青い春の音

作者/ 歌



第1音



キレイな星空の下、静かな波の音に耳を澄ませ、
キレイな黒髪が風になびいていた。


沖縄県の観光地で知れる田舎は、
夜になれば家の明かりがまばらなだけで、
自然の音をよく響かせている。



ダイヤモンドビーチの前にある
大きな石の階段でも一番高い位置に腰を降ろし、
月明かりで輝いている水平線を見つめながら、


音を奏でる


この時間が私は一番好きだ。

誰にも邪魔されず、人の眼を
気にすることもない私だけの時間。

紡がれている音はか細くて、
波に飲み込まれてしまうくらい小さいけど。


それでも歌わずにはいれない。


生きていられることの幸せを、
歌えることの幸せを素直に表現した私の歌。

誰かに聴いてもらいたいわけでもなく、
ただ感情のままに紡がれる音を一番近くで聴きながら、
後でピアノをつけて歌いたい、
そんなことが頭に過っては自然と頬が緩んで。


暖かな春の風に胸を震わせながら、
今日も大好きな音楽を楽しんでいた。