おいでませ、助太刀部!! 野宮詩織 /作

第2章 「え!? 本当に依頼とか来るのか!?」(part7)
さぁ、笠井先輩と相坂先輩をくっつけよう!という計画は本格的に動き出したわけだが、川原先輩(奈良先輩もか?)の妨害が入りそうだという予想外の障害も出てきた。
「まず、出かける先はネズミーランドだよっ!!」
「はい、ストーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!」
見過ごせない! 今のは見過ごせない!
「何か気に障るようなこと言ったかなっ?」
「気に障ったというより、法に触りかけてた! 著作権とか著作権とか著作権とか!!」
ネズミーランドはアウト!? ギリギリセーフだよな!?
アウトだったらごめんなさい!
俺が土下座するんで大目に見てください!!
「そんなに著作権を強調するってことは、著作権スレスレだったんだねっ? 分かったよっ! 今後は気をつけるよっ!!」
よかった。 これで、ひとまず安心だな。
深間は桜や相斗よりかは反省してくれるはずだからな。
「そんで、そのネズーミンランドでデートをする訳なんだけどね、プランは大まかにだけど立ててあるから安心してっ!」
「ストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!」
「ちゃんと言い方変えたのにまだ問題あるのっ?」
「メチャクチャある! むしろ、増えたぞ!?」
ネズーミンってあれだろ!? 某弾幕シューティングゲームのネズミっぽい1面ボスの別名だろ!?
この間、英語Wの先生が授業中にも関わらず、語り始めたアレだな!?
「また、著作権っ? じゃあ、なんて言えばいいのっ?」
「もういいよ! ネズミーランドでいいよ!!」
はい、そこ! 「匙投げてんじゃねぇーよ」とか言わない!
ツッコミがどれだけ大変か分かってるのか!?
「バカな部員が邪魔してごめんねっ!」
失礼な奴だな。
誰のせいで邪魔せざるを得なくなったと思ってるんだ!?
「えーと、そのプランはどんな感じなんですの?」
「細かいところは岡崎と伊野ちゃんが説明するけど、おおまかに説明すると最初はアトラクションやらなんやらを楽しんでっ! なんとかマウンテンみたいな絶叫系でもいいよっ! 午後になったら絶叫系とかは極力避けて、小さい世界とかいうやつとかコーヒーカップ的なものに乗って、なんとなく雰囲気作りしておいてねっ!」
意外とまともなプランで安心した。
吊り橋効果を使うつもりなのかと思って一瞬、焦ったが杞憂に終わったな。
ちなみに、吊り橋効果っていうのは「恐怖や焦りから来る心音の高鳴りを恋愛感情だと勘違いする」というものだ。
でも、あんまり真似しちゃだめだぞ?
感情を勘違いさせてるだけなんだから、相手を騙していると言っても過言ではないと俺は思っている。
「それでねっ、あんまり遅くなるとご両親が心配するから5時くらいには帰宅する予定だから、5時ちょっと前に告白してねっ! タイミングとかは岡崎達が当日細かく伝えるからっ!」
それを世間では丸投げと呼ばれていることを教えてあげるべきだろうか?
まぁ、詳細をちゃんと伝えてくれるつもりなら文句はないが。
「あの、もう少し長い時間、現地にいられますよ?」
たしかに5時帰宅は少し早い気がする。
夕焼けチャイムが鳴る時間と同じくらいだもんな。
「早めに帰宅しなきゃダメだよっ。 さっき、川原先輩はお嬢様気取りとか言ってたけど、笠井先輩は本当に財閥のお嬢様なんだからねっ?」
「分かりました。 では、岡崎くん、伊野さん。 明日はよろしくお願いしますね」
そして、この後、俺と伊野に詳細が説明され、この日は解散となった。

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