青い春の音
作者/ 歌

第5音 (4)
こんな生き物、今までかつて
見たことがあっただろうか。
私の質問に対して、全く意味が
分からなかったようで、お互いに
首を傾げるポーズをとる。
そんなことを平気でする彼が
かなり面白くて、つい、
ふきだしてしまった。
「ははっ!やばい、うける!
玲央さん、もしかして誰とも
連絡席を交換したことないの?」
彼の携帯をいじってて、
電話帳を見たらなんと誰一人の
名前も登録されていなかった。
使い方がわからないのはまだ
いいとして、誰とも連絡を
取り合っていないのに携帯を
持っていることが不思議でならない。
何のための携帯なのか、
絶対分かってない。
「ない」
即答でそうきっぱりと真顔で
断言した彼に、またふきだした。
「玲央さん、天然!かわいい!
やばい!かわいい!」
うん、マジでかわいいんですけど!
こんな男の人初めてってか
もう二度と会えないような
気がする。
私が興奮してそういうと、
やっぱり意味が分からないらしく、
ただ黙って私を見ていた。
とりあえず、玲央さんの携帯と
私の携帯で赤外線をして。
メールや電話のやり方を
丁寧に教えてあげた。
それに一生懸命頷きながら
携帯とにらみ合う玲央さんは
本当に変わった生き物だ。
「何となく、わかりました?」
「……たぶん」
ちょっと自信なさげに呟いたけど、
たぶん、大丈夫だろう。
携帯をいじりながらふと、
画面の右上を見てみると。
1:02と表示されていることに
気付いて、慌てて座っていた
ベンチから立ち上がった。
「もうこんな時間!代行で
来てるから急がないと。
待たせちゃ悪いし」
私と一緒に玲央さんも立ってくれて
20センチ以上の身長差を見上げる。
「今日は本当にありがとう。
また連絡するね」
そう微笑んで踵を返そうとした、ら。
「名前」
右腕を掴まれて、強制的に
立ち止まらせられたかと
思ったら玲央さんが呟いた。
名前、と言った言葉に理解が
できずに彼を見つめると。
「さん、いらない」
あぁ、そうゆうことか!
「分かった!じゃあ玲央!
またね。おやすみなさい」
玲央の名前をしっかり
呼んであげれば嬉しそうに
微笑んで、掴んでいた腕を
すんなり離してくれた。
走り出して後ろを振り返って
玲央に手を振ってみせれば、
ぎこちなくだけど振り返して
くれていた。
やばーい!めっちゃかわいっ!
テンションが高いまま、
代行の車を見つけて
家へと向かった。
こんな生き物、今までかつて
見たことがあっただろうか。
私の質問に対して、全く意味が
分からなかったようで、お互いに
首を傾げるポーズをとる。
そんなことを平気でする彼が
かなり面白くて、つい、
ふきだしてしまった。
「ははっ!やばい、うける!
玲央さん、もしかして誰とも
連絡席を交換したことないの?」
彼の携帯をいじってて、
電話帳を見たらなんと誰一人の
名前も登録されていなかった。
使い方がわからないのはまだ
いいとして、誰とも連絡を
取り合っていないのに携帯を
持っていることが不思議でならない。
何のための携帯なのか、
絶対分かってない。
「ない」
即答でそうきっぱりと真顔で
断言した彼に、またふきだした。
「玲央さん、天然!かわいい!
やばい!かわいい!」
うん、マジでかわいいんですけど!
こんな男の人初めてってか
もう二度と会えないような
気がする。
私が興奮してそういうと、
やっぱり意味が分からないらしく、
ただ黙って私を見ていた。
とりあえず、玲央さんの携帯と
私の携帯で赤外線をして。
メールや電話のやり方を
丁寧に教えてあげた。
それに一生懸命頷きながら
携帯とにらみ合う玲央さんは
本当に変わった生き物だ。
「何となく、わかりました?」
「……たぶん」
ちょっと自信なさげに呟いたけど、
たぶん、大丈夫だろう。
携帯をいじりながらふと、
画面の右上を見てみると。
1:02と表示されていることに
気付いて、慌てて座っていた
ベンチから立ち上がった。
「もうこんな時間!代行で
来てるから急がないと。
待たせちゃ悪いし」
私と一緒に玲央さんも立ってくれて
20センチ以上の身長差を見上げる。
「今日は本当にありがとう。
また連絡するね」
そう微笑んで踵を返そうとした、ら。
「名前」
右腕を掴まれて、強制的に
立ち止まらせられたかと
思ったら玲央さんが呟いた。
名前、と言った言葉に理解が
できずに彼を見つめると。
「さん、いらない」
あぁ、そうゆうことか!
「分かった!じゃあ玲央!
またね。おやすみなさい」
玲央の名前をしっかり
呼んであげれば嬉しそうに
微笑んで、掴んでいた腕を
すんなり離してくれた。
走り出して後ろを振り返って
玲央に手を振ってみせれば、
ぎこちなくだけど振り返して
くれていた。
やばーい!めっちゃかわいっ!
テンションが高いまま、
代行の車を見つけて
家へと向かった。

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