二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.85 )
日時: 2017/05/16 22:13
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第12話「まさかの喧嘩!?朱莉と蜜柑のすれ違う気持ち」6

「「ごめん!」」

 変身を解いて屋上に上がった私達は、ほとんど同時に頭を下げた。
 顔を上げた私達は、同時に笑い合う。

「全く……勝手に喧嘩して、勝手に仲直りして……心配するこっちの身にもなってよ」
「あはは。ごめんごめん。それにしても、本当に……あんなこと言ってごめんね。悪気はなかったの! ただ、イライラしてて……」
「もう分かってるから、大丈夫。私こそ、ごめん。朱莉ちゃんが無理してたの、気付けなくて」
「ううん。私の方こそ……」
「どうでもいいけど、そろそろ昼休憩終わるわよ」

 千速の言葉を聞いた瞬間、私は「あー!」と声を上げてしまった。

「どうしよう! お昼ご飯まだ食べてないよ!」
「あ、私も……ていうか、お弁当教室……」
「慌ただしいわね……別に良いじゃない、一食くらい食べなくても」
「一食どころじゃないよ! 朝ご飯も食べてないから、次の時間で死んじゃう……」

 私が言うと、蜜柑は「朱莉ちゃんもご飯、食べてなかったんだ」と驚いた。
 時間を見ると……残り五分。
 なんとか掻き込めば、いけるか!?

「よし、蜜柑。早く教室に戻ってご飯食べよ!」
「えっ、でも今からじゃ……」
「良いから!」

 私は蜜柑の手をしっかりと握って、走り出す。
 しばらくポカンとしていた蜜柑は、やがて恥ずかしそうに笑って、「やっぱり、朱莉ちゃんといるのが、一番楽しい」と言った。

−−−

「友情、愛情の力で、能力上昇……か」

 プリキュアの状況を観察していたオグルは、そう言って指で、机をトントンと叩く。
 彼の独り言に、オルコが面白がるように身を乗り出した。

「プリキュアって、本当に面白いね! 行動が予測できないっていうかさぁ」
「戦闘中に新しい力に目覚める……これほどまでに面倒な敵はいないな」

 オウガの言葉に、オグルは「ふむ……」と顎に手を当てた。

「少し調査をした方が良いかもしれないな。プリキュアについて」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.86 )
日時: 2017/05/16 21:03
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第13話「忍び寄る影?臨時教師はイケメン教師!」1

「ハァ……今日も仕事、疲れたなぁ」

 スーツを着込んだ男……朱莉達の担任である、江沢雄一は、そう呟いてネクタイを緩めた。
 夜の道を歩いていると、前からコートのようなものを着た男が歩いてくるのが見えた。

「うん?」

 不思議に思った雄一は、首を傾げつつ、すれ違おうとする。
 ———もう春だっていうのに、物好きがいるもんだなぁ。
 そんなことを考えていた時、突然、彼は強く突き飛ばされた。

「……え?」

 彼の体を照らす車のライト。
 それに気づいた時には、彼は跳ね飛ばされていた。

−−−

<朱莉視点>

「ねぇ聞いた〜? 昨日の晩、江沢先生、車に撥ねられたって……」
「聞いた聞いた。全治二週間だって」

 朝。教室に入って早速、そんな会話が聴こえた。
 私は隣にいた蜜柑の袖をクイッと引っ張り、「蜜柑は知ってる?」と聞いてみる。

「事故のこと?」
「うん。ていうか、江沢先生が来れないってなると……どうなるんだろ?」

 私が聞くと、蜜柑は「んー……?」と言って、顎に手を当てて首を傾げる。
 その時、私達に続いて、千速が教室に入って来た。

「あっ、千速おはよっ」
「千速ちゃん。おはよう」
「おはよう、朱莉、蜜柑。……どうしたの? 何か、教室いつも以上に騒がしくない?」
「江沢先生が事故に遭ったらしいよー」

 私の席の方に移動しながら説明すると、千速は「へぇ……」と興味無さそうな返答をした。
 彼女の反応に、私は「連れないなぁ」と彼女の頬を突いた。
 すると、その手を叩かれた。

「だって興味ないもの。そんなことより、そろそろ定期試験とやらがあるらしいじゃない?」
「うぅっ」
「そういえばそうだねぇ。そろそろ勉強しないと、朱莉ちゃんの成績じゃまた赤点で補習……」
「蜜柑見捨てないでぇ〜!」

 私がそう懇願した時、ガララッと音を立てて教室の扉が開いた。

「皆さん。席についてください。連絡事項などがありますので」

 白衣をたなびかせる男。
 黒っぽい青の髪に、銀縁眼鏡。
 彫りの深い整った顔は、まるでハーフみたいだ。
 彼は教卓の所まで行くと、キリッと真面目な表情を浮かべた。

「えー……皆さんも知っているかと思いますが、昨夜、このクラスの担任である江沢先生が事故に遭われました。なので、怪我が回復するまでの間臨時で教師をさせて頂きます……」

 そこまで言うと、男の人は黒板の方を向き、『小栗 鬼人』と書き、こちらを向いて微笑んだ。

「小栗 鬼人おにひとと言います。短い間ですが、どうぞ、よろしく」

 そう言って、白い歯を見せて、彼は微笑んだ。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.87 )
日時: 2017/05/16 22:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第13話「忍び寄る影?臨時教師はイケメン教師!」2

 朝のHRが終わった瞬間、ほとんどの女子達が小栗先生の元に行った。
 全員、いつもより声が高いし、なんかその辺にハートマークが飛んでいる気がする。
 私、蜜柑、千速は、それを呆然と見つめた。

「な……何あれ……」
「小栗先生イケメンだから……」
「江沢先生が入院中だっていうのに……暢気すぎないかしら」

 呆れた様子で言う千速に、蜜柑が「気にしてても仕方ないし……」と苦笑した。
 そして、私に視線を向けた。

「朱莉ちゃんも行ってきたら? テスト勉強のコツとかさ」
「なんで私!? 私は良いの! 蜜柑に教えてもらうから」
「生徒の私より先生の方が分かりやすいと思うけどなぁ……」

 蜜柑がそう苦笑した時、小栗先生がこちらに視線を向けてきた。
 ちょうど私達と目が合うと、キラッとした感じの爽やかな笑みを浮かべてくる。
 うわぁ……なんかナルシスト……。

「こ、こっち見ないでくださいッ!」
「朱莉ちゃん!?」
「しまった。口が滑った!」

 咄嗟に出た言葉に、私は慌てて口を手で塞ぐ。
 私の素振りに、蜜柑は曖昧な笑みを浮かべ、千速は呆れた様子でため息をついた。
 すると、女子達を掻き分けて、小栗先生がこちらに歩いてくるのが見えた。

「何か気に障ることでもしたかな?」
「い、いえ! ただ、なんとなくナルシストっぽいなぁっておもごッ!」

 よく滑る口のせいでそう説明しそうになった時、蜜柑に口を塞がれた。
 ずっとそれを聞いていた先生は、やがて、「ははっ」と爽やかに笑った。

「君たちは本当に仲が良いんだね。僕とも仲良くしてほしいくらいだ」
「もごもご」
「そうですね。是非機会があれば」

 淡々と答える千速に、私は心の中で「お断りだー!」と叫ぶ。
 しかし、それも蜜柑に口を押さえられているおかげでただの雑音にしかならない。
 やがて、先生が離れていくと、ようやく口を離された。

「何すんの蜜柑!」
「臨時の先生だからって、あんな口の聞き方したらダメだよ。素直なのは朱莉ちゃんの良い所だけど、素直すぎるのもだめ」
「複雑っ」
「じゃあそういうことも踏まえて、国語の勉強しようか」

 笑顔で国語の教科書を差し出す蜜柑に、私は逃げようとしたが、千速に捕まえられた。

−−−

<鬼人視点>

「火場朱莉……風間千速……遠山蜜柑……ねぇ……」

 生徒名簿を見つめながら、俺は、小さく呟いた。
 現在、俺は廊下を歩いている。
 なぜかは知らないが女どももやけについて来ようとしたので、それは断っておいた。
 しかし……。

『こ、こっち見ないでくださいッ!』

「ククッ……火場朱莉。奴は特に面白い……少し、ちょっかいをかけてみるか」

 俺は一人で呟き、ほくそ笑んだ。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.88 )
日時: 2017/05/17 14:48
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第13話「忍び寄る影?臨時教師はイケメン教師!」3

<朱莉視点>

 小栗先生は江沢先生の後任ということで、数学の先生だった。
 白衣を着ているからてっきり理科の先生かと思ったが、そんなことはない。
 むしろ理科の先生はジャージを着ている。
 ……なぜだ。

「先生ってぇ、数学が得意なんですか?」
「数学が、というより、昔から理系の方が得意なんだ」
「そうなんですかぁ」

 女子のキャーキャー声を聴きながら、私は教室を出た。
 その時、教室の扉が開く音がしたので振り返ると、小栗先生だった。

「お、小栗先生……」
「あぁ、火場さん。ちょうど良かった。少し聞きたいことが……ってちょっと待って!」

 走って逃げようとする私の腕を掴み、小栗先生は叫ぶ。
 私の中ではどうにも彼に嫌悪感を抱いてしまい、つい、「蜜柑助けてえええええ!」と叫んだ。
 いや、どっちかというとこういうのは千速の方が向いているかもしれない。むしろ蜜柑は横でオロオロしてるだけっぽい。
 誰でも良いから助けて!

「ハァ……とにかくそこで話をしようか」

 小栗先生は、そう言って近くにあった理科室に私を入れて、扉を閉める。
 どうにか冷静になった私は、小栗先生と距離を取りながら、「何が目的ですか……」と言った。
 すると、小栗先生はわざとらしくため息をつく。

「今朝から、妙に僕のことを避けるけど……何があったんだい?」
「……なんか先生、嫌な感じがする。よく分かんないけど……苦手」
「よく分からないけど、って……酷いな」

 困った様子で笑う先生に、私は威嚇の意味を込めて唸って見せた。
 すると、「動物か」と言って、デコピンしてきた。

「いっ……!?」
「僕が別に何かしたかい? そんな、避けられるようなこと」

 そこまで言われた時、背中が壁に当たる。
 えぇっと……これは、アレだ。世に言う、壁ドンってやつだ。
 そう理解していた時、顎に手を当てられて、視線を合わせられた。

「僕はもっと、知りたい。君のことを……もっと」
「……だったら、私も知りたいことがあるんですけど」

 私の言葉に、小栗先生は「なんだい?」と微笑む。
 その目に、真剣な表情の私の顔が映り込む。
 私は何度か深呼吸を繰り返すと、先生と目を合わせ……———

「テストの点数って、どうやったら上げられますか!?」
「……は?」

 呆ける先生に、私は自分の顎に当たっている手を掴んで、続ける。

「私成績悪くて、楽に点数を上げられる方法とかあったら、教えていただけませんか!?」
「いや、悪いけどそんな方法は存在しない」
「そこをなんとか!」
「うーん……」

 苦い顔をする小栗先生を、私は必死に見つめる。
 しばらくして、ため息をついた小栗先生は、私の手を離して言った。

「ひとまず短時間で成績を上げられれば良いんだろ?」
「うん!」
「だったら、放課後に残ってろ。プリントをさせてやるから、それでお前の学力を測る。後は個別補習だ」
「げぇッ!? いや、楽に点数を上げられる方法を……」
「これが一番確実に頭が良くなれる方法だ。嫌なら自力で効率の悪い勉強をするんだな」
「ぐぅ……」

 私が黙っていると、小栗先生は呆れた様子で首を横に振った。
 ちなみに放課後にやったプリントでは、一桁の点数を取って呆れられた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照1000越え】 ( No.89 )
日時: 2017/05/17 18:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第13話「忍び寄る影?臨時教師はイケメン教師!」4

「……流石にこれは無いだろう」
「だ、だから楽に点数を……」
「うるさい」
「うッ」

 私が黙るのを見ると、小栗先生は、すぐに「はぁ……」とため息をついた。

「しかし、想像以上の馬鹿さだな……こんな奴に負けるなんて……」
「負ける? 何の話?」
「……なんでもない。しかし、そうか……」

 顎に手を当てて考える先生に、私はなんとなく身構える。
 少しして、先生は「よし」と手を打った。

「とにかく、まずは間違った場所の復習だ。同じ間違いをしないようにして、苦手を潰していく」
「うぇぇぇ……」
「文句言うな。手っ取り早く点数を上げるためだぞ」


 そんなこんなで、小栗先生から補習を受けるようになり、気付けば三日が経っていた。

「ふむ……最初に比べれば、大分スラスラ解けるようになったじゃないか」

 小栗先生の言葉に、私は「むー」と頬を膨らませた。
 すると、彼は「ははっ」と笑って、私の頭に手を伸ばしてくるので、慌てて弾いた。

「それにしてもさー、先生、私の前と皆の前だと、なんていうか、態度違うよね?」
「えっ?」
「皆の前だとキザっていうか、ナルシストっぽいけど、私の前だと、なんか親戚のお兄ちゃんみたい。なんで?」
「なんでって……」
「もしかして、無意識? だったらさぁ、皆の前でも今みたいな態度してよ。キザな先生、ウザいもん」
「はぁ!?」

 素っ頓狂な声をあげた小栗先生は、やがて、「はぁー……」とため息をつき、椅子の背もたれに体重を預ける。
 しばらくして、立ち上がった。

「悪い。少し、席を外す」
「え、なんでー?」
「理由まで言うほどじゃないだろ。それまで、問題でも解いてろ」
「はーい」

 私の返答に先生は何やら苦い顔をして、教室を出て行った。

−−−

<鬼人視点>

 何かがおかしい。
 予定では、そろそろ火場朱莉を俺に陶酔させて、プリキュアの情報を聞き出すなりしていたハズだ。
 それが今は、なんだ? 数学の補習、補習、補習。
 ……頭が痛い。

「アイツには、なぜか調子が狂わされる……面倒だ」

 校舎から出た俺は、そう呟いて、指をパチンッと鳴らした。
 すると、白衣が青いコートに変わり、髪も、先ほどより青みが増す。
 そして、手に黒い影を纏わせた。

「ぷはぁ! 生き返る……」

 玄関の近くにある水道で水を飲んでいた少年が、そう言って顔を上げた。
 ……アイツで良いか。

「邪悪なる魂よ! 我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」

 俺はそう叫び、少年に黒い影をぶつけた。


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