白雪姫はりんご嫌い  はるた ◆On3a/2Di9o /作



【13】



――もう、虐待なんて受けたくない。

だからといって、家出する訳にもいかない。

私には頼れる人さえも居ないのだから。

じゃあ、どうすればいいの?

本当にもう……分からない。

神様、私はどうして生まれてきたのですか?

虐待を受けるためですか?

お母さんの裏切りを痛いほど味わうためですか?

違う。

――私はそんな事のためなんかに生まれてきた訳じゃない。


しばらく私は動かなかった。

いや、動けなかった。

まるで私のとこだけ時が止まったみたいに。

はっと我に返り、私は少し部屋を見渡した。

やっと解放されたような気分だ。

虐待されたくない。

傷つきたくない。

全て忘れてしまいたい。

そんなような気持ちが頭の中でずっと回って、ぐちゃぐちゃに混ざり合ってた。

その気持ち……混ざって混ざって。

"死にたい"

死.ねば……楽になれる。