二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.261 )
日時: 2017/07/22 21:13
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: こころをこめて

第40話「叶え初恋!想いを込めて決めろゴール!」1

「へぇ、新人戦……」

 学校に行く前の朝、母の意味深な呟きが聴こえ、私は振り向いてみる。
 見ると、そこでは冷蔵庫に貼ってある今月の予定表をジッと眺めている母の姿があった。
 私はそれにコップに牛乳を入れる手を止め、「どうしたの?」と聞いた。

「どうしたのって……だから、新人戦」
「……お母さんって話通じない人だっけ?」
「酷い言い方ねぇ」

 私の反応に、お母さんはそう返す。
 いや、ホントにどういうテンション……?
 私はそう不思議に思いつつ牛乳を冷蔵庫にしまい、一口牛乳を口に含んだ。
 うん、美味し。

「新人戦と言えば、去年は朱莉が女子サッカー部の助っ人に入って、大活躍したじゃない! 今年は何部の助っ人?」
「うーん……バレー部かな。人数足りてないみたいだし」
「まぁ、そうなの?」
「サッカーと言えば、私より紅助が……」
「あ? 呼んだ?」

 ちょうど紅助の名前を出したとき、本人が中に入って来る。
 それに、お母さんは「ちょうどいいところに!」と言って手を叩く。

「紅助。もうじき新人戦でしょ? お母さん応援してるからね!」
「……別に来なくていいよ。俺の試合なんて」

 その言葉に、私は空になったコップを置いた。

「え? どうして?」
「……別に母さんには関係ないだろ」
「ちょっと紅助、どうしたの?」
「姉貴にはもっと関係ないだろッ!」

 怒鳴り声をあげられ、私は委縮する。
 成長期の賜物か、身長も今では私より少し高い。
 その上、声も多少低くなってきている紅助に怒鳴られると、流石の私でも少しビビる。
 それは母さんも同じのようで、呆然と立ち尽くしていた。
 私達の様子に紅助も我に返ったのか、ハッとした顔をした。

「……学校、行ってきます」

 目を逸らしながらそう言った紅助は、そう言ってリビングを出て行った。
 母と二人になった瞬間、体からドッと力が抜け、私は大きく息をついた。

「ビックリしたぁ……紅助、今までああやって怒ったことなんて無かったのに」
「そうよねぇ……何かあったのかしら」

 そう言ったお母さんの言葉に、私は顎に手を当てる。
 ……まぁ、考えても分かるものでもないけどさ。

「少し調べてみようかな……」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.262 )
日時: 2017/07/22 22:16
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: こころをこめて

第40話「叶え初恋!想いを込めて決めろゴール!」2

「……というわけで、何か知らないかな。真梨香ちゃん」

 昼休憩の時に、真梨香ちゃんを呼び出してそう聞いてみる。
 彼女と話すのは久しぶりだし、正直私の都合で動かしている感が否めないが、致し方無い。
 全てはそう、紅助の暴走の理由を知るためだ。

「えっと……多分、ですけど、あの……紅助君、最近、スランプっていうか……部活で上手くいってないみたいで」
「昼休憩になっていなくなったと思ったら、こんなところにいたのね」

 真梨香ちゃんの説明を聞いていた時、千速達がそう言いながら屋上に上がって来た。
 ふむ、私個人でこの問題は片づけたかったが……まぁ良い。

「千速……実はね……」

 紅助に関する説明をしてみると、蜜柑と千速は「そんなことが……」と呟いた。
 ちなみに紅助との関係が薄い皐月はキョトンとしている。
 まぁ、良い。

「それで、真梨香ちゃんに話を聞いてみたら、最近スランプらしくて……」
「はい……部活でも上手くいっていないみたいで……あと、最近私も少し避けられているというか……」
「何ぃ!?」

 私がつい立ち上がりながら叫ぶと、蜜柑が「朱莉ちゃん落ち着いて」と窘めてくる。
 これが落ち着いていられるか!

「あの馬鹿……! 女子を避けたりするなんて一番やったらいけないことなのに……!」
「……もしかして、その、紅助さんは、真梨香さんのことが好きなのでは?」

 皐月が放った言葉に、私は立ち止まる。
 振り向くと、いつも通りの表情のまま、皐月がチョコンと座っている。

「皐月……今何て言った……?」
「ですから、紅助さんが真梨香さんのことを……」
「もう良い分かった!」
「あーでも、そう考えるのが妥当かも……」

 そこで、まさかの賛同があがる。
 みると、それはなんと蜜柑だった。

「み、蜜柑……?」
「いや、紅助君が真梨香ちゃんに恋をしているとして考えてみたら、全部辻褄が合うなって思って。真梨香ちゃんのことが気になってサッカーには身が入らず、ついその本人を避けちゃう……」
「ふむ……確かに、それが一番可能性が高いかもしれないわね」

 千速からも賛同が入り、五人中三人がその意見派となる。
 でも、こんな多数決で勝手に紅助の気持ちを認めるわけにもいかない。
 最終的には本人に確認しなければ。

「……家帰ってから、紅助に聞いてみる。でも、絶対違うから!」

 そう否定してみるも、三人の反応はあまり良いものではない。
 くっそぉ……絶対に違うことを証明してやる……。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.263 )
日時: 2017/07/22 22:53
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: こころをこめて

第40話「叶え初恋!想いを込めて決めろゴール!」3

「ただい……うわぁ!?」
「おかえり紅助」

 帰って来て早々紅助が見たものは、玄関の前で立ちふさがる私だった。
 私の姿を見た瞬間、紅助は驚いた様子で尻餅をついた。
 ……いや、大袈裟すぎない?

「紅助。今朝の件についてだけど……」
「ごめんなさい! もうしません! だから許してください!」

 なんでそんなに過剰な反応するのか分からない。そして分かりたくない。
 しかし、このままじゃ話が進まないので、私は紅助の前でしゃがみ込み、目線を合わせる。

「えっと、紅助、なんでそんなに私に怯えるの?」
「だ、だって! 今日学校で、姉貴に大人の彼氏がいるって! だから、姉貴に逆らったらその彼氏が夜襲してくるって!」
「どういうイメージなの!?」

 ていうかまず大人の彼氏って何!?
 ……って、まさかと思うけど鬼人か!? そうなのか!?
 でもだからって彼氏使って夜襲なんて野蛮な真似はしないぞ……。
 私は後輩からどう思われているんだ……。

「えっと、まず、彼氏はいない。そして仮に大人の彼氏ができても弟を暗殺させるような真似はしない。だから安心して? ね?」
「そ、そうか……そうか……」

 安心した様子で立ち上がる紅助。
 しかし、なぜ鬼人と私を彼氏だと間違えたのか……って、文化祭で二人で回ったからか……。
 しまったなぁ……でもそれくらい普通じゃない?
 ていうか、親戚のお兄さんとかそういうのだと思わなかったの?
 お互い呼び捨てだし、そっちの方が自然だと思うんだけどなぁ……いや、紅助に聞いたのか?

「それで、今朝の件だけど」
「あぁ……」
「まぁ色々説明面倒だから単刀直入に聞くけど、アンタ真梨香ちゃんのこと好きなの?」
「んがッ!?」

 奇妙な声をあげながら、紅助は私を凝視する。
 んー……何か変なこと聞いたかな? でもこう聞くしかないし……。
 そう思っていた時、肩を掴まれた。

「おい……それ、誰に聞いた……」
「えっと、いや……まぁ、ちょっとリビングで話そうか」

 あれ、即答で否定されると思っていたのに何か違う。
 ひとまず私と紅助はリビングで向かい合わせでソファに座り、一息つく。
 それから私は、真梨香ちゃんに聞いた話と、皐月達の推理を語った。
 一通り話し終える頃には、紅助は頭を抱えていた。

「えっと……」
「そんなに態度に出てたのか……クソォッ……」
「え、まさかと思うけど……事実なの?」

 私の問いに、紅助は頷いた。
 ……えぇぇぇぇ……。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.264 )
日時: 2017/07/23 09:32
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: こころをこめて

第40話「叶え初恋!想いを込めて決めろゴール!」4

「というわけで、無事に二人が両想いになったわけだけど……」
「いや、話色々省きすぎだから!」

 翌日の昼休憩。早速紅助&真梨香ちゃんを呼び出し、私はそう言ってみた。
 すると、紅助は顔を真っ赤にしてそう叫び、真梨香ちゃんは赤面したままオロオロしている。
 ちなみに付いてきた蜜柑、千速、皐月はすぐ近くで弁当食べてる。
 本当に暢気だよね君達!

「えっと、火場先輩……?」
「ん? あぁ、ごめんごめん。いやさ、紅助は真梨香ちゃんのことが好きなんだって。だから二人は両想い! おめでとう!」
「ち、ちげーよ! そういうことじゃなくて!」

 顔を真っ赤にして叫ぶ紅助は、そこまで言って真梨香ちゃんの顔を見て、俯いた。
 こういう男って面倒だよねぇ。
 そう思っていると、何かを決心したのか、紅助はゆっくりと頷き、顔を上げた。

「俺達って、さ……まだ、友達になって、間もないじゃんか……」
「そ、そうだね……」
「あぁ……だから、お互いのことをよく知っているわけでもないし、それなのに付き合うのは、なんていうか、ダメな気がして……」
「そういうのって、付き合ってからお互いをよく知っていくものじゃないの?」

 そこで、まさかの千速が口を挟んで来た。
 彼女の反応に、紅助は「なっ……」と言って顔を赤くした。

「だから、その……付き合って、一緒にいて、少しずつ相手のことを知っていくものなんじゃないかなって」
「まぁ、ただの友達でいるよりは、恋人になった方がもっと相手のこと知れるしね」

 蜜柑の賛同に、紅助は顔を赤くして目を伏せる。
 うーん……面倒。

「……では、こうすればどうでしょう?」

 そこで、皐月が口を挟んで来た。
 彼女は続ける。

「紅助さんのそのよく分からない気持ちを満足させられれば良いのですから、何か目標を作って、それを達成した時に付き合うのです。好きな人のために頑張ったという結果があれば、これから真梨香さんを幸せにできるという自信にも繋がりますし」
「なるほどねぇ……うん、良いと思う!」

 私がそう同意すると、皐月は微笑んだ。
 それに、紅助は「好きな人のために頑張る……か……」と呟いて、俯いた。
 それからしばらく目を伏せた後で、ふと、顔を上げた。

「だったら……———」


 それから数日後。
 ついにサッカー部の新人戦の日。
 試合をする場所に行って見ると、サッカー部はウォーミングアップの真っ最中だった。

「しかし、まさかあんな条件を出してくるとはねぇ……」
「まぁでも、ロマンチックで良いじゃない」

 蜜柑の言葉に、私は「そうは思うけどさぁ……」と声を漏らす。
 紅助が出した条件、それは、『自分がゴールを決めることができたら付き合う』だった。

「真梨香ちゃんは本当にあれで良いの?」
「はいっ。まぁ、そういうのが無くても、私としては付き合うだけで幸せなんですけど……」

 顔を赤くしながら言う真梨香ちゃん。
 そういうこと言われるとこっちが恥ずかしくなるからやめてほしい。
 そう思っていた時だった。遠くに、見覚えのある人影が見えたのは。

「火場先輩……?」
「あー……ごめん真梨香ちゃん。ちょっと待ってて」
「……はぁ……?」

 首を傾げながら言う真梨香ちゃんを置いて、私達はサッカーグランドを飛び出した。
 やがて外に出ると、そこには、オウガ……だったか?
 赤い和服の男が立っていた。

「ふむ……お前達から来たか」
「オウガ……この試合は邪魔しないで」

 私はそう言いながらアウラシュリフトロレを構える。
 すると、オウガはフッと笑った。

「邪魔するな、と言われて、邪魔しないほど善人に見えるか?」
「見えない! 行くよ、皆!」

 私がそう言うと同時に、オウガは手を構える。

「邪悪なる魂よ! 我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」
「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」

 オウガと、私達の掛け声が響いたのは、ほとんど同時だった。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.265 )
日時: 2017/07/23 10:46
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: こころをこめて

第40話「叶え初恋!想いを込めて決めろゴール!」5

「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ」
「徐かなること、林の如し! キュアフォレスト!」
「風!」
「林!」
「火!」
「山!」
「「「「プリキュア!」」」」

 名乗りを終えた瞬間、目の前に、自転車のオンネーンが現れた。
 自転車かぁ……今回は弱そうだなぁ。
 そう思っていると、自転車から伸びたチェーンが私の腕に絡みついた。

「しまっ……!?」
「朱莉ちゃん!」

 モンテが心配して駆けつけようとしてくるが、それより先に、オンネーンのチェーンが私の体を引っ張る。
 すると、グイッと体を引っ張られ、気付いたら私の体は宙を舞う。

「ぅああッ!?」

 かなり高い。
 そして腕がチェーンで締め付けられてかなり痛い。
 私は、咄嗟に自分の腕を締め付けるチェーンを握り締め、オンネーンを睨む。

「おらぁぁぁぁッ!」

 そのままチェーンを引っ張って、オンネーンに体から体当たりをする。
 もちろん、サンダーブレスをしていない状態での攻撃でダメージは期待していない。
 しかし、オンネーンとの距離が縮まった影響でチェーンが緩んだ隙をついて、私は腕に絡まったチェーンを解き、すぐに距離を取る。

「ぐぅ……いったぁ……血止まったぁ……」
「全く……って、次来るわよ!」
「任せて!」

 次は私達四人を捕獲しようと、オンネーンがチェーンを大量に伸ばしてくる。
 すると、間に入ったモンテが、手を構えた。

「レジェンドクロックッ!」

 そう叫んだ瞬間、モンテの目の前にレジェンドクロックが現れる。
 彼女はそれを片手で受け止め、手を掲げた。
 すると、その手に雷が落ち、サンダーブレスと化す。

「不動の豪山よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! モンテスクード!」

 そう叫んだ瞬間、モンテの前に岩の花が咲く。
 そこから出た透明のバリアが私達の視界に広がり、オンネーンが飛ばしてきたチェーンを弾く。

「ぐッ……皐月ちゃん!」
「了解です!」

 すぐにレジェンドクロックを受け取ったフォレストは、手を掲げる。
 すると、掲げた手に雷が落ち、サンダーブレスとなる。

「徐かなる森林よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! デュアルコンフュージョン!」

 そう叫んだ瞬間、二つの光が絡まり合いながら、オンネーンに突き進んでいく。
 光がぶつかってオンネーンの体が揺らぐのを見ながら、私達はレジェンドクロックを囲った。

「一気に決めるよ!」
「「「「今、大いなる伝説よ! 我等に力を貸し給え! レジェンドクロック!」」」」

 そう叫んだ瞬間、レジェンドクロックから光が飛んできて、私達の手首に絡まる。
 やがて、それが派手な腕輪に変わるのを見ながら、私たちは次の言葉を叫んでいく。

「侵掠の業火よ!」
「疾き烈風よ!」
「不動の豪山よ!」
「徐かなる森林よ!」
「「「「今、四つの力よ! 我等に集い、力と成れ!」」」」

 すると、巨大な手裏剣が出てきて、私達はそれに乗って飛んでいく。
 やがて、オンネーンの頭上に行くと、私達は叫んだ。

「「「「プリキュア! オールターンオフイリュージョン!」」」」

 そう叫んでから手裏剣から離れると、それはゆっくりと落下していく。
 私達はそれに背を向けて着地し、胸の前で指を組む。

「「「「忍ッ!」」」」

 背後から聴こえる爆発音を聴いてから、私はゆっくりと辺りを見渡した。
 すでにオウガはその場からいなくなっていた。


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