― 君と出会えた日― 名の無い少女 作者/浜頭.悠希...〆

第3章 序章



「伯爵ぅ~今度の狙いは誰ぇ?」

飴をペロペロと舐めながらいう少女。


「・・・今度はですネ・・・この2人をお願いしマス♪」

伯爵と呼ばれた男は、2枚のカードを差し出した。


「こいつは教団の人間か??」

黒髪の目の大きい少女が言う。


「教団教団!!ヒヒッ!!!!」

その隣で金髪の少女も笑う。


「・・・千年公、コイツ誰だよ」


背の高い男は、1枚のカードを指差した。



「この人ハ――――」



伯爵はニヤリと笑った。



第1夜



「・・・ふわぁ~・・・
 ねー・・・いつまで食うのぉ・・・?」

リリーが飽きれた表情で言う。


「そりゃー納得するまでなんじゃないの?」

レイリーも欠伸しながら言う。


そんな呆れた目で1人の少年を見つめていた。


その少年の名はアレン・ウォーカー。


「・・・・あんだけ食べてよく太らないよね」


後ろから冷酷な声が聞こえる。


「・・・ぇ、何々?!新人さんですか?!」


レイアが口に物を入れたまま言う。


少女はジュースを飲みながら言う。


そして冷たい目でこちらを見つめていた。



「・・・・確か・・・
 ファル・アルフェイスちゃん・・・・だっけ?」

セリーヌが言う。


「そー・・・だけど?
 こんな大食いの奴によく付き合ってられるわね」

ファルはひたすら食べ続けてるアレンの頭を左手でゴンと押した。


「いふぁいひゃひゃいへふは・・・」
 (いたいじゃないですか)


アレンの唇がナイフで切れて血が出ている。


「ありゃー・・・
 ずいぶんと派手に切っちゃったね・・・」

セリーヌがアレンを見て言う。


そしてアレンの唇をペロリと舐めた。


アレンの顔が咄嗟に赤く染まる。


「えへへ♪なめちゃったぁ♪」


セリーヌは口の周りをペロリとなめ回す。


「ラブラブですねぇ~・・」

レイリーが言う。


「本当・・・羨ましいですー・・・」

レイアがフォークを銜えたまま言う。


右ではアレンとセリーヌが。


左ではリリーとラビが二人の世界に入っていた(ハ



第2夜



ファルの部屋の窓に、1匹の蛾が張り付いていた。


ファルは寝息を立ててスヤスヤと寝ている。


現在深夜12:30。


バサッ・・・!!!


ファルの部屋の窓から、1人の傘に乗った少女が降り立った。


そしてその少女は飴を舐めながらニヤリと笑う。



そして少女は寝ているファルに近付く。


その気配に気付いたのか、ファルは目を覚ました。


「おはよぉ~・・・ファル・アルフェイス」

少女は再びニヤリと笑った。



「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ファルの声は教団中に響くほどの叫び声だった。


「・・・・ファルさん・・・?!」


爆睡していたアレンでさえも、その声は耳に届いたのだ。