二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- （吹雪物語） 世界への挑戦！編 完結
- 日時： 2016/11/08 00:24
- 名前： しろお （ID: Gu5gxE0Z）
時々URLが光っていますが、アフロディのサイドストーリー以外はyoutubeです。なので音量注意です！ 世界編からは、吹雪っぽい曲以外にもサイドストーリーのキャラごとのイメージ曲をつけて遊んだりしてますので、よかったら聞いてみてくだされ
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[イナズマイレブン４ 呪われたフィールド]
イナズマイレブンの高校生編。中学生編でスポットの当たらなかったサブキャラクターたちがメインです。主人公は豪炎寺の従兄弟。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=22282
[イナズマイレブン５ さすらいのヒーロー]
不動明王の高校卒業後のエピソード。卒業後海外クラブへ挑戦するための旅費、お金稼ぎの時期の話。こちらもサブキャラクターたちがメイン
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29765
[吹雪兄弟の事件簿]
吹雪兄弟の子供のころの短編。吹雪好きはぜひ
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=22087
[イナズマイレブン×REBORN！ 神の復活]
こちらはアフロディのお話です。わりとREBORN好きな方向けですかね。イナズマイレブンGOの世界がメインかもです。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=21867
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- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.535 )
- 日時： 2014/03/18 15:17
- 名前： しろお （ID: TNFDjStA）
アフロディは吹雪の話を了解し、すでにライオコットに滞在していた。
最強のチームをつくるとしても、吹雪は練習に集中しなければならない。アフロディは考慮し、自らスカウトを買って出た。
（僕のこの眼なら、選手の実力を測り間違うことはないだろうし……ね）
また、試合の出来次第では、アメリカのMF一之瀬和哉も視野に入れていた。
「やあ、待ってたよベントくん、フィディオくん」
さっそく彼が召集したのはイタリア代表のふたりだった。チームは実力よりも、連携が大事だ。癖のある者よりも、まずは順応力の高い選手を選んだほうが良いと判断した結果だ。
「ベントでいい」
ベントは手を差し出してきた。アフロディはすぐにそれに応え、フィディオとも握手を交わした。
「話は本当なのか？ 協力するよ」
しかしそういいながらも、まだフィディオは信じ切れていない様子だった。アフロディは、「ぼくに付いて来て。今日アメリカ戦がやってる場所で、天使が待ってる」
そこはライオコットからすこしはなれた離島である。船でそこに向い、メリシンと会わせた。
「本当に、天使なのか？」ベントは後ろ頭を掻く。「俺には普通の女の子にしか見えない。フィディオはどうだ？」
「僕には天使に見える。美しいよ」
「お前のそれはただのナンパ文句だろうが。この根っからイタリア人め」
「何じろじろ見てんのよ気持ち悪いわね。じゃあ今からあなたたち以外には見えてないって証明するから、ちょっと見てて」
メリシンはスタジアムの外を歩いていた女性に話しかけた。が、聞こえるはずもなく、何の反応も示さない。
フィディオたちの視線に気づいて、女性は「何ですか？」と言った。
「いまアメリカ対日本の試合は、どうなってますか」とアフロディが訊いた。
「そうねえ。いい試合してたんだけど、一之瀬選手が負傷してたみたいで、交代したから。たぶん日本が勝つんじゃないかな」
〜作者あとがき〜
こんにちは。読んでくださって嬉しいです。
さいきん好きなバンド、Fear,and Loathing in Las Vegasですが、ボーカルが吹雪、叫びまくってるほうがアツヤっぽい気がしてなんとなく吹雪世界編のイメージ曲にしました。
エイリア編が終わっても、吹雪はアツヤと一緒にいる…まあ自分でも何が言いたいのかわかりませんがそういう感じです！
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.536 )
- 日時： 2014/03/18 14:39
- 名前： しろお （ID: wriHP60F）
日本は本選の決勝トーナメント進出をかけて、グループリーグBを戦っている。
Bグループはアルゼンチン代表ジ・エンパイア。
アメリカ代表ユニコーン。
イギリス代表ナイツオブクイーン。
イタリア代表オルフェウス。
日本代表イナズマジャパンの５チームで構成されている。日本はここまでイギリスに勝利し、アルゼンチンに敗北している。
今日の試合は大熱戦を繰り広げたが、終盤の一之瀬の交代とアメリカチームの疲弊で、日本が４−３と勝利を収めた。
「一之瀬」試合終了後、円堂がアメリカベンチの一之瀬まで歩み寄った。一之瀬は、ピッチの近くで、熱戦の後を見つめていた。
「勝利おめでとう、円堂。最後までピッチに立って居たかったけど……できなかった」一之瀬は静かに微笑み、視線を落とす。
「いいや。お前がベンチに下がった後も、ピッチにはお前の気迫が残っていた」円堂は拳を握り締め、自分の胸に当てる。「だから俺は、最後までお前と戦ってた気がする」
一之瀬はそう言われて、驚いた表情をしたあと、照れくさそうに笑った。
「円堂。俺はあきらめない。必ずまた君と戦うよ」
「ああ。楽しみに待ってるぜ！」
ふたりはお互いのサッカーへの気持ちを認め合うかのように、固い握手を交わした。熱い友情に、観客は試合後の労をにぎらう拍手と喝采を送った。
試合後、ユニコーンのミーティングルームにて。敗北を喫し、誰も言葉を発せず、ただ重苦しい雰囲気が漂っていた。
他のメンバーと同じようにうなだれていたディランが、顔をあげ、アメリカの監督をにらみつけた。
「監督、なぜあのタイミングで！」
監督の、サングラスの奥の表情は見えず、答えない。そこで、一之瀬が「違うんだ」と声をあげた。
「みんな聞いてくれ。実は俺の体は故障を抱えてて、無理して試合に出てたんだ。それを監督は見抜いて俺を下げた。監督のせいじゃない、今日の負けは俺のせいだ」
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.537 )
- 日時： 2014/03/18 14:49
- 名前： しろお （ID: wriHP60F）
スタジアムから人が去ったあと、一之瀬と秋だけが、夕日に照らされるピッチを観客席の手すりに寄りかかりながら見つめていた。
「秋には迷惑かけちゃったね。俺のせいで、心配させて」
「本当よ！ 悩んじゃった」
「ごめん」
「でも嬉しかった。電話くれたとき」
「えっ」
「やっぱり仲間なんだなって。アメリカ行ってから、全然連絡くれなかったんだもん。もう私のことなんか忘れちゃったのかなって」
「心配かけてばっかりだなあ。土門も俺も、余裕無いくらい練習したから」
「でしょうね。だって、今日の一之瀬くん、すごかった。今までで一番輝いてた」
「ああ。でも、これで終わりじゃない」
一之瀬の言葉にはっとして、秋は彼の顔を見つめた。決意と希望に満ち溢れた表情が、オレンジの空をみあげ、「この世界にサッカーがある限り、俺はサッカーをし続ける。そして……」
一之瀬も秋の目を見つめ、「絶対に、プロリーグのデビュー戦に秋を招待する」
穏やかに笑った一之瀬は、試合の時の鬼気迫る彼とは別人のようだった。「絶対だよ」とだけ言って秋は約束した。
アメリカ戦を終えた日本の元に、何通か手紙が届いた。
それらを目を通した後、応援してくれる人たちの激励に、メンバー一同でブログに感謝の意を載せた。
手紙の中に、砂木沼からのものがあった。ネオジャパンの選手たち以外も、代表に選ばれるよう努力しているのだとか。
ヒロト宛てに、瞳子から郵便物が届いた。箱の中身をひとり、部屋で空けてみると、そこには忌まわしい記憶と共に眠ったはずの、紫色に怪しく輝く石と、一通の手紙が入っていた。
「姉さん、いったいどういうつもりなんだ……！？」
手紙をすぐに広げると、そこには瞳子の字があった。
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.538 )
- 日時： 2014/03/18 15:34
- 名前： しろお （ID: TNFDjStA）
- 参照： http://www.youtube.com/watch?v=NT4Ttis9-2s
第十九話 疾風少年の舞
「ひさびさの……フリータイムだな」
韓国戦を前にして、午前の練習を終えた風丸は、シャワーを浴び昼食を済ませ、部屋にひとりきりになった。特にやることもないので、豪炎寺を誘って映画館に行くことにした。
「円堂は呼ばなくていいのか？」
映画館への道の途中で、豪炎寺が尋ねると、風丸はためいきを吐いて、
「前あいつとハリポタ行ったとき、いびきかいて寝たんだぜあいつ？ 今回はやめとくよ」
豪炎寺は風丸とは旧知の仲であるから、遠慮せずに笑い所では普通に声を出して笑う。「練習で疲れてたんだろ」と豪炎寺はフォローをいれたが、元気なときでも円堂は寝そうだ、という思いはあった。
映画館に着く。風丸は席に座るとき、「よっこらしょ」と思わず言ってしまった。そして深く後ろにもたれたとき、自分も疲れているんだな、と気づいた。
館内が暗くなり、スクリーンが映し出される。いくつか予告が流れた後、本編が始まった。
（豪炎寺と一緒だと、静かに映画が見れていいな）
大人数で来ると、綱海、栗松あたりが非常に騒がしくなり、他の客に迷惑をかけることは容易に予想できた。風丸はどんなことになるか予想した。
鬼道あたりをつれてくると、観ている途中で「犯人は読めた。こいつに違いない……」と躊躇なくネタバレするだろう。吹雪なら、いつのまにか知らない女の子といちゃいちゃしてたり、染岡は号泣してうるさくて迷惑だ。
しかしこの豪炎寺はどうだ。ポップコーンは意外にもキャラメル、飲み物も映画館で買い、なにより静かで、映画館のマナーを全て守り通す。マナーにうるさい風丸が唯一認められるのはこの男を置いてほかにいなかっただろう。
最初のほうはそういうことばかり考えていた風丸も、やがて映画のほうに意識が集中していった。
- Re: （吹雪物語） 世界への挑戦！編 ( No.539 )
- 日時： 2014/03/18 15:06
- 名前： しろお （ID: 8MJfB7s.）
・ ・ ・
体が重く、目を開けるのがやっとだったが、無感覚でもわずかに自分の指が動いているのが視界に入った。どこか広々とした大地で、やけに太陽がまぶしい。
ここはどこだ、と風丸はあたりを見回すが、地平線まで焼けた土と青い空が続くばかりだ。後ろの背中の感覚からして、今、俺は岩か壁によりかかっているのだろう、とぼやける頭で考える。
銃声が聞こえた気がした。すぐ前にある大きな岩の向こうで、なにかが起きているようだ。
意識が回復するまでまどろんでいると、体に小粒のなにかがあたった気がした。ゆっくり首をあげて空見ると、いつのまにかあの眩しいばかりの太陽は曇に隠れ、景色は一気によどみ、やがて雨が降り出したのだった。
何も思い出せず、体も思うように動かない。ただ、誰かが、大事な誰かがここまで俺をひきずって、運んできてくれた。そんな気がした。
その人のところへ行かなくちゃ。
風丸は水の溜まった地面を這いずり、銃声の聞こえたほうへ必死に自分の体を運んだ。やがて、誰かの足が見え、さらに近づくとどしゃぶりの中、仰向けに誰かが倒れていた。
思考が停止したまま、ただその人の安否を風丸はたしかめるため、地面に手をつき、倒れた人の顔を上から覗き込んだ。
「円……堂……」
風丸は、体中傷つき、血だらけで瀕死の男を知っていた。おそらく、彼がここまで自分を運んでくれたんだ、と風丸は無意識の中理解していた。
円堂は、満身創痍だったが、痛みに苦しんでいる様子はなく、雨の中、自分の命が残り少ないのを覚悟しているようだった。
円堂は大の字に倒れたまま、体に力を込めようとしたが、とうとう動かなかった。そこで、あきらめたように、ふっと笑った。
雨の音だけが流れる。
「俺のぶんまで————」
腹からしぼりだしたような、かすれた声で、円堂は喋った。「あんたのぶん？」風丸はぼやける視界の中、円堂の目を見つめ返す。
「そうだ。お前が———」
円堂は血だらけの左腕を、弱々しく震わせながら、風丸の頭に手をのせた。
「生きる」
円堂は自分の胸に風丸を引き寄せた。すぐに、だらんと力の抜けた左腕は地面につく。
生ぬるい血の感触が、風丸の頬に張り付いた。ゆっくり顔をあげると、円堂は傷だらけなのに、なぜか笑っているように見えた。
「俺の誇りや夢……」
円堂が右腕に握っていた大剣が、彼の最後の力によって風丸に引き渡される。「全部、やる」
風丸は剣を受け取り、剣先まで見たあと、円堂に視線を戻した。彼は目をとじ、空に向かって優しく微笑んでいた。
「え……あ……」
風丸は、心に鈍い痛みが走ると同時に、意識が戻り始め目を見開く。目の前で親友が死に行く光景を見ていながら、今始めて、彼が死ぬのだとわかった。
雨が風丸の頬についた血をにわかに洗い流しながら、風丸は自分の涙が止まらないことに気づいた。
「あ……あ…」
悲しみが彼から言葉を奪っていた。が、やがて風丸は空に向かって、親友の死を嘆く悲痛な叫びをあげた。その叫びは、今まで失われていた風丸の感情が全て爆発したかのように激しく、死を悲しむ純粋な心に同情するかのように草の揺れる音も風の音も雨の音も彼の叫びを遮ることはなかった。
曇天は晴れ、風丸と円堂を光が照らす。円堂の血が消えることはなかったが、死後も彼の微笑みは空の太陽のようであり、風丸は自然と心が洗われるような気がした。
「夢を持て」円堂は常々、風丸に言い聞かせていた。「英雄になりたければ、夢を持つんだ」
その言葉を、風丸は目を閉じて思い出していた。
「ありがとう」目を開けて風丸は静かに言い、そしてゆっくり立ち上がった。
「忘れない。おやすみ———」
風丸は苦悶の表情を浮かべたが、もう一度目を閉じこらえた。
「———円堂」
大剣をひきずって、風丸は歩き出した。風丸自身、まだ意識がはっきりとしていたわけではない。町がどの方向にあるかもわからないが、彼は一歩一歩その歩みを止めることなかった。朦朧とした意識の中交わした約束でも、守るため、生きるために、彼は必死に歩き続けた。
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