白雪姫はりんご嫌い  はるた ◆On3a/2Di9o /作



【8】



私の目からは、一粒の雫が落ちてきた。

そして、雫は写真に落ちた。

涙――。

その時私は、どこか狂っていたのかもしれない。

私は、机の上に置いてあった写真立てを手に取った。

その写真は、家族3人の写真だった。

――ガシャーン!!

その時ガラスが割れる音がして、写真立ては割れた。

そう、私が写真立てを床に叩き付けたから。

この写真を見るたび、余計辛くなるなら、壊してしまえと。

そう、思った。

――ドサッ

ベットの上に置いたアルバムが落ちた。

私はすぐにそれを拾うと、棚の奥の元の場所に戻した。

しばらく、壊れた写真立てを見ていた。