得意なんだ、よし、今回も祐介君に勝っちゃうぞー!」
琴音はそう言って、レースゲームがある場所に向かう、琴音がレースゲームがある場所に向かっている途中、祐介は両替機を探していた、実はもう百円玉が無いのである、あんなにあったと思っていたが、実際は結構お金を使っていたようだ、そして両替機を見つけ、千円札を投入し、百円玉十枚にする、よし、これでセーフだろう、祐介はそう考えて、九枚の百円玉を財布の中に入れ、残りの百円玉を右手に掴む、次に祐介は琴音が座るレースゲームの座椅子を探し、見つけて隣に座って、言う。
「ゴメン、少し遅れた」
「いや、待っていないよ、私も今さっき着いたばっかだしさぁ?ってか、此処、本当にゲームが多いね!ゲーム好きな私には天国!」
「そうか……俺もこのお店を紹介出来てこんなに喜ぶなんて……嬉しいよ、さぁ、ゲームを始めようか」
祐介はそう言って右手の内の百円玉を投入、2Pの事も表示されたので、琴音はすかさず百円玉を投入し、ゲームを開始する、ゲームモードは1PVS2PVSCPUを選択した──このゲーム、どちらが勝つか、二人には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.188 )
日時: 2017/12/27 21:39
名前: 彩都 (ID: 8.g3rq.8)  

そしてゲーム人数を『八人』に設定して、キャラを選択、祐介は平凡なキャラ、『ナック』、琴音は重量級のキャラ、『シーボルト』、他のCPUは適当だ。
「さぁ、どちらが勝つか、勝負だ!」
琴音がそう言うと、祐介は口の端を歪ませて言う。
「フフフ……平凡で突出も無いキャラが勝つ世界!だからこの勝負、俺が勝つ!」
祐介は琴音を見て目を細める、そしてゲームが開始した、最初にスタートダッシュというのも出来るが、祐介はせず、琴音だけが決まった。
次に最初の順位は琴音、二位、五位に祐介が居た。
ふむ、まだ五位か……そして琴音ちゃんは二位……最悪『四人抜き』をすれば一位になる、という考えで良いのか?と祐介は考える、うーん、CPUもスタートダッシュをするのか……これは中々難しいゲームになりそうだ、でも、たった一人、たった一人の存在を抜けば私は一位なのだ、祐介君は四、五人を抜かなければならないが、私の場合はたった一人だけだ!アイテムを手に入れて、一位に攻撃すれば、私が首位!一位となる!だからアイテムよ、良いのを来て!琴音はそう思いながらアイテムを取ろうとするが、重量級なキャラの為、遠心力がかかり、上手い事アイテムが取れなかった。
くそっ、と思ったが、平凡なキャラ、『ナック』は案外簡単にアイテムを取る事が出来た、しかも二つ分。
うーわ、良いなぁ、二つとか……そう思っていると、『ナック』の手持ちに『スピードアップ』のアイテムがあった、しかもそのアイテムは『一定時間無限にスピードアップ出来る』代物だった。
あっ、これ、ヤバくね?琴音はそう思いながら、四位、三位、と段々と琴音との順位を狭めてくる祐介に恐怖する。
案外上手いんだな、このゲーム……!と思って、内心驚いていると、琴音は『とある』事を思いつく──って、『もしかしてこのアイテムを取る為にスタートダッシュを使わなかった』のか……?と考える、もしもそうなら、逆に凄いぞ、祐介君、相当考えている……!琴音はそう考えると、祐介は策士か?と思ってしまう、そして琴音は何とか二回目のアイテムゾーンでアイテムを初めて取り、アイテムを確認する──あ、危なかった……!祐介はそう思いながら内心冷や汗を拭う、まさかスタートダッシュをしなかったら、こんなにも高順位じゃないのか……これは考え物だな、祐介はそんな事を思いながら二つ連続で繋がったアイテムボックスを取り、中身を確認する、ていうか、琴音ちゃん、アイテム取れていなかったなぁ、まぁ、重量級だし、遠心力もあるのだろう、そう思っていると、自分の手持ちに『一定時間無限にスピードアップ出来る』アイテムが来た、うーわ!うっわうわ!?まさかのアイテムに祐介は驚愕するしかない、そして祐介は急いで使用する事を考える、何度も何度もアイテムボタンを押して、何度も何度もスピードアップ、そして何時の間にか三位となっていた、目の前には一位のCPUと琴音ちゃんが扱う『シーボルト』が存在している、今のスピードアップアイテムで二人も抜いたのか……じゃあ残り二人を抜けば一位となる、だが逆に考えて、琴音ちゃんの『シーボルト』は重量級、もしも一位争いをして、『シーボルト』とぶつけ合いをしたら、自分の『ナック』は平凡なキャラなので、体重が軽い!だからぶつけ合い、競り合いに弱い!祐介がそう思っていると琴音はアイテムを取得していた、ヤバい!何を出す気だ!?祐介がそう思って居ると、琴音は後方に『シールド』を設置した、この『シールド』はどんな攻撃も一度だけ防御、回避してくれる道具、まさかこのアイテムが出るとは……祐介はそう思いながらごくり、と唾を飲み込む──どう攻略しようか?祐介は静かに考える──うーわ、何とかセーフ!これでどんな攻撃も回避出来る!琴音はそう思いながら静かに安堵する、でも、二回攻撃されたら怖いなぁ、と思う、では一体どうするか?そんなの簡単だ、『二つ目の『シールド』を手に加える』しかない!でも、そんなの簡単に出来るか?逆に考えて、そんな簡単に『欲しいアイテムを手に入れられる』とは思わない!でも、その一縷の望みに私は賭けなくてはならない!琴音はそう思い、最後のアイテムを取得する事にする、この三つ目のアイテムゾーンで全てを賭けなければならない!琴音はそう思い、この周最後のアイテムを取った、そのアイテムは『シールド』ではなかった、『ボム』だった、嘘だろ?うん、出ないとは思ってたけれど……うーん、一縷の望み、失敗!琴音はそう思いながら静かに二周目へと向かう──まだ先頭はCPUが一位だった──
「…………」
この勝負、まだまだ自分は三位だ、でも、まずとして、このCPUを倒さなければならない……!祐介はそう思いながら三つ目のアイテムを手に入れ、アイテムを確認する、手に入れたアイテムは『ボム』だった、うん、使えない、祐介は車の後ろに設置して、自分へのガードアイテムにして、琴音と同じ二周目へと向かう──祐介と琴音のこの勝負、どちらが勝つか、まだ分からない──


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