現実逃避超空間

作者/ 風そら



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気付いた時には銀座にいた

そう、もうここは【SPACE】の中


【SPACE】はいまだ日本でしか実用段階になく、再現されているのも
日本の一部のみとなっている

でも、こうして自由な世界も、想像するだけで簡単に作れるんだろうに


「さてと・・・」

俺はいつの間にかそこにある自転車を手にとって、こぎ始めた
いくらなんでもワープはできないし、車も運転できない


ヘルメットは案外値段が手ごろで、一家に二台はあるほどの普及率だ
しかし、それゆえ、発生するトラブルはいくらでもある


「待てやこの糞ガキ共があぁ!!!」

右を知らっと見ると、そこには雷を落としているおっさんが、
どう考えてもジョギングのスピードで走っていた

視線を少し前に持っていくと数人の少年が全力で逃げている


なんてありきたりな場面だ

どうせタバコでも盗んだんだろう

気にせずにのうのうと自転車をこぎ続ける
別に何もできないし


この世界にも色々ルールがある

年齢20歳以下の人はいくら念じてもビール、タバコが出てこない
また、年齢関係なく、金、麻薬などは出てこない

ほしければ必然的に、そこにある物を盗むことが必要になる


思考の具現化と物理的な現象は全く別物
ピストル、マシンガン、バズーカは出てくるけど撃ったら捕まります