コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.314 )
日時: 2018/10/21 23:37
名前: 彩都 (ID: ???)  

「……はぁ」
祐介はその場で溜息を吐いて、春華、アリスを見る。
「もう、帰りなさい?幾ら中学生、小学生だからって、もうすぐ夕方、いや、夜の七時になる、暗くなる前に帰りな?」
祐介はふと、外を見て、発言する、そんな祐介に対し、『はい……』と、返答する春華。
「それじゃあ、帰ろうか?」
「えぇー?やだぁ!だって、まだ私は祐介お兄ちゃんを治していない!(だから厭だ!)」
「えっ?治す?」
アリスの発言を聞いて、不思議がる春華、そしてアリスは祐介の腹部を指差して宣言する。
「まだお兄ちゃんのお腹の傷を『魔法』で治していない!治さないと帰れない!(だから……!)」
そう言うアリスだが、祐介はアリスの頭を撫でて、『今日はもう帰った方が良い』と、言う。
「で、でも……!前は治せたじゃん!」
「あれは今の時間になる迄、『時間があった』だけだ、今は違うだろ?後、今日、学校から出された宿題もあるだろ?それもしないといけない、だから、今日はもう帰りなさい?」
「厭だ!『魔法陣』を書いたらすぐじゃん!だから治させてよ!(御願いぃ!)」
「ダメだ、『魔法陣』を書くにしても、時間が掛かる、今日じゃなくても良いさ、明日でも良いだろ?」
「で、でも……!(お兄ちゃん……!)」
「俺は大丈夫だよ、今日消える訳でも今日死ぬ訳でもないんだしさぁ?なっ?良い子にしないとサンタさんは来ないぞぉ?」
祐介はそう言って、アリスを諭そうとするが、アリスは『サンタ?サンタは私の親戚に居るよ?(マジマジ)』と、とんでも発言を行う。
「えっ……?マジでぇ?は、春華ちゃん?その話、今迄に聞いた事、あるぅ?」
「い、いえ……一回もないですよ……!」
驚く祐介、驚く春華を見て、アリスは『あれっ?言っていなかったっけぇ?(言った気が有る)』と、呟く。
「いやいや、言っていないよ?そもそも初耳だ、初見だ、初聞きだ」
「そうよそうよ!普通サンタは父親母親っていう常套句なのにぃ!?」
祐介、春華はそう言ってアリスに驚くが、アリスは『へぇ、日本はそうなんだぁ(マジか)』と、呟く。
「えっ?じゃあ、アリスちゃんの土地と日本の土地は違うって事かぁ……」
「そう、みたいね……」
アリスの発言を受けて、祐介、春華が顎に手を当てて考える、そしてアリスが『仕方無い、じゃあ、明日来るよ(覚えてろ)』と、呟いて、先に病室を出る。
「あっ、ちょっと待って……そ、それじゃあ、祐介さん、また明日……」
先に部屋を出るアリスを追いかける為に春華は祐介に頭を下げて、病室を出る、そして病室は再度一人となった、祐介は『やっと、今日一日が終わる……』と、思いながら、背筋を伸ばし、そのまま伸ばし続けながらその場で寝転がる、あぁ、ベッドって最強だなぁ、祐介はそう思いながら、欠伸をして、寝るかぁと、思った──

「流石にもう誰も来ないよね……」
祐介はそう言って、午後八時を指す時計を見ながら呟く、普通午後八時となれば、病院の面会は終了する、なので、祐介はそんな言葉を呟いたのだ。
「……それにしても俺、本当に三日間も寝たのかなぁ……?何と言えば良いだろうか?『信じられない』って感じかなぁ……?未だに『三日間寝た』っていう感覚がしないや……」
祐介はそう呟いて、左手で自身の腹部に手を置く、此処が怪我をした場所……未だに少しだけ、ずきずき痛いや……祐介はそんな事を思いながら、その場で深呼吸をする。
「はぁ……今日は、色々な事があったなぁ、色々な人も来て、色々な人と会話して、色々な人と別れて……何で家での一人ぼっちは慣れているのに、病院での一人ぼっちは寂しいんだろうか……?」
祐介はそんな事を呟きながら、欠伸をする、嘘だろ?あんなにも寝たのにまだ寝たいというのか?何なんだこの体は?異常だぞ?まだ睡魔に襲われるとは……何か凄いなぁ、祐介はそう思いながら、その場で溜息を吐いて、横に寝転がる、幾ら仰向けで寝転がっていると言っても、流石に飽きてくる、なので、左右横になって、退屈を紛らわせようと、思って、横に寝転がったのだ。
そして祐介は横に寝転がりながら、『ゲームしたいなぁ?』と、思った、だが、此処は病院、精密機械もあるので、迂闊にスマホを起動、ゲーム機を起動する事が難しい、電波の関係で、だ。
「あー、早く退院したいなぁ!ゲームしたいし、ログインボーナスがぁぁぁ……」
祐介はベッドの上で悶えながら、ゲームしたい欲に駆られていた、早く、早くゲームがしたいよぉ!早くお腹の傷とか、諸々治らねぇかなぁ?さっさとゲームをさせてくれよ、お腹の傷君?祐介はそんな事を思いながら、お腹を左手で触るが、そもそも触った所でアリスの『魔法』とは違い、すぐに治る訳では無い、まず、そもそも祐介は『魔法使い』ではないので、すぐに怪我や病気が治る訳が無い、そして祐介はお腹を触った所為で、地味に腹部に痛みを走らせる。
「……いてぇ」
祐介はそう呟き、『何時になったら腹の傷が治るんだろう?』と、思いながら、静かに目を閉じる──早く治れ、そう思いながら、祐介は目を閉じた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.315 )
日時: 2018/10/24 23:42
名前: 彩都 (ID: ???)  

「……んんっ」
祐介は真っ暗な部屋の中でゆっくりと目覚める、まだ頭が重い、まだ寝ていたい、そんな事を思うが、その前に股間の異常を解決しなければならない。
祐介は静かに起き上がり、頭を掻いて、『はぁ、トイレ行かなきゃ』と、思い、尻で90度左に曲がって、床のスリッパに足を入れて、その場で立つ。
体が眠たいので、少しだるかった、あぁ、面倒だなぁ?夜中のトイレって、あんまり好きじゃないんだよなぁ?トイレ行く為に起きて、トイレを済ませたら、すぐに寝る訳じゃないし?何だか少し目が冴えて、寝る気力が無くなるんだよなぁ?祐介は内心そんな事を思いながら、溜息を吐いて、静かに自身の病室を出る。
「……暗いや」
祐介はそんな事を呟きながら、薄暗い明かりの中、トイレを探す、……それにしても、夜中の病院は暗いなぁ?一応病院の中には霊安室とかがあるから、幽霊とかが居る雰囲気がするんだよなぁ……あぁ、怖い、祐介はそんな事を思いながら、何とかトイレに到着する。
「さぁ、さっさと寝よう、今日は凄く眠い、とても眠い、ガチで眠い」
祐介は目を擦りながら、トイレ内に入室し、小便器に小便をして、股間の異常を拭う。
「……ふぅ、これで良いだろ」
祐介は安堵して、手を洗ってから、トイレから脱出する。
「……はぁ、何でこんな時間に起きるんだろうなぁ?」
祐介は鼻で息を漏らし、自身の病室に戻る、そして祐介は備え付けの時計を見て、『あぁ、こんな時間か』と、納得する。
時間は午前二時、朝七時に運ばれるであろう朝食迄、五時間はあった。
「……目が醒めちゃった……暇だなぁ」
祐介はそう呟いて、ベッドに座って、項垂れる、すると急に病室のドアがノックされた、まさかのノックに祐介はビクッ!と、して、『は、はい!』と、大声を出す。
「し、失礼しまーす……」
ドアを開けて、一人の少女が現れる、見た目は春華と同じ位、もしくはそれ以上か、だが、これだけは分かる、見た目、身長で祐介より下だと。
「え、えーと?君の病室は此処じゃないんだけど……?」
謎の少女に対し、祐介は正論を投げる、すると謎の少女は『そ、それは分かってます』と、反論する。
「あ、あの……お、お兄さん、ですよね?」
「えっ?あ、あぁ、君の年齢が16歳以下ならな?」
「ほ、ほっ、よかった……私、丁度16歳なんですよ、良かった、お兄さんと呼ばせてもらいますね?」
少女はそう言って、内股で自身の太股をすりすりしながら、祐介を見る、祐介は謎の少女の太股のすりすりを確認して、『まさか?』と、思って、少女に言う。
「と、トイレに行きたいの?」
「えっ!?あっ、はい……あ、あの、一緒に、一緒に着いていってくれますか?」
「ん?俺で良いのか?俺で良いなら一緒に行くけど……」
祐介がそう言うと、『あ、有難う御座います!こんな時間なので、ナースコールは迷惑だろうと思いまして……』と、謎の少女は言う。
「……まぁ、そりゃそうだよなぁ?よし、さっさとトイレに向かおうぜ?そこで突っ立っても、何も解決しないからな?」
「あ、有難う御座いますお兄さん!一生の感謝です!」
謎の少女は祐介に対し、深く深く頭を下げ、感謝する、祐介はその姿を見て、立ち上がり、少女の前に立って、『さぁ、向かおう』と、呟いて、病室を出た──

「本当に有難う御座います……!私、怖いのが苦手で……何年もこの病院に居るのに慣れなくて……」
謎の少女は祐介の腕を掴んで、震えながら発言する、へぇ、何年もいるのかぁ、それなら病院の先輩だな、祐介はそう思いながら、『あっ』と、発言する。
「そ、そういえば、名前を聞いていなかったな?俺は長谷川 祐介(はせがわ ゆうすけ)、君は?」
「わ、私ですか?私は三図 保奈美(みず ほなみ)と、申します、よ、宜しく御願いします、祐介お兄さん?」
「あぁ、宜しく保奈美ちゃん?あぁ、後、俺は呼び捨てで良いぜ?」
「そ、そうですか?でも、年齢的な事は……」
「別に気にしないぜ、年上だろうが、年下だろうが、タメで会話しているからな?保奈美ちゃんもタメでいいぜ?」
祐介が謎の少女──基、保奈美だ──にそう言うと、保奈美も『そ、それじゃあ、私も呼び捨てで良いです!』と、発言する。
「そ、そうかぁ?それじゃあ、保奈美、さっさとトイレに行こうぜ?……君の震えがこっちに伝わってるから……」
祐介がそう言うと、『あっ!澄みません!』と、言って、両手を離す、な、中々に面倒な娘だ……祐介はそう思いながら、頬を掻く──そして何とか二人はトイレに到着する、勿論数分前に祐介が小便をしたトイレである。
「そ、それでは、保奈美隊員、行って参ります!」
保奈美は祐介に敬礼をして、ロボットの様に歩いて、女子トイレに入室する、するとすぐに保奈美は女子トイレから出てきて、『ゆ、祐介さん!』と、小声で言葉を発す。
「ど、どうしたの保奈美ちゃん……?」
祐介が不思議がっていると、保奈美が『こ、怖いですぅ!』と、震えた。
「……ち、近くに居るから大丈夫だってぇ?」
「で、でも怖いです!な、なので、無理を承知で言いますが、『一緒に女子トイレに入って、扉の前で待っていて下さい』!!」
「…………」
保奈美の発言を聞いて、祐介は一瞬思考が停止した、そして祐介は顔を引き攣らせ、『は、はいぃぃぃー!?』と、小声で叫んだ──お、男が女子トイレに!?どんな拷問だよそれ!?祐介はそう思いながら、うるうると、泣きそうな目の保奈美を見る──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.316 )
日時: 2018/10/27 23:31
名前: 彩都 (ID: ???)  

「お、御願いします!御願いします!」
「い、いや無理だって!お、男が女子トイレに入るなんてさぁ!?」
祐介は懇願する保奈美に対し、否定的な意見を吐く、だが、保奈美は下がらず、祐介も食い下がらない。
「い、今なら誰も見ていませんし!個室の中に一緒に入って下さいって訳じゃないです!個室の前でいいんで!」
「よかないよかない!さ、流石に俺は男だ!そんな事……無理だよぉ……」
顔を赤らめながら、恥ずかしさを表す祐介に対し、頭を下げる保奈美。
「御願いします!もう股間が、股間がぁ!?」
「だーダメダメ!此処でもよおしてはぁ!?」
保奈美の顔を見て、焦る祐介、すると保奈美は『あっ』と、息が漏れるような声を出して、『ちょっと漏れちゃった……』と、呟いた。
「……あぁ、もう!」
祐介は溜息を吐き、股間を押さえる保奈美の腕を掴んで、女子トイレの中に進入し、空いている個室に保奈美を入れ、個室を出て、ドアの隣にある個室の仕切りに座って、凭れて、『ほら、これでいいだろ!』と、言って、溜息を吐く。
「あ、有難う御座います!」
保奈美はそう言って、ドアを押して閉め、急いで座って、用をたす、『しゃー』と、保奈美の用をたす音が聞こえ、祐介はその音を聞きながら、『やってしまった……変態確定だぁ……』と、内心自己嫌悪を行っていた。
あぁ、もう、我慢出来なかったからって、流石に怒りのまま行動してはダメだなぁ?祐介はそう思いながら、何度も何度も溜息を吐く。
あー、うん、もう変態で良いや、流石に此処でバレたらの問題だけど……祐介はそう思い、片手で頭を抱えていると、『ガチャリ』と、ドアが開き、そこから、パジャマのズボンを適当に穿いた保奈美が現れる。
「ま、間に合いました……まぁ、少し濡れましたけど」
少し顔を赤らめながら発言する保奈美に『そうか、間に合ったのなら、それでいい』と、返答する祐介、そして保奈美は手洗い場に向かい、手を洗って、『それでは、トイレを出ましょうか』と、言い、先にトイレを出る。
「……そうだね」
祐介は呆れながら保奈美に返答し、保奈美と共にトイレを出た──

「そういえば祐介さんはどうして病院なんかに居るんですか?」
トイレの帰り道、ふと、保奈美が祐介に聞いてきた、祐介は静かに腹部を指差して、『実はお腹をやらかしまして……』と、返答する。
「お腹を……?盲腸ですか?」
「あっ、いや、そうじゃなくてさぁ?あの、あれ……最近ニュース見てる?」
「えっ?ニュースですか?澄みません、私、カードを使っていないので……」
「そ、そう?それなら、一から説明するよ、数日前、俺は『安瀬パーク』っていう、遊園地に向かったんだよねぇ」
「へぇ、『安瀬パーク』ですか、私も小さい頃行きましたよ、それがどうかしたんですか?」
そう言う保奈美に祐介は言葉を続ける。
「んで、『安瀬パーク』で楽しんだ後、帰宅しようと電車に乗っていたら、バスジャックならぬトレインジャックが起きてね?俺、そのトレインジャックで、腹部撃たれて、大量出血、おまけに数日意識不明の状態、そして昨日の昼に俺、やっと目覚めたんだ」
「えぇっ……!?それって、大怪我じゃないですか!?大怪我を通り越して、致死寸前じゃないですか!?」
祐介の発言を受けて、驚く保奈美、『ま、まぁね?』と、返答する祐介、すると何時の間にか祐介の病室の前迄来ていた、祐介は『そ、それじゃあ、話はまた今度、お休み』と、言って、病室のドアに手をかける、すると保奈美は『待って!』と、言って、祐介の片手を掴む。
「も、もう少しお話を聞かせて下さい!ひ、一人で寝るのは寂しいので、もう少し人肌を感じてから……」
そう言う保奈美に対し、祐介は静かに溜息を吐いて、『……分かった、でも、少しだけだぞ?』と、言って、祐介は保奈美を自身の病室へと、迎え入れる。
「あ、有難う御座います……」
保奈美は祐介に頭を下げ、祐介の病室に入室する、すると保奈美は『えっ!?』と、驚く。
「あ、あの……祐介さん?こ、この部屋って……」
驚く保奈美に対し、祐介が『どうしたの?』と、首を傾げ、ドアを閉める、そんな祐介の発言を他所に保奈美は『え、えっと、あの……』と、戸惑いながら発言する。
「こ、この部屋って……『一人部屋』じゃないですか……!おまけに一人部屋は『有料の病室』なんですよ……?わ、私は『四人部屋』、無料の部屋なのに……」
「へぇ、そうなんだ、初めて病院で入院したから知らなかった」
祐介がそう言うと、保奈美は『も、もしかして祐介さん、お、お金持ちなんですか……?』と、呟いて、驚いていた。
「んな訳ないだろ?良くある一般家庭だ……まぁ、父親があまり帰ってこないのが一般家庭ならざる所なんだろうけれどさぁ?」
祐介はそう言って、歩いて、ベッドに座り、『さて、何を話そうかなぁ?』と、静かに発言する。
そんな祐介に対し、『祐介さん、一体何者……?』と、保奈美は思った──そして祐介は保奈美に話す話題を静かに考えていた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.317 )
日時: 2018/10/28 23:35
名前: 彩都 (ID: ???)  

「ねぇ、保奈美ちゃんはどんな話が聞きたい?」
祐介はそう言って、首を傾げる、すると保奈美は静かに『そ、それじゃあ、祐介さん、お腹の傷を、見せてもらえますか?』と、発言する。
「……お腹の傷を?いいの?グロいけど?」
「それでもいいです」
保奈美はそう言って、静かに頷く、……肝が据わっているのかなぁ?祐介はそう思いながら『分かった』と、発言し、ボタンを外し、ガーゼ、包帯も外し、自身の腹部を保奈美に見せる。
保奈美の目に映ったのは、『ただ、銃で撃たれた』という事が分かる傷跡だった、だが、別段痛々しいとは思えないレベルの怪我である。
「……今も、痛いんですか?」
そう言う保奈美に対し、祐介は『あぁ』と、返答する、そして静かにガーゼ、包帯を戻し、ボタンをつける。
「これが俺の腹部だったんだ、いやぁ撃たれた後すぐに気絶して、あの時の記憶は未だ混濁状態なんだよなぁ?もしもタイムマシンがあれば、物の見事に見ているんだけどなぁ?」
まぁ、この事を未来の自分に言えば、どんな事を言われるだろうか?『馬鹿野郎!?そんなんでタイムマシンを使うなぁ!』とか、言われるかなぁ?祐介はそう思いながら、『さて、他に何かある?』と、言う、保奈美は静かに『そうですね……』と、呟いて、顎に手を当てる、すると逆に祐介が『逆に聞くけど、保奈美ちゃんはどうして病院に居るんだ?』と、問うた、『あっ、私言ってなかったか』と、思い出し、『実は……』と、話し始める。
「私、『とある病気』で、ずっと、病院に居るんですよねぇ?かれこれ、小学六年、軽く四年はいるんですよね」
「へぇ、俺より大変そうだなぁ?で、どんな病気なんだ?差し支えなければ教えて欲しい」
祐介が保奈美の話を聞いて、『病気』の所に興味を持つ、すると保奈美は『あぁ、それはですね……』と、話し始める。
「実は私、『白血病』なんですよね、だから、髪の毛も、ほら?」
そう言って、保奈美は前髪を持ち上げる、すると『前髪はほぼなかった』、その姿を見て、『白血病かぁ』と、思う祐介。
「抗がん剤を使うから、毛が抜けるんですよねぇ……治る可能性も低いですし……」
「成程な、保奈美ちゃんも大変なんだな?」
「そうですね、でも、祐介さんも大変じゃないですか?拳銃で撃たれただけで数日寝込むとか?私は寝込むレベルでは無いので、私より大変だと思いますよ?」
そう言う保奈美に対し、祐介は『そうかなぁ?』と、思う、そして祐介は保奈美に対して、『さぁ、これからどうする?まだ話をするか?』と、言う、すると保奈美は『まだ話をして下さい!』と、目を輝かせる。
「祐介さんはどんな話を持っていますか!?人生で一番危険な目にあった話とかでも良いですよ!」
「えっ?人生で一番危険な目にあった話?……えーと、『『神』を作る機関』かなぁ?い、いや、でも、『施設』の所も有り得るよな……うーん、結構色々あるけど……?どうする?」
祐介が首を傾げ、保奈美に問うと、『『『神』を作る機関』って、何ですか……?』と、問われ、『あ、あぁ、それはね……』と、解説する事にした。
「最近起きた話なんだけどさぁ?とある施設の所長が一人の人間を改造して、『神』にさせようとした計画の一つなんだよね?その計画を止めようと、奮闘したって話、いやぁ?何とか、所長室に向かったら、まさかの『神』が目覚めて、俺を苦しめたって話なんだよ」
「え、えっと……話を最初から教えてくれませんか……?」
困惑する保奈美に対し、祐介は『あ、あぁ』と、返答し、その時を思い出す。
「え、えーと、あの時は……A君って子が居て、俺に『『『神』を作る機関』を潰すので、力を貸して下さい!』って、言われたのが最初、そして数人のメンバー、A君含めて、『施設』に突入して、何人かの守護者を倒し、何とか所長室に向かったんだよねぇ、んで、到着したら、とある人物、Zとしておこうか?そのZって人が所長に改造され、『神』と、なっていたんだよねぇ?そしてZが暴走したから、数人のメンバーと、俺で、『神』になったZと戦ったんだよねぇ?そして何とか、俺達が勝利し、Zは何とか自我を取り戻し、『神』の力を制御して、施設を解体し、今に至る……」
祐介がそう言うと、『あ、あの……『神』の力って、何なんですか?』と、問われる。
「え、えーと、保奈美ちゃんは信じないかもしれないけれど、この世界には少ないんだけど、『能力者』っていう、漫画やアニメみたいな力を持つ存在が居てね?その『能力』の延長線上に『神』という最終地点の『能力』があって、その『能力』を植えつけられた人、Zさんが居るんだよね、んで、『能力』を強制的に植えつけられたから、暴走したんだけど、俺やA君の力を合わせ、何とか、『神』の能力を持つZさんを倒したんだ、んで、Zさんは何とか自身の『能力』を使用し、復活したんだけど、『暴走している』事に気がついたZさんは何とか、自我を取り戻そうと、数分努力して、何とか、『神』の『能力』を操れるようになったんだよね、こうして、何とか『神』の『能力』を操れるようになったZさんは『施設』を解体し、『神』の『能力』を隠しながら、今も生きている……」
「へぇ……」
保奈美は祐介の説明を受けて、『何だか嘘臭い話だなぁ』と、思いながら、『何故か聞き入っている自分』に気がつく保奈美、そして、祐介は『これで『『神』を作る機関』の話は終了だよ、何か、聞きたい事は有る?』と、首を傾げる──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.318 )
日時: 2018/10/31 23:40
名前: 彩都 (ID: De6Mh.A2)  

「え、えと、そうですね……『神』の力って、結局どんな能力だったんですか?」
保奈美が少しの間考えて、祐介に話した、すると祐介は淡々と保奈美に説明した。
「んー?あぁ、『神』の力?それは簡単だよ、『能力を全て扱う』能力だ、言わば『完全無欠な能力』、といえば良いかな?」
「完全無欠……」
祐介の発言を受けて、保奈美は少し驚く、まさかこの世にそんな能力があるとは……そんな事を思いながら保奈美は静かに頷く。
「な、成程……じゃあ、どんな能力を受けたんですか?」
「えっ?そうだなぁ……本当、色々な能力だよ、数えるのでさえ大変なレベルでね……」
祐介はそう言って、静かに息を漏らす、もう、あんな戦いは思い出したくも無い、そもそも一方的にやられるだけの話なんて、誰も聞きたくもないし、話したくも無いだろう、そんな事を思っていると、保奈美は『それじゃあ、他の話を教えて下さい?』と、言われる。
「……他の話、か……ってか、俺はそんなに話を持っている訳では無いぞ?夜にライダースーツの女性に襲われたり、国民的アイドルの護衛をしたり、二人の少女を守ったり、外国へ向かおうとしたり、そんなたったちっぽけな話しか思い付かないぜ?」
祐介がそんな事を言うと、『何か凄い話ですね!?』と、保奈美が驚く。
「そ、そもそもライダースーツの女性に襲われるとか、どんな意味不明な事象なんですか!?い、いや、他にも、国民的アイドルの護衛とか、二人の少女を守ったりとか、どんな凄い話なんですかぁ!?普通で言うなら、それは『凄い話』のカテゴリ、枠組みに入りますよぉ!?」
保奈美はそう言って驚愕する、そ、そうかなぁ?『『神』を作る機関』の話が強過ぎて、そんな考え、持つ事さえ出来なかったなぁ?祐介はそう思いながら、頭を掻く。
「そうかなぁ?」
「そうですよそうですよ!凄い話ですって!」
「そう、かぁ……」
祐介は保奈美の発言を聞いて、静かに納得する、すると保奈美は『それでそれで!?他の話はあります!?あっ、そういえば『施設』の話って何ですか!?』と、問う。
「えっと……『施設』かぁ……これも能力者絡みの話なんだよなぁ……」
祐介がそう呟いて、顔を顰(しか)める、あまり思い出したくも無い話だが、まぁ、いい。
「まぁ、大まかに言えば、『二人の少女を守る、いや、救う為に施設内を走り回った』って話かな?」
祐介はそう言って、静かに首を傾げながら、話をし始める。
「えーとねぇ、まず、Aっていう女の子が問題なの、このAっていう女の子がとある事を呟いたから、Cっていう男性が反応し、その施設に向かう事になったの」
「ほうほう」
「それで、俺等数人でその施設に突入、多少色々な事があったけど省くね?そして所長室だったかな?其処に突入した俺等は所長と選ばれし精鋭と戦ったんだよね、その精鋭も能力者で……地味に大変だった、そして精鋭を全て倒し、自分達は所長と戦ったんだよねぇ、でもさ?『その所長は未だに勝てない』んだよねぇ」
祐介がそう言うと、『は、はぁ?』と、首を傾げ、呆れる保奈美、そして保奈美は『えーと、今も戦っているんですか?』と、首を傾げる。
「ち、違う違う……正確に言えば『今も生きている』って言った方が良いかな?所長の能力、それは『死なない能力』、『心を読む能力』、その二つなんだ」
「……えっ!?ちょちょちょ、ちょっと待って下さい?能力って二つ保持とか可能なんですかぁ!?」
祐介の話を聞いて驚く保奈美、すると祐介は『少し違うかな?』と、首を傾げた。
「ちょっと省いていたんだけど、その所長の所に行く前に一人の少女を救ったんだよね、その子の能力は『能力を開花させる能力』なんだ、所長はその子の能力を使用し、『後天性の能力を開花させた』って事なんだ、だから能力は二つあるって事、分かった?」
「わ、分かりましたけど……その前に能力を二つ持つとか、強くないですかぁ?」
「そ、そうかなぁ?でも、『人間一人につき能力は一つ』なんだよ、これを考えてみてよ?『どうして人間一人につき能力が一つ』なのかを?」
祐介はそう言って、口の端を歪ませる、すると保奈美は『え、えーと……悪用されないように神様が一つに設定した?』と、首を傾げる、そんな保奈美に対し、祐介は首を横に振って、説明した。
「違うよ、これは『『神』を作る機関』で知ったんだけど、『人間の能力が一つ』なのは、理由がある、それは『能力一つでも肉体に負担をかけるのに、一つの肉体に二つも能力があればどうなる?』って事、つまり『二つも能力を使用すれば、負担が二倍になって、寿命に関わる』って事なんだよね?さて、もっと踏み込めば、『二つの能力を持つ能力者は』──」
祐介が発言しようとすると、『ま、待って下さい!』と、保奈美が止める。
「わ、分かりました、分かりましたから、それ以上は……」
「……それもそうだね?少し言い過ぎたかもしれない」
汗を流す保奈美を見て、『圧迫させ過ぎたか?』と、思う祐介。
そして祐介は『どんな話をしようかなぁ?』と、思いながら、時計を確認した──時間は深夜の二時半を指そうとしていた──


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