おいでませ、助太刀部!!   野宮詩織 /作



第2章 「え!? 本当に依頼とか来るのか!?」(part1)



「なぁ、相斗。 この部活って、依頼とか本当に来るのか?」

助太刀部なる電波…じゃなくて頭のおかしい部活に絶賛強制仮入部中の俺は純粋な疑問を、幼馴染の相斗に尋ねてみる。

「来るよ」
「マジで!?」

正直言って、16年間生きてきて1番驚いたかもしれない。

「おっはよ~!!」

入口から元気よく入ってきたロリな幼女は俺と同じ高校2年生で助太刀部の部長だ。
身長が145cm以下とか俺や相斗の小学5年生の時くらいの背より低いじゃねぇーか。
小学5年生くらいまでは相斗も純粋でお利口だったのに……!!

「…風葉が高校生を泣かしたっ!! いけないんだぁっ!!」
「ちょっ! なんで泣いてるの!?」

見た目がロリ、中身はお子様。
ただの小学生だな。 うん。
相斗もそのくらいの頃は可愛かったのに…。 素直で無邪(以下略

「そうそう、今日、伊野ちゃんが依頼者を連れてくるから失礼のないようにねっ!」

案内係の人選を間違ったんじゃなかろうか。
無口でおとなしい伊野に接客的なものは向かなそうだがなぁ……。
まぁ、他の部員がロリとスタンガンを笑顔で押し当ててくるプレイボーイだからな。
伊野は消去法で選ばれたのか……。

「消去法、作った奴、マジで神ッ!!」
「「!?」」

約2名が危ない人を見るような目で見てくるが気にしない。
スタンガンは勘弁願いたいからな。

「秋牙。 連れてきた」

伊野が扉を開けながら言った。

「失礼しますわ」

伊野の後ろにはもう1人、セーラー服姿で上品な立ち居振る舞いの女生徒がいた。

「おっ! やっと来たねっ! そこのソファにでも座ってて! フカフカでモフモフしてるよっ!!」

深間がソファを指さしながら言った。
何故、ソファの座り心地を説明したのかは全く分からないが意外とまともにやっているみたいだな。

「ほら! 風葉! 早くお茶とかお菓子とか出してっ!!」
「もう準備出来てますよ~」

一応、依頼者の前ということもあってか、相斗は敬語を使って話している。
そして、お菓子と紅茶を机の上に置く。
真っ先に深間が小さい子向けの棒付きチョコを食べ始めたことは突っ込まずにおこう。
どっからどうみても小学生だなんて思ってないぞ!!

「もぐもぐっ…、まず、名前とクラスと依頼内容を教えてねっ。 あっ、お菓子は遠慮せずに食べてもいいよっ!!」

今のところ真面目にやっているな。 ちょっと意外だ。

「えーと、わたくしは3-Aの笠井奈々子と申します。 依頼内容はその…、わたくしが片思いしている意中の彼に告白するのを手伝って欲しいんですのっ!!」



いきなり重い依頼が来た火曜日の放課後だった。