― 君と出会えた日― 名の無い少女 作者/浜頭.悠希...〆

第6夜「班長、寝てる・・・」



「・・・すいません・・・」

アレンはすぐに立ち上がった。


時が止まって欲しいと思う私は・・・?


「・・・いいわ・・・気にしないで・・・
 もう私の1回目も2回目も終わってるから・・・♪」

こちらもまた悩殺スマイル。


彼女は意識なし。


その発言にアレンは顔を赤く染めた。


「書類片付けよ?」


セリーヌは書類を拾い始めた。


書類を拾いにリーバー班長の元まで歩けば―――。


「・・・班長、寝てる」

しゃがんでぐっすりと寝ているリーバー班長の髪を撫でた。


それは何処か、記憶の片隅にあるあの時の悲しそうなセリーヌの表情に似ていた。




セリーヌはあっという間に全ての書類を拾った。


「拾い終わったよ♪」

セリーヌはアレンに声を掛ける。


「あ、有難う御座います!!!」

アレンが書類の山をセリーヌから受け取る。


手が一瞬触れ合った。


「私も持つね♪」


もう片方の書類の山を軽々と持ち上げる。


「この書類、何処まで持ってくの?」


歩きながら聞く。


「司令室です」


アレンは言う。


「司令室か♪ならもう近くだね」


セリーヌは笑った。


「ほら、話してるうちに♪」


2人は司令室の前に着いた。



第7夜



「失礼しまぁーす・・・」


セリーヌがゆっくりと司令室のドアを開ける。


「兄さん!!コムイ兄さん!!!」


司令室では、寝てるコムイを妹のリナリーが起こしていた。


「・・・リナリー?」


私は声を掛けた。


「あ、セリーヌ!!アレン君!!」


リナリーは叫ぶ。


「何々?頼りないおにーさん起きないの?」


セリーヌは言う。


「・・・そうなの・・・
 起こしてくれない?
 あの方法使っても起きないの・・・」

とリナリーが心配そうに言う。


「あの方法で起きないんですか?!」


アレンが驚いて書類を落としそうになった。


「・・・私にいい考えがある♪」


セリーヌは笑った。


そして机に書類を置くと、コムイの耳元でこういった。



「リナリーに彼氏が出来たみたいだよぉ~?」


アレンとリナリーの肩がブルリと震えた。


「な~~~・・・・に~・・・!!!!!」


コムイが物凄い形相で起きた。


「嘘だよ?
 可愛い可愛いリナリーちゃんは無事♪」

セリーヌが後から笑った。


「ふぅ・・・よかった・・・
 僕のリナリーは誰にも渡さない!!!」

「兄さん、書類」


リナリーが突っ込む。



この後、コムイがリナリーの彼氏を仕事をサボって探したのは言うまでも無い。



第8夜



私が廊下を歩いていた時。


「・・・あれ?セリーヌ?」


1人の少女に出会った。


「・・・・貴方は・・・リリー・・・」


彼女の名はリリー・コナッサ。


つい最近教団に入団してきた、イノセンス『夢の華』の適合者だ。


彼女は気に入った人には心を開くが、普段は無口。


女で気に入ったのは私とリナリーだけらしい。


「なんかねぇ・・・
 最近教団の周りをアクマがうろついてるらしいわ?

 誰かのもったイノセンスを辿ってきたみたいだけど・・・」

リリーは意味深な発言をした。


「そういうことで・・・
 そのアクマを倒せって任務入ってるんだけど・・・

 セリーヌも一緒に行かない?」

リリーは言う。


「頼まれてないのに勝手に人連れてちゃ駄目でしょ?」

私は再び歩き出した。


「それがー・・・
 誰かつけて行けって室長に言われてるんだよね・・・
 アレンも付いてくし?」

リリーがこちらに走ってきた。