二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】風林火山プリキュア!
- 日時: 2017/08/01 13:12
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539
初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!
追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。
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- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.155 )
- 日時: 2017/06/05 17:09
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第22話「徐かなる林!キュアフォレスト生誕!」6
「キュア……フォレスト……?」
「千速からその足を除けなさい。今すぐ」
私はそう言いながら、オンネーンの元まで歩いて行く。
すると、オンネーンは千速から離れて、私に向かって突進してくる。
「皐月ダメッ! サンダーブレスで強化していないと、攻撃なんて、受け止めれないッ!」
「え、そうなのですか?」
私はそう答えながら、咄嗟に横に跳んでオンネーンの攻撃を躱す。
ふーむ……そういえば、人の怨念から産んだオンネーンは強いんだったか。
すっかり忘れていた。
「そのサンダーブレスとやらは、どうやって出せるのですか?」
「私達は、最初はライデンちゃんに出してもらってたけど……」
蜜柑さんの言葉に、私はすぐに「ライデン!」と呼んだ。
「よろしくお願いします!」
「あ、あぁ! 動く雷霆よ! 今、プリキュアに力を貸し給え!」
その言葉と同時に、雷が降ってくる。
話では、これがサンダーブレスになるらしい。
しかし、雷は予想以上に私の体に浸透してきそうになって、私は焦る。
これじゃあ、体に入ってきて……!?
もしかして、ライデンが私のお世話妖精であることが関係あるのだろうか……?
「皐月!?」
「だい、じょうぶです……!」
私はどうにか答え、体から雷の力を取り除こうともがく。
その時、体から、雷の力と一緒に、林の書の力が出て行くのが分かった。
……あぁ、違う……。
拒絶するんじゃない。否定するんじゃない。
自分が嫌なものも自分が犯した罪も、全てがそう、私そのものなんだ。だから、拒絶するんじゃない。
まるでお守りを編むように……編み込んで……引き出して……受け入れて……。
「徐かなる林よ! 動く雷霆よ! 今、二つの力よ! 我に集い、力と成れ! フォレストロッド!」
やがて、それは一本の棒のような武器になる。
黄色と緑色の糸が絡んだような見た目は、私が作った四つ編みのお守りを思い出す。
もしお守りに意味を当てはめるなら……
「笑顔と癒し……ですかね?」
「訳の分からないことを……! オンネーンッ!」
オルコの命令に、オンネーンがまたもやこちらに向かって突進してくる。
私はそれにジャンプで躱し、オンネーンに跨る。
「な!?」
「フフッ。もう大丈夫ですよ。今楽にしますからね」
私はそう言いながら、その場で倒立のような体勢を取り、体を捻って脇腹を蹴り飛ばした。
すると、オンネーンの体は吹き飛び、地面をバウンドする。
地面に着地した私は、フォレストロッドを構える。
「一気に決めます!」
そう叫んだ瞬間、ロッドが輝き始める。
ロッドを右に振ると黄色の輝きが。左に振ると緑色の輝きが宙に灯る。
そして、ロッドを天空に掲げるようにすると、その先端に二つの輝きが集まり、ひと際強い光となる。
「二つの力よ! 我に集い、力と成れ!」
叫びながらロッドを突き出すと、全ての力がロッドの先端に集まるのを感じる。
私は握る力を強め、叫ぶ。
「プリキュア! デュアルバーストッ!」
すると、ロッドから二つの光が放たれ、それは絡まりながら突き進む。
やがて、オンネーンにぶつかると、光がひと際強まり、浄化していく。
「クッ……次こそは!」
オルコはそう言って立ち去っていく。
私は変身を解き、すぐに千速の元に駆け寄った。
「千速! 大丈夫ですか!?」
「ん? あぁ……平気平気。皐月が守ってくれたんだし」
千速の言葉に、私は、自分の胸が熱くなるのが分かった。
すると、千速が手を差し出した。
「じゃあ、これからは私達と一緒に……よろしくね」
「……はいっ」
私が手を握り返すと、千速は、恥ずかしそうにはにかんだ。
「私達もまーぜてっ!」
その時、背中に衝撃を感じた。
振り向くと、そこでは、朱莉さんが私に後ろから抱きついた状態で笑っていた。
「朱莉さん……」
「朱莉、で良いよ。皐月! これからよろしく!」
その言葉に、私は少し間を置いた後で、「はいっ」と頷いた。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.156 )
- 日時: 2017/06/05 21:27
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第23話「千速のヤキモチ?幼馴染の絆!」1
「で、結局冥姫を連れ戻せなかった……と?」
オウガの言葉に、オルコは「うぅ……」と不満げな表情を浮かべた。
「仕方ないだろ? 冥ちゃんまでプリキュアになるんだから」
その言葉に、オグルは顎に手を当ててしばらく考える素振りをした後で、立ち上がる。
「全く……世界支配を達成するまで俺の正体は隠しておこうと思ったが、仕方ないか」
「えっ?」
「一体何の話を……」
オウガがそう言った瞬間、オグルの体を邪悪なオーラが包んだ。
突然のことに、オルコもオウガも呆ける。
やがて、その邪悪な何かが消えて、オグルの姿が露わになる。
髪は真っ黒になり、コートも青から黒に変わり、全体的に禍々しいオーラが漂う。
やがて、オグルはゆっくりと目を開き、オルコ達に目を向けた。
「うわぁ……ははっ、すごい……イメチェン、かな?」
あくまで能天気を貫くオルコにオグルは呆れたようにため息をつき、手に闇を纏わせる。
「お前達は不思議に思わなかったのか? 何のために世界を支配しようとしているのか。いや、『誰』のために……か」
「つまり……そういうことか……」
オルコの言葉に、オグルはニヤリと笑みを浮かべた。
「あぁ……俺が幽鬼軍の頭領だ」
<千速視点>
「あの、これで良いんでしょうか?」
制服を着終えた皐月はそう言って立ち上がり、クルリと一周回って見せる。
私や朱莉達が通う学校の制服は、顔が良い皐月によく似合っていて、私はうんうんと頷いた。
「バッチリ。よく似合ってるよ」
「それなら良かった」
ホッとした様子で言う皐月を横目に見つつ、私は時計に目を向けた。
そろそろ学校を出る時間だ。
私は鞄を二つ持ち、一つを皐月に差し出した。
「それじゃあ行くよ! 転校生!」
「フフッ……はいっ」
笑顔で頷いた皐月の手を引いて、私は外に出た。
「千速〜! 皐月〜! おはよ〜!」
交差点に差し掛かった辺りで、能天気な声が聴こえた。
顔を上げると、朱莉と蜜柑がこちらに歩いてくるのが見えた。
「おはよう、朱莉、蜜柑」
「朱莉、蜜柑さん。おはようございます」
「二人ともおはよう。皐月さん、制服よく似合ってるね」
蜜柑の言葉に、皐月は「ありがとうございます」と照れ臭そうに言った。
すると、朱莉は「あっ!」と声をあげた。
「そろそろ行かないと授業遅れちゃうよ! 早く行こ!」
そう言うと、朱莉は皐月の手を握り、走り始める。
皐月が事故に遭わないように手を繋いでいた私も、それにより体を引っ張られ、走り出す。
相変わらず強引な朱莉だけど、それが、なんだか楽しくて、私は少し笑った。
「クスッ」
「千速。何だか楽しそうですね?」
皐月の言葉に、私は「そう?」と首を傾げて見せた。
「えぇ。どうかしましたか?」
「んー……ただ、楽しいなって……思って」
私の言葉に、皐月は「そうですねっ」と言って、笑みを浮かべた。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.157 )
- 日時: 2017/06/05 22:43
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第23話「千速のヤキモチ?幼馴染の絆!」2
−−−
「へぇ、つまり……俺達はオグルのために、ずっと戦っていたわけだ?」
「そういうことになるな。何か癪なことでも?」
「別に? 一人だけプリキュア達の学校に忍び込んでみたり、やけに行動の自由が許されているなぁ、とは、思ったけど」
「そうだな。冥姫の件に関しても、記憶をペンダントに封印したり、一度元に戻りかけたのを再度悪の堕としたりしていたのもお前だった」
「フッ……気付かれていたか」
オグルはそう笑うと、一度、捕まっているフウマルに視線を向け、笑う。
「プリキュア達も力を上げていることだし、俺からも、二人に力を与えようか。それから……もう一人仲間を増やすとしよう」
「仲間?」
「もしかして……?」
オルコがニヤニヤしながら聞くと、オグルはふと微笑んだ。
−−−
「それじゃあ、今日は転校生が来てくれています」
先生の言葉に、私はふと、朱莉の方に視線を向けた。
朱莉達も察したようで、嬉しそうな笑顔でこちらを見ていた。
「それじゃあ入ってきて」
先生がそう促すと、教室の扉が開き、私にとってはすでに見慣れた姿が入って来た。
新緑色の髪をなびかせ歩いてくる姿に、クラスの多数の生徒がざわついたのが分かった。
「今日から転校してきた……」
「神林皐月です。今日から、皆さんと一緒に、この学び舎で共に勉学に務めさせていただきます。宜しくお願い致します」
その挨拶に、真っ先に拍手を送ったのは朱莉だった。
彼女に釣られるようにして、他の生徒達も拍手を送り始める。
やがて、皐月は先生に言われ、私の後ろの席に座った。
「挨拶お疲れさま」
私がそう声をかけると、皐月は「ありがとうございます」と言って、笑みを浮かべた。
それから朝のHRが終わると共に、皐月の元には、クラスの過半数の生徒が集った。
「ねぇ、どこから来たの?」
「髪すごく綺麗だね! どんなシャンプー使ってるの?」
「肌もすごく綺麗。良いスキンケアか何かしてるの?」
質問攻めにあう皐月を遠目に眺めながら、私は、蜜柑と話していた。
「すごいわね……私の時にはあんなことなかったのに」
「千速ちゃんは話しかけづらいっていうか、少し浮世離れした空気があるからさ」
「そうなの?」
「んー……千速ちゃんって誰とも話さない時はクールっていうか、冷静沈着っていうか……大人っていうか。そんな雰囲気があるんだ」
「へぇ……」
私にはそんなつもりはないから、少し驚いた。
でもまぁ……傍からはそう思われていたのだろう。
そう考えていた時、私は、朱莉が近くにいないことに気付いた。
「ねぇ蜜柑。朱莉は?」
「あー……朱莉ちゃんなら……」
「はい、ストーップ!」
その時、皐月の席の方向から、これまた聴き慣れた声がした。
……そういうこと。
「そんなに一度に話しかけたら、皐月が困っちゃうでしょ〜? 順番に一人ずつ。おっけー?」
「あはは、やっぱ朱莉には敵わないなぁ。オッケー」
一人の女生徒の返答に、朱莉は満足そうに頷き、皐月の方を見た。
「皐月。昼休憩になったらさ、一緒に校舎まわろうよ。私が案内するからさ」
「良いんですか?」
「当たり前じゃん。あ、もちろん、蜜柑と千速も一緒にね」
朱莉はそう言って私達の方に視線を向けた。
皐月もこちらを見て微笑み、「分かりました」と言った。
「よろしくお願いしますね。朱莉」
「うんっ! 私に任せて!」
ズキッ……。
二人のやり取りを見ていた時、突然、胸が痛み、私はソッと押さえた。
今のは……何……?
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.158 )
- 日時: 2017/06/06 11:41
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第23話「千速のヤキモチ?幼馴染の絆!」3
昼休憩になり、教室で弁当を食べ終えた私達は、早速皐月に校舎の案内を始めた。
「ここが理科室で〜、実験とかするんだよ〜」
「そうなんですか。実験とは具体的には?」
「んー。色々〜」
主に朱莉が引率し、私と蜜柑は付いて行くだけ、といった状態になっている。
朱莉と話し、笑っている皐月の顔を見る度に、胸の奥が痛くなるのが分かった。
「……蜜柑。ちょっと、良い?」
「うん?」
不思議そうに首を傾げる蜜柑の袖を引き、私は朱莉達から離れる。
「んー? 千速達どうしたの?」
「ちょっと、蜜柑と話したいことがあって。二人は気にせずに校舎案内続けて」
私の言葉に、朱莉は「んー。分かった〜」と言って、皐月の袖を掴む。
皐月はそれに、少し悲しそうな表情で私を見つつ、朱莉に付いて歩いて行く。
さて……と……。
「えっと……何の話、かな?」
不思議そうに聞いてくる蜜柑に、私は辺りを見渡しつつ、口を開いた。
「なんていうのかな……皐月が朱莉と話しているのを見ていると、こう……胸が痛くなるっていうか……」
「んー……ヤキモチ、じゃないかな?」
蜜柑の何気ない一言に、私は「はい?」と聞き返した。
ヤキモチ、って……アレだよね?
好きな子が別の子と話してたらズキッてなるやつ。
え、私が、皐月を?
「いや、ヤキモチっていうのは、別に恋事情が絶対に絡むとは限らないよ? 友人関係でも、そういうのはあるし」
「その言い方……もしかして蜜柑も?」
「んー……朱莉ちゃんってさ、ああいう、社交的な性格だから、色々な人と話すんだよね。だから昔、ちょっと……」
「へぇ……」
「千速ちゃんが来た時も、ちょっとヤキモチ妬いたんだよ? 朱莉ちゃん、千速ちゃんのことばっかりで」
「……私は頼んでない」
私がそう答えると、蜜柑は苦笑し、「知ってる」と言った。
まぁ、彼女は積極的に話しかけてこなかったし、そうだろうとは思っていたけど。
「でもね、どんなに色々な人と話しても、朱莉ちゃんは私のこと友達だって、思ってくれてるから。十年くらい一緒にいるのに、それに気づいたのはプリキュアになってからだけどね」
えへへ、とはにかむ蜜柑に私は笑いつつ、「そうね」と答えた。
「私がいた村では……同年代の子供自体がかなり少なくて、同い年の女の子なんて、私の他には皐月しかいなかったんだ。だから、ほとんど皐月のこと独占状態で」
「それで自分以外の子と皐月さんが話してて、ヤキモチ妬いちゃった?」
「……ご名答」
私がそう言うと、蜜柑は「やった」と言って微笑んだ。
しかし、すぐにそれはどこか切ない微笑みに変わり、天井を見上げた。
「でもさ、それって良いことなんじゃないかな? 皐月さんの友達が増えるって意味なんだから」
「そうかもしれない……私も、貴方みたいに割り切れたら楽なんだけど」
私の言葉に、蜜柑はクスッと笑った。
「しょうがないよ。ずっと皐月さんと離れていたんだし、不安になるの、分かるかも」
「そう……なのかな……」
「多分、ね。それじゃ、早く朱莉ちゃん達追いかけようか。皐月さんに校舎案内してあげなくちゃ」
そう言って手を叩く蜜柑に、私は頷き、朱莉達を追って走り始めた。
……とりあえず、彼女の体力の無さが不安になったとだけ言っておく。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.159 )
- 日時: 2017/06/06 17:53
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第23話「千速のヤキモチ?幼馴染の絆!」4
あれからどうやら朱莉達は三階に行っていたらしく、突き当りの音楽室の前で合流した。
「遅いよ二人とも〜。何話してたの?」
「えへへ、ちょっとした世間話」
蜜柑がそう言ってごまかすと、朱莉は「むー」と頬を膨らませた。
私はそれに苦笑しつつ、皐月に目を向けた。
「皐月、この学校……気に入った?」
「……私は、千速達と一緒にいられるならどこでも良いですよ?」
見当違いな解答をする皐月に、私はため息をついた。
でも、皐月らしいか。
そう思っていると、皐月の腕を朱莉が引いた。
「それじゃ、四人であっちの校舎まわろう! 次は千速達も離れないでねー」
「はいはい」
そう答えつつ、私は、皐月の腕を掴む朱莉の手を見た。
……やっぱり、そうやってすぐに割り切ることなんてできない。
相変わらずズキズキ痛む胸を押さえた時、隣で、蜜柑がクスクスと笑った。
「な、何?」
「いや、ただ、昔の私を思い出しただけ。懐かしいなぁ……って」
「な、懐かしい……?」
「うん。私も、小さい頃そうだったから」
遠くを見つめながら言う蜜柑に、私は「あぁ……」と納得した。
「朱莉のこと?」
「そ。千速ちゃんの場合は、四年間も離れていたわけだから、尚更、皐月さんの心移り? が不安になるんだろうけど」
「うッ……」
「あはは。図星?」
笑いながら聞いてくる蜜柑に、私は曖昧に笑っておく。
その時、たまたま前方に視線を向けた時、皐月と朱莉の近くの窓の向こう側に黒い影が見えた。
……ここ三階なんだけど……。
「危ないッ!」
私は咄嗟に叫び、前に跳ぶ。
二人を半分突き倒す形で、その場に伏せる。
直後、頭上で窓ガラスが割れる音がして、何かが壁にぶつかるのが分かった。
「千速ちゃん! 朱莉ちゃん達は……」
「私は大丈夫!」
そう言って朱莉がガバッと立ち上がる。
私はそれに息をつきつつ、皐月に顔を向けた。
「皐月、大丈夫?」
「はい。大丈夫、です……」
そう言って笑みを浮かべる皐月に、私は息をついた。
そして、廊下に立っている人影に視線を向けた。
「貴方は……?」
忍者を模したような装束を見に纏い、髪は真っ黒。
顔をこちらに向けているが、仮面のようなものを付けているため、尚更誰なのか分からない。
しかし、腕に纏わりついている黒い影を見て、自分達の敵であることを察する。
「……新たな敵ってところかしら?」
「冥姫の代わり?」
私の言葉に続けて朱莉がそう聞くが、彼は答えない。
これ以上質疑応答をしても意味は無さそう……。
「邪悪なる魂よ! 我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」
そう言って、壁に貼ってあったポスターの一枚に手を当てる。
すると、それが巨大化し、やがて、そのポスターに描かれていたキャラクターをかなり邪悪なデザインにしたような化け物が生まれる。
かなり巨大なので、頭が少し天井を突き破っている。
「うわ……大きい……」
「もう! 折角皐月が来たのに学校壊さないでよ! 行くよ、皆!」
「えぇ」
「うんっ!」
「はいっ!」
「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」
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