花言葉の約束 空花 /作

【18】
私はジャンバーのポケットから、さっきの紐を取り出した。
そして公園の大きな木の枝にかけ、自分の首が入るくらいの細長い丸を紐で作って枝にきつく、きつく縛った。
私は近くにあった大きな石に乗って、その紐の中に自分の首を入れた。
乗っていた石を蹴った。
石は結構簡単に動き、私は宙吊りになった。
時間が経てば経つほど苦しくなっていく。
意識が遠くなりそう――。
私は、その時思った。
ああ、私はもうすぐ死.ぬんだって。
――私はそっと目をとじた。
―さ よ な ら―
――ガサッ
「何……してるの?」
誰もいないと思ったはずの公園なのに。
そこには誰か……が居た。
その、『誰か』は私の幻覚かもしれない。
もう私は死.ぬんだから――
私は、『誰か』を無視した。
「……やめなよ、自.殺なんて」
何を……何を、言っているの?
全然聞こえないよ……
「もしかして……僕の声聞こえてないの?」
何か言っているの……?
――ドサッ
「もう、こんな事しないでね」
何……したの?

PR
小説大会受賞作品
スポンサード リンク