現実逃避超空間

作者/ 風そら



7



「!!!」

目を開けるとそこは俺の部屋だった

くそっ、なんなんだあいつら・・・


俺は階段を駆け下りる、というより、駆け落ちて一階に降りた

携帯を見つけ、アドレス帳から直人の名を探す



プルルルルルル・・・・・



なんて単調なコールなんだよこれ……



『お掛けになった番号は…』

おなじみのお姉さんが出てくると、俺は携帯を閉じた



まだ寝てるのか…



俺は胸騒ぎを感じて、さっさと床に入った




これから起こる悲劇を知らずに



***




朝目が覚めた


と思っていた

「???」

俺は一瞬状況が理解できなかった


俺は、歩行者天国の上に寝転がっていた



まじかよ・・・・


ここ、絶対【SPACE】だよな・・・?



深呼吸をして目を閉じる



てぃー
ぴー
わい
さんじゅう
ろく


『ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

「んが!?」


どこからともなく警告音のようなものが聞こえる


な、なんだこれ!?

『ダダダン!!!』

「!!!!!!!!!!!!!」


足元が数か所、煙を上げていた



まずい・・・



俺は無我夢中で走った




「待て!!!!!!!!!!」

なんでサブマシンガン撃ってくる奴のために待たなきゃいけないんだよ!!



「悠斗!!!!!!!」

なつかしみの感じる声――


「なおと・・・?」

ザシュッ


「がっ!!」

左足のすぐわきを弾丸がはねた



バランスが崩れてこける

「お前、なんでいんの? てかその格好・・・」


直人の左足に巻きつけてある包帯、
防弾スーツに包み込まれたからだ、
身に着けている多数の銃器


「話は後だ!この道ずっとまっすぐ進んどけ!」



『ズガガガガガガガッ!!』

弾丸がコンクリにはねてその破片が脅威をもたらす



「さっさと行け!」

直人は前方にライフルを構えると、引き金を引いた



『ドッ!!』

ひびく鈍い音


「ちっ、向こうも防弾チョッキか・・・」

俺は直人のその勇ましい姿をポケーッとして眺めていた




「ドスッ!」
「うっ!!!」

いきなり腹に蹴りを入れられた

「行けっつってんだろ!死にてぇのかよ!?」



死ぬ?

何バカなこと言ってんだこいつ

ここ【SPACE】だろ?


死ぬわけ・・・




『バン!!』

「よし、殺った。行くぞ!」


殺った??

マジで何が起きてるんだ???



俺は直人のごついグローブの手に引かれながら半泣きになっていた