現実逃避超空間
作者/ 風そら

3
気付いた時には銀座にいた
そう、もうここは【SPACE】の中
【SPACE】はいまだ日本でしか実用段階になく、再現されているのも
日本の一部のみとなっている
でも、こうして自由な世界も、想像するだけで簡単に作れるんだろうに
「さてと・・・」
俺はいつの間にかそこにある自転車を手にとって、こぎ始めた
いくらなんでもワープはできないし、車も運転できない
ヘルメットは案外値段が手ごろで、一家に二台はあるほどの普及率だ
しかし、それゆえ、発生するトラブルはいくらでもある
「待てやこの糞ガキ共があぁ!!!」
右を知らっと見ると、そこには雷を落としているおっさんが、
どう考えてもジョギングのスピードで走っていた
視線を少し前に持っていくと数人の少年が全力で逃げている
なんてありきたりな場面だ
どうせタバコでも盗んだんだろう
気にせずにのうのうと自転車をこぎ続ける
別に何もできないし
この世界にも色々ルールがある
年齢20歳以下の人はいくら念じてもビール、タバコが出てこない
また、年齢関係なく、金、麻薬などは出てこない
ほしければ必然的に、そこにある物を盗むことが必要になる
思考の具現化と物理的な現象は全く別物
ピストル、マシンガン、バズーカは出てくるけど撃ったら捕まります

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