二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.145 )
日時: 2017/05/30 22:01
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第21話「取り戻すための戦い。千速VS皐月!」3

「……お前、誰だ?」

 どれくらい経った頃だろうか。
 そう声をかけられて、私は顔を上げた。
 見ると、そこには、何やら変なものを見るような顔で私を見下ろすライデンがいた。

「ライデン……?」
「お前、本当に千速か?」

 訝しむような顔で言うライデンに、私は少しだけ困惑する。
 ライデンは腰を曲げて、ベッドの上で座る私と視線を合わせた。
 そして、目を微かに細くした。

「オイラが知ってる千速は、そうやって考え込んだりしねぇよ」
「はい?」
「皐月がいた頃の千速は、物事なんて深く考え込まずに、自分がやりたいことに素直に生きる人間だ。なのに、今ではこんなせまっ苦しい部屋で一人ウジウジ悩んで。オイラが知ってる千速はそんな奴じゃない!」
「そんなこと言われても……私はどうすれば良いのか」
「深く考えるなよ。理由なんて、無くても良いだろ。友達を救うのに、理由が必要なのか?」

 その言葉に、私は、皐月がいた頃を思い出した。
 あの頃、私は今の朱莉以上に単純で、無断で皐月を連れだしたり、強引に遊びに誘ったり……。

 なんで、あの時私は皐月を連れだした?
 村長の孫である皐月が外出することを村の大人たちは皆止めていた。
 でも、私はそれから逃げて、迷子になってまで、皐月と遊ぼうとした。
 その理由は……なんだっけ?

 ……無いよ。

 理由なんて無かった。
 ただ、無我夢中だっただけだ。
 人間なんてそんなものじゃないだろうか。
 たとえ理由が無くても、ただ、自分がしたいことを、一生懸命にする。
 それが……昔の私だ。

「……あぁ……思いだした……」
「そうか……」
「……馬鹿だなぁ……こんな、朱莉でも分かりそうな単純なこと、忘れるなんて……」

 私はそう呟きつつ、立ち上がる。
 私の様子に、ライデンは微笑む。

「オイラには……皐月を取り戻す力は無い。千速。絶対皐月を……」
「分かってるよ。……皐月を……取り戻して、みせる……」

 私はそう言いつつ、部屋を飛び出した。

−−−

<朱莉視点>

「あーあ、結局千速、家出てこなかったなー」
「まぁ、仕方ないよ。千速ちゃんにだって、色々あるんだし……」
「でもさぁー」

 私がそう言っていた時、前方から邪悪な気配がした。
 咄嗟に蜜柑の腕を掴み、私の後ろまで引っ張る。
 そこには……冥姫が、立っていた。

「冥姫……じゃなくて、皐月さんって言った方が良いのかな?」
「……」

 私の言葉に、彼女は反応しない。
 やがて顔を上げたそこには……闇のように暗い目があった。

「……なんか、只事じゃ無さそうだね」
「朱莉ちゃん……」

 不安そうに言う蜜柑に、私は「大丈夫」と頷き、アウラシュリフトロレを取り出し……———。

「待って」

 凛とした声。
 それに、私達は動きを止め、声がした方に振り返る。
 そこには……千速が立っていた。

「千速……!」
「悪いけど、ここは……私に任せてくれないかしら。皐月と、話したいの」
「でも、まともに会話できそうな雰囲気じゃないよ?」

 私はそう言いつつ、皐月さんの方に視線を向けた。
 彼女は、相変わらず光が無い目で、千速のことを見ている。
 千速はそれに深呼吸をして、アウラシュリフトロレを構える。

「二人は下がっていて。……言葉が通じないなら、力づくでいくわ」
「朱莉ちゃん。ここは、千速ちゃんに任せよ?」

 私の服の裾を掴んで言われた言葉に、少し迷いつつも、「うん」と頷き、私達は距離を取った。
 訪れる静寂。
 千速の意図を察したのか、皐月さんも無言でアウラシュリフトロレを構えた。

「プリキュア……フォースオーラチェンジ」

 静かで、それでも凛とした声で……千速は、言った。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.146 )
日時: 2017/05/31 18:22
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第21話「取り戻すための戦い。千速VS皐月!」4

<千速視点>

「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」

 変身を終えた私は、皐月と対峙する。
 彼女もすでに変身を終えて、私を睨んでいた。
 私はそれに微笑み返し、足を強く踏ん張る。

「久しぶりに、たくさん遊ぼう!」

 そう言いながら、私は駆けだす。
 一瞬で距離を詰め、回し蹴りを放つ。
 しかしそれを躱されて、殴りかかられる。
 どうにか体を捻ってそれを躱し、一度距離を取った。

「ははっ、昔は運動苦手な方だったのに、良い動きするじゃん」
「……」

 皐月は何も言わずに、私を睨む。
 まだ皮肉を言う元気が自分にあったことに多少驚きつつ、私は、軽く手首を回して、駆けだす。

「はぁぁぁッ!」

 殴っても、殴っても。彼女はそれを躱し、いなしていく。
 まるで、自分が弄ばれているような感覚がして、私は少しだけ不快になる。

「そういえば、こうやって皐月と殴り合いするなんて、初めて、だよね?」
「皐月とは、誰の、ことですか!」

 そう言いながら皐月は蹴りを放ってくる。
 私はそれを躱しながら、「貴方だよ」と答える。

「私は、冥姫です!」
「違うよ。貴方は皐月だよ。だって……今でも私が付けているお守り、大切にしてるじゃない」
「お守り……?」

 訝しむように言う皐月に私は微笑み、彼女の手首を掴んだ。

「あれを交換した時、約束したよね? ずっと一緒だよって。ね、その願い、叶えようよ」
「だから、知りませんッ!」

 そう言いながら、皐月は私の体を蹴り飛ばした。
 説得に集中しすぎたせいか、身構えることもできず、私は背中を打ち付けて転がる。
 どうにか身を捻って着地しようとした時、すでに目の前に皐月がいて、私を蹴り飛ばそうとしていた。

「しまっ……!」

 叫ぼうとした瞬間、さらに蹴り飛ばされて、塀に体を打ち付けた。
 軽く息を切らしていると、胸倉を掴まれる。

「ケホッ……!」
「プリキュア……貴様もここで終わりですわね」

 邪悪な笑みを浮かべながら言う皐月に、私は「皐月……」と彼女の名前を呼んで、手を伸ばす。
 しかし、それより先に空中に放られ、蹴り飛ばされる。
 自分が転がっている地面が、アスファルトから砂になったことに気付き、私はなんとか足を踏ん張って立ち止まる。
 顔を上げると、そこは、何度か皐月とも一緒に話したことがある公園だった。

「あっ……皐月、ホラ、ここ覚えてる!? 私が陸上部に入ろうか迷っていた時アドバイスしたり、後押ししてくれたよね。ここで」
「……何の話ですか?」

 冷たく言い放つ皐月に、私は微笑み、彼女に歩み寄る。

「覚えてないだけ……でも、根は変わってないよね。昔の皐月のまま」
「……」

 手が届く距離になった瞬間、皐月は無言で私の首を絞め、宙づりにする。
 痛い。苦しい。でも……なぜか不思議と、私は笑っていた。

「たとえ貴方が私を忘れても、たとえ何度倒されても、諦めないよ! カフッ。私は、皐月のこと、助けたいから!」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.147 )
日時: 2017/05/31 21:02
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第21話「取り戻すための戦い。千速VS皐月!」5

「全く……これでは埒が明きませんね」

 呆れたように言った皐月は、そう言うと私の首から手を離す。
 そして少し離れてから、口を開く。

「徐かなる林よ、我に集い、力と成れ」

 その言葉に、私は息を呑んだ。
 まさか、必殺技!?
 そう動揺した瞬間、皐月の体を覆うように葉が現れ、それが消えると、そこには誰もいない。

「消えた!?」
「ほう……自分の姿を隠す技ですか。面白いですわね」

 どこからかそう聴こえた瞬間、腹に強い刺激を感じた。
 蹴られたのだ、と理解した時には、さらに、様々な位置から攻撃を加えられる。
 やがて、膝をつくと同時に、皐月の姿が露わになる。

「時間制限もあるし、連発もできない。けど、中々便利な能力ですわね」
「ハァッ……ハァッ……」

 息が苦しい。
 私は一度蹲り、なんとか深呼吸をしようとするが、上手くいかず、何度も咽そうになる。

「そんなに息を荒くして、下品ですわ。見苦しい」

 頭上から声が降って来て、私は顔を上げた。
 そこには、私を蔑むような目で見下ろしている皐月の姿があった。

「皐月……」
「その名前で呼ばないでください」

 ぴしゃりと言いのけられ、胸倉を掴まれ、私の体が強引に立たされる。
 瞼を開くと、皐月の鋭い目があった。

「これ以上、貴方と言葉を交わすつもりはありません。……消えてください」
「私は、消えない! 皐月と一緒に、村に戻るまでは……」

 そこまで言った時、ガンッと背中に強い衝撃を受けた。
 ガハッと吐息が漏れ、私は歯を食いしばる。
 一瞬、脳裏にサンダーブレスのことが過る。
 でも、あれを使うわけにはいかない。皐月にはサンダーブレスが無いのだから、私が使ったら不公平だ。
 大きな力でねじ伏せても意味がない。
 あくまで、彼女の心を取り戻さないとダメなのだから。
 そこまで考えていた時、中々追撃が無いことが気になって、私はゆっくりと皐月に顔を向ける。
 皐月の腕は私の胸倉を掴んだまま……震えていた。

「なんで……諦めないんですか……?」
「なんでって……友達を見捨てられるわけないでしょう?」
「違う。私達は友達なんかじゃ……」
「友達だよ。四年離れていても、記憶を失っていても……私達は、ずっと友達……そうだよね?」
「私は……ちが、私、は……」
「そういえば、昔皐月が私にこんなことを言ったんだ。お守りっていうのは、見た目でも効果でもない。付ける人の信じる気持ちによって変わるんだ……って。信じる気持ちが大切なら……私は、皐月を信じるよ」
「そ、れは……」

 一瞬、皐月の目に光が灯る。
 しかし、彼女が首から提げたネックレスが怪しく光り、一瞬で彼女の目を濁らせる。

「うるさいッ!」

 声を荒げた皐月は、そう叫んで私のことを投げ捨てる。
 どうにか着地しながら、私は、先ほど見えた『活路』に口角を上げた。

「分かったよ皐月……そのネックレスを壊せばいいんだよね!」

 もう、戦いは長引かせない。
 もう……彼女の手は、汚させない。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.148 )
日時: 2017/05/31 22:39
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第21話「取り戻すための戦い。千速VS皐月!」6

「はぁぁぁッ!」

 私は一気に駆けだし、彼女のネックレスに手を伸ばす。
 しかし、その手を掴まれ、殴られそうになる。
 どうにか躱して、私はさらにネックレスに近づいた。

「しぶといですわね! キュアウィング!」
「何度も言わせないでよ! 私は、諦めないんだってばぁぁぁぁッ!」

 彼女の両腕を掴んで、私は逆立ちの要領で空中に身を投げる。
 そのまま体を捻り、ネックレスがあるであろう、胸の辺りに両足で蹴りを放った。

「ぐぅ……! この……!」
「まだ壊せないか……」

 私は呟き、一度距離を取る。
 しかし、そんな隙を与えるほど、彼女も甘くない。
 すぐに距離を詰められ、顔面に何度も蹴りを放たれる。
 私はそれを躱し、彼女の足を掴んだ。

「しま……!?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 体を回転させて皐月の体を地面に叩き付けると、私はネックレスに手を伸ばそうとした。
 そこで気付く。変身しているから、ネックレスが無い。

「え、さっきはあったのに……!」
「邪魔ですッ!」

 体を蹴り飛ばされ、私はどうにか着地をする。
 別にネックレスがなかったところで、振り出しに戻っただけだ。

「一度吹き始めた風は、もう誰にも止められない!」
「意味不明なこと、言わないでくださいッ!」

 その叫びと共に、拳が振るわれる。
 しかし、もう私は止まらない。
 皐月の拳を躱して……彼女を抱きしめた。

「な……!?」
「思い出して、皐月。私との思い出。ライデンとの思い出。村での思い出。全部全部。皐月にとっては大切なことでしょう?」
「離して……下さいッ!」

 私の腕の中でもがく皐月。
 だから、私はさらに強く彼女を抱きしめる。

「お願い……思い出して……もうこれ以上……皐月と戦いたくないよ……」
「ッ……ッ……」

 もがく力が、少しずつ弱くなる。
 私はそれに目を瞑って、喉を震わせる。

「ね、皐月。一緒に帰ろ」
「……ん……」

 微かに、彼女の首が縦に動く。
 私はそれに、ほとんど反射的に、声を紡いだ。

「疾き風よ……我に集い……力と成れ!」

 そう叫んだ瞬間、私と皐月の体を風が舞う。
 その風が皐月の体に掠る度に、彼女を包む闇の気配が、少しずつ消えていくのが分かった。
 やがて、皐月の変身が解け、冥姫の時の姿に……そこからさらに、それも消えて、芽衣の時の格好になる。
 視界の隅で彼女のネックレスが弾け、パァンッ、と。小気味いい音を立てた。

「皐月……」
「……ありがとう……」

 そんな声が聴こえ、私は体を離す。
 皐月は、今まで見た中で一番安らかな顔で微笑み、そして……目を瞑った。

「千速!」「千速ちゃん!」

 その時、公園に朱莉と蜜柑が駆け込んでくるのが分かった。
 私はそれに変身を解き、「遅いわよ」と微笑んで見せた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.149 )
日時: 2017/05/31 22:42
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

唐突ですが、2,3日ほど、更新休みます。
別にリアルの用事とかではなく、正直に言うと魔法少女まどかマギカというアニメに浮気してくるだけです。
話数はかなり少ないので多分すぐに再開すると思うので、少しの間、私事ですが、更新休ませていただきます。ご了承ください。


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