コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.124 )
- 日時: 2017/07/30 21:42
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「あぁ、そうだ……俺の能力を言っていなかったな、俺の能力は『どんな物でも破壊する』能力だ……!」
一人の少年の言葉を受けて、祐介が驚愕する。
「は、破壊だと!?破壊って大体のゲーム、アニメで最強能力候補の一つじゃないか!」
「そうだぜ?だけど、この能力は『使わない』と約束する、だから俺と戦うアンタらにも条件を付けさせてもらう、それは俺と一緒、『能力を使うな』だ、これで肉弾戦しか出来ないぜ?」
「た、確かに……相手が能力を封じるのに俺達が能力を使うのはずるいよな……警察官として考えても、その案は公平だ」
先宮が顎に手を当てて発言する、祐介も弓華も静かに頷く、そして祐介の前にアリスが現れる。
「じゃあ私が戦うよ、『能力を使うな』って話なんでしょ?(そうでしょ?)」
アリスがそう言って目を細める、先宮、祐介は『確かに手が何個もあるアリスちゃんに任せた方がいい』と考える。
「じゃあアリスちゃん、任せるかな?」
祐介がアリスにそう言うと、アリスは静かに頷く。
「うん、分かった!(ワンパン勝利するよ!)」
アリスは杖を前に出して、宣言する。
「おい、アンタ、名前は?」
「んぁ?名前か?俺の名前は久鬼堅城(くき けんじょう)だ、お前は?」
「私はアリス・マーマリア、ちょっと変な能力を持つ変な格好の人間さ(人間かどうかは分からないけれど)」
アリスはそう言って、自己紹介を返す、そしてアリスがいきなり発言する。
「それじゃああんたをもう倒すよ?『キマイラの噛砕』!(終われ!)」
アリスが『キマイラの噛砕』と叫ぶと、背後から魔法陣が現れ、そしてその魔法陣の中から、獅子と山羊、更に蛇を組み合わせた様な奇妙な顔が現れて、一人の少年──基、久鬼堅城──を一噛みする──そんな怪物の歯の隙間から大量の血液が流れ出、堅城は驚く。
「な、何だよこれ……!?『能力は使うな』って言ったじゃないか!」
「だから言ったじゃない?『ちょっと変な能力を持つ』ってね?(フフフのフ)」
アリスが口を歪ませて笑うと、堅城が怒鳴る。
「はぁ!?巫山戯んなよ!こんなの能力だ!能力以外に何があるってんだ!?」
堅城の言葉を聞いて、アリスが静かに答える。
「『魔法』ですが?アンタに噛み付いているのが『魔法』だ、分かったか?そしてそのまま血だらけで逝け(さようなら)」
アリスがそう言うと『キマイラの噛砕』はより一層堅城を噛み、血をもっと噴出させる、すると堅城はあまりの出血でその場で気絶してしまう。
「ふぅ……終わったねぇ(簡単だった)」
アリスはそう言って『キマイラの噛砕』を解く、すると堅城には一滴の血も出ていなかった。
「お、終わったんだね……でも凄いねアリスちゃんの『キマイラの噛砕』ってのは……完全にトリックアートというか、CGみたいなもんだね」
厳魁がアリスにそう言うと、アリスは強く頷く。
「うん、一般人には視覚で驚かせる『魔法』、駁みたいなボスには攻撃魔法って決めているから(あっ、駁を知らないか)」
アリスは頭を掻いて駁について説明しようとすると、祐介が説明する。
「アリスちゃんは説明しなくていい、厭な記憶を思い出すかもしれないからね……まぁ、大まかに言えばアリスちゃんみたいな能力者を監禁していた場所の所長、と言えばいいかな?今で言う厳魁君みたいな立場だね、昔のアリスちゃんは──厳魁君みたいにその施設を壊そうと頑張ったんだ」
「へぇ……まるで僕と同じ境遇ですねぇ……でどうなったんですかその施設は?」
「そうだな、大まかに言えば、マグマの中で生きているんじゃないか?」
祐介の突拍子も無い発言に『はぁ?』と言って、厳魁は反論する。
「は、はぁ?何を言っているんですか?人間誰しもマグマに入ったら死にますよ?」
「いや、そうじゃないんだ……駁って奴の能力は『死なない』能力も持っているんだ、だからマグマの中に落ちても死なない」
祐介の代わりに先宮が続けて説明する、すると厳魁は先宮に不思議な点を述べる。
「は、はぁ……ん?何か可笑しいですよ?何で『『死なない』能力も持っている』って説明したんですか?普通『『死なない』能力を持っている』って説明する筈です、先宮さんの説明だと、まるで『能力を二つ持っている』様な……」
「実際そうなんだよ、駁って奴は俺の娘の春華の能力、『能力を開花させる』能力で『死なない』能力を手に入れたんだ、そしてそもそもとして駁が持っている能力は『心を読む』能力だ……!」
「……!?い、今何て?」
「えっ?いや、だからそもそも駁が持っている能力は『心を読む』能力って……」
「いえ、もう少し前です」
「『死なない』能力を手に入れた……」
「す、少し前です……」
「え、えーと……俺の娘の春華の能力、『能力を開花させる』能力で……」
先宮がそう言うと、厳魁は先宮を指差した。
「そ、それですよ!『能力を開花させる』能力です!凄い能力じゃないですか!……そんな能力があったら、能力を開花させる為に死んだ人達も生きる事が出来たのに……!」
厳魁はそう言って頭を垂れる、確かに春華の能力さえあれば能力を開花させる為に死んだ人達を死なせずに能力を開花させられた……だけど、もう死んでしまったのだ、もう、遅いのだ。
そして厳魁は頭を上げて四人に言う。
「アリスちゃん、駁さん、春華さんの事は分かりました、教えてくれて有難う御座います……それでは前に進みましょう、まだゴールには辿り着いていないのでね……!」
厳魁はそう言って前に進み始める、祐介達四人も厳魁の後ろに着いて行く──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.125 )
- 日時: 2017/08/02 21:45
- 名前: 彩都 (ID: ???)
厳魁の後ろに着いて行く四人、すると急に厳魁が立ち止まった、不思議に思った祐介が厳魁に話しかける。
「お、おい厳魁君……?急に立ち止まってどうしたんだ?」
「…………」
無言のまま祐介の発言を無視する厳魁、そしてやっと口を開いた。
「あ、いや、その……階段があるので、『四階には何も無かった』、と言う事です……四階に何も無い、と言う事は三階、二階、一階、地下の四択と言う事に……」
厳魁の発言を受け、あぁ、そう言う事か、と納得する祐介、祐介は厳魁の肩に手を置いて、発言する。
「『四階には何も無かった』、いい事じゃないか、後は虱(しらみ)潰しに進むだけだ」
「……はい!」
厳魁は祐介の発言を受けて、強く頷く、そして五人は四階の階段を降りる──
「ふぅ……階段で襲われるかと思ったけれど、何もなかったぁ……」
厳魁はそう言って、深い深い溜息を吐く、だが、厳魁は知らないだけで、先宮は体験している。
「よ、良かったなぁ……」
額に流れる冷や汗を拭い、先宮は厳魁を元気付ける、そして五人は三階に辿り着く。
「さぁ、この先に向かいましょうか……」
次は二階か、と弓華は考えて、ごくり、と唾を飲み込む、この先何があるか、何が起こるか、分からない──弓華はそう思いながら四人と共に階段を下る──
そして、二階に辿り着く、すると先宮が言った。
「二階も……何も無かったなぁ、完全に誰もいないって感じがするなぁ……」
「確かにそうですね、でも、いきなり現れるかもしれません、気を引き締めて行きましょう」
先宮の発言を受けて、厳魁が返答する、『まぁ、確かにな』と先宮は返答する、そして五人はまた階段を降りる……そして一階に辿り着く、するとアリスが言う。
「……何も無かった(可笑しい?)」
「いや、何も無い方がいいよ、とりあえず、未開の地、未開拓の地である、地下に向かいましょう……」
「そうだね(うん)」
アリスの言葉に返答する厳魁、そして五人は最後の場所、『地下』へと向かう──
「遂に……」
「地下……!」
最初に祐介、二番目に弓華が階段を降りて、目の前で立ち止まる、そして三番目に階段を降りた厳魁が言う。
「えぇ……!でも、扉があったのか……!」
遅れて階段を降りたアリス、先宮の五人の前に巨大な扉が現れる、だが、厳魁はこの施設に侵入した時と同じ様にカードをスキャンし、数字をタッチする、すると簡単に扉が開く。
「どうしたんです?──でも、この施設に入る時と同じ番号だなんて……何か可笑しい気がするけれどまぁ、いいか──さっさと進みましょう、後少しで『『神』を作る施設』の最深部に辿り着く事が出来る、もしも最深部で『能力者が被害を受けていたら』、と考えると……!」
厳魁は顔を顰(しか)めた後、歯を食い縛りながら、右手で拳を作る、そして扉の奥へと足に力を込めて歩く──四人も静かに覚悟を決めて、扉の奥へと進む……
何も無い、ただ単に最低限の照明があるだけだった、とても暗く、とても人が生活するには光が足りない位だった。
「え、えーと……凄く暗いね、厳魁君?」
祐介が気紛れに厳魁に話しかけると、静かに頷く。
「えぇ、確かに暗いですね、でも、前から地下は暗かったです」
厳魁の発言を受け、ん?と思う祐介、祐介は厳魁に聞きなおした。
「えっ?それってどういう事?一回地下に来ている、と?」
「えぇ、一応は……一回だけですがね、その時は研究員が扉を開けていましたけれど……」
「へぇ、じゃああまり案内は出来ないね」
「はい、そう言う事になりますね、でも前に来た道は覚えているので、半分程度は大丈夫でしょうね……多分」
「えっ?ちょっと待って?『多分』って言った?ねぇねぇ?厳魁君のその発言で自分、相当不安なんだけれど!?」
厳魁の言葉に不安感しか表れない祐介は冷や汗を掻きながら厳魁に反論する。
「だ、大丈夫ですよ、前に来たのはざっと三年前なんですし、あまり記憶も抜けていないと思いますよ?」
「不安!圧倒的不安でしかないよその発言は!」
厳魁がそう言うと、祐介は身を震わせながら返答する、すると厳魁が祐介に言う。
「こっちだって結構不安なんですよ!?能力者が出るか、所長が出るかで、ドキドキなのに!祐介さんの所為で結構心が削られているんです!なるようになるんです!最終的には『この施設を壊して、脱出する』事さえ出来たら大丈夫なんですから!」
「それ完全に『成功した場合』だろ!?逆に言うが、『道に迷った』時はどうするんだ!?」
「…………そ、それはその、一緒に逝きましょう!」
祐介の怒鳴り声を聞いて、サムズアップして、笑顔になる厳魁、うわぁ……と三人は思いながら頭を抱える、するとアリスが四人に言う。
「じゃあ、『爆発』魔法で天井吹っ飛ばして、『空を飛ぶ』魔法を使えばいいんじゃない?(最終手段だけど)」
「それだ!」
アリスの発言を受け、祐介はアリスを指差す。
「それだよそれ!それでいいよな!?厳魁君!?もしも脱出出来なかった時用にだけど……!」
祐介が声を荒げてそう言うと、厳魁は静かに頷く。
「ま、まぁ、脱出出来なかったら使用を許可しますけれど……」
「よし!これで最終手段の脱出経路は完成!後は道中進んで、施設をぶっ壊すって所から始めよう!」
厳魁の許可を得た祐介は両手でガッツポーズをして、その場でジャンプして喜ぶ。
「それでは先に進みましょう、皆さん」
厳魁がそう言って、先に進む、祐介達も遅れない様に厳魁の後ろに着いて行く──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.126 )
- 日時: 2017/08/05 21:30
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
厳魁達が歩み始めて数分の事だった、目の前にメガネを着用している初老の男性が居た、髪は白髪が混じっており、顔には少し皺があった、そして初老の男性が五人に向かって、声を掛ける。
「やぁやぁ、皆さん、お揃いで……私の名前は石蔵蔵人(いしくら くろうど)と申します、以後お見知り置きを……」
初老の男性──基、石蔵蔵人だ──はそう言って、厳魁を睨む、すると厳魁は蔵人に言う。
「蔵人さん……やはり、此処を通してはくれなさそうですね?」
「でしょうねぇ、何年も私は此処の能力者として生きてきましたからね……私はこの施設の味方なのだから……こればっかりは厳魁君の味方にはなれなさそうです」
蔵人はそう言って、その場で深い深い溜息を吐く、そして蔵人は宣言する。
「では、侵入者の厳魁君一味を倒しましょうか……『マシンガン装備』」
そう言って蔵人の右手がマシンガンに変わり、弾を連射する、アリスは咄嗟に前に出、バリアを四人の前に張り、防御する、すると攻撃を止めた蔵人が驚く。
「おや、何やら防がれてしまったようですね、ですが、これはどうでしょう?『ボム』」
蔵人はそう言って、『自分の右手の人差し指を引き千切って、厳魁達の方に投げて』きた、アリスは突然の出来事に何も出来ずにその場で立ち尽くす、だが、何とか先宮がアリスを抱き締めて、その場から後方へジャンプして、何とか蔵人の右手の人差し指から逃げる、すると『蔵人の人差し指が爆発』する、弓華は『何だあの能力は!?』と叫んで驚愕する。
「あぁ、言うのを忘れていました、私は『八『王』』の『武器『王』・石蔵蔵人』です、私の能力は『体を武器に変える』能力です、マシンガンも、今さっきの人差し指も、全部全部私の体から生み出した『武器』です」
蔵人がそう言って、祐介が不思議そうに蔵人に言う。
「は、『八『王』』?『武器『王』』?あ、アンタは何を言っているんだ?」
「ん?そんな事を聞くとは、今迄の『八『王』』から『八『王』』の事を聞いていないんですか……?まぁ、良いでしょう、『八『王』』とは、『この施設における八人の能力者』の事を指します、そして私はそんな『八『王』』の一人、『武器『王』石蔵蔵人』です」
蔵人はそう言って、両手を広げる、そして祐介に言う。
「そして貴方達は五人の『八『王』』を倒してきているじゃないですか……『粘液女『王』・知念香夏子』(ちねん かなこ)、『怪力『王』・蛟兼流(みずち かねる)』、『模倣『王』・山上神虎(さんじょう かみとら)』、『腐敗女『王』・安住美月(あんじゅう みづき)』、『破壊『王』・久鬼堅城(くき けんじょう)』、そして私、『武器『王』・石蔵蔵人』の六人、今貴方達は『八『王』』の六人に出会っているんです」
蔵人の発言を受け、厳魁は冷や汗を掻く、成程、だから幽閉されていたり、あんなに能力が強いのか……厳魁はそう思い、冷や汗を拭う。
「だから何だ?そんなの俺には関係が無い、俺はこの施設を壊すだけなんだ、『八『王』』?『粘液女『王』・知念香夏子』ぉ?『怪力『王』・蛟兼流』?『模倣『王』・山上神虎』?『腐敗女『王』・安住美月』?『破壊『王』・久鬼堅城』?『武器『王』・石蔵蔵人』?知るか!そんなの俺には関係が無い!俺に関係するのは『この施設を破壊する』!たったそんだけだ!お前等の変な四天王みたいな階級、『八『王』』に俺達を巻き込むな!なーにが『貴方達は六人の『八『王』』に出会っています』だぁ!?んなもん俺にはどうでもいいんだよ!八人だろうが、六人だろうが、『八『王』』だろうが、目の前に現れるこの施設の邪魔する能力者を全部戦って、勝って、倒せば良いんだよ!たった二人の『八『王』』もそんな感じで倒せば良いんだ!」
祐介は蔵人に向かって、怒鳴り上げる、するとぽかーんとした様子で蔵人は祐介を見ていた。
「…………」
「何だぁ?文句あっかぁ!?」
「いえ、文句は無いですよ?ですが、『面白い考えをしているなぁ』と思っただけで……」
「お、『面白い考え』ぇ?い、一体どういう事だよ?普通世間一般論だと思うんだけどなぁ……」
祐介が不思議そうに蔵人にそう言うと、蔵人は口の端を歪ませながら、発言する。
「普通世間一般論的に言えば、『残り二人の名前と性別、能力を答えろ』、とか『何処に居る?その二人を避けて進むから』、等と言った行動、言動を取ります、ですが、『貴方の場合は違う』かった、『貴方は『残りの『八『王』』』でさえも、戦って、倒せば良い』と言った、それは『あまりにも可笑しい事なんです』よ、何故なら『普通は面倒事は避ける』筈なのに……」
蔵人にそう言われ、顎に手を当てる祐介、そ、そういうもんなのか?あまりこういう状況に関わった事が無いから分からないが……蔵人とやらが言っているのだから、そうなのだろう、と考えて、祐介は『そ、そうか』と頷く。
そして祐介は蔵人を睨み、どう倒すか、考える──相手は体が武器の人間、そう簡単には勝てないだろう、そう思いながら自分の右手に拳を作る──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.127 )
- 日時: 2017/08/06 21:09
- 名前: 彩都 (ID: 4IM7Z4vJ)
「…………」
祐介は蔵人を見つめて、どう戦うかを考える、とりあえず、『アリスちゃんに護ってもらい』ながら……心の中でそう呟いて、ふと、我に帰る。
何で……何で『俺は年下のアリスちゃんに助けて貰える事前提で動いている』んだ……巫山戯るなよ!少しは自分の力で進めよ!藍綬廊さんにも言われただろ!?『自分の能力で戦え』って!それなのに……あーあ、何て情けない兄なんだ……祐介はそう思いながら、能力を使用する為に体に力を込める。
「おや?何だか君の雰囲気が変わりましたね……それはどうしてでしょう?」
そう言って、蔵人が祐介を見つめる、そして祐介が言う。
「どうしてだろうなぁ……?俺も能力を使わないといけないって事を思い出したからかもしれんな……!」
祐介はそう言って、アリス達の悲鳴の事を思い出す、もうあんな事をして、能力を覚醒させたくない……『自分の力』で!『自分の思い』で能力を開放したい!だから応えてくれ俺の能力!祐介はそう思いながら、腹の底に力を溜める、すると、藍綬廊と戦った時の感覚を少し感じた。
よし!後少しで行ける!もう少しで……!とりあえず、今は目の前の蔵人さんを倒す事だけ考えろ、残りはゆっくり開放すれば良い、祐介はそう考えて、蔵人を睨む。
「さぁ、アンタの相手は俺だ……俺が倒して、先に進む、それで良いよね、アンタも……厳魁君達も……!」
祐介の発言を受け、アリス、先宮、厳魁、弓華は静かに頷く、そして蔵人も祐介を見て、微笑を見せる。
「えぇ、いいですよ、貴方が死ねば、他の残り四人を相手にするだけですので」
「生憎それはさせない、何故なら、『俺がアンタを倒す』から……!」
祐介はそう言って、蔵人に向かって走り出す、出す手なんか考えない、出す手等、『到着して、咄嗟に思い付いた手で攻撃すれば良い』のだから!祐介は一気に息を吸って、走るスピードを少し上げる、そして蔵人の前に立って、足を踏み込み、タックルをしようとした、すると蔵人は祐介を抱き締めて、静かに宣言する。
「おいおい……私は『武器『王』』だぞ?『体の何処に武器を仕込んでいるか、分からない』だろう?」
「生憎分かるんだよなぁ……だって、『俺を抱き締める』と言う事は、『一撃必殺か、重い攻撃をする』、と言う事、だから……」
「腹を『爆弾』にする」
「『体を爆弾にする』可能性が高い」
祐介の言葉を聞いて、蔵人は驚愕する、そして蔵人はその場で爆発する──一気に黒煙を上げて、厳魁達も包んだ──やがて黒煙が消えていく、祐介と蔵人がどうなったかが分からないアリス、先宮、弓華、厳魁が、不安な胸中になっていると、その黒煙の中で、一人の存在が立ち上がった。
その存在は蔵人だった、蔵人は右手で煙を掻き消しながら厳魁達に近付く。
「全く……口だけの人間だったか、それじゃあ厳魁君達を」
「倒させない」
そう言って、蔵人の肩を掴む、一体誰が掴んでいるのか?と思い、掴んだ肩の方を見る、すると其処には、Tシャツ姿の祐介が立っていた。
「!?なっ!?いっ、生きているだと!?」
「生憎生きていたみたいですね?」
祐介はそう言って、口を歪ませる、そして祐介が頭を掻いて蔵人に言う。
「いやぁ、危なかったなぁ、何とか助かったぜ」
「な、何で生きている!?ちゃんと爆発したのに!」
「爆発した?あぁ、『俺の上着』か」
祐介がそう言って、爆心地の方に向かい、『とあるモノ』を親指と人差し指で支えて持つ、そしてその『とあるモノ』を蔵人に投げつける。
「アンタが爆発させたのは『それ』だよ」
祐介が投げ付けてきたモノを手で触って確認する、すると蔵人は驚愕した。
「こ、これは!?」
「何だ?分かったのか?分かったのなら、高らかに宣言しよう、それは『俺の上着』だよ、お前が抱き締めて来た時に、少しだけ脱いでいたんだよ、そしてアンタが『体を爆弾にする』とか言った時に、脱いで、その場から離れた、そしてアンタが俺の上着ごと爆発して、俺が爆撃でやられた、と勘違いした、と言う事だ」
祐介はそう言って、深い深い溜息を吐く、そして祐介が続けて言う。
「なぁ、もう戦うのを止めにしないか?実際俺はアンタを傷付けたくない、アンタは俺達を足止めさせたいかもしれんが、俺達には時間が無いんだ、頼むよ、戦うのを止めにしないか?」
そう言う祐介に対し、蔵人は声を荒げて祐介に言う。
「巫山戯るな!そんな事が許されると思って!?」
「『キマイラの噛砕』(えい)」
蔵人の言葉を聞いて、アリスは魔法陣を作り、『キマイラの噛砕』を発動する、『キマイラの噛砕』は蔵人を噛み付いて、幻の出血を出す。
「はぇっ?」
『キマイラの噛砕』で現れた幻の出血を見て、蔵人は恐怖し、その場で気絶して倒れる。
「あ、アリスちゃん……」
「困った時はお互い様、小さい子に助けてもらうとか、そんなの考えないで?『仲間』でしょう?『仲間』なら一緒に進まないと?(困った時はお互い様だよ?)」
確かに……困った時はお互い様、と言う言葉を忘れていた、アリスちゃんは小さくても立派な『仲間』なのだ、更にそれも忘れているだなんて……本当に自分は兄失格だな、祐介はそう思って、その場で溜息を吐いてしまう──そして何とか蔵人を倒した祐介達はゆっくりと前に進む──この先に『『神』を作る機関』の最深部があるかはまだ分からない──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.128 )
- 日時: 2017/08/09 21:24
- 名前: 彩都 (ID: eso4ou16)
歩いて数十分が経つ、あまりにもこじんまりとした建物なのに、地下はとても広く、先宮は驚愕していた。
「凄い広いんだなぁ」
「えぇ、結構広いですね」
先宮の発言に対し、厳魁が返答する、そして前を進んでいた弓華が急に立ち止まる。
「ま、待て!」
急に立ち止まった弓華に合わせ、祐介達も立ち止まる、そして祐介が弓華に言う。
「な、何だ!?」
「いや、目の前に人がいる……!敵かもしれない!」
弓華はそう言って、目の前の人物を睨みつける、すると目の前の人物が言う。
「おぅ、そうだ、俺は貴様等から見て、『敵』だ」
「やっぱり?」
「やっぱり?って、なんだよやっぱりって……俺の名前は傘倉厭良(かさくら あきよし)ってんだ、宜しくなっ!……って言うのも可笑しいか」
祐介の言葉に対し、目の前の人物──基、傘倉厭良が言う。
「で、何の用だ?俺達は急いでいる、用が無いならさっさと進ませてくれ」
厭良の発言を受け、少し苛ついた感じで先宮は言う、すると厭良は半纏の服の内から煙草を取り出し、裾の中からライターを出し、五人に言う。
「まぁまぁ、落ち着けよっと……俺の『能力』は戦闘向きじゃないんだ、戦いを避けたい、実際お前達侵入者の方だって、無意味な戦闘を控えたいだろう?」
「……貴方の目的は何ですか?」
厭良の発言を不思議そうに聞いた厳魁は厭良に問う、すると厭良は煙草の煙を吐いて、答える。
「別に?上の命令で『此処から先を侵入者を通すな』ってだけ、でもそんなの俺には興味ないんだ、だって、『この施設が壊されようと、乗っ取られようと俺には関係が無い』からな、別段この施設にいい様に扱われた訳でもないからな、だから壊されようとも乗っ取られようとも俺には興味が無いし、俺に関係が無い」
淡々と述べる厭良に対し、アリスが発言する。
「それじゃあおじさんは私達に何もしないで奥に通してくれるの?(どうなの?)」
アリスの発言を聞き、厭良は『ハハハッ!』と笑いながら答える。
「んんー?お嬢ちゃん、面白い事を言うなぁ……確かに、『此処から先を侵入者に通すな』ってだけで、『別に俺がお前達を侵入者扱いしなければいい』からな、だから別に通しても良い」
「それじゃあ!」
厭良の発言を受け、厳魁は笑顔になる、だが、次の厭良の発言で厳魁の笑顔は崩れる。
「通しても良いが、それは色々と許さないだろう?だからだ、『言葉で俺を捩じ伏せて欲しい』んだ、なぁに、簡単だ、『言葉遊び、頓知で俺を捩じ伏せろ』って事、簡単だろう?」
厭良はそう言って、口の端を歪ませながら煙草の煙を再度出す、は、はぁ?唖然とした表情になって、厳魁が言い返す。
「ふっ、巫山戯るな!僕や弓華さん、祐介さんに先宮さんみたいな日本人には簡単かもしれないけれど、『アリスちゃんは外国人だから難しい』じゃないか!外国人のアリスちゃんに対し、卑怯な戦法だ!」
「何処が卑怯だ、何処が?よぉく、考えてみろ、お前はどうやって会話しているんだ、そのアリスって奴と?」
怒声で言い返す厳魁に対し、厭良が淡々と言い返す、続けて厭良が言う。
「へぇ?で、『アリスって奴はお前達と会話する時でも外国語で会話していた』ってか?それなら流暢な日本語は使えないよなぁ?で、アリスって誰だ?」
「私だ(此処にいる)」
「へぇ、アリスってのはお嬢ちゃんの事だったのか、道理で見た目も日本人とは違う訳だ」
厭良の問いに返答するアリス、すると厭良が言う。
「んで?『アリスって奴は外国語を使っていた』か?いいや、今の会話で分かっただろう?『アリスは日本語を使用している』ってな?こんなに流暢な日本語は聞いた事が無い、だから大丈夫だろ?さぁ、『言葉遊び、頓知で俺を捩じ伏せて』みやがれ」
悪い笑顔で五人に言う厭良、こんなの無茶だ!日本人にしか出来ない芸当じゃないか!だから外国人のアリスちゃんにはこの戦い、不向き!厳魁はそう思いながら厭良に問う。
「あ、厭良さん?少し質問が」
「ん?何だ、何でぇも質問してこい」
「あ、有難う御座います……では、『五人一緒の回答はダメ』ですか?」
「そうに決まっているだろ、五通りの回答だ」
「そ、そうですか……じゃ、じゃあ二つ目、『五人で一緒に考えても良い』ですか?」
「無理、一人で何もかも考えろ」
「…………」
質問をして、厳魁はごくり、と唾を飲み込む……だ、ダメだ、これじゃあアリスちゃんを助ける事が出来ない……!厳魁はそう思いながらアリスに対して、模範解答の様な物を出そうと必死に考える。
だが、そもそもとして、言葉遊び、頓知等した事が無い厳魁は頭を抱えて迄、考えてしまう、い、一体どうすれば……?他の三人も顎に手を当てたり、僕と同じ様に頭を抱えて考えているではないか!ていうかそもそもアリスちゃんは明後日の方向を見ているし!これじゃあ模範解答でさえ、出せない……!
厳魁はそう思いながらその場で座り込み、片手で頭を支える、どうするどうする?どうする!?頭の中でどんな回答をすれば良いか、文字と文字が回転したり、混ざったりする、厳魁は考えても考えても、何も思い付かなかった──そして四人が考える中、時間だけは刻一刻と進んでいく──
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