コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.209 )
日時: 2018/02/14 23:41
名前: 彩都 (ID: ???)  

そして自分は呑気に服を見ながら鈴鹿さんを待つ、そして鈴鹿は自分に近づいて、服を見せる。
「ねぇねぇ、私に似合う服、どっち?」
「…………」
遂に来てしまったか、世の男性が悩むという、『アレ』が!自分はそう思いながら、冷や汗を流しながら回答する。
「そうだな……個人的に右を指そうかな?」
「そう?奇抜なセンスね、祐介君は」
「…………」
何だよ、答えてあげただけまだマシだろうが、自分はそう思いながら内心イライラとする。
そして祐介は『裏表(リバーシ)』を出て、外に置いてあるパンフレットを確認する、ふむ、色々なお店があるんだな……と判断し、どうしよう?もう帰りたい、と考える。
すると鈴鹿がお店から出てきて、『次は何処に向かおうかしら?』と発言する。
「え、えーと、鈴鹿さん?まだお店、周るんですか?」
「そりゃそうじゃない、初めてのショッピングモール、もっと楽しみましょう?」
優しい表情で言う鈴鹿に対し、自分は『まぁ、初めてだし、仕方無いか』と判断する。
そして鈴鹿が続けて言う。
「それでねそれでね!次はこのお店に行きたいんだぁ!」
「あぁっ?何処ですか?」
「えーとねぇ、此処!」
祐介の言葉に鈴鹿はパンフレットを指差して言う。
「お店の名前は『カジュアル アルジュナ』ってお店!」
「あ、アルジュナ?アルジュナってあのアルジュナ?」
祐介は鈴鹿にそう聞き返して首を傾げる、鈴鹿は『うん、そうだよ』と返答する。
やっぱり『あの』アルジュナかぁ……祐介はそう思いながら、少しワクワクする。
『カジュアル アルジュナ』とは超高級なお店の名前である、指輪、宝石類、ネックレス等、女性がつけるような物から、スーツ、ベルト等、男性の身嗜みを整える物も売っている、だが、そう言う物は全て十万円以上の物であったりするから、基本的に金持ち専用のお店だったりする、だがそんなお店がこんな近くにあったのか……それはしらなんだ、祐介はそう思いながら、『カジュアル アルジュナ』へと共に向かう──

そして『カジュアル アルジュナ』に到着する、店内は真っ白な店内で、白の光が美しかった。
「ふわぁ……凄い綺麗だぁ」
「そ、そうだね……」
祐介はそう言って、鈴鹿に返答する、まさかこんなにも美しいとは思わなかった、祐介はそう思いながら、先に入店する。
「いらっしゃいませ」
と、店員の常套句を聞いて、鈴鹿も入店する、そして祐介はベルトの方へと向かう、ベルトのバックルに宝石があしらわれており、その宝石はダイヤだった、うわぁ……これ絶対高いよぉ……って、十五万円!?どれだけ高いんだよ!?祐介はベルトの値段を見て驚愕する、そして隣のスーツ売り場に向かい、スーツを確認する。
スーツは生地がキラキラ輝いており、キラキラ光っているのはダイヤを粉末状にして、生地に編みこんでいる、といういかにもお金持ちが考えそうな発想だった。
ネクタイもスーツと同じで生地にダイヤモンドの粉砕を編みこんでおり、着るだけで完全にキラキラしている雰囲気を感じる。
「お、おぉっ……!」
祐介が驚いていると、鈴鹿は祐介の背後から抱き締めてきた。
「うりゃっ!」
「うわぁっ!?お、驚いたぁ……なぁにするんだよ、鈴鹿さん……?」
祐介がそう言うと、ニヤニヤ笑って鈴鹿が言う。
「いやぁ、いかにも堅苦しそうな場所だしさ?だから少しはっちゃけようと思って……」
「いや、流石にこの店内でするのはダメかと……」
祐介がそう言うと、鈴鹿は上目遣いで祐介に言う。
「ダメかにゃぁ?御主人様?」
「良いと思います」
まさかのメイドモードに祐介は少し惚れてしまい、了承してしまう、そしてハッと我に帰ってしまうと、もう遅かった。
「お、俺は一体何を……!?」
祐介はそう言って、両手を見つめる、いや、自分がした事は分かっている、だから凄く……情け無いな。
祐介はそう思い、鈴鹿に言う。
「そ、それじゃあ、俺は店外で待ってますね?」
「えぇっ?もう見ないのぉ?」
「えぇ、見ません、だってもう見る物は無いので……」
祐介はそう言って、店内から出ようとする、すると鈴鹿は祐介の腕を掴んで発言する。
「じゃあ、私も出る、だって祐介君が居ないと寂しいし……」
「そ、そうですか……それじゃあ、一緒に出ましょう」
祐介はそう言って、鈴鹿と共に『カジュアル アルジュナ』を出る、さぁ、今度は何処へ向かうのか?自分はそう思いながら、パンフレットを見つめる鈴鹿を確認する──

「よし、次は此処に向かおう!」
鈴鹿はそう言って、パンフレットに指を指す、はぁ、一体何処に行きたいんだぁ?そう思っていると、鈴鹿が指を指している場所は『メルト』というお店だった、よくよく見てみると、『占い処』と書いてある、あぁ、あるあるだな、女子によくある事、『占いが好き』って奴、まさか鈴鹿さんも占いが好きなのかなぁ?と思いながら、『えぇ、良いですよ』と返答する、そして祐介と鈴鹿は二階の『占い処 メルト』に向かう──ってか、普通カタカナの名前の占い屋は珍しいよね?ってか、占いって綺羅星瑠璃御子さんの方が当たりやすいけど──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.210 )
日時: 2018/02/17 22:37
名前: 彩都 (ID: ???)  

そして祐介と鈴鹿は『占い処 メルト』に到着して、祐介が言う。
「それで?鈴鹿さんは一体何を占ってもらうんです?」
祐介がそう言うと、鈴鹿は顎に人差し指を乗せて考える。
「うーん、どうしようかなぁ……?」
鈴鹿がそう考えて、『あっ』と発言して、祐介に言う。
「あれだよ!『健康運』とか、『金運』とか!」
「成程……って、金運は流石に今の状況でどうでしょうか……?『研究施設』の件もあるんでしょ?だから今は最悪なんじゃぁ……?」
祐介が鈴鹿の言葉に返答すると、鈴鹿は祐介の前で指を指して叫ぶ。
「さぁ!それはどうでしょう!?それは結構前の話、もう一ヶ月以上、二ヶ月以上経っている話!だから少しでも金運は回復しているかもしれません!」
「た、確かにそれは有り得るかもしれないが……まぁ、此処で返答しても無駄か」
祐介は頭を垂れて、『占い処 メルト』へ入店する、そして『いらっしゃいませ、何名様ですか?』と言われたので、『二名です』と返答、そして祐介と鈴鹿は奥へと案内され、個室のような小さい所に進入する、そして祐介達の目の前に一人の若い女性が現れる。
「初めまして、私の名前は『宝場 ねねね(たからば ──)』と、申します、さて、それでは、二人の恋愛運でも占いましょうか?」
一人の若い女性がそう言うと、鈴鹿は顔を赤らめて、反論する。
「い、いえ!彼はただの友人ですので!」
「アッハッハッハッ、知っていますよ、だって『視えて』いますので」
「『視えて』……?ねねねさん、アンタは一体何を『視えて』いるんですか?」
祐介がそう言うと、一人の若い女性──宝場ねねねだ──が返答する。
「そう、ですねぇ……大まかに言えば『人のオーラ』とか、『体から滲み出る雰囲気』を感じ取っています、私、実は生まれ付き嗅覚と視覚が特殊でね?だから匂いと視覚で判断しているんです」
「へぇ……でも、どうしてそんなお巫山戯を」
「そりゃ人をからかうのが面白いからですよ?さぁ、話はこれ位にして、お二人は何を私に調べてもらうんです?」
ねねねはそう言って、椅子に座って、水晶をスカートの中から取り出す、だ、大丈夫か、この女性……?祐介は半信半疑で話を聞く事にした。
「え、えと、私、冠 鈴鹿(かんむり すずか)と申します!じ、実は『金運』と『健康運』を占って頂きたくって……!」
「へぇ、健康運と金運を、ねぇ……さぁ、それでは調べますね……」
水晶の上で妖艶な手の動きをするねねね、そして『フフフ……』と笑う、一体何が可笑しいのか?そう思っていると、ねねねが鈴鹿に言う。
「えー、先に健康運を言うよ?健康運、10点満点中8点だね、軽く三十年間位ガンや手術みたいな事は起きない、だけれど風邪や熱等の病気はするかもしれないね、少し不運かも?」
「な、成程……今度から手洗いうがいを行います!」
「そうだね、その方が良いと思うよ、それでは次、金運だね?金運はねぇ、『最悪』だよ、10点満点中0点だ、いや、『−10点』だね、最悪を通り越して恐怖だよ、アンタの金運、何処で捨ててきたんだい?」
ねねねにとんでもない事を言われる鈴鹿にねねねは続けて言う。
「一つだけ言うけど、アンタ、結婚相手が相当の金持ちでないとその運は変える事が出来ない、そうだなぁ、軽く月一億以上稼ぐ相手と結婚した方が良いね……と言っても、そんな金持ち、存在するか分からないけれど」
「そ、そうなんですか……」
完全に魂が抜けている鈴鹿、うわぁ、毒舌みたいな感じだな……と思っていると、矛先は祐介に向かう。
「それで?アンタは何を私に願う?」
「そうですね……一つだけ、無理な質問、言っても良いですか?」
「んぁ?一体君は何を願うって言うんだ──」
ねねねがそう言うと、祐介はねねねの言葉を切って、発言する。
「この、『地球の運命』が知りたいです」
「……どういう事だい?」
「いえ、前から気になっていましてね……俺、予知夢が見えるんです、時期未定の……それでこの日本に隕石が降ってくるんですよね、夢の中で……だから、『地球に隕石が降る』のは何時だろうってね?それを調べる事は出来ますか?」
そう言う祐介に対し、ねねねは『ただならぬ雰囲気』を祐介から感じ、『あ、あぁ、一回試してみるよ……』と発言し、水晶の上で手を妖艶な動きをする。
「…………これは」
ねねねはそう言って、その場でごくり、と唾を飲み込んで祐介に言う。
「この『地球の運命』……『約半年後に隕石がこの街の近くに落ちる』ね」
「…………分かりました」
祐介はそう言って、頭を垂れる、この世界線でも無理だったのか……本当、悲しいなぁ、すまないな、未来の俺、俺でもこの世界を救う事は出来なかったよ……祐介はそう思いながら、鈴鹿に言う。
「それじゃあ、お金を払って、この場所から出よっか」
「うん……」
鈴鹿はそう言って、立ち上がり、ねねねにお金を払って、先に出る、そして祐介が財布からお金を出そうとすると、ねねねが祐介に言う。
「……でも、『隕石を回避したい』という気持ちがあれば、『隕石は回避出来る可能性もある』わよ、何もかも、諦めちゃいけないわ」
「……そうですか、分かりました、少し元気が出ました、有難う御座います」
祐介はそう言って、お金を払ってねねねの前から立ち去る──そして『占い処 メルト』を出て、鈴鹿と合流する──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.211 )
日時: 2018/02/18 21:46
名前: 彩都 (ID: ???)  

「……祐介君」
「……いえ、大丈夫です、まだ希望は残っています、とりあえず一週間後、外国に行きますので、其処に『能力者』が居る、との事、その『能力者』に協力を願いましょう」
「へ、へぇ……遂に外国に迄向かうのか……大変だね、祐介君は……」
鈴鹿がそう言うと、祐介は鈴鹿の頭に手を置いて、呟く。
「大丈夫ですよ?俺の命で世界が救われるのなら、どうぞ、と言って、命を投げ出しますしね?それが俺です」
「……そう、大変なのはお互い様になるかもね?」
鈴鹿はそう言って、頬を少し赤くさせ、祐介に言う。
「それじゃあ、お金もないし、今日は有難うね、ステーキ奢ってくれたりして」
「いえいえ、良いんですよ、たまには」
「こ、今度メイド喫茶で御礼するから!」
「はいはい、分かりましたよ……」
祐介はその場で少し笑い、鈴鹿に言う。
「それじゃあ、此処でお別れですか?」
「えっ?う、うん……家に帰って料理とか作らないといけないからね……」
「そうですか……それじゃあ、ショッピングモールを一緒に出ましょう?」
「そ、そうだね……流石に一人ぼっちは寂しいしね……」
鈴鹿はそう言って、祐介の右手を掴んで、恋人繋ぎをする、そして二人は一緒にショッピングモールを出る迄一緒に手を繋ぎ、一緒に歩いた──

「はい、到着っと」
鈴鹿はそう言って、ショッピングモールの出入り口の所で祐介と手を離す、そして鈴鹿は祐介にお辞儀する。
「今日は色々と付き合わせてゴメンね?」
「いえ、いいですよ、どうせ俺も暇でしたし……」
「そうなの?それじゃあ、今度も遊びましょう?そうだなぁ、何時が良いー?」
「て、展開が早いですね……と言っても、今週は外国に行く為に英語の勉強をしないといけないと思いますので、来月以降になるかもしれません」
「えっ?そうなの……?ふむぅ、それは仕方無いね……それじゃあ、また今度、会いましょう?」
「えぇ、そうですね」
鈴鹿はそう言って、歩きながら自分に振り向いて、手を振る、そして祐介も鈴鹿に聞こえる様に返答し、手を振った。
……さぁ、さっさと家に帰って、寝転びたいなぁ、祐介はそう思いながら、手を振り終わった後、溜息を吐いて、のんびり歩いて、自宅へと向かう──

そして祐介が自宅の方へ向かって歩いていると、学校の鞄を持った、制服姿の厳魁と弟の優と出会った。
「あっ、祐介さんじゃないですか!御久し振りです!厳魁兄さんの弟の優(やさし)です!いやぁ、お久し振りだなぁ」
低い声で言う優に対し、祐介は『うん、お久し振りだね、優君』と言う、そして厳魁も『数日振りですね』と発言する。
「あぁ、そうだね、それで?学校は楽しいかい?」
「えぇ、楽しいですね、やっぱり『施設』を壊したから、肩の荷や、心の濁りが完全に拭えました、あの時は本当に有難う御座います」
厳魁はそう言って、祐介に頭を下げる、『おいおい!』と祐介は言って、厳魁の顔を上げる。
「あの時は君の助けがあったから、助ける事が出来た、君がずっと心に秘めていたら、俺達は助ける事が出来なかった、たったそれだけの事だろう?君はその思いを俺に告げる事が出来たから、『施設』を壊す事が出来たんだよ……!君は誇りを持っていいんだぜ!俺に頭を下げるなって!弟が居るだろ!弟の前なんだから、見栄位張れっての!」
祐介はそう言って、厳魁の背中を叩いて、背筋を伸ばさせる、そして厳魁が祐介に言う。
「は、はい!それでですね、実は僕、『施設』でのあの戦いがあった後、とある人に告白しましてね……!」
「ほうほうそれで?あぁ、告白失敗したんだぁ」
自分がそう言うと、厳魁はツッコミを入れる。
「まだ言っていませんよ!?いえいえ!実は成功したんですよ!そして初めての彼女に言われた事があるんです、それは『厳魁君って前より顔色が良くなって、元気になったよね』って……矢張り『施設』を壊す迄自分の中で『施設』の事で頭が一杯だったんですかね……?」
そう言う厳魁に対し、『嬉しいのか、重い話なのか』と思う祐介、そして一応順々に言っていくか、と考える。
「成功ねぇ、俺より早いな、まだ俺は彼女が出来た事がないしなぁ……でも、頭が一杯だったのかもしれないな、俺だったらそう考えるな……」
「そうですか……有難う御座います、祐介さん……そしてその『施設』の話なんですが……」
厳魁が目を逸らして、そう言うと、優が口を出す。
「実は夜中勝手に家を出ていたって事に自分が気付いて……」
「あぁ……確か『弟にも秘密で』って話だったもんね……」
祐介は優の発言に頬を掻きながら、呆れた表情をする。
「全く……俺だって居るんだから、兄さんは俺に力を借りてよ!兄さんがもしも『施設』で死んだら……と思うと、一人ぼっちで悲しくなってしまう……!」
そう言う優の発言を聞いて、『確かにそうだよな』と思う。
「まぁ、厳魁君にも非はある訳だ、かと言って、俺達『施設』メンバーも非はあるんだよなぁ」
祐介がそう言うと、優が『いいえ!』と叫ぶ。
「祐介さん達に非は無いです!非があるのは兄の方で……!」
「……でも、その『非』ってのももう時効じゃないか?だって、『施設』の戦いはもう終わったんだしさぁ?」
そう言う祐介の発言に優は『ま、まぁ、確かに……』と発言する。
「だからお互い、水に流そうぜ?」
「は、はぁ……まぁ、終わった事ですしね、過去に何時迄も縛られたくないですしね……」
「だろう?」
祐介はそう言って笑顔になる、そして厳魁が言う。
「それじゃあ、僕達は帰宅中なので、また出会える事を願って、さようならです」
「それでは、さようなら」
厳魁、優がそう言って、祐介に手を振る、祐介も『あぁ、さよなら』と言って、二人に手を振る──そして、厳魁、優が見えなくなった後、祐介は振り向いて、深呼吸をして、自宅へと向かう──『施設』の時は色々とあったなぁ、と思い出しながら──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.212 )
日時: 2018/02/21 21:41
名前: 彩都 (ID: ???)  

祐介は厳魁、優と別れて、のんびりと帰路に着いていた、そして目の前に母が歩いているのを発見する。
「あっ、母さん」
「ん?何だ、祐介か、ねぇ、これ持って?『この体』じゃ重いのよね」
「えぇっ……もう、仕方無いなぁ」
祐介はそう言って、母が持つ両手の荷物を手に取った、そして母が服の中から鍵を取り出して、『これで家の鍵を簡単に開けられる』と発言する。
「……母さん?」
「ん?何だわさ?」
「その、鍵って、何処に収納しているの?」
「ん?あぁ、首にかけてあるの、紐をつけて」
「あぁ、成程……」
てっきり谷間に挟んでいる、と考えてしまった、まぁ、ロリ体型なので、そんな鍵を挟む谷間さえないが、そんな事を考えていると、母が言う。
「それで?今日はどうだった?楽しかった?」
「……どうだろう?心の底から楽しんだけど、何か物足りないって感じがするね……」
「そう?それじゃあ、一個買うの忘れたのもあるし、一緒に買い物に行く?何か一つは買ってあげるわよ?」
「い、いや、要らないよ、そんな小学生じゃないんだから、さ?」
「まぁ、それはそうよね……でも、買い物はついて……?」
「はいはい、ついていけばいいんでしょう?どうせ母さんの事だ、本当は二つ以上購入する気でしょ?」
「おぉっ、よく分かったねぇ、流石私の息子だ」
「何年貴方の息子をしているのか……?」
祐介はそう言って、頭を垂れる、そして数分歩いて自宅に到着する、母がドアの鍵穴に鍵を差し込んで開錠させ、ドアを開ける、祐介は玄関に荷物を置いて、母が靴を脱いで、二つの荷物を持って冷蔵庫へと向かう。
「……はぁ、今日は色々な事があったなぁ」
祐介はそう呟きながら、玄関に座って、息を漏らす、ドアは閉まっているので、幾ら息を漏らしても他人にバレる可能性は無い、そして祐介がのんびりと待っていると、母が『おまたせ!』と言って、祐介の背中にダイブする。
「うわっと!?もう母さん……」
祐介は背後にダイブさせられた衝撃で驚く、そして犯人が分かって、その場で溜息を吐く。
「さっさと向かおうよ?そうでもないと夕暮れになっちゃうよ?」
「あれま?もうそんな時間だったのね……よし、それじゃあ急ぎましょう!」
「うん、そうだね」
祐介はそう言って、その場で立ち上がって、先に玄関を出る、そして玄関の近くで待機する、数分後、母が出てきて、『さぁ、スーパーに向かいましょう!』と叫ぶ、ふむ、向かうのはスーパーか、祐介はそう思いながら、母と共にスーパーへと向かう──母が何処のスーパーに向かうのか?祐介はそんな事は分からない──

そしてのんびり歩いて十分も経たない内にスーパーへと辿り着く、祐介は店内に入って、籠を持って、『母さん、一体何を買うの?』と言う。
「んー?醤油に塩に味噌!」
「ふぅん?そんなに調味料が減ってたの?」
「はぁ?お前は何を言っている?醤油に塩に味噌と言ったらラーメンの事だろうがぁ!」
「豚骨も入れなかったら分からねぇよ!」
怒鳴る母に対し、怒鳴り返す祐介、そして祐介は溜息を吐いて、頭を抱えて、『それで?どの醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンを買うの?』と問う、母はその場で考えて、『今日はカップ麺にしよう』と発言し、祐介と母はラーメンの売り場へと移動する。
「ふむ……日本のラーメンって色々とあるよなぁ……」
と、考えて、『未来の自分』について考える、隕石が落ちた未来ではこういうラーメンとか食べれているのかなぁ……?でも、隕石が落ちてきているのだ、小麦自体消滅している可能性もあるな……祐介がそう考えていると、籠を持った手が急に重くなる、は、はぁ!?何でこんなに重く……!?祐介がそう思っていると、母が『それじゃあ、次の場所に行くわよ?』と言う、も、もうラーメンを入れたのか、早いな……と思って籠を確認すると、醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンの隣に一キロの醤油、塩、味噌が入っていた。
「……結局買うんかい!!」
祐介はその場で叫んでツッコんでしまう、まさか本当に買う気だったのか……祐介は心の中でそう思いながら、母の後ろを着いて行く──今度は一体何を買うのだろうか?祐介がそう思っていると、母は飲み物コーナーで一キロの豆乳を両手に四つ持っていた、味は無調整、コーヒー牛乳味、紅茶味、抹茶味の四種類だ。
「はい、籠を下げて?」
そう言う母に対し、祐介は呆れながら母に言う。
「え、えーと、母さん?」
「んー?何よ祐介?」
「な、何で豆乳を買うのかな?しかも四つも……普通一つで充分じゃない?」
「何を言っているの?今日のテレビで『豆乳は体に良い! 女性なら肌が綺麗に!』って書いてあったのよ!だから一杯飲めばその分肌が綺麗に……!」
「……そうなの」
祐介はそう言って、その場で溜息を吐いて、籠を床に置き、母から豆乳を受け取って、籠の中に投入する。
そして、四つの豆乳を入れ終わった後、祐介は一つ一キロの豆乳が四つ、つまり四キロだ、更に一つ一キロの醤油、塩、味噌が三つで三キロ……合計七キロ……更に醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンのカップ麺が三つで軽く一つ100グラムと考えても、300グラム……つまり、合計7.3キロものの籠になってしまった、と言う事だ。
あぁ、持つのが大変そうだなぁ……祐介はそう思いながら、片手で籠を持つ──うっ、やっぱり重い……そう思いながら、先に先に進む母の背を追いかける──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.213 )
日時: 2018/02/24 21:40
名前: 彩都 (ID: ???)  

うぅっ……案外籠の中が重い……祐介はそう思いながら、冷や汗を拭う、何で俺が一緒に買い物に行くだけでこんなに重い物を持たされなきゃならんのだ?普通そう言うのは先に買っておけよ……祐介はそう思いながら、『焼肉のたれ』を二本持つ母を見つけ、母の言葉を聞く。
「ねーねー、焼肉のたれなんだけどさぁ、甘口と辛口、どっちが良い?」
「んー?甘口で良いんじゃない?今はまだ甘口で良いと思う」
祐介がそう言うと、母が口に手を近付け、小指を立てながら笑う。
「あーら、まだまだがきんちょねぇ?祐介の舌は?」
「あぁっ?うるせぇなぁ、こんな重い物を持たせる母親も精神年齢が幼稚だなぁ?」
「あぁっ?男が何を言ってんだ?買い物をする女はこんな重い物を何時も持っているんだよ?更に赤ちゃんの頃のお前を背負いながらこの量を持つんだぞ?赤ちゃんは基本的に大体三キロ程度だ、つまり私は体に十キロの負荷をかけている、と言う事だぞ?」
「ぐっ、ぐぅぅ……!」
完全に論破されて、祐介は手も足も出なかった、そして母は静かに祐介の籠の中に甘口の焼肉のたれを投入する。
「よし、次はレジね」
「やっとかよ」
祐介はそう言って、唇を尖らせる、すると母が言う。
「そう?じゃあ、もっと重い物を入れましょうかねぇ?一ガロンの牛乳とか」
「んなもん、今の日本にゃ売ってねぇよ!ってか、一ガロンって!?一ガロンって確か3.8リットルだぞ!?約四キロを持てと!?俺の腕が死ぬわ!」
「うるせぇ!人間がそんなもん持って死ぬ訳無いだろ!それじゃあ、筋トレしている人とか、もう腕が死んでるぞ!?」
「確かにそうかもしれないが、俺は筋トレなんかしてねぇ!だからすぐに死ぬわ!」
「そんなんで死ぬような腕を持たせたお前が悪い!もっと体力をつけろ!もっと筋肉をプリーズしろ!」
「無理だよ!?だって俺、そんなに体力ないってのに……筋力をつける前に体力もつけなきゃいけねぇじゃねぇか!」
祐介はその場で母に怒鳴る、母も祐介に怒鳴り返したりする、そして溜息を吐いて、さっさとレジに向かう事を考える。
「ねぇねぇ、もういいでしょ?早くレジに向かおうよぉ?」
「えー?まだ買いたい物があるのにぃ?」
「最初、『買うのは一つだけだからぁ!』と言ったのは何処のどいつだよ?」
祐介がそう言って、ジト目で母を見る、母は後頭部で腕を組んで口笛を吹く。
「お、お前なぁ……!先にレジに向かうからね?」
祐介はそう言って、レジへ向かおうとする、すると母が止める。
「待てよ少年よ?」
「何だその言い方は?まぁた何か影響されたな?」
「いや、影響されていないけど?それじゃあ、お前は少年じゃないんだな?それじゃあ、青年?それじゃあ幼年?も、もしかして少女……!?」
「んな訳無いでしょ?それで?何で待たないといけないの?」
祐介がそう言うと、母が笑顔で言う。
「お金は?財布は?銭は?万札は?諭吉は?樋口は?」
「……はい?」
「いや、だからさ、『此処で財布が出ていない』って事はまだまだ買い物が出来るね!って事だよ」
「…………」
「おいおい、黙り込むなって?ほーら、和了(ホーラ)、満貫、一気通貫(いっきつうかん)ー、何ちてーって……」
「…………」
何てもん、見せているのだろう?我が母は……自分はそう思いながら、額の汗を拭う、そして母が焦りながら言う。
「あっ、はい、冗談です……」
遂に母が根負けし、財布を取り出して、万札を取り出す。
「これで買ってきてね?お釣りは絶対返すように、小銭は出すか出さないかは自身の判断で、綺麗にしたいなら小銭を出して、母親の財布をジャラジャラ音立てさせたいなら、小銭は出すな、良い?」
「はーい」
自分はそう言って、母から一万円を貰って、自分はレジに並んだ、うっ、もう夕方だし、軽く十人程並んでいるな……自分はそう判断しながら、籠を下に置いて、人が前に進むと、足で籠を押して、前に進む。
中々に進みが遅いなぁ、ってか、自分の列、籠大量に買ってる人が多いな、と自分は前の人達の買い物籠を見て、頭を垂れる、あぁ、こりゃ、結構な時間が掛かるな……自分はそう思いながら、のんびりと待機する。
虚空を見つめながら、たまに前を確認し、前に進んだりする、そんな事を何度も何度も繰り返していると、遂に自分の前が一人になった、はぁ、結構な時間が経ったなぁ、と思いながら安堵する、そして目の前の人がレジの店員に商品をバーコードで読み取られていく、あぁ、もうすぐ終わるな、この長蛇の列から……そう思っていると、目の前の人の会計が終了し、次に自分の番になる。
ふぅ、これで待つのは終わり、後は会計をして、のんびりと歩くだけ、自分はそう思いながら、さっさと商品を買い物籠に入れる店員を見ながら、お金を入れるトレーの中に一万円札を入れ、『母の財布をジャラジャラにする』作戦を使用する。
「一万円からお預かりします」
「あっ、はい」
自分はそう言って、会計を済ませ、レシートと小銭と大銭を貰って、二つの袋を貰った、そして袋に『豆乳四本』と『その他諸々』を突っ込んで、籠を積んで、レジ袋を持って、周りを見て、母を探す──母は一体何処に居るのだろうか?自分はそう思いながら遠くを見たりする──


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