おいでませ、助太刀部!!   野宮詩織 /作



第7章 「高校生には見えないんですけど!?」(part5)



※稔視点です

「あっ! 転入生の方ですか?」
「そうだけど、私に何か用かしらん?」

うわぁ……。 この人、すごい美人ですね……。
転入生の方は背は少し高めで、大人っぽい顔立ち、巨乳など1つ1つ挙げていたらキリがないほどに完璧な見た目だった。
いいネタになりそうです!

「はい。 私、第1新聞部の轟稔というものなのですが」
「新聞部? それなら、向こうの人達の方が見栄えがいいと思うわよん」

転入生の方がAクラスの教室内で話をしてる岡崎さんと風葉さんを指差す。 確かにシャッターチャンスです!

「あの2人って女子からも男子からも人気らしいけど、2人揃うと一部の人たちに人気らしいじゃない」

よしっ、上手く撮れました!
それにしても、転入生の方がマイナーな情報を知っているなんて不思議ですね…。
ここは探りを入れてみるべきですよね!

「よく知ってますね。 転入当日にそんなことを教えてくれる人は滅多にいないと思いますが」
「玄が教えてくれたのよぅ」

玄…? 四月朔日さんのことでしょうか…?

「あっ、自己紹介がまだだったわねぇん。 私は紅中子よぅ。 ちなみに玄の鳩子よぅ」
「そうなんですか!?」

衝撃の新事実です! だから、マイナーな情報を知っていたんですね!
なんか合点がいきました!

「それでは、改めて取材をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「構わないわよぅ」

* * * * * * * *

※翔視点です。

「んで、何でお前がここにいるんだ!?」

転入生がこの学園にやってきた当日の放課後、助太刀部の部室に行くと何故かそこには中子がいた。

「玄に施設案内するからここで待っててって言われたからよぅ」

四月朔日はちゃっかりここを待合室に使うようになったらしい。 教室で待っていてもらえばいいのに。

「ねぇねぇっ! 岡崎っ! また新しい子連れてきたのっ?」
「そのセリフは人聞きが悪いから止めろ!」

深間の言葉にストップをかけておく。
あの言い方だと俺が遊んでるみたいじゃねぇーか……!

「違うのっ? 夢魅ちゃんのときみたいに、誑かしてきたのかと思ってたよっ」
「だから、その言い方は止めろ! 後、あいつは勝手についてきただけだからな!?」

深間は俺のことが嫌いなのだろうか……?

「岡崎先輩、酷いです! ボクのことはその程度にしか思ってなかったんですね……?」
「思ってるぞ。 というか、お前まで悪ノリするのか!?」

俺の言葉の前に、眸が部室から駆け出して行った。
これ、追いかけるべきなのか………?

「翔クン」
「何だ?」

紅に呼ばれたため、返事をする。 追いかけろ、とか言うんだろうか…?
何にしろ、探しに行くつもりだが。

「今ここで火葬されるか、メイドちゃんを追うか選びなさい」
「行ってきます」



3分後に発見された眸は相斗に保護されていました。