コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.79 )
日時: 2017/01/18 21:42
名前: 彩都 (ID: ???)  

祐介は家に帰って、ベッドの上で寝転んだ、まさか氷檻さんが仲間になってくれるなんて思わなかったからだ、まぁ、仲間になってくれた方がそれはそれで幸いだが、そう思いながら祐介はスマホを弄って、ニュースを確認する、そういえば最近、自分の読んでいる漫画の作者が行方不明なんだっけ?だけど漫画の原稿とネーム自体は編集部に送られてくるから、生きている、というのは確実なんだけど……祐介はそのニュースを見ながら、考える、その漫画家さんは何をしているのだろうか?まさか最新の話が読みたいが為に誘拐されたのか?そう考えると納得するが、だが流石にそれは無いだろう、だってアシスタントの方々が漫画家を探すだろう、おして警察も使用されるだろう、というか、先宮さんもこの事件の事は知っているかもしれない、そう考えて、先宮さんに連絡を入れた。
プルルルルルルと、電話のコール音がする、そしてガチャッと音と立てて、先宮の声が聞こえた。
「あっ、先宮さんですか?」
『お、どうした、祐介君?』
「えっと、実はですね、来週の土曜日空いていますか?」
『来週の土曜日?ん、あぁ、空いているが?また何か厄介事か?』
先宮さんは鋭いな、流石警察の人間だ、そう思いながら祐介は言葉を紡ぐ。
「はい、そうです、えーと、厳魁さんって言う人物が居ましてね、その人が、『『神』を作る研究』を止めさせたいんですよ、その研究で何人ものの命がなくなっている、と聞きましてね、だから春華ちゃんの時の様にその研究を止めませんか?少しでも研究に関わっている人の命を救いたいんです」
祐介がそう言うと、無言のまま考える先宮、そして答が出た様なので、祐介に言う。
『ふむ……確かにそれは止めないといけないな、よし、俺も参加しよう、そしてその研究所の人間を逮捕しなくてはな!』
先宮がそう言うと、祐介は喜んだ、良かった、本当に良かった、流石警察、少しだけ役に立つな!そう思いながら先宮に言う祐介。
「有難う御座います!先宮さんが居たら百人力ですよ!」
『おいおい……流石にそれは無いかもしれんが、悪い事をしているなら、警察の出番だしな』
「そうですよね!それでは、来週の土曜日、宜しく御願いします」
『あぁ、分かった、来週の土曜日な』
祐介はそう言って、電話を切った、これで『警察』という仲間を手に入れた、他のメンバーはどうするか、考える。
「別に使える人物はいないよねぇ……さて、どうしようか?まだまだ人数は居るんだ、誰にしようかなぁ?」
そう思いながら一人の女性の事を思い出す、あぁ、そういえば居たなぁ、思い出した思い出した、凄く強い人だ、そう思いながら祐介はその女性に電話をかける。
プルルルルルル、とコール音が鳴った後、『はい、水花です』と声が聞こえた。
「あっ、御久し振りです、祐介です、元気にしてました?」
祐介がそう言うと、『んー?まぁ、元気だよ』と答えた、それでは本題に入ろう、と考える祐介、祐介は弓華に対し、言葉を紡いだ。
「すいません、来週の土曜日って空いてます?」
『来週の土曜日?何ていう直球な質問だな、まぁ、空いているけど?』
良かった、本当に良かった、と思う祐介、祐介は本題に入る。
「えーとですねぇ、厳魁さん、という方がいましてね、『『神』を作る研究』を止めさせたいんですよ、だから弓華さんに協力して欲しいんです、この研究で何人死者が出たか自分には分からないんですが、その死者を生み出す事を俺や厳魁さんは止めたいんですよ、だから弓華さんの力を使用して、その研究を壊しませんか?」
祐介がそう言うと、弓華は悩んで、呟く。
『えっとぉ?つまり、その研究で死者が大量に出ていて、厳魁さんと君が協力して、その研究を止めたい、って事?そして私の力を使用して、研究を一緒に止めて欲しい、って事?』
「はい、そうです、とりあえず、一緒にその研究を壊しませんか?」
祐介が押していく、そして弓華はハァ、と大きな溜息を吐いて、祐介に言う。
『まぁ、いいけれどさぁ……他にメンバーは居るのか?まさか三人で行く訳じゃないよなぁ?』
「いえ、流石にそれは無いです、他にもメンバーは居ます、なので、自分のチームに勧誘しているんですよ、弓華さんを」
祐介がそう言うと、弓華は言葉を紡いで、祐介に言う。
『んー……仕方ねぇなぁ、分かったよ、手伝ってやる、もしもその中に女性が居たら、その研究者全員ぶっ飛ばしてやる!』
「本当ですか!?参加してくれて有難う御座います!」
祐介はそう言って電話を持ちながらお辞儀してしまう、電話相手にはお辞儀なんて分からないのに何故かしてしまった。
『いいよ、いいよ、どうせ土曜日は暇だったしなぁ』
「そうですか、本当に有難う御座います、弓華さんが来たら百人力ですよ!」
祐介はそう言って弓華を持ち上げる、すると弓華は少し照れた様子で言う。
『そ、そこ迄言われると恥ずかしいかも……え、えっと、集合場所は何処なんだ?後時間も』
「そこはまだ決めていないですね、厳魁さんと出会ってから時間は考えます、集合場所は俺の家ですね、ですが弓華さんは知らないでしょう、時間が決まり次第、メールで自宅近辺の地図を貼り付けますね」
『おう、そうなのか、それじゃあ、土曜日に会おう』
「えぇ」
二人はそう言って、弓華の方から電話を切った、よし、これで二人もメンバーが出来たな、と思う。
とりあえず、早く集まる時間を決定しないとな、そう思いながらスマホを充電器に刺して、寝る事にした──今日は疲れたな、相当疲れた、そう思いながら祐介は睡魔に襲われる──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.80 )
日時: 2017/01/25 21:20
名前: 彩都 (ID: ???)  

「そう言えば厳魁さんとあまり会話してなかったな、時間とかその他諸々決めないとな……」
祐介はそう言って、パソコンの前でWEB漫画を読みながら呟いた、急がないとなぁ、だって後三日で来週の土曜日になってしまうのだから──
「それにしてもこのWEB漫画、段々絵が荒くなっている感じがするけど……まぁ、本誌で外伝掲載しているし、少し絵が汚くなってしまうのも仕方無いかぁ……」
祐介はパソコンの前でそう言ってから、立ち上がって、ベッドの上のスマホを手に取り、厳魁に連絡する、そして数回のコール音の後、厳魁は電話に出る。
「やぁ、厳魁さん、もう少し話がしたくてね、集まる時間とか、何時、『『神』を作る機関』に行くとかを話したくてね?」
祐介がそう言うと、『はい、分かりました』と言って、厳魁が続けて言う。
『そうですね、時間は朝の10時頃でいいですかね?一応話し合いもしたいので』
「OK、分かったよ、他に行く時間はどうする?」
『えーと、時間は夜の方が警戒を解くと思われるので、夜の12時ですかね?』
「分かりました、こっちで少しメンバーを集めたので、メールで伝えておきます」
厳魁と電話で会話する、そして祐介がメンバーを集めた事を言うと、厳魁は驚いていた。
『えぇっ!?もうメンバーを集めたのかい!?早いねぇ、僕はまだまだで……』
「そうなんですか?まぁ、暇人ばっか集まったんじゃないですかね?」
『それは言えているかもしれないね、それじゃ、朝10時頃に集まって、夜の12時頃に到着、と言う事で』
「えぇ、分かりました、それでは、数日後、俺の家で」
『あぁ、一緒に倒そうね!』
厳魁がそう言った後、電話が切れる、よし、他の人達にメールを送らないとなぁ……そう思いながら祐介はスマホのメール作成ボタンを押す──

「ふぅ、これで良いかな?厳魁さんには電話した、先宮さん、弓華さんに集まる場所や突入時間を書いたメールをした、さて、する事が何一つ無い、どうしようかなぁ……?」
祐介はそう呟きながらベッドの上でゴロゴロ転がりながら溜息を吐く、今日はもうやる事が無いぞ?どうしようか?そう考えていると、お腹が鳴った、そういえばご飯を食べていなかったな、その事を思い出して、二階の自室から、一階のリビングに移動して、母を探す。
「んー?お母さんが居ないな……少し探してみるか」
祐介はそう呟いて、家の中を探す、お風呂場、キッチン、ベランダ、二階の母の自室、トイレ等、色々な場所を探したが、そもそも見付からなかった、流石に書き置き程度の紙でも置いていれば良いのだが……仕方無い、自分でご飯を作るか、そう思い、二階の自室に向かい、欠伸をして、スマホをズボンの腰の部分の右ポケットに入れて、一回を降りて、キッチンに向かう。
それでは冷蔵庫を確認しよう、そう思い、冷蔵庫のドアを開ける、中には生卵、油揚げしかなかった。
「…………」
あまりの食材の少なさに祐介は絶句した、えっ?野菜も無いの?マジで?ではどうやって昼ご飯を食べれば良いの?と、とりあえず、油揚げが一枚しかないから、細く切って、フライパンで水分を飛ばしてカリカリにさせよう、そう思い、フライパンを取り出して、コンロから弱火でフライパンを熱する、その間にまな板を用意し、包丁を右手に持って、油揚げ一枚を細く細く切っていく、そして小さな音がフライパンから聞こえてきた、よし、段々温まってきたな?そう思い、まな板の上の油揚げを熱したフライパンの上に入れて、日を一気に強火にする、すると『じゅわわぁぁ……』と卵を焼く様な音が聞こえる、うん、良い音だ、そう思いながら自分は菜箸を用意し、菜箸でフライパンの上の油揚げを前後へ動かす、何故油を使用せずにフライパンを使用しているかと言うと、『油揚げにはもう油が入っている』からだ、なので、油を使用せずにフライパンを使用する事が出来るのだ。
「とりあえず、油揚げの水分を飛ばすには、何分熱しようかな?」
祐介はそう呟きながら、時間を確認する、まぁ、三分もすれば完全にカリカリになるだろう、そう考えて、三分程度フライパンで油揚げを熱する。
そして三分が経った、よし、もうすぐ完成だな、そう思いながら、祐介は醤油を取り出して、熱したフライパンの上にかける、そしてカリカリに鳴った油揚げと醤油を絡ませる、更にそこにマヨネーズを少し和える、すると完成だ。
「これをご飯の上に乗せて食べると美味しいんだよなぁ……」
祐介はそう言って、マヨネーズと醤油が合わさった油揚げを皿に盛り付けた後、ご飯と一緒に食べる、油揚げが醤油を吸い込んで、カリカリで、シャリシャリで、とても最高だ、醤油だけでは塩辛くなるので、マヨネーズも絡まって、マイルドな塩加減になっている。
美味しい、とても美味しい、それが油揚げを食べた感想だ。
そして祐介は昼ご飯を食べ終わって、お皿とお茶碗をシンクに置いて、自分の部屋に戻る。
疲れたな、と思いながら祐介はベッドに寝転がりながら考える、数日後は厳魁さんの言っていた『来週の土曜日』だ、自分は何とか起きれるだろうか?祐介はそう思いながらベッドの上で寝た──数日後の土曜日の為に、体力を温存させなければならない──そう思いながら──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.81 )
日時: 2017/02/01 21:27
名前: 彩都 (ID: pD6zOaMa)  

『世界終了ハウマッチ!?』 本章 第七章 『『神』を作る機関』

数日後……祐介の家に一人の男性がインターホンを鳴らす、その人物は、強力厳魁(ごうりき げんかい)だ、雨が降っていたので、傘を差していた。
厳魁が祐介の敷地内に入ると、急に雨は上がり、雲一つ無い快晴になっていた。
そんな空に対し、厳魁は溜息を吐いた、全く、僕の能力は何でこんな意味が無い能力なんだろう?怪力系だったら、もっと皆の為に使用出来るのに……そう思いながら二回目の溜息を吐いた後、玄関から祐介が現れた。
「来ましたね……今日が、厳魁さんも」
「アハハ、確かにそうだねぇ、もう今日は土曜日だ」
二人はそう言って、祐介は厳魁を家に入れた──そして祐介は厳魁を自分の部屋に案内する、自分の部屋を開けて、祐介はベッドに座る、祐介の部屋には数人の男女が座って厳魁が来るのを待っていた。
「えっと……祐介君がこのメンバーを集めたのかい?」
「そうだよ、さぁ、話し合いをしようか?」
祐介はそう言って、大きな溜息をする、実際厳魁は『どうせ、一人二人だろう』、と考えていたが、実際に集まった人数はその倍であった、厳魁は一拍置いて、周りに自己紹介をする。
「は、初めまして、僕は強力厳魁って言います、僕が祐介君に頼みました、『『『神』を作る機関』を潰そう』って言いました、全て僕の責任です、今から話すのは『その機関』を崩壊させるお話です、だから、祐介君は悪くありません、全部僕が悪いんです、それが分かってくれる人は挙手して下さい……!」
しどろもどろになりながら厳魁は自分の言葉を言い放つ、そんな厳魁に対し、皆が皆、片手を上に上げる、その光景を見て、涙を出す厳魁、皆は味方だ、僕の味方になってくれる人物だと厳魁は判断した。
「み、皆さん、有難う御座います!もしも崩壊させる事が出来たら、出来たら……!」
厳魁は涙を出しながら、直角に腰を曲げて頭を下げる、すると一人の男性が声を厳魁に放った。
「そんな堅っ苦しい話は置いといてさぁ?早く作戦会議をしようぜ?時間が無くなるかもしれないしさぁ?おっと、名を名乗るのを忘れていたな、俺の名前は先宮彰吾(さきみや しょうご)、警察の人間だ、おっと、勘違いするな?俺は君や祐介の味方だ、別に逮捕なんかしねぇよ」
「えっ!?警察の方なんですか!?だったら百人力じゃないですか!」
先宮の名乗りに対し、厳魁はとても驚いた、すると次に幼女、もしくは少女とも言える見た目の魔女が自分の名前を名乗る。
「私の名前はアリス・マーマリア、一応魔女、大体の魔法は使える、回復や攻撃、防御もお手の物!(頑張る!)」
「は、はぁ……魔女ですか……」
アリスの名乗りに対し、少し汗を掻く厳魁、次に黒いライダースーツの女性が名乗る。
「私の名前は水花弓華(みなか ゆみか)、私は怪力な女だ、女を傷つける奴は許さん!厳魁君よ、もしもの可能性として、女性もその計画及び機関に居るんだろう?そして女性もその計画で死んでいるらしいな、もしもそうなら、私がその機関ごと潰す!女性がその計画で死んでいないと良いな!」
弓華の言葉を聞いて、少し緊張を解く厳魁。
「そう、ですよね……出来れば男性の方も死んで欲しくは無いですね……有難う御座います弓華さん!」
弓華の言葉に反応し、厳魁はとても喜んだ、そして最後にベッドに座った人物──祐介だ──が厳魁に向かって言葉を放つ。
「それじゃあ、作戦会議を始めようか、厳魁さん──時間は刻一刻と失われている、少しでも急いで、機関の人間を助けられる様、作戦会議をしよう!」
祐介がそう言うと、他の皆も強く頷く、そして厳魁は思った、祐介君は人望があるなぁ、と──

数時間後──祐介達は先宮の車を使用して、『『神』を製作する機関』へと向かっていた。
「そういえば、どういう所なんだ?『『神』を製作する機関』ってのは?『神』以外に何かしていたのか?」
急に無言状態の場を先宮が打ち砕いた、厳魁は少しの間が経ってから話し始めた。
「単純に言えば、『能力の開発及び能力の開花及び能力の研究』とかですかね?僕の能力は──笑われるかもしれませんが──『天候を雨に変える』能力なんです、最初は不思議でした、小学校の遠足も有意義に楽しめませんでしたし、運動会も雨が降って……雨男、と言われるかもしれませんけど、雨男とは少し違う様で──」
先宮はその話を聞いて、『成程』と考える、もしも此処に春華が居たら、もっと厳魁君の機関に対し、同情してくれるかもしれない、先宮はそう思いながら、静かな溜息を吐く──
そして厳魁の地図を頼りに先宮は運転する、すると急に道が開けていき、一つの大きな白を見つける、その城は保護色になっているので、遠くから見ても視認出来ない程、周りと同色になっていた、これは遠くから見ても建物がある、とは思えない、先宮はそう思いながら、車を城の出入り口の扉より、少し手前に停める、監視カメラに見付からない様に、木々の隙間を縫って、車を停めた。
「さぁ、到着したな」
「そうですね、それでは突入しましょう、時間は無いんです、急ぎましょう!」
「おー!」
厳魁の言葉を皮切りに四人は厳魁に着いて行った──この機関の中はどうなっているのか、祐介は少しドキドキしながら建物の敷地内に入った──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.82 )
日時: 2017/02/08 21:00
名前: 彩都 (ID: ???)  

「寒いですねぇ、夏だと言うのに……」
そう言って、厳魁は溜息を吐く、実際半袖で来たのは間違いかもしれない、自分の能力で外は雨になる、雨は冷たいので毎日半袖で外を出歩くが、流石に夜は少し違うらしい──そんな厳魁を弓華は呆れながら横目で見ながら呟く。
「よく半袖で行こうとしたなぁ?私は仕事以外バイクでの移動だから毎日ライダースーツだわ」
「へぇ、アンタがあの『ブラックライダー』って存在かぁ、噂には聞いている、夜中真夜中に黒いライダースーツを着用している人が女性に対しセクハラ、性犯罪をしようとしている男性に一撃を加えて、警察に連絡している、とな……まさかこんな華奢な女性だったとは──同族嫌悪でやっている、と勘違いしてたよ、実際の『ブラックライダー』は女性だったなんてなぁ……」
先宮がそう言うと弓華が顔を赤くして、そっぽを向く。
「そっ、そんな事を言われているのか私はっ!?は、恥ずかしいなぁ……私は女性で、『ブラックライダー』なんて名乗っていないのに……、まさか救った女性方がそう言っているのかもしれないな……」
「まぁ、それでも男に屈しずに一撃を入れるとか凄いよ、何れ表彰したいぜ……っと、少し聞きたいんだが、水花さんよぉ?」
独り言を言っている弓華に対し、先宮が弓華に何かを聞いてきた、弓華は不思議そうに先宮の言葉に耳を傾ける。
「何だ、警察の先宮さん?」
「『警察の』、は要らないんだけどな──署ではこんな噂があるんだよなぁ、『ブラックライダー』は女性しか救わない、つまり男性不信である、更に女性が好きなレズビアン野郎だって──」
「はぁぁ!?んな訳無いじゃないですか!流石に私は男性が好きな一般人です!……と言っても能力者だから一般人では無いかもしれないなぁ……」
先宮の署の話に対し、弓華はツッコミを入れる、流石にレズビアンでは無い、と付け加える。
「へぇ、つまり女性を助けるヒーローみたいな存在、ってか?」
「まぁ、そうなりますね、私はレズビアンでは無いです、もう一度言っておきますね?」
「わ、分かったよ……」
弓華の言葉に根負けする先宮、何度も弓華の言葉に頷く……そして祐介は背中に背負っているアリスを見る、アリスはすーすー、と寝息を立てていた、ぐっすり寝てるなぁ、と思いながら走る厳魁の後を追う、五人はまだ機関の庭を走っていた、それもその筈、まだ機関内の警備員を全員出していないからだ、警備員をを全て出してから、機関に入ろうとする魂胆だ。
だが流石にこの作戦は成功するだろうか?もうすぐ『力』も切れるぞ……と祐介は思う、何十分も走るとなると若い祐介でさえ息が切れてその場で倒れてしまう、だが何故何十分も走っているのに息が切れておらず、倒れていないのか?それは簡単だ、『アリスの魔法を使用している』からだ、アリスの魔法、『呼吸魔法』で今は息が切れていないのだ──この魔法は『何時間も息継ぎ、呼吸をせずにいる魔法』である、だがアリスはまだ幼い、なので精々三十分しか効き目が無い、そしてもうすぐその三十分が近付こうとしていた、アリスは『二十九分頃になったら起きる』と言っていた、まさかそういう目覚まし魔法もあるのだろうか?と少し考える、その魔法さえあったら学校に遅刻せずに行けただろうなぁ、と考える祐介──祐介は腕時計を確認する、もうすぐ魔法を発動して三十分だ、早く起きないと自分が倒れてしまうかもしれない、と考える祐介、するともぞもぞと背中がむず痒くなった、やっと起きたか、と思う祐介、助かった、本当助かった、もしも四人全員が倒れてしまったら元も子もない、と思ってしまった祐介だった。
「ふぁ〜あ……良く寝た、やっぱり目覚まし魔法は楽だなぁ……(快眠)」
目覚まし魔法、実在してたのかよ!と心の中でツッコむ祐介、そしてアリスは杖を取り出して、四人に魔法をかけなおす、よし、また三十分は走れそうだ。
「それじゃあまた二十九分後に……(ぐっない!)」
「あぁ、そうだね……」
祐介がそう言って眠るアリスを見続ける、何とも気持ち良さそうな寝顔だ……ていうか良く寝れるよね、走りながら上下に揺れているというのに……祐介は心の中で苦笑しながら前に向く、前には、厳魁が走っている、すると急に厳魁が声を上げる。
「皆っ!もうすぐだよ!」
『もうすぐだよ』、その言葉に反応する三人、作戦会議で『もうすぐ』と言う言葉を『警備員が全員出た、中に入ろう』と決めたのだ。
「OKェ!」
「分かった!」
「成程!」
三人が了承する、そして四人は急に道を変更して機関に向かう。
「後少し、後少しなんだ!神様……僕に力を貸してくれ!」
厳魁がそう言って建物の中に入った、更に祐介、弓華、先宮の順で建物の中に入った、そして厳魁は急いで扉を閉める。
「ハァハァ、何で息切れをしているんだろうね?魔法をかけてもらっているのにね……」
厳魁がそう言うと、祐介が言う。
「多分それは『達成感』から来る物じゃないんですかね?とりあえず、第一関門はクリアですね」
「あぁ、そうだね!……『達成感』ね……!」
厳魁は自分の右手を強く握り締めた、そして大きく深呼吸をする、そして五人は施設の中へと深く深く進んでいく──この先何が待っているか、祐介は分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.83 )
日時: 2017/02/15 21:40
名前: 彩都 (ID: clpFUwrj)  

「まずはカードキーで扉を解除して……」
そう言って、財布の中から厳塊はカードキーを取り出す、その行動を見て、先宮は『最新鋭の施設なのか』と判断する。
そしてカードキーを使用して、扉を開ける厳塊、厳塊は四人に声をかける。
「皆さん、扉が開きました、これから作戦通りに行きます、いいですか?」
厳塊がそう言うと、三人は強く頷く、だがアリスだけは頷かない。
「そうですか、それでは行きます!」
そう言って厳塊は施設の中へと侵入していく、厳塊の次に先宮、弓華、祐介、アリスが施設の中へと入っていく──
「何だか少し寒いな?夏だって言うのに……」
突然先宮が声を出す、先宮は腕まくりをしているシャツを着ていたが腕まくりを元に戻し、腕を隠す。
「寒い?まぁ、外よりは大丈夫かと思います、一応は施設なので、冷暖房完備ですし……」
先宮の言葉に対し、厳塊が答える、すると弓華が空虚に指を指す。
「何だあれ?」
そう言って祐介、厳塊、先宮が指を指した方へ顔を傾ける、そこは『第五研究室』と書かれていた、『あぁ、これは』と厳塊が言う。
「此処が『『神』を作る』場所でしたね──僕が居た時は、ですが──今は第六、第七以降何じゃないですか?」
厳塊の軽々しく言う言葉に対し、祐介は少し恐怖した、まるで『それを言うのにはもう慣れてしまった』と言いたそうな発言に聞こえたからだ。
そして厳塊が角を曲がった、他の四人も角を曲がって追いかける、すると厳塊の前に白とピンクのレオタードを着用している女性と出会った、祐介が何故立ち止まっているのかと思いながら厳塊の顔を見る、すると厳塊が恐怖の顔をしていた。
「な、何故、『貴方が生きている』んです?僕が知る限りだと貴方はとっくに……」
厳塊がそう言うと、白とピンクのレオタードを着用している女性が不思議そうに言う。
「へぇ、私はそう思われていたんだぁ?残念だなぁ、何時何処で『私が死んだ』という情報を知ったのかな?あ、自分で流布したんだっけ?」
ケラケラケラケラと笑いながら白とピンクのレオタードを着用した女性が言う、何だか面白そうな人だなぁ、と祐介は思いながら厳塊の言葉を待つ。
「い、『生きていた』?何でそんな事を?いや、何故?」
厳塊がそう言うと白とピンクのレオタードを着用した女性が腰に両手を当てながら高らかに言う。
「アッハッハッ!何でって?簡単だよ、『情報の改竄』が好きだからさ、私が生きてると『此処の施設』も大変だからさ、だって私の能力は『世界を操れる』しさ?だから此処から抜け出して、自分が死んだ、と思わせる様な文面を送りつけて、『此処の施設の人間に恐怖させる為』にさ?そして数日前に戻ってきたんだよ、この施設に……そしたらどうだ!?『此処の施設』の人間、全員驚いていたよ!いやぁ滑稽滑稽!滑稽中の滑稽!あー面白かった……んで、何で私が此処に立っているか分かるかな?」
白とピンクのレオタードを着用している女性はそう言った後、自分が立っている床を指差す、厳塊は少し厭そうに呟いた。
「僕達を……僕達を排除する為に?」
厳塊の言葉を聞いて、白とピンクのレオタードの女性は『うんうん』と頷いて復唱する。
「ふむ、『僕達を排除する為に』か──厳塊君は私の事を『此処の施設』の人間と考えて、私を厳塊君の敵にした、と──もしもだ、もしもだよ?厳塊君、仮にだ、『本当に私が君の敵ならどうする』?」
白とピンクのレオタードを着用した女性が背中から新体操に使われるリボンを取り出した、その瞬間、厳塊が『皆!目を閉じて!』と叫ぶ、祐介、先宮、弓華が目を閉じる、元々アリスは目を閉じて寝ているのでセーフだが……だが、言葉を発した厳塊だけが目を閉じるスピードが遅く、白とピンクのレオタードを着用した女性の動きを見てしまう。
「あぁっ!?」
厳塊はそう言って、急に踊り出す、目をいち早く開けた先宮が厳塊にツッコミを入れる。
「……って、君は何をしているんだ?」
「あ、あの、これは……」
厳塊が先宮にそう言うと、白とピンクのレオタードを着用した女性は高らかに宣言する。
「アッハッハッ!いやぁ、愉快愉快!やっぱり私の能力は最高で最強だわぁ!!……あぁ、何だ、他の人達には能力が使用出来なかったかぁ、まぁ、仕方ないよねぇ──私の名前は苫小牧美香(とまこまい みか)、『踊るだけで相手を踊らせる能力』の持ち主よ──さぁ、貴方達ももう一度私の能力を食らいなさい!」
白とピンクのレオタードを着用した女性──基美香はそう言って新体操に使われるリボンを使用してもう一度踊ろうとした、だが美香の前に弓華が現れ、美香の顔面を能力を使用して、ぶん殴る。
「私、女性を襲う男性はとっても嫌い、だけどその逆もある、『男を虐める女』もとっても嫌いなんだよねぇ……!そして厳塊君は祐介君の仲間なんだ、今此処に出来たよ……『仲間を傷つける輩も嫌い』ってねぇ!」
弓華はそう言って、自分の拳を自分の片手の手の平に当てた、そして厳塊が踊りから解放され、その場に倒れる。
「はぁはぁ、助かった……美香さんの能力は気を失うと能力の効果が切れる、つまり弓華さんの攻撃で気を失ったんだと思います……有難う御座います、弓華さん」
厳塊が弓華に感謝する、だが弓華は厳塊に対し、手を振って返答する。
「いやいやいやいや!これは私の考えだけで動いただけであって、感謝される様な事はしてないよ!」
弓華はそう言った後、吹っ飛んだ美香を探し、新体操で使われるリボンを使用して、美香の腕を拘束し、柱に巻き付けて身動きが取れない様にした。
そして五人は縛った美香を見て、前に進む、厳塊達は目的地に着く事が出来るだろうか?それはまだ知らない──


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