― 君と出会えた日― 名の無い少女 作者/浜頭.悠希...〆

第3章 序章
「これが新しい団服?」
私が鏡を見て呟く。
「そうだよ!!」
ジョニーが笑った。
「へー♪気に入った♪
アレンに見せてこよ~っと♪
ありがとね♪」
セリーヌは軽くウインクをして部屋を去った。
「・・・いーよなぁ・・・
あーんな可愛い彼女が居てさ・・・」
「俺等も彼女欲しいよなぁ・・・」
科学班班員の悲しい呟き。
―これから何が始まる?―
第1夜
「リナリィー♪」
リリーが楽しそうに本を読みながらリナリーを呼んだ。
「何?」
リナリーが振り返る。
「今日の占いねー・・・
今日は新しい恋の予感があるかもだってー」
リリーが言う。
「・・・新しい恋?」
「リナリィィィィィィィ!!!!」
その声を聞いた瞬間コムイが飛び起きた。
「兄さんに黙って恋愛なんてヒドイよぉ~・・・」
コムイが泣き叫ぶ。
リナリーはそんなコムイに困り果てていた。
「で・・・
今回は何処に行けばいいのかしら?」
ファルが言う。
「・・・えーと・・・
今回はドイツのドール村っていう所に行って貰いたい。
そのドール村のcherryっていうクラブに、新たなイノセンスの適合者が居るんだよ。
その適合者をこの教団まで連れてきて欲しいんだ。」
コムイが地図を引っ張り出して来て言う。
「・・・分かりましたぁー・・・」
セリーヌが呟く。
「皆行こっか♪」
リリーが席を立った。
現在のメンバーはリリー、レイリー、セリーヌ、レイア、アレン、ラビ、ファル、シフォンの8人。
そんな8人がかりで適合者を求めて行く必要は無いのだろうか?
そんなコトを思ったが黙って司令室を後にした。
「・・・動き始めました」
「あら・・・ずいぶんと始動が早いじゃないの」
「これからどういたしましょう・・・?」
「来たら疑うフリをして中に入れて頂戴。
今すぐあんな奴等なんか食ってやるわ・・・」
第2夜
キキキキィ・・・
汽車が行き着いた先の町――――。
かなり賑やかで明るい町並みが広がっていた。
「思ったよりも明るいじゃない・・・賑やかだし」
「そんなドール村って聞いても暗い所じゃないわね」
レイリーとリリーが言う。
「・・・さっきリナリーさんから聞いたんですけど・・・
なんか・・・此処最近消息を絶った者の数が尋常じゃないみたいですよ・・・
この町の人口凄く多かったらしいですけど・・・
今じゃぁ1万人しか居ないらしいです・・・」
レイアが辺りを見回しながら言う。
「それがアクマの関係もあるってことぉ?」
ファルが呟く。
「だから8人で送ったんじゃないんでしょうか?」
レイアが言う。
「それより・・・早く行きましょう・・・
今のうちに誰か死んでいるかもしれないですよ・・・」
アレンがそういうと歩き出す。
「それもそうだね」
セリーヌがそういってアレンの隣を歩き出す。
―1時間後―
「・・・おい、マジで此処なのか?」
シフォンが店を見るなり呟く。
「この地図によれば此処で間違いありませんね」
アレンが地図を開いて言う。
「此処であってるんじゃない?
『cherry』って書いてあるじゃないの」
セリーヌが看板を指差す。
「・・・とりあえず、中に入るさ」
ラビがドアに手を掛けた。
ザワザワ・・・
昼にも関わらず人で一杯の店内。
「・・・通してくれますか?其処」
アレンが道を塞いでいる男達に向かって言う。
「嫌だねぇ~」
男は酔っているのか、顔を紅く染めている。
「・・・其処・・・・退いて頂けるかしら?」
セリーヌがアレンの前に来て言う。
「可愛いお姉ちゃんだねぇ~♪
どう?一杯飲んで行かねぇかぁ~?」
男がセリーヌの肩に腕を乗せる。
「・・・私は通せと言っただけよ」
恐ろしく声を低くして言う。
さすがの男も後ろに下がる。
それに気付いたのか皆後ろに下がって一本の道筋が出来た。
「有難うね」
セリーヌが呟くと8人が一斉に歩き出した。

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