おいでませ、助太刀部!!   野宮詩織 /作



第8章 「吾こそ翔の正妻なのじゃ!!」(part6)



「相斗は周りにまともな奴しか集まって来ないからそんな事が言えるんだ!」
「え? ………………忍さんも?」
「………すまん、俺が間違ってた」

確かに俺といたらもれなくアレがついてくるもんな…………。
しかも、相斗も巻き添えを喰らって溺愛されてるし。

「それに、僕だって本当に付き合うとしたら轟さんとか秋牙さんみたいな子の方がいいしね」
「……お前、ロリコンだったのか」
「違うよ! そもそも轟さんはロリじゃないだろ?」

相斗がわずかに口調を乱していった。
そんなにロリコンと思われるのが嫌なのか…?

「つまるところ、どういう子がいいんだ?」

購買で買った焼きそばパンを頬張りながら聞く。
そう言えば、相斗と恋話とかそういう感じの話をしたことがない。
まぁ、相斗は平日休日昼夜問わずに女の子との予定で埋まってたから、聞いたら俺が惨めな気持ちになると思って聞かなかっただけなんだけどな………。

「う~ん、そりゃ外見も可愛い子がいいけど、一番の条件は一途で素直なコト………かな?」

月海じゃねぇ-か。
見た目は文句無しな程に可愛いし、一途だし、(感情に)超素直!!
よし、一応、相斗に教えてみよう。 別に厄介払いをしたい訳ではないぞ?

「月海をやろうか?」
「くれるなら貰うけど……僕、基本、使い捨てるよ?」
「………………お前、いい加減、関係をしっかりしておけよ? 兄貴と親父も心配してる」

相斗は基本的に自分の周りに集まってくる子をとっかえひっかえしている。 そのため、色々恨みを買ったりもしているらしい。
親父と兄貴はそれを心配して、何故か俺に毎日メールやら電話やらをしてくる。 心配してるなら、俺じゃなくて相斗に直接言って欲しい。
その方が相斗にも気持ちが伝わるだろうしな。

「忍さんからは一時間に一回くらいは連絡が来てるけど、光さんからは一週間に一回くらいしか来たこと無いよ?」

前言撤回。
兄貴は直接言っているらしい。 しかも、一週間に一回は勝手に寮の部屋に上がりこんでたりするしなぁ……。

「それにそれは君の一存で決めていいことなのかい?」

いや、そういうことじゃなくて、お願いだから引き取ってください…………!!
ああいう人がこれ以上増えたら命と身体がいくつ有っても足りないから……………………!!
それに相斗みたいな人と接してみれば、少しは「1人に執着しすぎてもダメだ」っていう事に気付くかもしれないしな。



何度も言うが、別に厄介払いをしたい訳ではないぞ?