― 君と出会えた日― 名の無い少女 作者/浜頭.悠希...〆

第9夜「改造された少女」



「白の方が似合いますです!!!」

「えー・・・・・・・。
 絶対黒の方が似合うよぉ~?

 なんなら着せてみるぅ?」

私は会話も殆ど聞かず、放心状態だった。


「・・・直接コイツに聞けばいいですレロ!!」

傘のような南瓜のような傘が言う。


「だって何も答えないんだもーん・・・・?
 それに黒は人を明るくさせる力があるからぁ~」

とロードが笑う。


私はユリア・セルダ。


今2人の上司に着せ替えされている。


「万年珠に白は似合わないレロね・・・」

と傘が後から言った。


「ほらねぇ~?!
 じゃぁデザイン決めたんだけどぉ~・・・

 ユリア、これでいーい?」

ロードが白い紙に黒い衣装を描いた。


頭の上に黒く長いリボンが付いていて、結ばれてない方のリボンは腰まで伸びている。


襟は白いレースで、ノースリーブの袖の切れ目に白いレースが付いている。


真っ黒なワンピースで、黒いドレスを縮小してミニスカのようにしたような洋服。


これは私なのか、両腕に銀色の飾りをしていた。

「このリボン黒いカチューシャの方がいーい?」

とロードが聞いてきた。


私は首を横に振った。

「じゃー、これでいーい?」


ロードが付け加えた黒いブーツ・・・。


膝のすぐ下まで黒いブーツがあり、裾はもちろんレースが付いていて、真横に小さくリボン結びしてある。

10㌢以上の高い厚底とヒール。


ロードが履いている縞模様の靴の黒版のよう。

私は小さく首を立てに振る。

「よかったぁ~・・・♪
 あらかじめ作っといたから着せてみよう♪」

ロードが黒い服を取り出して言った。


―10分後―


「似合うじゃん?
 ちょー似合ってなぁい?これぇ」

とロードが首を傾げた。


とたんに気持ちが明るくなった。


「綺麗・・・ッ」


私はスカートの裾を掴んで一周クルリと回った。


「何回見ても似合うよぉ~♪
 万年珠には豪華なモノ着せなきゃね♪」

と鏡を持ってきたロード。


そこには―――――。


茶髪のウェーブがかかった胸ぐらいまでのロングヘアで、


黒いロードがデザインした服を着ていて、


頭に黒く長いリボンをして、


高いヒールと厚底の黒いブーツを吐いた私が居た。


瞳の色は、真っ黒から青色に変わっていた――――。



第10夜「任務」



「伯爵ぅ~♪」

伯爵を馴れ馴れしく呼ぶのはロードでは無く・・・・

「ン?♪
 あラ、ユリアではありませんカ♪」


ユリアだった――――。


「僕にも任務行かせてよぉ~・・・♪
 此処に居てばっかじゃつまんな~い・・・!!」

と伯爵に抱きついた。

「効果あるねぇ~♪」

とそんなユリアを視てロードが笑う。

「何々?あれロードがやったわけ?」

「すごい変化だネ、ヒヒッ!!!」


デビットとジャスデロが言った。

「そうですネェ・・・♪
 ユリアはあの時から優秀でしたもんネェ♪
 ロードに傷一つ付けられる程ノ♪」

と伯爵は笑った。

「あの時の僕?
 ロードに傷一つ?

 一体何の事ぉ?」


記憶を消されたユリアは、以前の事は何も覚えて居ないのである。

「・・・あァ、ユリアは知りませんネ♪
 昔の自分なんカ・・・♪」

伯爵が再び怪しく笑う。

「へ??
 僕何の事だかさーっぱりわかんなぁい・・・♪
 それよりさぁ~♪

 任務行かせて?お願いお願い♪」

と伯爵に強請る。

「・・・しょうがないですネェ・・・♪
 私の後ろに座っている家族1人連れて行きなサイ♪
 行き先はイタリアにあるアグッズ村デス♪
 イノセンスを取って帰ってきなサイ♪」

と伯爵はこちらを向いて言う。


「りょーかいでーす♪

 家族かぁ~・・・
 じゃぁそこの男の人!!!」

とユリアは勢い良くティキを指差した。


「ティッキーだぁ~♪
 いぃなぁ~♪ユリアと一緒なんてぇ♪」

ロードが言う。


「俺があんな奴と任務?
 ふざけんじゃね・・・・」

「良いとこ取りだね、ヒヒッ!!!」

ティキ・ミックの声は見事にジャスデロの声で潰された。


「ティキぽん、行ってきなサイ♪」

「はいよ・・・千年公」

とティキは歩き出す。

「おい、新人、行くぞ」

と部屋を去った。

「新人じゃないのにねー・・・
 ユリア、行ってきな!」

ロードが言った。


「うん!!」

僕はティキの後を追った。



第11夜「思い出し」



―黒の教団―


「・・・どうしましょうか、居ませんね・・・」


「この間にイノセンスが奪われてるかもしれないわ・・・
 行きましょう!!!」

アレンとリナリーは走った。


―ノア―


「・・・この辺か?
 イノセンスがあるっていうのはよ」

とティキが辺りを見回す。


「そー・・・・みたいだね」

と僕は返した。


「静かにしろ・・・!!!誰か来るぜ」

とティキは笑った。


誰かが森の奥からこちらへ歩いてきている。


巨大な左腕の男と、ツインテールの女だ。


敵だからか、物凄い形相で睨んでくる。


「わー・・・♪
 面白い顔した人達だねぇっ♪」

と僕は笑った。


「あいつ等よえーんだぜ?ああ見えても」

「へー♪見た目どおり僕は弱っちく見えるね♪」


と憎しみあふれた笑顔で僕は言った。


「・・・あ・・・あれは・・・??」

「何処かで見たことのある顔・・・
 でも分からないわ・・・誰なの・・・?」

アレンとリナリーは歩きながら言った。


「・・・もしかしてあの人は・・・??」


アレンの瞳の色が変わる。


「セリーヌ・・・さん・・・??」


その発言にリナリーはアレンを見た。