白雪姫はりんご嫌い はるた ◆On3a/2Di9o /作

【2】
お母さんも、昔はとても優しかった。
でも……、お父さんが事故で亡くなった日から少し経ってから突然私に冷たくなった。
あまり飲むことのなかったお酒や、吸うことのなかったタバコまで手を出すようになって。
次第には私が話しかけても、まともに言葉を返してくれなくなった。
そして、ついには私に暴力を振るうようになり――。
それ以上、思い出したくない。
思い出すだけで辛くなる。
今でも、お母さんはお父さんが亡くなった事から立ち直れていないらしい。
仕事のストレスもあるのだろう、毎日毎日私に暴力を振るってくる。
そのたびに私の心の傷は増えていく。
だから、本当は虐待なんてしてほしくない。
でも……無理だよね。
だけど……ちょっとくらい信じさせて。
"いつかは、きっと私に笑ってくれる"
そう思わないと、自分が壊れてしまいそうだった。

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