二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】風林火山プリキュア!
- 日時: 2017/08/01 13:12
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539
初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!
追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。
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- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.115 )
- 日時: 2017/05/24 17:23
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第17話「どこどこ!?探せ、林の書!」1
<千速視点>
自分の手を見つめて、私はため息をついた。
あの時……冥姫の、手首を掴んだ時、服越しに違和感を抱いたんだ。
まるで、あれはそう……私の村に伝わるお守りを、あの袖の下で、手首に巻いているような感触。
なんで私の村を襲う輩が、私の村のお守りを付けているのだろう?
考えられるとしたら、それは……———冥姫が、皐月である可能性。
皐月とは、ちょうど行方不明になる少し前に、お互いにお守りを作り合って交換したことがある。
あの村にある糸は丈夫だし、噂では、お守りにすると本当に願いが叶うまで切れないという噂があるので、未だに彼女が付けたままでもおかしくない。
今、私が付けているように。
「千速〜。何か考え事?」
私の顔を覗き込みながら聞いてくる朱莉に、私は「わっ」と驚いて少し仰け反る。
朱莉はそれに首を傾げた。
「どうしたの? 思いつめているような顔だったけど……」
蜜柑の言葉に、私は「なんでもないわ」と言いつつ、姿勢を正す。
今は昼休憩。いつものように屋上で昼食を食べている間に、どうやら考え込んでしまっていたらしい。
いや、今だけじゃない。授業中も、少し集中力が逸れればこのことに関して考えていた。
「それで、何の話だっけ?」
「なんだぁ、聞いてなかったの? ……そろそろ林の書を探さないと、ヤバくない? って」
朱莉の言葉に、私は自然と緊張してしまう。
蜜柑が朱莉の言葉に続ける。
「最近、サンダーブレスのおかげで、大分オンネーンを倒すのも楽になっている。だからこそ……そろそろまた、オンネーンがパワーアップしてくる可能性があるから……」
「パワーアップ……前の、遠足の時みたいに……」
私の言葉に、朱莉はコクッと頷いた。
「そう。でも、前みたいに闇雲に探しても見つかるわけがないじゃん? だから、何か手がかりとかあればいいんだけど」
「……一応、私たちは風、火、山の書を所有しているんだし、それぞれがどうやって手に入れたのか出し合えば、少しは分かるんじゃないかしら」
私がそう言ってみると、朱莉は「その手があったか」と手を打った。
よく考えたら、これくらいのことはむしろすでにやっておくべきなのだ。
なんで未だにやらなかったのか……逆に不思議になってきた。
「んじゃ、私から〜。私は千速が転校してきた日に、弁当食べようと思って鞄を開けたら、巻物がポーンと入っていたの。それから体育の時間にオンネーンが襲ってきて、千速を助けたいって思ったら」
「アウラシュリフトロレになった、と……蜜柑は?」
「私は、学校からの帰り道に、空を巻物が飛んでいて、それが手元に落ちてきたの。それから敵に襲われて、朱莉ちゃんを助けたいって思ったら……。時期的には、朱莉ちゃんがキュアフレイムになった翌日くらいかな。千速ちゃんは?」
「私は……この世界に来たときには、すでに、あの巻物を抱きしめて今の家のベッドの上で寝ていたわ。それから、村に戻りたいとか、フウマルとかに会いたいって思っていたら……」
そこまで話していて、私は言葉を止める。
しばらく考えて、気付く。
「もしかして、あの伝説の書……すでに、正しい持ち主の元に行ったんじゃ……」
「……嘘……」
げんなりした表情で言う朱莉に、蜜柑は「えぇ……」と苦い表情をした。
私達が風林火山の書に選ばれたとしたなら、私達と同じ時期に、すでに四人目のプリキュアが選ばれたということだ……。
「一体どこなんだー! 林の書ー!」
朱莉の切実な叫びは、青空にすいこまれていった。
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.116 )
- 日時: 2017/05/24 21:34
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第17話「どこどこ!?探せ、林の書!」2
<朱莉視点>
「林の書に選ばれた持ち主なんて……どこを探せば良いんだよぉー!」
私がブランコを漕ぎながら愚痴を言うと、ブランコの支柱に凭れ掛かっていた蜜柑が「さぁ……」と首を傾げた。
「そもそも、林の書を持っている可能性がある人なんて、世界中にいるし……千速ちゃんも選ばれている辺り、千速ちゃんがいた世界の人たちかもしれないし……」
「むしろ、見つけられる気がしないわね……」
苦笑する千速に、私はブランコの勢いをつけ、前に跳ぶ。
スタッと着地し、「でもさ!」と二人に目を向ける。
「千速と私達は、実際に、こうして話しているんだよ!? きっと、林の書の持ち主とも出会えるよ!」
「……相変わらず、根拠のない自信ね……」
「朱莉ちゃんらしいけどね〜」
そんな風に話していた時だった。
「あら? 皆さん、お久しぶりですね」
その言葉と同時に、周りの木々がザワザワと揺れる。
振り返ると、そこには、芽衣が立っていた。
「芽衣!」
「先日ぶり、ですね」
そう言って、優しく微笑む芽衣。
彼女の顔に、千速が「あ、えっと……」と、なぜかどもる。
「こんにちは、芽衣さん。どうしたの?」
「えっと……少し散歩していたら、見覚えのある姿が見えたので、つい」
蜜柑の言葉に、そう言って舌を出してお道化る芽衣。
むー……やはり、超美少女である芽衣がそういう行為をすると、絵になるというか……。
「そう……そういえば、芽衣は、巻物みたいなものに見覚えない?」
「巻物……?」
千速が聞くと、芽衣は首を傾げた。
もしかして、林の書を持っているのが芽衣かもしれない、とか?
うーん。でも、蜜柑でも変身しているから、可能性は無くもないんだよねぇ。
蜜柑だって戦闘とか絶対無理そうな子だし、明らかにお嬢様な芽衣が変身とかありえるし。
「えっと……申し訳ありませんが、身に覚えがありません。役に立てなくて、ごめんなさい」
「いやいや、仕方ないって」
私の言葉に、芽衣は曖昧な笑みを浮かべた。
「それにしても、その巻物……が、どうかしたんですか?」
「えっ……いやぁ、その……」
返答に困り、私は千速達に視線を向けた。
千速と蜜柑は顔を見合わせ、すぐに千速が「えっとね」と口を開く。
「私の親戚に古書とかを取り扱っている人がいて、巻物の一本が紛失したんだって」
前から思っていたけど、千速って咄嗟に出る嘘上手くない?
そう思っていると、芽衣は「そうなんですか」と、どこか面白がるような笑みで言う。
「それでは、早く見つかると良いですね。……その、巻物」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.117 )
- 日時: 2017/05/24 22:42
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第17話「どこどこ!?探せ、林の書!」3
それからしばらくは芽衣と話したりしつつ、それっぽい人がいないか探したりはしていた。
しかし、結局見つかることはなく、芽衣と別れた私達は肩を落とした。
「結局見つからなかったねぇー……」
「そうね……やっぱり本人から名乗ってくるのを待つしかないのかしら……」
千速がそう呟いた時だった。
「でも……そういう人って、自分から名乗ってくるかなぁ……」
蜜柑の言葉に、私と千速は同時に彼女に視線を向けた。
急に注目されたからか、彼女は顔を真っ赤にして、「えあ、えっと……」と戸惑う。
「ねぇ、蜜柑。今の、どういう意味?」
「えっ……と……私だったら、そんな怪しい巻物拾ったら、隠すかなぁって思って。だって、不気味だし……」
蜜柑の言葉に、千速は「なるほど……」と顎に手を当てて一考する。
「それは一利あるわね。蜜柑みたいに気の弱い人なら、特に」
「えぇっ……それじゃあ尚更見つからないじゃーん! 早く見つけたいのに〜」
私がそうふてくされると、二人は肩を竦めた。
−−−
<芽衣視点>
「親戚の巻物が紛失……フフッ、嘘が上手ね」
そう呟きながら、私は林の書を軽く放ってはキャッチする、という行為を繰り返す。
私と話している最中でも、明らかに林の書を探しているのが三人の視線で分かった。
本当は目の前にいるのに……ま、分かるわけないか。
「それにして、も……私の林の書も覚醒しないかしら?」
天にかざしてみるも、反応はない。
どういう条件でアウラシュリフトロレへ覚醒するのかは分からない。
でも、きっと私にも、出来るはず……。
「……まぁ、良いわ。少しでも多く、風林火山の書を集めなくちゃ、ね」
そう呟きながら、私は変身を解き、元の姿に戻り、腕に影を纏わせる。
「邪悪なる魂よ! 我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」
その言葉と同時に、近くを通りすがった人にぶつけた。
−−−
<朱莉視点>
「うわー。またオンネーンだ……」
オンネーンが現れ、暴れるのを見た瞬間、私はつい、そうぼやいてしまった。
私の反応に、蜜柑が「ちょっと朱莉ちゃん……」と苦笑する。
「油断していたら、きっとまたパワーアップか何かしてくるよ。油断せずに、気を引き締めていこう!」
「はーい……それじゃ、行こう!」
私が改めて言うと、二人は頷き、アウラシュリフトロレを取り出す。
「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.118 )
- 日時: 2017/07/17 20:45
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第17話「どこどこ!?探せ、林の書!」4
「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ!」
「「「風林火山プリキュア!」」」
名乗りを終えた私達はオンネーンに向かう。
「「「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス!」」」
「フレイム!」
「ウィング!」
「モンテ!」
サンダーブレスをすぐに装着し、私達はオンネーンの元まで駆ける。
先にウィングが追いつき、オンネーンの体を蹴り飛ばす。
吹き飛んだオンネーンをモンテが受け止め、「朱莉ちゃん!」と言って、投げ飛ばす。
私はそれを片手で受け止め、「はぁ!」と掛け声と共に、殴り飛ばす。
倒れるオンネーンを見つめながら、私は確信する。
私達は……強くなっている……!
「これならいけるよ!」
「そうね……この調子なら……」
「ふざけるなッ!」
その叫びと共に、邪悪なオーラが辺りに充満する。
私達は動きを止め、嫌な気配がする方向に視線を向けた。
そこには、怒りに表情を染めた冥姫がいた。
「冥姫……」
「ふざけるな……私は、ここで、負けるわけにはいかない……『あのお方』のためにも……!」
そう言って冥姫が袖の中から取り出したものに、私たちの目は釘付けになる。
「それは……林の書!?」
「私は、ここで負けるわけにはいかない……だから……!」
その言葉と同時に、冥姫が持っていた林の書が黒く輝いた。
次の瞬間、彼女の体を怪しい光が包み込み、見えなくなる。
「な、何が起きているの……?」
モンテが困惑した様子の声をあげた時、黒い光が消え、冥姫が立ちあがる。
私達のプリキュアの衣装を黒くしたような恰好。
髪はすごく長くなり、彼女の膝くらいまでの長さがある。
目を開いた冥姫は、舌なめずりをして、手をかざした。
「邪悪なる魂よ……我に、使えよ」
その言葉と同時に、オンネーンの体に禍々しいオーラが纏う。
次の瞬間、オンネーンは物凄い速さで起き上がり、私達に向かって突進してくる。
「わっ!?」
咄嗟に躱すが、すぐに方向転換し、私に向かって突っ込んでくる。
なんとかそれを紙一重で躱し、私達は一つの箇所に固まる。
「動きが速くなってるし、一筋縄じゃいかないわね。……どうする?」
「ぐぅ……ここは忍者らしく、敵を錯乱してみるのはどうだろう?」
私の言葉に、ウィングは「はぁ?」と返す。
モンテも不思議そうな顔をするので、私はニッと笑ってみせた。
「私にいい考えがあるの。折角忍者になったんだし、それっぽいこと、してやろうよ」
- Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.119 )
- 日時: 2017/05/26 17:39
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第17話「どこどこ!?探せ、林の書!」5
<冥姫視点>
何やら話し合いをしていたプリキュア達は、やがて、真っ直ぐオンネーンの方を見る。
「オンネーン。行きなさい」
私が言うと、オンネーンは一気に三人の元に突進していく。
すると、三人はそれぞれ別方向に走って行く。
「な……!?」
「オンネーン〜。こっちこっち〜!」
その時、キュアフレイムがそう言って煽るように手を叩く。
すると、オンネーンがギロリとフレイムを睨み、突っ込んでいく。
「侵掠の火よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! フレイムバーン!」
その時、フレイムはそう言って、地面に向かって技を放った。
次の瞬間、オンネーンの目の前に炎が広がり、オンネーンは動きを止める。
しかし、なんとか炎を振り払うと、そこにはすでにキュアフレイムの姿はない。
「な……!?」
「オンネーンさん。こっちですよ〜」
キュアモンテの声が聴こえ、オンネーンはそちらに振り向く。
すると、そこには大量に分身したキュアウィングがいた。
オンネーンがそれに驚いている時に、「こっちですよ〜」と飛び跳ねているキュアモンテを発見し、オンネーンはそちらに向かって突っ込んでいく。
「不動の山よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! モンテムーロ!」
すると、そのオンネーンの周りを四つの盾が囲い、たちまち動きを止める。
綺麗なその一連の流れに、私はしばらく呆然とした。
「へっへーん。どんなに動きが早くても、動けなくしちゃえば楽勝でしょ!」
「オンネーンの大きさギリギリだから、高くジャンプするために踏ん張ることもできないし」
「モンテムーロを破壊するまでに、多少は時間、かかるよね?」
サンダーブレスを構えながら、三人は微笑む。
私の中ではプリキュアって正義の味方ってイメージなんだけど、なぜかあの三人がしている顔が悪役顔にしか見えない……。
……うん? プリキュアが正義の味方って……どうしてそんなこと……?
『プリキュア……ですか……?』
『あぁ。伝説の忍者であり、きっと、この村を助けてくれるであろう存在。それがプリキュアだ』
『だったら、プリキュアは正義の味方ですね!』
『……フッ。そうかもしれないな』
断片的に脳裏に掠る記憶。
私はそれに頭を押さえ、「うぅ……」と呻いた。
「侵掠の火よ!」
その言葉に、私は顔を上げた。
見ると、すでに奴等は必殺技を放つ体勢に入っていた。
「ま……ッ!」
「疾き風よ!」
「不動の山よ!」
「「「今、三つの力よ! 我らに集い、怨念を打ち払え!」」」
その言葉に、私は、咄嗟にオンネーンに防御させる。
「「「プリキュア! ドライサンダーッ!」」」
しかし、極太の雷撃が襲い、瞬く間にオンネーンは消えていった。
「クッ……次は覚えていなさい」
私はそう言い、その場から離れていった。
−−−
<千速視点>
「あぁ〜! 逃げられたかぁ!」
変身を解いた朱莉は、そう叫んだ。
それに、蜜柑が「落ち着いて朱莉ちゃん」と窘める。
「それにしても……林の書がまさか、冥姫の元に行っていただなんて……」
「でもさー、ちょっとおかしいと思うんだよねー」
朱莉がぼやくと、蜜柑が「何が?」と首を傾げる。
「うーん……いやさ、幽鬼軍って、人の怨念からできている、幽霊みたいなものなんでしょ? そんな奴等でも対象になるのかなって」
「……例えば、冥姫さんは元は人間……とか……?」
恐る恐ると言った様子で蜜柑が言った言葉が、私の心に影を落とす。
あぁ……どうして……どういうこと……。
「ま、考えてても仕方ないよね! とにかくパパッと冥姫を倒して、林の書を取り返さなくちゃ!」
拳を作りながら言う朱莉を見ながら、私は自分の手を見つめた。
今の私に……冥姫を倒すことなんて、できるのだろうか……。
……考えていても仕方ない、か……。
とにかく、今は私にできることだけをしよう。
そう開き直った私は顔を上げ、「そうね」とだけ、笑った。
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