花言葉の約束 空花 /作

【17】
私は、行く宛てもなく夜の街を走った。
人目なんてもう気にしない。
私は走る。夜の街を。
ただひたすらに、がむしゃらに走る。
何処へ行くのかは分からない。
だけど私は走る。
――バシャッ
私は道にあった小石につまずいて、転んだ。
しかも、水たまりの上で。
足からは少し血が出ていた。
でも私はすぐに立ち上がってまた走った。
「はあ……はあ……」
また走っても、すぐに息が切れて、苦しくなった。
「ここ……は?」
私はちょうど公園の前に居た。
公園の入り口に書いてある字を見ると、 『緑花公園(りょくかこうえん)』と、書いてあった。
――私は、ただひたすらに、がむしゃらに走って走ってたどり着いたこの場所で死.ぬ事を、決意した。

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