花言葉の約束  空花 /作



【37】



今日は"朝"がいつも以上に眩しく見えて、思わず目を伏せた。

私――私は――。

本当はいつも笑顔で居たい。

でも……無理矢理笑顔を作ろうとしても、イライラが溜まるばかりで。

笑顔で、七海と一緒に幸せに暮らしたい。

今ある幸せを、大切にしたい。

だけどそんな"希望"も崩されてゆく。

誰かに相談できれば……いいのに……。



ふと、時計を見ると時計の針は7時半になっていた。

カチッ、カチッと針の音が鳴る。

仕事に行かなくちゃいけない……。

本当は、仕事なんかに行きたくはない。

でも、仕方ない。

私は仕事へ行く準備をして、リビングに向かった。

そして、メモに書き置きした。

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        七海へ

お母さん今日も仕事だから朝ごはん、冷蔵庫にある残り物で何とかして。

それじゃあ、行ってきます。
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いつもはもっと早く起きていたけれど、今日は寝坊してしまって、朝ごはんを作る暇などなかった。

だから私は、何も食べずに玄関へ向かった。

――ガチャッ

「行ってきます」