白雪姫はりんご嫌い はるた ◆On3a/2Di9o /作

【14】
こんな、簡単な事だったんだ。
何でもっと早く気付かなかったんだろう。
自.殺すれば、良いんだって。
でももう、自.殺するって決めた。
死ぬなら、誰にも見つからないような場所でひっそりと死にたいから、家を出てどこかで死のう。
首を吊って死ねば、良いかな。
私は部屋を見回した。
そして白いビニール紐を手で掴んだ。
この紐を使えば、楽になれるよね。
右手にはさっきの傷跡……。
死んだら、この傷も消える?
他の体の傷も心の傷も。
そう、全部――。
夜になってから、やりたい事終わらせてから死のう。
やりたい事。
それは、お父さんとお母さんと私の写真、全部破く。
私はまた、アルバムを手に取った。
ずしりと、重い感じがした。
写真が、たくさん入ってるからかな。
これからきっと、軽くなるよね。
パラパラと、アルバムのページをめくった。
「あった」
お父さんとお母さん。
それから、私――。
そんな写真が次々に出てくる。
――ビリッ
1枚目、破った。
それはもう、ボロボロに破った。
セロハンテープで繋ぎ合わせるのも大変なくらい。
ボロボロ、ズタズタに。
もうこんな写真必要ない。

PR
小説大会受賞作品
スポンサード リンク