二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- （吹雪物語） 世界への挑戦！編 完結
- 日時： 2016/11/08 00:24
- 名前： しろお （ID: Gu5gxE0Z）
時々URLが光っていますが、アフロディのサイドストーリー以外はyoutubeです。なので音量注意です！ 世界編からは、吹雪っぽい曲以外にもサイドストーリーのキャラごとのイメージ曲をつけて遊んだりしてますので、よかったら聞いてみてくだされ
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[イナズマイレブン４ 呪われたフィールド]
イナズマイレブンの高校生編。中学生編でスポットの当たらなかったサブキャラクターたちがメインです。主人公は豪炎寺の従兄弟。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=22282
[イナズマイレブン５ さすらいのヒーロー]
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[吹雪兄弟の事件簿]
吹雪兄弟の子供のころの短編。吹雪好きはぜひ
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[イナズマイレブン×REBORN！ 神の復活]
こちらはアフロディのお話です。わりとREBORN好きな方向けですかね。イナズマイレブンGOの世界がメインかもです。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=21867
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- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.560 )
- 日時： 2014/03/31 19:16
- 名前： しろお （ID: L/on88L2）
第二十四話 最強のチームを目指せ！
昨日の試合結果は、アメリカとアルゼンチンが引き分けた。グループリーグBから決勝トーナメントに進むのは、イタリアと日本に決まった。
今日は試合は無いが、吹雪にとっては世界大会よりも重要なことがある。
メリシンという新米天使の話では、悪魔がライオコット山の噴火による大量殺戮を目論んでいるらしく、それを阻止しなければならない。決戦は明日の予定だ。
吹雪はそのためのチーム編成をアフロディに一任し、そして今日ようやくそのメンツと初顔合わせになる。
吹雪はアメリカエリアの公園に着く。
「やあ吹雪くん。もう僕らの連携はバッチリだよ！」
アフロディの後ろには、イタリア代表フィディオ、アルゼンチン代表テレスをはじめ、今回の世界大会で活躍した、見るにも強そうな選手たちが揃っていた。
全員、人々の命を守るため、と正義感に満ち溢れ、張り切っている。
「まさかこんなすごいメンバーでサッカーができるなんて」アメリカのマークが、目を輝かせている。「夢みたいだ！」
「悪魔に見せてあげますよ。貴公子エドガー・バルチナスの力を……」
イギリスの主力FWエドガーも参戦している。
「これが僕が考えた、最強のオーダーだよ」
アフロディが吹雪に手帳を手渡した。そこには、スタメンだけでなく、各選手の情報が載っていた。
吹雪は、チームの中には初めて見る者もいるので、軽く予習をしておくことにした。
FW エドガー（イギリス） ロニージョ（ブラジル）
MF アフロディ（韓国） レオナルド（ブラジル） マーク（アメリカ） フィディオ（イタリア）
DF ベント（イタリア） ウォルター（コトア） テレス（アルゼン） 吹雪（日本）
GK ロココ（コトアール）
アフロディメモ
エドガー
イギリス代表。主力かつキャプテンであり、FWでありながら攻撃陣の司令塔としても機能する。強烈な弾丸シュートは『エクスカリバー』と呼ばれている。
テレス
アルゼンチン代表。アンデスの要塞と呼ばれたアルゼンチンディフィンスのリーダー格。フィジカルに長けるが、戦術理解度や状況判断に非常に優れている。
ロニージョ
ブラジル代表。生粋のストライカーで、今大会は圧倒的な得点数を誇り、２位のフィディオと１０点差をつけている。独特なドリブルは敵の脅威。
レオナルド
ブラジル代表。攻守に優れる中盤のバランサー。ロニージョと組み、アシスト王を記録している。
ロココ
コトアールの守護神。コトアールは決勝トーナメントに進出していて、ロココ自身の成績はさほど高くないけど、この僕にはわかる。彼は実力を隠している。
ウォルター
同じくコトアールの選手。大柄だが俊敏な動きを得意とし、チームを決勝トーナメント進出まで導いている。
ベント
イタリアのDF。サイドバックを得意とし、ディフィンス能力が高いだけでなくパスやクロスの精度もチーム１。しかし最も恐るべきはそのスピードである。また、ボールにたいする反応も早い。
マーク
アメリカMF。一之瀬が安心して攻撃に出れたのは、この選手が中盤の舵をとっていたおかげだと僕は思う。運動量は驚異的だし、それに攻撃のテクニックも持っている。
フィディオ
イタリアのFW。シュートも上手いスーパードリブラーとして有名だったけど、日本戦で彼はMFとして攻守ともに優秀なことがわかった。
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.561 )
- 日時： 2014/03/31 19:16
- 名前： しろお （ID: L/on88L2）
吹雪は初顔に挨拶してまわり、悪魔の野望を打ち破るというお互いの目的を確認しあった。
その後はフォーメーション練習などをしたあとで、スペインチームとの練習試合を何回か行った。
日が暮れると、メリシンが公園にやってきた。
「やってるね」
メリシンの隣に、見慣れない天使がいた。「その人は？」とフィディオが訊いた。
「私はセイン。こいつの兄だ」
彼は赤髪を後ろで三つ網にしており、独特な雰囲気をかもしだしていた。
「今回はメリシンの初仕事なわけだけど、心配で見に来たんだ。ちょっと初めてにしては荷が重い内容だからな」
セインはメリシンの頭をぽんぽんと撫でた。「さわんじゃねー」とメリシンは不機嫌になり、兄の手を払いのける。
「こいつこんな性格だから、仕事手伝ってくれる友達もいなくて……」
「余計なこと言うんじゃない」
メリシンが顔を赤くして兄の胸倉を掴んだ。が、はっとして、咳払いをしてから、すぐに選手たちの方を向き、
「明日はマグニード山ふもとに１４時集合。おのおのドリンクなど、準備を整えてくるように。最後にこのチームの名前だけど……」
「チーム名か。なんだか、やる気が入るな」
ロココが照れくさそうに鼻をこする。
「そうでしょうそうでしょう。三日三晩、寝ずに考えたのよ。ってそれはいいとして……。私たちのチーム名は、『ジ・イカロス』！ 明日は絶対勝つのよ！ 悪魔の野望を打ち砕くために！」
・ ・ ・
六日前、メリシンとセインは、悪魔に勝負を申し込むため、釣り場へと来ていた。
「デスタ、あなたの好きにはさせないわ」
釣り師風の格好をした男に、メリシンが言った。男は、あくびをして面倒くさそうに立ち上がった。そして、
「なんでわざわざ、悪魔の俺にそれを言いに来たんだ？」とだるそうな面持ちで言った。「火山に行って、クソ天使の力とやらで噴火を遅らせるなり無くすなりなんなりすればいいだろ」
「うるさいわね！ 私はみならいだから、そんな強い力持ってないの！」
「ションベンくせぇ見習い天使が、ひとりで悪魔と戦うってのか？ 俺を……舐めてんのか？」
デスタは服を脱ぎ捨て、黒い装束の姿になり、メリシンに詰め寄った。すぐに、隣にいたセインの存在に気づき、「んだよ、いるじゃねえか仲間が……」と吐き捨てるように言った。
「こいつはただの監視役よ。戦うのは私ひとり……デスタ、あなたに挑戦を申しこむわ！」
「挑戦だと？」
「そう、サッカーで勝負よ。私たちのチームが勝てば噴火は阻止、あなたのチームが勝てば噴火……どう？」
「はああーなるほど、俺と直接戦って勝つのは無理だから、そういう手段で来たわけか！」
「悔しいけど、そうよ」
「天使の癖に仲間もいなくて、みならいの癖にひとりで悪魔に立ちむかおうってのか。お前、いい根性してんなあ。きたねえ人間の味方なんか止して、俺たちの仲間になれよ」デスタは感心し、顎に手を添えてまじまじとメリシンを見る。
「お断りだわ。私はこれからあなたに勝って、他の天使に実力を見せ付けるんだから」
「いいだろう。サッカーで白黒つけようってか……面白い、勝負好きな俺様としてはこの挑戦、受けないわけにはいかねえな」
「じゃあ、どうするの」
「乗った。だがこの炎に誓え」デスタは手の上に、黒い炎を出現させる。「みならい天使、お前が負けたら俺は好きにさせてもらうぜ……。この島にいる人間の魂、全て魔王に捧げる。それでいいんだな？」
微笑を浮かべるデスタに対し、メリシンは唾を飲み込んで、余裕を装って「いいわ」と答えた。
デスタは姿を消した。彼の立っていた場所に、鍵が落ちていた。メリシンがその鍵を拾うと、デスタの声が聞こえてきた。
『勝負は六日後。マグニード山のふもとに、あの世への門を用意しておく。その中で勝負だ、みならい天使』
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.562 )
- 日時： 2014/03/31 19:37
- 名前： しろお （ID: VlEkFmzy）
・ ・ ・
試合を明日に控えた前の晩、電気の点いていない暗い部屋でひとり、吹雪は窓から顔を出し、夜の空を眺めていた。
「いよいよあしただね。僕らの勝ち負けで人の命が左右されるなんて、ちょっとプレッシャー感じるなあ」
「負けちゃだめだよ」
いつになくメリシンが弱気だった。ベッドの上に座って、彼女はうつむいている。月の光が彼女の白い頬を、美しく際立たせている。
「大丈夫さ。連携もよくとれてるし、息も合ってる。なにより、アフロディくんが選んでくれた、最強のメンバーだからね」
「でも相手は悪魔だし、もしかしたら勝負を受けるっていうのも嘘で、私たちを魔界に閉じ込める気なのかも」
不安そうにするメリシンをみかねて、吹雪は彼女の隣に腰を降ろし、肩に手を回して、違う話をし始めた。
「ねえ、メリシンが僕を選んだのはなんで？」
メリシンは吹雪とは目をあわさずに、「ぎりぎりだからよ」と呟くようなかぼそい声で答えた。
「なにがぎりぎり？」吹雪は首をかしげて、メリシンの視線の先を見るが、特に目立つものは無い。
「年齢が、よ。悪魔とサッカーすることになったら、悪魔はこの世界じゃサッカーできないし、天界か魔界に行くのは必至でしょ。１６歳以上があの世に行っちゃうと、魂が死んだと認められて、そのままあの世に定着しちゃう可能性がかなり高くなるの。つまり死んじゃうってことね。アナタ達は年齢ぎりぎり、あの世に連れて行ける最強のメンバーは、１５さいまでじゃないとダメなの。だから、中学生の大会はちょうどよかった。だけど、あなたが私の依り代として選ばれたのは、ただの偶然よ」
「ふうん」
意外と色々考えてるんだね、と吹雪が言うと、意外は余計よと言ってメリシンは吹雪を肘でつついた。
「僕は偶然だと思えなかった」
「は？ なんで？」
吹雪は立ち上がり、リュックから写真を取り出した。そこには、弟と自分が並んで映っている。
「僕さ、ちょっと前まで二重人格で、いつも僕のそばに、僕にしか見えないアツヤっていう奴がいたんだ。だからまた、僕にしか見えないメリシンが現れたとき、なんだか嬉しかった」
「アツヤって。あんた正気？ あんたこそ、意外と変なやつね。面白いジョークだわ」
「えー、真面目な話なんだけどなあ」
メリシンが笑顔になったのを見て、まあいいか、と吹雪も笑った。
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.563 )
- 日時： 2014/03/31 19:38
- 名前： しろお （ID: VlEkFmzy）
「これ、僕の弟」吹雪はメリシンに写真を見せた。そして、疑問に思っていたことを口にする。
「あの世にも、サッカーはあるの？」
吹雪の問いに、メリシンはしばらく黙り込んで何か考えていたが、やがて口を開いて、「本当はあまりあの世のことは教えちゃだめなんだけど」と言って、続けた。「あるには、あるわ。私は詳しくないけれど、それぞれの神さまがチームをひとつ持ってて、死んだ人でサッカーが上手い人は、そこのチームにスカウトされたりする、って聞いたことはあるよ。私の神様は、サッカーチームを持っているのは一種のステータス、って言ってたわね」
「神様がチームを持ってるんだ。面白いね」
「今度遊びにきてみる？ 帰れる保障は無いけど」メリシンは満面の笑みで言う。
「つまり、ずっと僕と一緒にいたいのかい？」と吹雪は冗談めかしく言った。メリシンの怒りの鉄槌が振り下ろされる前に、質問をしなおした。「僕の弟も、サッカーしてるのかな」
立ち上がって拳を構えたメリシンだったが、ベッドに座って、
「そんなの知らないわよ」と素っ気無い調子で返した。
「そう、だよね。吹雪敦也って名前なんだけど」
「知らないったら知らないんだって。私サッカーなんか興味ないし。でもあんたの弟、あんたよりは見所ありそうな顔つきしてると思うわよ」
「僕もそう思う。会いたいな、敦也に」
吹雪はベッドから離れ、また窓によりかかり、空を見上げた。
メリシンは気になることがあるのか、「あれ？」と言って目を白黒させた。「さっきあんた、人格がアツヤって言ってたよね。弟の名前も敦也だけど、どういうことなの」
「さあ。さっきのはただの冗談だから、気にしないでよ」
「ちょっと！ 天使であるこの私を、ごまかせると思ってるの？」
「ただの冗談だよ。ちょっと前まで宇宙人と戦ってたのは本当だけどね」
「えっ！？ 何その話！ あんたはどうでもいいけど、宇宙人とアツヤは気になるわ！ 教えなさい！」
「やだよ、もう寝る」
「教えないと地獄に落とすわよ」
「はいはい、どうぞご勝手に」
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.564 )
- 日時： 2014/03/31 22:19
- 名前： しろお （ID: gdK5hR0W）
第二十五話 世界への挑戦！ ジ・イカロス
「よし、行こう！」
「行こう！」
朝食後、すこし休憩してから、吹雪とメリシンは外に出ようとした。すると、「ちょっと吹雪さん」と音無が呼び止める。
「なんだい」
吹雪が振り向くと、音無が心配そうに吹雪の顔を覗き込んだ。「さいきん変ですよ？」と音無は吹雪を心配そうに見て言った。
「昨日、吹雪さんの部屋から、声が聞こえたんです。誰かとお話していたんですか？」
あきらかに、アツヤがまた再発したんじゃないかと、心配しているようだった。
「あ、ああ。あれは、独り言だよ。イメージトレーニングしてた」
「そうなんですか。それならいいんですけど……」
「じゃ、僕行って来るね」
「行くってどこにですか？ お昼前に練習ありますよ？」
「え。ちょっと僕……お休みしたいなあ、なんて……」
「どこか悪いんですか！？ 大変です、ブラジル戦前に吹雪さんがいないなんて！」
「あ、大丈夫大丈夫。今日はちょっと用があるんだ。あとで戻ってくるから」
「……本当に戻ってくるんですか？」
「え……」
音無はうつむいて、なにか不安なようだった。
「なにか、隠してませんか」
吹雪はどきりとして答えに困ったが、いまさら答えを出し惜しむこともない、とすぐに思い直し、いま置かれている状況をすべて彼女に伝えた。
音無はすぐに理解できないようだったが、メリシンの姿が見えると納得した。
「ってことはいままで、メリシンさんとずっと一緒にいたってことですか！？ お、お、おふろのときも、ま、まさか寝るときも一緒に！？ わわわ」
あらぬ想像で、音無は顔が赤くなり、のぼせてしまっている。
「お、落ち着いてよ音無さん」
「今の話、聞いたで」
どこからかひょいとリカが現れ、面白そうやな、と不敵な笑みを浮かべた。
「危ないところだから、連れて行けないよ！」と吹雪が二人に言ったが、リカには逆効果だったようで、「おい円堂！ 吹雪が悪魔退治に行くってよ！」と大声で叫んだ。
「なに！？ よし、俺も行くぞ！」
円堂が応じると、「円堂くんが行くなら僕も！」と基山が声をあげ、さらに「吹雪、俺も力になるぞ」と風丸が名乗りをあげた。つぎつぎと仲間が増え、同時にメリシンを見ることができる者も増えた。
「リカについて行くぞ、みんな！」
「目指すはマグニード山ふもとや！ ついてきい！」
いつのまにか、円堂とリカが先頭をきって、走っていってしまった。音無と吹雪とメリシンは、ぼちぼちと後を追う。
「ふもとで、もうアフロディくんたちが待ってるはずなんだ」
「ふうんそうなんですか。あの、吹雪さんとはどういう関係なんですか」吹雪を挟んで、音無は反対側のメリシンに訪ねた。
「へ？ どういう関係も何も、私は天使だし……」
「吹雪さんにとって天使ということですか！？ そ、そんなのひどい……吹雪さん……ひどいです……」
「いや、なにそれもう……」
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