二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.301 )
日時: 2017/07/27 18:42
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

間話最終「これから」

「そういえば、明日から中学生だね〜」

 朱莉の家でテレビゲームをしていた時、蜜柑がそう口を開いた。
 彼女の言葉に朱莉は一度ゲームの手を止めて「あぁ、そういえば」と呟く。

「もう中学生かぁ……そうなると、来年で十三歳になるから、私達出会って……もう十年か!」
「あ、もうそんなに経つんだ。なんか、あっという間だったね」

 蜜柑の言葉に朱莉は「そうだね〜」と言って、伸びをする。
 その時、とあることを閃き、ポンッと手を打って立ちあがる。

「ねぇ、久しぶりに秘密基地に行ってみようよ!」


 何年かぶりにやって来た秘密基地は、小学六年生になった二人には、少し狭く感じた。
 実際、秘密基地の大きさは変わっていないのだが。

「ハハッ、相変わらず何も無いところだなぁ。ていうか、少し狭くなった?」
「いや、流石にそれは無いと思うよ。私達の体が大きくなっただけ、かな」

 蜜柑の言葉に、朱莉は「あぁ、そっか」と言って笑う。
 しばらく中を見ていた時、朱莉は、地面に落ちている木の板を拾い上げた。
 それは、黒い文字で『ひみつきち』と書いた看板だった。

「懐かしいね。なんだかんだ、作ってから数日で飽きちゃった秘密基地」
「その言い方は……でも、この看板残ってたのかぁ。へぇ〜」

 朱莉はそう言いつつ、なんとなく、看板をその場に戻した。

「あれから色々あったけど、そっか……もうすぐ中学生か」
「でも、今までとそんなに変わら無さそうだけどなぁ……あ、でも中学校には部活動とかあるんだっけ」
「部活かぁ〜……運動は好きだけど、特別好きなものは無いからなぁ。何部に入ろうか」

 腕を振りながら言う朱莉の言葉に、蜜柑はクスクスと笑った。
 その様子に、朱莉は「何さ〜」と言いながら笑う。

「いや、朱莉ちゃんは、中学生になっても高校生になっても、ずっと変わら無さそうだなぁって思って」
「それを言ったら蜜柑だって。……でもさ、私達が変わっても変わらなくても、ずっと友達ってことは、絶対に変わりないでしょ?」

 朱莉の言葉に、蜜柑は「もちろんっ」と言って頷く。

「中学生になっても、高校生になっても、大人になって、おばあちゃんになっても、ずーっと友達だよっ!」
「ヘヘッ、それでこそ私のヒロイン!」
「その呼び方やめてよ……私のヒーローさん?」

 悪戯っぽく言った蜜柑の言葉に、朱莉は「これは一本取られた」と言って笑う。

「これからも、私が蜜柑を守るから」
「ありがとう。でも、私だって守られてばかりは嫌だもん。……力は無いけど、私も朱莉ちゃんのこと、守りたい」
「蜜柑……ヘヘッ」

 照れ隠しのように笑う朱莉に、蜜柑も「えへへ」と笑う。

「それじゃあ、そろそろ帰ろうか。また雨が降ったら嫌だし」
「うん、そうだね」

 頷く蜜柑に、朱莉は手を差し出す。
 蜜柑はその手を握り、二人で裏山を下り始めた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.302 )
日時: 2017/07/27 20:43
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

※次の話から、プリキュアのタブーと言われているプリキュアVSプリキュアの描写が入ります。苦手な方はブラウザバックを推奨します。それでも良いと言う方は引き続きお楽しみください。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.303 )
日時: 2017/07/27 20:43
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第46話「暗黒に燃える炎!朱莉VS蜜柑!」1

「朱莉……ちゃん……!?」

 私が名前を呼んでも、朱莉ちゃんは反応しない。
 綺麗な赤髪は僅かに黒く染まり、目には光を宿していない。
 プリキュアのコスチュームを黒くした感じの服を着ていて、周りには黒い炎が漂っている。

「朱莉に何をしたのッ!」
「ただ怨気を流し込んでやっただけさ。今では、俺の従順なしもべだがな」

 オグルの言葉を聞きつつ、私は朱莉ちゃんに目を向ける。
 目が合った瞬間、敵意のような、殺意のような、嫌な感覚が背筋を通り抜ける。

「怨気には、良い感情を全て悪意に変える力がある。尊敬は嫉妬に。愛情は怨念に。大好きは、大嫌いに」

 オグルの説明に、私は拳を構える。
 朱莉ちゃんの大好きって気持ちを悪用するなんて……許せないッ!

「千速ちゃん、皐月ちゃん……ここは、私に任せてくれないかな」
「えッ!?」
「蜜柑、何を!」

 驚く二人の声を聴きながら、私は少しずつ前に進んでいく。

「前に千速ちゃんは、身内の暴走だから責任を取る、みたいなこと、言ってたよね」

 私はそう言いながら、歩いてくる朱莉ちゃんの前に立つ。
 彼女の周りを渦巻く怨気が、まるで燃え盛る炎のように、あるいは、吹き荒れる風のように、辺りを充満する。
 少し近づいただけで分かる、この嫌な感じ……すごく、気味が悪い……。
 でも、離れている私でこれだ。中心にいる朱莉ちゃんは、一体、どれだけこの感覚を味わっているのか……。

「今、助けるからね、朱莉ちゃん! プリキュア! フォースオーラチェンジ!」

<朱莉視点>

 頭の中が、やけに、ぼんやりする。
 何か深く考えようとすると、すぐにその思考は霧散して、何も考えられなくなる。
 目の前に映るもの、全てが、なんだかとても腹立たしい。
 特に……目の前に立ちはだかる、三つ編みの女……蜜柑が。

「やれ、ダークフレイム。プリキュアを倒せ」

 オグルの声だけが、やけに脳内に響く。
 細かいことなんて、どうでもいい。元々そうじゃないか。
 私は単純な馬鹿なんだから、細かいことなんて深く考えずに、自分が気に入らないものは倒せばいい。
 そうすれば、きっと、答えは見つけ出せるから。

「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」

 目の前で変身する蜜柑。
 あぁ、それだけで、目の前が真っ赤に染まる。
 嫌いだ……嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌いだ……お前なんかッ!
 私は拳を握り締め、真っ直ぐに、目の前にいる『幼馴染』に拳を振り上げた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.304 )
日時: 2017/07/27 21:28
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第46話「暗黒に燃える炎!朱莉VS蜜柑!」2

<蜜柑視点>

「はぁぁぁぁッ!」

 変身を終えた瞬間、朱莉ちゃんが拳を振り下ろしてくる。
 私はそれを躱し、彼女の肩を掴む。

「朱莉ちゃん! 思い出して! 私だよ、蜜柑だよ!」
「そんなこと、知ってるぁぁぁぁあああああッ!」

 咆哮にも似た叫びをあげた朱莉ちゃんは私の腕を振り払って、蹴りを放つ。
 顔面を蹴られた私は地面に倒れる。
 すると、朱莉ちゃんが私に馬乗りになって、殴りかかって来る。
 私は咄嗟に振り下ろされた両手を掴み、叫ぶ。

「こうやって、掴み合いの喧嘩をしたことも、今まで無かったよね……!」
「うるさぁぁぁいッ!」

 叫んだ朱莉ちゃんは、私に頭突きを喰らわせてくる。
 それに彼女の腕を掴む力が弱くなると、猿のような俊敏さで彼女は私から離れ、構えを取る。

「っつぅ……!」

 私は額を押さえつつ、立ち上がる。
 顔を上げると、すでに朱莉ちゃんがこちらに飛び蹴りを放とうとしていた。
 なんとかギリギリで避けるが、僅かに掠った部分が少し痛む。

「私は、ずっとッ! お前なんか大嫌いだったぁッ!」

 叫びながら、朱莉ちゃんは拳を振るう。
 私は、ひとまず避けることに専念し、朱莉ちゃんの拳を躱していく。

「いつも静かでぇッ! 大人しくてッ! 自分の力じゃ何もできない愚図なお前がッ! 邪魔だったんだッ!」
「うん……確かに間違ってない。でも!」

 私は朱莉ちゃんの腕を掴み、足払いをかける。
 後ろに倒れる力を使って体当たりのようにして朱莉ちゃんの体を倒し、顔の距離を近づける。

「そんな私を守るって言ってくれたのがッ! 朱莉ちゃんだったじゃんッ!」
「……そんな約束知らないッ!」

 両足で私の体を蹴り飛ばし、朱莉ちゃんは立ち上がる。
 私は後ろに飛ばされるが、なんとか両足で着地をして、朱莉ちゃんを見つめる。

「お願い、朱莉ちゃん……思い出して……」
「おらぁぁぁぁぁッ!」

 雄叫びをあげた朱莉ちゃんは数歩助走してから飛び上がり、回し蹴りを放ってくる。
 あぁ、そういえば、小学校の頃はよく、こうやって男子から私を守ってくれたっけ……。
 朱莉ちゃん、特撮好きだから、こういうキックに憧れてたのかな……。

『モンテ! 一緒にさ、プリキュアダブルキーック! って、オンネーンに攻撃してみない!?』

 いつだったか、初めて一緒にオンネーンにキックをした時のやり取りを思い出した。
 無邪気なキラキラした目で言う朱莉ちゃん。今みたいな、淀んだ目じゃない。
 私は体を捻って朱莉ちゃんのキックを躱し、口を開く。

「朱莉ちゃんは、ヒーローになりたかったんじゃないの!? 大事な何かを守るために!」
「そんなの知らないッ!」

 すぐに着地をした朱莉ちゃんは、腕を構える。
 まさか、サンダーブレス!?
 咄嗟に私も腕を構え、同時に叫んだ。

「「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス!」」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.305 )
日時: 2017/07/27 22:48
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第46話「暗黒に燃える炎!朱莉VS蜜柑!」3

「フレイム!」
「モンテ!」

 サンダーブレスを装着した朱莉ちゃんは、すぐに腕に炎を纏わせる。
 いつもの赤い炎じゃない。漆黒に染まった……闇色の炎。

「不動の山よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! モンテムーロ!」

 すぐに私は叫び、床に手を付いた。
 四つの壁で朱莉ちゃんを囲い、ひとまず時間稼ぎをする。
 しかし、中からバンッ! という音がすると共に、山の壁にヒビが入る。
 嘘……そんなに早く破るの!?
 サンダーブレスでパワーアップしただけじゃない、怨気の力でも、パワーアップしてるんだ!
 そう思っていた時、壁が完全に破壊され、朱莉ちゃんが一気に距離を詰めてくるのが分かった。

「……! もう止めて!」

 咄嗟に、ダメ元で、そう叫ぶ。
 すると、次の瞬間、朱莉ちゃんの動きが止まった。

「へ……?」
「……侵掠の火よ……」

 違う。動きが止まったんじゃない。
 私の叫びが届いたんじゃない。
 ただ……技を放つ為に、構えを取っただけなんだ!

「朱莉ちゃんッ!」
「我に集い、力と成れ!」

 そう叫び、私の腹に、サンダーブレスを付けた手を当てる。
 しまっ……!?

「プリキュアッ! フレイムバーニングッ!」

 ボウッ、と。その腕に炎が纏う。
 次の瞬間、漆黒に染まった業火が視界を支配し、私の体を燃やす。

「がはァッ……」

 コスチュームを黒い炎が包み、灰と化していく。
 やがて変身が解け、私は地面に倒れた。

「「蜜柑!」」

 そこに、千速ちゃんと皐月ちゃんが走って来る。
 皐月ちゃんが私の体を抱き起し、千速ちゃんは朱莉ちゃんと私達の間に立った。

「朱莉……正気になりなさいよ。アンタ、あんなに蜜柑のこと、大好きだったでしょッ!」
「……」
「そうですよ……大事な幼馴染なんでしょう? ……自分の手で、自分の宝物を傷つけてしまうのですか?」
「……」

 二人の言葉に、反応しない。
 暗く淀んだ目で、朱莉ちゃんは、ただジッと私を見ていた。

「お願い、朱莉ちゃん……元に戻って……」
「侵掠の火よ……」

 ボォッ……。
 燃え上がる、漆黒の炎。
 無表情のまま、朱莉ちゃんはそれを纏った腕を、私達に向けてくる。

「我に集い……」
「朱莉、しっかりしなさいッ!」
「力と成れ……」
「朱莉ッ!」
「プリキュア……」
「朱莉ちゃんッ!」

 私がそう名前を呼んだ瞬間、炎が消える。
 何が起こったのか理解するより前に、朱莉ちゃんが頭を抱え、膝をついた。

「がはァッ……み、かん……!」
「朱莉ちゃん!」
「チッ……洗脳が甘かったか」

 その時、そんな言葉と共に、私達と朱莉ちゃんの間にオグルが立つ。
 オグルは悶え苦しむ朱莉ちゃんを静かに抱きしめ、私達を見る。

「朱莉から手を離してッ!」
「……」

 咄嗟に叫ぶ千速ちゃんを無視して、オグルは手に怨気を纏わせる。
 そして、私達の間に砂嵐のようなものを巻き起こした。
 やがて、それが消える頃には、オグルも朱莉ちゃんも消えていた。


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