二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- (吹雪物語) 世界への挑戦!編 完結
- 日時: 2016/11/08 00:24
- 名前: しろお (ID: Gu5gxE0Z)
時々URLが光っていますが、アフロディのサイドストーリー以外はyoutubeです。なので音量注意です! 世界編からは、吹雪っぽい曲以外にもサイドストーリーのキャラごとのイメージ曲をつけて遊んだりしてますので、よかったら聞いてみてくだされ
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[イナズマイレブン4 呪われたフィールド]
イナズマイレブンの高校生編。中学生編でスポットの当たらなかったサブキャラクターたちがメインです。主人公は豪炎寺の従兄弟。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=22282
[イナズマイレブン5 さすらいのヒーロー]
不動明王の高校卒業後のエピソード。卒業後海外クラブへ挑戦するための旅費、お金稼ぎの時期の話。こちらもサブキャラクターたちがメイン
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29765
[吹雪兄弟の事件簿]
吹雪兄弟の子供のころの短編。吹雪好きはぜひ
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=22087
[イナズマイレブン×REBORN! 神の復活]
こちらはアフロディのお話です。わりとREBORN好きな方向けですかね。イナズマイレブンGOの世界がメインかもです。
ttp://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=past&no=21867
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- Re: (吹雪物語) 世界への挑戦!編 ( No.600 )
- 日時: 2014/05/02 01:29
- 名前: しろお (ID: SEvijNFF)
「僕さあ」
目を覚ましてから数分、上体だけ起きたまま、毛布のしわを見つめるかのように茫然となっていた吹雪が、自身の部屋の中で突然声を発した。メリシンと音無は驚く。
「ずっと敦也に、『ありがとう』って言いたかったんだ。言うの、忘れちゃったよ……」
「最後に、言えてたよ」
吹雪は顔をあげて、メリシンを見た。「あ、そうだったんだ。よかった」
吹雪が笑ったのを見て、ふたりはほっと肩を撫で下ろす。
「ほんとうに、あなたには感謝してます」
ぺこり、とメリシンはお辞儀する。
「こちらこそ、ありがとう。こんな機会を与えてくれて」
「これ、あげる。わたしそろそろ行かなきゃ」
メリシンは吹雪の毛布のうえに小さな箱を置いた。
「お別れ、だね。なんだか寂しいな」
「わたしは全然?」
メリシンはおどけて笑ってみせる。「ひ、ひどいなあ」と吹雪は言葉を正直に受け取って、眉を下げて言う。
「だって、あなたを見てきてわかったから。たとえ離れ離れになっても、お互いの心がつながっていれば、また会えるって!」
吹雪はそれと聞くと笑みを見せ、メリシンを見つめた。
「大会中だったから無理だったけど、こんど会ったときは、どこかに遊びに行こう」
メリシンは頷いて、「春奈も一緒に行こう?」と音無のほうを見て言った。ふたりの雰囲気の中で、音無は居心地が悪そうにうつむいて、ときどき顔をあげては二人の表情を見比べ続けていた。突然話しかけられて驚く。
「は、はい! 楽しそうですね!」
「うん、約束!」
その声をきいてから、ふっと吹雪がまばたきをしたとき、メリシンが立っていた場所にはもう、誰もいなかった。
音無も気づいて慌てる。
「メリシンはもう、帰ったんだ。自分のところへ」
吹雪の声には悲しみが混じっていた。彼はため息をついて、
「僕の場所は……」
視線をおとす吹雪のそばに、音無は寄り、そっと吹雪の手を握った。吹雪はおどろいて、音無の顔を見つめる。吹雪が、照れくさそうに目をそらして、
「音無さんは……ふたりみたいに、いなくなったりしないでくれるかい?」と言うと、音無はほほ笑んで、
「ずっと一緒にいますよ」とこたえた。言ったあとで、音無は顔を赤らめる。
- Re: (吹雪物語) 世界への挑戦!編 ( No.601 )
- 日時: 2014/04/29 20:48
- 名前: しろお (ID: u5wP1acT)
目をしっかりとあわせる二人の横顔を、窓からさしこむ夕日が照らす。どこかそれは美しく、あたたかく、ふたりの手は温度を増して、お互いの手が汗でしめっているのがわかる。
外の光だけで部屋は明るかったが、一瞬だけ影ができ、部屋は暗くなった。
窓辺に人の気配を感じて吹雪が見ると、そこにはナイフを手にかまえた鬼道が立っていた。表情は落ち着いているようにみえるが、ナイフを持つ手は痙攣でも起こしているのというくらい震えている。
音無も気づいて、ぎょっと目を見開いた。
「そうか、吹雪。そんなに天国の弟に会いに行きたいか……今すぐ会わせてやるよぉぉぉぉぉ!!」
「おっと、まだ死ぬわけにはいかないよ。プロで活躍するって、敦也と約束したもんでね」
吹雪は余裕の笑みで鬼道のひと突きをかわしたあと、部屋の鍵を開けて外に飛び出した。鬼道を置き去りにして、吹雪は自分が病服だったことに気付く。
誰かが着替えさせてくれたのだろうが、汗はさすがに気持ちが悪かった。吹雪は浴場に向かう。
きているものを脱ごうとしたとき、ポケットにひっかかりを覚え、とりだすと、さきほどのメリシンのプレゼントだった。
中には、銀色のペンダントが入っていた。手紙も無いかと見てみるも、他にはなにも入っていない。
だがペンダントの意図は、吹雪にはすぐわかった。静かに笑って、ペンダントを首にかけ、その姿を鏡にうつす。見慣れた自分の顔の下に、光が輝く。銀色の小さな宝石に似たもので、半分欠けているように見える。
(たとえ離れても……)
- Re: (吹雪物語) 世界への挑戦!編 ( No.602 )
- 日時: 2014/04/29 19:06
- 名前: しろお (ID: u5wP1acT)
- 参照: http://www.nicozon.net/watch/sm9545943
ED
〜 Link 〜
作詞hyde 作曲tetsu
覚えているかい おさない頃から
つまさき立ちで届かない扉があったよね
時間を忘れて彷徨いつくした迷路の道は いつもそこに行き当たる
無意識に君の笑顔を 探すのはとめられない
何ひとつ変わらずに今も 僕は駆けて行く
たとえ遥かとおく 離ればなれになっても 繋がりあう思い
いたずらな運命が 降りかかろうとも 壊れやしない
望まれる明日が その先にあると
頭の中で 誰もが気づいているはずさ
晴れ渡る日々に 争いの道具が
消え去るときを いつか君にみせたいな
傷つけあうのを止めない 落ちていく世界だけど
君に出会えたことだけで もう何も怖くはない
たとえこの体がいくら燃え尽きてもいいさ 君に捧ぐなら
大空へと僕は真っ白に舞い上がり 守ってあげる
たとえ遥か遠く 離ればなれになっても 繋がりあう思い
いたずらな運命が 降りかかろうとも 壊れやしない
たとえこの体がいくら燃え尽きてもいいさ 君に捧ぐなら
大空へと僕は 真っ白に舞い上がり 守ってあげる
- Re: (吹雪物語) 世界への挑戦!編 ( No.603 )
- 日時: 2014/04/29 20:49
- 名前: しろお (ID: u5wP1acT)
- 参照: http://www.nicozon.net/watch/sm9545943
エピローグ
チーム・宇賀神との練習試合を終え、敦也はベンチに戻る。
「はい」とタオルを渡され、受け取って汗をぬぐった。
「ありがとよ」
誰から受け取ったのか確認せず受取っていたため、拭いたあとになって見ると、いつか士郎を助けたときにいた天使だった。
「おまえ……たしかメリシンとかいう変な名前の」
「変は余計よ」
腹にパンチを入れられて、敦也は血相を変えて思わず殴りかかろうとかまえたが、「天使に手出したら終わりだぞ!」と仲間たちに取り押さえられる。
「わたし、あなたのチームのマネージャーになるから、よろしくね」
「はあ? 天使ってのは暇なんだな意外と」
「お兄さんに比べてずいぶん気が強いのねあなたは」
メリシンはため息をつく。
「みんな集合しろ!」
キャプテンのアルヒーリの一声で、選手たちが集まってくる。
ヒーリは選手たちの前でポスターを披露した。そこには、『ゼウスカップ開催』と大きく書かれていた。選手たちは細々とポスターを眺める。
「なんと驚くべきことに、おれたちにマネージャーができた! 天使のメリシンさんだ! そしてこの情報をもってきてくれたのもメリシンなんだ」
「よろしくお願いします」メリシンはそう言って手を振る。
「ゼウスカップ? 普通の大会と何が違うんだよ」メリシンにはまったく興味を示さずに、あくびをしながら敦也が言った。
「そう! なんとこの大会、もっとも活躍した11人は、なんでも願いが叶うらしい! もちろん、おれたち『スノーデビル』も参加する予定だ!」
「で、でもお……」
眼鏡をかけている、いかにもおとなしそうな少年、テテロがよわよわしく手をあげた。
「なんだ!? テテロ!」
「うっ。えっとぉ、その大会、『ザ・ルシフェル』とか、『ゼウスFC』とか、『ACアポロン』とかきっと強豪も参加しますよお? とてもぼくたちみたいな無名のチームじゃ絶対勝てないですよう……」
「なにあきらめてんだよ! 勝利の女神は、最後まであきらめないやつにほほ笑むんだ!」
「うう……」
「でも意外ですね」
チームのDF、夜叉介が、長い前髪を指でいじりながら言った。「ヒーリさんがそんなに欲にまみれてたなんて」
「違う! おれは、強いチームと戦えるのがうれしいんだ! たとえ神の選んだ11人に入れなくても、おれは戦いたい! みんなもそうだろ!?」
チームはどよめく。テテロがまた弱弱しく手をあげて、
「ぼ、ぼくたち、気楽にサッカーを楽しもうっていうのがスローガンだったじゃないですかあ。なんで急にそんな……」
「なんでもだ! 今日からゼウスカップに向けて、特訓だ!」
敦也は黙っていたが、「おれものるぜ」と声をあげた。チームメイトの視線が彼に集まる。
「おれは生き返りたい。生き返って、会いたいやつがいるんだ」
- Re: (吹雪物語) 世界への挑戦!編 ( No.604 )
- 日時: 2014/04/29 20:51
- 名前: しろお (ID: u5wP1acT)
「も、もしかして恋人、じゃないよね?」
チーム唯一の女子メンバーにしてFW、ミトイが言った。
「ばーか。俺が死んだのは10歳とかそんくらいだぜ。んなもんいるわけねーだろ」
「そ、そうだよね。そうだよね……」
「よーしおれたちは勝つために、吹雪は生き返るために! やるぞ!」
選手たちはいまだに戸惑っているが、ヒーリだけはやる気だ。
「やっぱり、会いたいのね?」
メリシンが笑って敦也に言う。
「ああ。あいつが夢見てるように、俺もあいつと生きていくのをたまに夢見る。どんな試合でも負けねえ……絶対に勝つ」
敦也は固くこぶしをにぎり、メリシンを見つめた。
「頼むぜ、マネージャー」
「まかせときなさい。こうみえても悪魔に勝ったことあるんだから、私は」
「それ、たしかほとんど俺のおかげだとおもうけどな」
「そ、そんだけ私たちが力を合わせれば、ってことよ! あ、そうそう。このペンダントあげるわ」
「ペンダント? 邪魔なだけだ」
「いいから! あんたのお兄さんにもあげたのよ?」
敦也はため息をついて、ペンダントを首につける。赤い小さな宝石が、胸元に垂れる。
「おい、これ半分しかねえぞ?」
敦也がそう言うと、メリシンはくすくすと笑う。
「何か効果があんだろ? どんな効果があるんだ?」
敦也がそう言うと、メリシンは後ろ頭をかいて笑って、
「それが、これといって無いんだけど……」
「ねえのかよ」
「でも、お兄さんもつけてれば、お揃いでしょ? あなたたち兄弟が揃ってれば、完璧、だれにも負けないって意味をこめたのよ」
「完璧……」
そう言われて、はじめてうれしそうに敦也は口元だけ笑い、「悪くねえな、そういうのも」と呟いて胸元のペンダントを握りしめた。
その手の中で握られているペンダントは、兄も持っている。遠く離れた場所だが、同時にふたりは今、お互いの繋がりを感じあう。
「信じ続けることは難しいよね」
メリシンは言う。
「人は裏切るし、嫉妬深いし、欲深くて、すぐに心変わりしてしまう。でも、あなたたちはお互いのことを信じ続けてる。なんだか、うらやましいよ」
おそらくメリシンがここに来たのは、ふたりの行く末を見守りたいからなのだろう。
信じ続けることは、メリシンの言うようにとても難しいことだ。だが、メリシンは考える。「この兄弟は必ず、ふたたび出会うだろう」と。
ヒーリの指揮で、試合が終わったあとだというのに、さっそく練習がグラウンドで始まった。
敦也は赤の小さな宝石を握ったまま、行き交う白黒のボールを見つめる。
(かならず、また会えるよな)
吹雪物語 世界への挑戦! 編
〜完〜
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