花言葉の約束 空花 /作

【15】
それから、何十分経っただろうか。
もう家族全員が写っている写真は全て引き裂いた。
――グシャッ
破いた写真は、適当に集めてゴミ箱に捨てた。
これで良かったんだ。
私はさっき手に取った紐をベットの上に置いた。
この紐があれば……自.殺、出来るよね。
今夜、やっと私は解放されるんだ――。
そう思うと少し嬉しくなった。
死.ねば、あのお母さんに殴られる事も睨まれる事も、もう、ない。
ベットの上で色々な事、考えた。
学校の事とか、今までの事とか、本当に色々な事。
でも、"何か忘れている"
そんな気がした。
気のせいだとは思う。
でも気になる。
その気持ちが少しずつ募ってイライラになった。
叫びたい。
このイライラを、何かにぶつけたい。
でも、そんな事したらお母さんに怒られるか――。
ああ、イライラする。

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