コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.104 )
日時: 2017/06/14 21:39
名前: 彩都 (ID: exZtdiuL)  

「皆っ!」
祐介はそう言って四人を確認する、すると、地べたに座って呑気にお茶を飲んでいた。
「はぁ?あの悲鳴は……?」
「あぁ、あの人が渡した紙に『祐介さんだけになったら、叫んでくれ』って書かれていてね?だから叫んだ」
「…………」
祐介は厳魁の言葉を聞いて、ホッと、胸を撫で下ろす。
「よ、よかった……全く、四人が襲われたかと思ったぜ……!」
「流石にそれは無いよ、だって僕よりも他の三人が強いし……」
厳魁がそう言うと、先宮が厳魁の頭を叩く。
「まぁな!何はともあれ、俺達は大丈夫だ、んで、祐介、お前は?」
「えっ?俺?俺がどうかしたんですか?」
先宮の言葉に不思議がる祐介に対し、アリスが言う。
「えっ……?いや、あの、だから、能力の覚醒……(えぇ……)」
「んぁ?あぁ、あれかぁ……何だろう、アリスちゃんの悲鳴を聞いて、急に体が熱くなって……そうこうしている内にあの人に勝ってた、そしてあの人が『その感覚を忘れるなよ?』ってさ……まさか自分の能力は『他人が危険に陥った時に発動出来る』んじゃないかなぁ……?」
「何だ、ロリコンか」
「違います」
先宮が横槍を入れる、そして祐介がツッコミを入れる、すると弓華が祐介に言う。
「でも、何とか五人揃ったな……!これでまた行動出来るな!」
「えぇ!さっさと前に進みましょう!」
「そうだね」
「そうだなぁ」
「うん!(私頑張る!)」
弓華の言葉を聞いて、厳魁、祐介、先宮、アリスが順々に頷く、そして祐介を含む五人は藍綬廊との戦いを経て、また前に進み始める──その道が過酷なものとは知らずに──

「ふむ、このまま真っ直ぐ進めば次の階段ですね、次の階段は四階に続きます」
「成程な」
厳魁の言葉を聞いて、先宮が言う、すると弓華が言う。
「結構先があるんだな……」
「まぁ、この施設は見た目より中身の階数が多いですからね……初見さんなんか、外を見て、中を見て、二回驚いていますし……まぁ、僕もなんですがね」
「えぇ……何なんだそれぇ?」
弓華と厳魁の会話を聞いて、三人は笑う、それに釣られて、厳魁も弓華も笑う……そして五人は階段前に到着する、すると目の前に一人の女性が立っていた。
髪は長く、腰迄長かった、見た目はモデル体型、というより、グラビアアイドルの様に太股が太く、胸がでかかった、そしてその女性の格好は赤いスーツ姿だった、女性だが、スカートではなく、ズボンを着用していた。
「やぁ、強力君、懐かしいねぇ」
「……!?な、何で貴方が!?」
「えっ?この人と友達なの厳魁君?」
「友達ぃ?違うね、私と強力君は許婚同士なのさ!」
弓華が厳魁に問うと、女性が声を荒げて叫ぶ、そんな女性に対し、四人は驚愕する。
「許婚ぇ!?」
「許婚……だと!?」
「許婚……!?魔女の私でもそんな事はしないぞ!?」
「許婚……それは保育園の男女、幼稚園の男女、小学校低学年で遊びとして行われる行為……!男性は忘れてしまうが、女性は一生と言っていい程覚えている言葉!厳魁君!?一体何時許婚になったんだい!?」
「なってません!あんなのは狂言です、狂言回しです!」
「何でさぁ?よく私の胸の中に蹲って、『ママぁ、ママぁ……』って言っていたじゃないか?」
「あ゛ー!止めて下さい止めて下さい!本当にそれは心に来るんですって!周りに人が居なかったら大丈夫ですけれど、周りに人が居るからぁ!って、皆こうやってニヤニヤするから、あまり貴方には話して欲しくないんですよ!僕の過去をぉ!」
「何でぇ?面白いじゃん、人の過去を暴くのって?」
「いや、それはそうなんですけれど……暴かれた側の事を考えて下さい!」
「無理、だって強力君はこの施設を壊す首謀者でありながら、この施設の反逆者、それに対しては私は本気で止める」
「……話は通じないようですね、それでは、皆さん、戦いましょう!」
女性と厳魁は痴話喧嘩を終わらせて、戦おうとする、だが女性は静かに厳魁に言う。
「まさか強力君、私の『能力』を忘れた訳では無いだろう?」
「ぐぅぅ!だけど、数の暴力で押し切る!」
「出来ないのに……よくほざくな……弱い犬程よく吼えるって真実なんだな」
厳魁の言葉に対し、女性は静かに言って、左足を前に出し、四股を踏む、そして祐介達に対してにやり、と狂気的な笑みを浮かべる。
「波ッッ!」
女性がそう言って、後ろに下げていた右手の平手を前に出す、すると女性の胸がブルブルと揺れたと思ったその瞬間五人は綺麗に吹っ飛んだ、弓華、厳魁、先宮は壁にぶつかり、祐介はアリスの体を掴んで何とかアリスの衝撃を受け、地面にぶつかる。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
「いっっっ!」
「ぐぅぅぅ……!」
「かはっ……」
「うみゅううう……(痛い……弾かれた!?)」
五人は色々な言葉を発して、その場で倒れこむ。
「何だよ何だよ、お前等あっさりだなぁ、さぁて、侵入者及び、反逆者の強力君も倒しましたし、さっさと上層部に電話しないとなぁ……」
女性がそう言ってスマホを取り出した瞬間、五人は何とか立ち上がる、そして厳魁は女性に言う。
「ま、まだ……まだ終わっていない!まだ僕達は負けないんだ!」
「……うぜぇなぁ、さっさと私の『能力』で倒して、上層部に電話するわぁ」
女性はそう言って、首を横に振って、首を鳴らす、果たして、五人はこの女性に勝てるかはまだ分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.105 )
日時: 2017/06/17 20:21
名前: 彩都 (ID: ???)  

「ふぅん……侵入者にしては四人共耐久力があるなぁ」
「うるせぇ、俺は大人だから耐久力があるだけだ」
「私も……大人だし、何より、幼い子が居るんだもの、同性の大人のみっともない姿は見せられない」
「俺だって、皆が立ち上がっているのに、俺だけ立ち上がらないのもな……!立ち上がらない方はみっともないぜ!」
「私だって皆の仲間……仲間が立ち上がっているのに、小さいから、体力が少ないからで、立ち上がれないのは厭だ!私だって立ち上がって攻撃出来る事を証明する為に!私は立ち上がる!(私だってやれば出来る!)」
女性の言葉に対し、厳魁以外の四人は発言する、その四人の発言を聞いて、女性はいきなり泣き始める。
「おぉっ!何という仲間意識!感動した!何気に感動したぞ!だけどぉ……私の『能力』に勝てるとは限らないよなぁ?」
女性はそう言って虚空に平手打ちをする、すると五人はまた吹っ飛びそうになる、だが、足に力を入れて、何とか踏ん張る。
「おおっと、何と……耐え切ったか……!面白いぞ!何という面白い事が!楽しいなぁ、私の『能力』に此処耐え切るとは!」
女性の言葉を聞いて、祐介は静かに考える、あの盲目の男性──藍綬廊だ──と戦った時みたいに『能力がまた覚醒しないかなぁ?』と考えていた、もしも『能力が覚醒した』ら、あの盲目の男性が『自分の心の中が見れなかった』時の様に、相手の能力を『無効化』出来るのでは無いか?と考える、と言っても、自分の能力が『無効化』する『能力』かどうかは知らないが──祐介はそう思いながら腹に力を込めて、必死に能力が発動するかを試す……が、発動しない、ていうかあの感覚、どうやって掴めってんだよ!?祐介は冷や汗を掻きながら、能力が発動する事を願って必死に自分の体に力を込める。
「ふむ……一人だけ、面白そうな事をしているガキが居るな、お前だよ、クソ幼女」
「わ、私!?(何でぇ!?)」
祐介は女性の言葉を聞いて、自分かと判断したが、その隣のアリスを見る、い、いや、何もしていないぞ……!祐介はそう思いながら女性の顔を見る。
「だって、四人は何もしていないのに、クソ幼女、貴様は何をしている?小さな声でブツブツと……!」
女性がそう言うと、アリスは汗を出しながら反論する。
「は、はぁ?な、何の事ですかぁ?わ、私は何もしていませんけどぉ?(な、な、な、何もしていませんけどぉ?)」
いや、モロバレだろ、その態度!アリスと女性以外の四人は心の中でそうツッコんだ。
「ふむ、何だ、それなら私の見間違いか」
アンタもアンタで信じるなよ!またも四人は心の中でツッコんだ、だけど、自分がしようとしている事がバレたかと思ったぜ……祐介はそう思いながら胸を撫で下ろす。
と、その瞬間だった、いきなりアリスが祐介より後ろに吹っ飛んだ、そして女性を見ると虚空に平手打ちをしていた。
「いや、流石に怪しいぜ、小声でブツブツと……何をしようとしているかは分からん、だからされる前に倒すぜ!」
平手打ちをした女性は静かにそう言って、口の端を歪ませる、当の本人であるアリスは口の端から血を出しながら、その場に倒れる。
「か、かはっ……」
アリスの口から出る血、アリスの小さな悲鳴に祐介はただただ見つめる事しか出来ない。
「……えっ?」
「はっ?」
「うぇ!?」
「お、おい……」
女性とアリスを除く四人はそう言って、アリスの重体になっている体を見る、そのままアリスは小刻みに動いて、その後、体を動かさなくなる、体が動いていない間も血が段々と広がっていく。
「…………」
祐介は無言で膝から崩れ、アリスの重体になっている体を見る、い、今、何が起きた?最初にアリスちゃんが疑われて、何とか、アリスちゃんが無罪を主張して、女性も無罪にしたが……だが、いきなり、有罪扱いして、アリスちゃんを攻撃した……!?えっ?何で……!?祐介はそう思いながら今、アリスに起きた出来事が飲み込めないでいた、そしてもう一度後方にある、アリスの動かない肉体を見て、確信する。
死んだ、アリスちゃんは死んだ……嘘だろ!?あの元気な幼女のアリスちゃんが!?一度転んでも二度起きそうなアリスちゃんが!?祐介はその場で崩れて、アリスの肉体を見つめる──アリスは吹っ飛んだ衝撃でスカートが捲れてパンチラ、いや、パンモロしていた、だがそんな物、祐介には関係が無い、祐介には『自分の目の前でアリスが倒れている』事が重要だったからだ。
祐介はアリスの惨状を見て、驚愕し、目を見開く事しか出来ない。
「なぁにぃ?どうしたの少年よ?あっ、クソ幼女のパンツ見てるーうわーロリコンだぁ、強力君、こんなロリコンに近づかない方が良いよ?私の愛する強力君がロリコンに染まっちゃう」
ケラケラ笑う女性に対し、祐介は静かに立ち上がる。
「てめぇ……!アリスちゃんを……アリスちゃんを!」
祐介はそう叫びながら振り向く、そして祐介は涙を流しながら女性に指差す。
「てめぇ……アリスちゃんの敵を、俺が取る!」
「ふぅん?私の『能力』に勝てないのによくほざけるね、少年よ」
「うるせぇ、てめぇには関係ねぇだろ」
祐介の言葉に女性は静かに言い返す、そして祐介は怒りを込めて発言する、祐介は気付いていないが、祐介は無意識に『能力』を使っていた──祐介は無意識に『能力』を使用して、女性に勝てるかはまだ分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.106 )
日時: 2017/06/18 21:33
名前: 彩都 (ID: ???)  

「てめぇは……てめぇはアリスちゃんを……!」
「んー?なぁにぃ?ロリコンだからアリスちゃんとやらが倒れて悲しいのかい?厭だねぇロリコンってさぁ?強力君も早くこの少年から離れて、私の隣に来なよぉ?楽しい楽しい夜が待っているんだからさぁ?」
祐介の言葉に対し、茶化すように言う女性、だが厳魁、先宮、弓華はアリスの方に向かい、安否を確認する。
「大丈夫!?アリスちゃん!?」
「大丈夫か!?アリスちゃん!?くそっ!私が居ながら……!」
「こりゃあ……酷い出血である、助かる見込みは……無い、そして救急車を呼んでもこんな奥に到着する迄に死ぬだろう……」
「は、はぁ……?コイツら全員ロリコンかよぉ!?って、強力君迄ぇ!?強力君!そんなガキより、私みたいなお姉さんが良いでしょう!?」
そう言う女性に対し、厳魁は女性を睨みながら言う。
「貴方がそんな薄情で、感情が無いような女性だとは思いませんでした……!彼女は僕の仲間です!何がロリコンだよ……そんな事言ってられっか!女の子が倒れているのに男が救わない訳無いだろ!そんな事を言うのなら、全ての人類が幼女に関わっていたらロリコンかよ!?さぁ、答えてみろよ!?そりゃあ貴方だって、幼女と関わっていたらロリコンでしょうねぇ!?」
厳魁の発言を聞いて、女性が反論する。
「そ、そんな訳無いでしょう!私がロリコン!?有り得ないわ!だって、私以外の人間全てがロリコンなんだからぁ!!」
「何故そういう結論になる!?『何故貴方がロリコンでは無いと言える』んですか!?可笑しいじゃないですか!それだったら僕だってロリコンでは無いです!後、話はぶり返しますが、『私みたいな年上なお姉さんが良いでしょう!』と言いましたね?生憎僕は『自分の年齢より上の人は好きになれない』です、精々マイナス三歳、四歳程度の同年代の女性が好きです」
「うぅっ!わ、私の好きな相手がロリコンに犯されたぁ!て、てめぇだぁ!目の前のガキぃ!全部全部お前がロリコンに目覚めさせたからだぁ!」
女性はそう言って右手を後ろに下げ、前に出そうとするが、祐介は何とか女性の両手を掴んで、前に出させる事を防ぐ。
「おら、両手を塞がれたまま今さっきのような俺達が飛んだような事をしてみろよぉ?あっれぇ?『手を使わないとその『力』は使えない』のかなぁ?」
「うっ、うるせぇ!てめぇには関係が無いだろ!?早く強力君をお前みたいなロリコンから救わないと……!」
「俺はロリコンじゃない、お前が思っている程お前以外の人間はロリコンでは無いが?」
「そんなの有り得ない!私以外の人間全てがロリコンだって!私が認定したんだからそうなんだ!」
「うるせぇ!何でそんな考えに到ったんだよ!もっと、もっと柔軟に生きようぜ!?ロリコンだろうが、ロリコンじゃなかろうが、その人間自体、楽しく人生を謳歌出来たらそれでいいじゃねぇか!そうやって『枠に嵌めよう』とするなよ!『ロリコンか、ロリコンじゃないか』っていうたった二つだけの枠で人を決めるな!ロリコンだから何が悪い!?ロリコンじゃないから何が悪い!?何にも悪くねぇんだよ!善悪決めているのは全て自分自身だろうが!てめぇの匙加減で他人を決め付けるなよ!」
「う、う、う、煩い煩い煩い!そんなの私の勝手でしょ!?私の勝手にロリコンの貴方が首を突っ込まないで!」
女性はそう言って、祐介の手首から自分の腕を外し、祐介の胸を押して祐介を目の前から退かそうとした、すると祐介はその場で膝から崩れ、倒れる。
「えっ……?」
「はぁ?」
「ん?今さっき何が起きたの……?」
厳魁、先宮、弓華はそう言って倒れている祐介を見る、そして両手を見つめる女性を次に見る。
「えっ……?私、無意識に『能力』を……!?や、やった!ロリコンを一人始末したわ!やったわ!これで強力君を元に戻す事が出来る!」
女性の発言を聞いて、厳魁は青褪めて、両手で後退する、い、急いで逃げないと……急いで逃げないと僕等がやられる!厳魁はそう思いながら女性を睨む──
「あら?何で強力君は私を睨むのかしら?ロリコンの原因である少年は『息の根を止めてしまった』のに……」
厳魁は女性の言葉を聞いて、後退から前進し、祐介の肉体を触って、またも青褪める。
「死、死んでる……!?貴方……自分の能力で祐介さんを……!!」
厳魁は涙を溜めながら女性に言う、だが女性は涙を出している理由が分からずに厳魁に問う。
「……あら?何で強力君は涙を出しているの?貴方がロリコンになった原因を消したのに……『この世』から?」
「そ、それが問題だぁ!お前お前お前お前!!」
厳魁はそう言いながら女性の腹部をぽこぽこ殴る、その度に女性は『戻ってきてくれたか、嬉しいぞぉ』と頭を撫でながら呟いている、い、一体何が起きているんだ……!?アリス、厳魁、祐介、女性以外の先宮と弓華は顔を見合わせて、厳魁と女性を見つめる──二人の中で、同じ感情が渦巻いていた、その感情は『何だか厭な予感がする』という感情だった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.107 )
日時: 2017/06/21 21:54
名前: 彩都 (ID: aFzuuCER)  

「な、なぁ……今さっきの発言を聞いたかな?」
「あ、あぁ……ちゃんと聞いた、しかと聞いた、『死んでる』ってな……!」
「じゃあ逆に聞くが、『誰が死んだ』んだ?」
「そんなの決まってらぁ、『祐介君』だろう?」
「…………」
「…………はぁ?待てよ、何で『祐介が死んだ』んだ?今この場にいる人間は『何もしていない』筈だが?」
「確かにそれは言えるな……だけど、厳魁君が『死んだ』とちゃんと発言しているぜ?」
「あぁ、その点なんだよなぁ、急にどうしたんだろうなぁ?」
先宮と弓華が会話する、そして厳魁の叫び声をもう一度聞いてみる事にした。
「お前!お前!幾ら許婚でも許される事と許されない事位分かるだろぉ!?」
「分かるよ、分かる、『厳魁君をロリコンにした存在を始末した』事位、許される事だろう?」
「そんなのは許される訳無いだろ!?」
「何で?この世はロリコンばかりなのだ、ほら、君もロリコンにならない為に許婚様が救ってあげるよ」
「い、要らない!僕はこの人達の味方だ!今、この瞬間から僕の敵となった、貴方は!」
「えぇ……そりゃあ横暴だねぇ、『たかがロリコン一人始末した』だけなのにさぁ?」
「それがダメなんだよ!この人は僕の味方なんだ!だから……だから!もう一度能力を使用して、祐介さんの心臓を動かせ!」
涙を流しながら寝転がっている祐介を持ち上げて、厳魁は言う、だが女性は静かに首を横に振る。
「厳魁君、君だって分かるだろう?『心臓が止まった存在は死んでいる、死んだモノは生き返る事が出来ない』ってね、それは君の味方だって同義だ、祐介君と言ったかな?『ロリコンの彼でさえ、心臓が止まってしまえば死んだも同然なんだ』よ」
女性の発言に対し、厳魁は静かに怒りを表す。
「……直せ、……い直せ……!」
「ん?もっとはっきり喋りな?」
「言い直せ!祐介さんはロリコンでは無い!言い直せ!これ以上祐介さんを侮辱すると……僕が許さない!」
「……?何を言っているんだ、厳魁君よ?彼は立派なロリコンでは無いか?何故なら『幼女を抱いていたから、パンツをガン見していた』から」
「そんなんでロリコン扱いされる人が可哀想だわ!」
女性の発言に対し、ツッコミを入れる厳魁、先宮は『いや、今ツッコミ入れている場合じゃないだろ!?』と心の中でツッコミを入れる。
そして弓華はそんな空間を割いて、先宮と思っていた事を口走る。
「え、えーと、厳魁君に女性さんよぉ?今起きている事実と事件を事細かく教えてくれないか?お姉さんとおじさんにはいまいち理解出来ないというか、何と言うかねぇ……」
弓華の発言を聞いて、厳魁は『あぁ、そうか、説明していなかったか』と小声で呟いて、話し始める。
「えーと……彼女は僕の許婚許婚煩い人です、名前は姫川杏子(ひめかわ あんず)さんです」
「あっ、自己紹介がまだだったわね、私は姫川杏子、厳魁君の許婚です」
「今、それはいいから……んで、杏子ちゃんは能力者です」
「うん、その能力が暴走して、彼──祐介君だっけ?──が倒れているんだよね」
「えぇ、彼女は『自分の感情の昂りと共に能力を使用し、祐介さんは死にました』……」
厳魁と女性──基、姫川杏子──の話を聞いて、厳魁の言葉に何か引っ掛かりを感じた。
「ん?『祐介君が死んだ』?それってどういう──」
「え、えーと、多分、推測の話なんですけれど、私の能力は『振動を操る』能力なんです、だから祐介君の『心臓の鼓動』という『振動を操って、止めてしまった』のではないかと思います、そして心臓が止まったモノは『死』を意味します、なので、心臓を止めてしまった瞬間に祐介君の死去が決まりました」
「だから僕は何度も何度も抗議して、祐介さんの『心臓の鼓動』を杏子ちゃんの能力を使用して、『心臓の鼓動』という『振動』を操って、再び動かそう、と試しました、だけども、杏子ちゃんの言った通り、『心臓の鼓動』が止まっている存在は『再び鼓動を動かす事が出来ない』、なので祐介さんは……!」
厳魁がそう言って泣き始める、すると二人の話を聞いていた先宮が言葉を発す。
「あ、あのさぁ、えらい説明口調だなって感じたんだが?」
「それは仕方無いですよ、『人が死んだのに焦って言葉が詰まる』よりかはまだマシでしょう?冷静になって発言した迄です」
「お、おぅ、何という恐怖する発言だこと……」
杏子の話を聞いて、先宮は体を後退させる。
そして急に厳魁はその場に座って祐介の心臓を押し始める。
「な、何をやっているんだい、厳魁君?」
「み、見れば分かるでしょう!心臓マッサージですよ!杏子ちゃんの能力は『振動を操る』能力!仮に祐介さんの心臓を止めた所で、また刺激を与えれば復活する筈!」
「……それは無理だよ、心臓が止まっている時点で……祐介君とやらは生き返らない!いい加減諦めなよ!そんなロリコン野郎!」
杏子の発言を聞いて、厳魁は大声で反論する。
「祐介さんはロリコンじゃない!とても優しいお方だ!この施設を壊す為に色々なメンバー──先宮さんに弓華さん、そしてアリスちゃん達──を呼んでくれた!僕は『この施設を壊す為』という無謀な挑戦に対し、本気で考えて、提案もしてくれた!お前みたいな許婚に僕の気持ちなんか分かるか!僕は色々な人を救いたいんだ!この施設で何人の人が死んでいるんだ!?軽く百人以上だぞ!?分かっているのか!?」
厳魁の剣幕に杏子は顔を強張らせ、後ろに下がった、そして厳魁は何度も何度も両手で心臓を押しては脈を確認する──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.108 )
日時: 2017/06/24 21:08
名前: 彩都 (ID: xPB60wBu)  

その頃祐介は──
「ん?何処だ此処?」
地べたに座っていた祐介は静かに立ち上がって、周りを確認する、周りは白一色の光景で、右も左も上も下も斜めも真っ白、白一色であった。
「んー?此処は何処だろう?そういえばあの女に触れられた後、ぶっ倒れて、記憶が無いんだよなぁ……?どうしてだ?」
腕を組んで考える祐介に対し、背後から『此処は天国だ』と言われる。
「ん?何だ、住人が居たのか」
「住人?違うね、俺は長谷川祐介だ」
聞き慣れた名前に耳を疑う祐介、は、はぁ?何を言っているんだ、同姓同名だとしても、性質が悪いな、と思いながら背後の長谷川祐介に返答する祐介。
「おいおい、長谷川祐介は俺の事だっ!?」
背後の長谷川祐介に言おうとして、振り返って言う祐介は目を疑った、其処には『色々な格好の自分、長谷川祐介が其処には立っていた』のだ、何十人、何百人にも感じる自分に、『この部屋は広いなぁ』と思い始めた位だ。
「え、えっと、貴方達は……まさか全員『長谷川祐介』か?」
祐介の発言に対し、色々な『長谷川祐介』が返答する。
「あぁ、そうだ」
「うん」
「おう」
「イエス!」
「そうだが?」
「…………一つ聞きたい、此処は『何処』だって?」
色々な『長谷川祐介』の発言を聞いて、祐介は静かに色々な『長谷川祐介』に問う。
すると一人の長谷川祐介が現れた。
「そうだ、此処は『天国』である、良かったな、次の『長谷川祐介』に託され──」
「はぁ?何を言っているんだ、お前等俺は?『俺自身』は元の世界に戻るぞ、またな」
祐介はそう言って色々な『長谷川祐介』を背にして、前に進む、すると他の『長谷川祐介』が現れ、自分を止める。
「おいおいおいおい!待てって!何でそんなに脱出したいんだよ!?次の自分に任せたらいいじゃぁん?」
「それはダメだ、何故なら、『俺自身がパラレルワールドの自分に託したくない』からだ、この運命を!少しは自由な人生を歩ませたいんだよ!お前等に何が分かる!?」
祐介がそう言うと、新たな『長谷川祐介』が現れ、自分を殴る、だが痛くない。
「お前……!それは『今迄の俺達が進んでやってきた事』なんだよ!だけど何だ!?こんなに人がいる、いや、『自分』が居る!可笑しいだ!?これってつまり、『今の自分でも出来ない』って事なんだよ!何度何度何度何度試してみても、結局は仲間集め途中で死んだり、隕石が落ちて、死去する!これは『逃れられない』運命なんだよ!」
泣きながら祐介に言う『長谷川祐介』に対し、祐介は口の端を歪ませながら、大声で笑う。
「へっ……へっへっ……へっへっへっへっへっへっ!面白いなぁ!お前等!」
祐介の発言を聞いて、色々な『長谷川祐介』が周りを見回したり、自分同士で会話する、祐介はそんな『長谷川祐介』に対し、反論する。
「『逃れられない』運命?本当にそうか?それは『今迄のお前等の人生及び出来事』じゃねぇか!今の俺にはまだ希望がある!今の俺には『今しか出来ない』事しかないんだ!『お前等の今迄の出来事』で俺をひっくるめんな!『俺は俺』なんだ!『パラレルワールドのお前等』じゃない!色々な俺が居るから、『どれだけパラレルワールドの自分が頑張っても隕石衝突は回避出来ない』とか思っているだけだ!『お前等の固定概念、俺がぶち壊して』やんよ!『俺自身』は前に進んでいるんだ!『お前等』は其処で立ち止まっていても『俺自身』は前に進んでいる!これは決定的な違いだ!俺は諦めない!今、此処に居ようとも、俺は脱出して、厳魁君や先宮さん、弓華さん、アリスちゃんの所に戻る!」
祐介はそう言って、拳にした右手を強く上に上げる、すると右手が急に光った、祐介は藍綬廊を倒した時と同じ感覚を覚えた。
「これは……?」
「それはお前の気持ちと『能力』が呼応したんだ、今回のお前、何だかすげぇよ!見直したぜ!」
目の前の『長谷川祐介』に言われる祐介、祐介は照れながら頭を掻く。
「そんなんじゃねぇよ、俺はただ単に心の底からの発言をしただけで……」
そう言う祐介に対し、色々な『長谷川祐介』が言う。
「今回の俺は何だか攻略出来そうな気がする!」
「だよな!だよな!」
「今回の俺は何だか一味違うなぁ!」
「今度こそ頑張れよ!俺!」
「何か……勇気貰ったぜ、俺!」
「…………」
色々な『長谷川祐介』の発言を聞いて、少し照れる祐介、そしてもう一度右手を上に上げて、大声で発言する。
「この俺!長谷川祐介は絶対に元の世界を救ってみせる!お前達の絶望、俺が希望に変えてやんよ!」
祐介がそう言うと、色々な『長谷川祐介』が声を荒げて祐介を応援する、そして白一色の光景が一気に消え、目の前に真っ暗になる。
あぁ、一人ぼっちになったのかぁ、だけど、体の感覚がある、それに何よりも、何か音がする──そう思いながら目をゆっくりと開ける、すると目に映ったのは施設内の壁だった、えっ?俺、『天国から生き返った』のか!?と思いながら勢いよく起き上がる、目の前には泣いている厳魁と厳魁の頭を撫でている女性──基、姫川杏子だ──と膝を曲げて、一歩も動かない先宮と弓華が居た、隣には血を口から出すアリス──何だこのカオスな空間は!?祐介はそう思いながらゆっくりと立ち上がって、自分の体を確認する、今の所、不調な部分が無い……果たして自分は本当に『天国』に行ったのだろうか?もしかして夢かもしれない、祐介はそう思いながら杏子を見つめる──


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