二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.251 )
日時: 2017/07/21 20:36
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「探せ!選べ!自分の仕事!レッツ・ラ・文化祭!」3

 それから今日の作業時間が終了し、片付けを終えた私達は、すぐに生徒会室に向かった。
 主に蜜柑の迎えに。
 あれからさらに手を加えホラー度が上がった仮面(第2形態)を蜜柑に見せようと持って行こうとしたが、千速に必死な顔で止められたので、教室に置いてきた。

「よし、ここが生徒会室だねっ。たのもー!」

 生徒会室に着いた私は、そう言いながら扉を開こうとした。
 しかし、鍵が掛かっていて、ガンッと額をぶつける。

「いッ……たぁぁぁ!? 鍵掛かってる!」
「でも、先ほど玄関を確認したら、まだ蜜柑の靴はありましたよ?」
「じゃあどこに?」

 私がそう聞いた時だった。

「あの、生徒会に用事ですか?」

 そう聞かれて、私は振り向いた。
 見るとそこには、一年生の女の子が立っていた。
 恐らく、生徒会の子か……。

「えっと、友達が入ってて……どこにいるか分かる?」
「あ、えっと……ちなみに誰が友達で……」
「遠山蜜柑っていう……」
「……副会長か……」

 蜜柑の名前を出すと、なぜか微妙な顔をする。
 おいおいなんだその反応は……。
 そう思っていると、女の子はコクッと頷き、私達に背を向けた。

「付いてきてください。私もちょうど今から向かうので」
「えっと、ちなみにどこに……?」

 千速が聞くと、女の子はしばらく迷う素振りを見せた後で、口を開いた。

「えっと……音楽室に……」
「「「音楽室!?」」」


「あ、朱莉ちゃんなんでここに!?」

 音楽室に入ると、なぜかベースを重そうに持つ蜜柑がいた。
 よく見ると秀樹はギターを持っているし、他にもドラムにキーボード……何これ、バンド?

「えっと、何してるの?」
「何、って……えっと……」

 困った顔で蜜柑は秀樹を見た。
 すると、秀樹はそれに困ったような顔で、自分の頬を掻いた。

「どこから説明したものかなぁ……」

 それから、私が理解するまで少し時間はかかったが、蜜柑と秀樹によって説明された。
 秀樹曰く、生徒会が率先して生徒達を楽しませるべきだという考えがあるらしく、その一環として、バンド演奏を行うらしい。
 その中で蜜柑はベースを担当するらしいのだが……。

「蜜柑……ベース弾けるの?」
「遠山さんは筋が良いみたいでね、これなら本番までには充分なレベルになると思うよ」
「そんなことないよ……私、こういう楽器やるの、初めてだし……」

 恥ずかしそうに言う蜜柑。でも、彼女の後ろで何人かの生徒会の人が「いやいやいやいや……」って言いたげな顔してるように見えるのはなぜ?

「すごいですね、蜜柑は。頑張ってください」
「うぅぅ……クラスの仕事もやらないといけないのに……」
「そっちは私に任せてよ! 頑張るよぉ〜!」

 拳を作りながらそう言った時、扉が開いた。
 見るとそこには、陸上部の梨花がいた。

「梨花!?」
「千速。ちょうど探してたの」
「え、なんで?」
「陸上部の出し物で出店するからさ、そのコスチュームのサイズ測りたくて」
「え、良いよ私は、裏方で……」
「ダーメっ。千速はただでさえ目立つんだし、接客に回ってもらうから!」
「やだぁ……」

 渋る千速の腕を引いて、梨花はズルズルと引きずるように音楽室から出て行く。
 千速……当初はクールとか冷静沈着ってイメージあったのに、その面影はどこに行った……。
 いや、聞いた話では、むしろ子供っぽい今の千速の方が昔の千速に近いらしい。
 ふむ……これも、幼馴染の皐月の力かな?
 そう思って皐月を見てみると、皐月は何やら思いつめた表情でそれを見ていた。

「どうしたの? 皐月。眉間に皺寄ってるけど」

 皐月の眉間を指でグリグリしながら言ってみせると、皐月は驚いた表情を浮かべた。
 しかし、すぐに悲しそうに俯く。

「蜜柑にも、千速にも……するべき仕事がたくさんあります」
「おう」
「それに比べて、私は、クラスの仕事しかやらなくていい……なんだか、私だけ楽してるんじゃないかと思って……」
「んー……じゃあ、皐月は、蜜柑と千速が感じてる忙しさと同じくらいたくさんの仕事をすれば良いんじゃないかな」

 私の言葉に、皐月は目を見開いた。
 彼女の反応に、私は微笑んで見せる。

「蜜柑と千速の分まで仕事をすればさ、二人は楽になるし、皐月は楽しなくても良い。あぁ、もちろん、私もやるし。忙しさも分け合いっこしちゃえば良いじゃん!」
「……たまに、朱莉の単純さを尊敬します」

 その言葉を、私はしばらく吟味する。
 これは褒められてるのか?
 尊敬っていうのは褒めてくれてるんだろうけど、単純って褒め言葉じゃないような気が……。

「そうですね。私も、自分の仕事を見つけてみます」

 そう言って微笑む皐月に、私は、先ほどまで云々と考えていたものがどうでもよくなって、すぐに「うん」と頷いた。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.252 )
日時: 2017/07/21 21:40
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「探せ!選べ!自分の仕事!レッツ・ラ・文化祭!」4

 翌日から、皐月は変わった。

「何かすることは無いですか!?」

 作業の時間になる度に、皐月はそうやって色々な人に話しかけた。
 基本私達以外とはあまり話さない皐月が積極的に話しかけてきたからか、クラスの皆はかなり驚いていた。
 しかし、皐月のその真面目な姿勢に、段々と、その態度は緩和されていった。
 それは良いのだけれど……。

「皐月ちゃん……最近無茶しすぎてない?」

 お化け屋敷で使う暗幕を借りに行っていた時、蜜柑がそう言った。
 私は、それに「だよねぇ……」と呟いた。

「皐月、蜜柑と千速が忙しいから、自分が楽するのは嫌だって言って、だから、二人の分まで仕事したらって言ったんだけど……」
「あの仕事量は私達二人の倍以上あるよ……私みたいに、体壊さないと良いけど」

 蜜柑がそう心配そうに言った時だった。

「朱莉、蜜柑。それ持ちましょうか?」

 そう言って手を差し出しきた皐月に、私と蜜柑は同時に後ずさりをした。

「いや、大丈夫だよ……そんなに重いものでもないし」
「いいえ。蜜柑には生徒会の仕事が色々ありますし、朱莉だって、色々な部活の助っ人にどうせ駆り出されるでしょう? だから、二人の分まで私が……」
「これくらい自分達でやるから……皐月ちゃんこそ、働きすぎじゃない?」

 蜜柑が恐る恐る聞くと、皐月は首を傾げた。

「働きすぎ……? そんなわけないですよ! 皆さんに比べたら私なんて……!」
「いや、充分働きすぎだから! 少しくらい休んだ方が良いよ!?」

 文化祭の準備で体壊したなんてあったら溜まったものじゃない。
 大体、皐月は少し馬鹿真面目すぎるのだ。
 ここは少しくらい怠けた方がちょうどいい。
 そう言っていた時、皐月に肩を掴まれた。

「二人の分まで働けと言ったのは朱莉ではありませんか……!」
「い、いや……ここまで働くとか思わなかったんだもん」

 私の言葉に、皐月は訝しむような表情をした。
 その時、背後から足音がした。

「あれ? 皐月に、朱莉に蜜柑? こんなところで何してるの?」
「千速!」

 よりによって、千速は段ボール箱に何やらたくさん入ったものを持ってヨロヨロと歩いてくるのが見えた。
 すると、皐月がすぐに獣を狩るような目をして、千速から段ボール箱をひったくった。

「ちょ、皐月!?」
「重そうでしたので! 千速には陸上部の仕事もありますから、ここは私に任せてください!」
「えっ……それじゃあ、お言葉に甘えて……」
「甘えない!」

 私は暗幕を蜜柑に預け、二人の間に入り、しっかりと皐月の手から段ボール箱をひったくる。
 皐月はそれに「あっ……」と声を漏らすが、私は千速に渡しながら「ダーメ」と言う。

「皐月さぁ、二人の分まで働こうとは言ったけど、流石に働きすぎだよ? 私や千速みたいに体力バカじゃないんだから、もっと休んで……」
「へぇ〜。何か面白そうな会話してるね。混ぜてよ」

 その言葉に、私はほとんど咄嗟に段ボール箱の中から作り物の包丁を取り出し、声の主に向けて投げた。
 ガシャァッ、という音と共に段ボール箱の中身がぶちまけるが、関係ない。
 私が投げつけた包丁は鋭く飛び、やがて、声の主であるオルコの人差し指と中指に挟まれる。

「いきなり野蛮だなぁ……ていうかこれ、作り物か……へぇ、よく出来てる……」
「オルコ……また懲りずに現れて……!」
「懲りずに……って、懲りるわけないじゃないか。この間は油断して少し痛い目見たけど、今日はもう油断しな……」
「おすわり」
「ワンッ。ってアホか!」

 皐月の命令に素直に従い、おすわりの姿勢をしたオルコは、すぐに立ち上がって抗議する。
 うわぁ、すっごいノリノリ……てか、男なのに女子中学生に命令されるって……。

「クソッ……邪悪なる魂よ! 我に仕えよ! いでよ、オンネーン!」

 そう叫び、黒い影を腕に纏わせると、オルコが握っていた包丁に影が纏われる。
 おいおい……こんな廊下で巨大なオンネーン出すとかふざけるな!
 そう思ったのは私だけじゃないようで、すぐに蜜柑が暗幕をオルコに被せる。
 その間に千速がオルコの手から包丁を蹴り飛ばし、廊下の窓から出す。

「ぐぅ……! ちょこざいな真似を!」
「何がちょこざいですか! 何が! 皆さん、行きますよ!」
「えっ、私の立場……」

 おかしい。最近変身の時の「行くよ!」の立場が危うい。
 そんなくだらないことを気にしつつ、私達はアウラシュリフトロレを取り出した。

「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.253 )
日時: 2017/07/21 22:31
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「探せ!選べ!自分の仕事!レッツ・ラ・文化祭!」5

「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ」
「徐かなること、林の如し! キュアフォレスト!」
「風!」
「林!」
「火!」
「山!」
「「「「プリキュア!」」」」

 そう叫び、私達は廊下の窓から飛び出す。
 すると、大量の包丁が飛んできた。

「不動の山よ! 我に集い、力と成れ!」

 咄嗟にモンテがそう叫び、盾を作り。
 すると、包丁が次々に山に刺さり、やがて、爆破した。

「クッ……使ったのは偽物の包丁なのに、本物みたいな切れ味……!」
「皆さんは下がっていてください。私が戦います」

 そう言って前に出るフォレストに、私は軽く舌打ちをした。

「邪魔すんなぁッ!」

 気付いたら私はそう叫び、フォレストを押しのけ、前に出た。
 そして、手を構える。

「レジェンドクロックッ!」

 そう叫んだ瞬間、バチィッ! という音と共に目の前が弾け、レジェンドクロックが現れる。
 同時に、手首にサンダーブレスが巻き付くのを確認し、私はその手をレジェンドクロックの上に掲げた。

「侵掠の業火よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! フレイムバーニング!」

 そう叫んだ瞬間、炎が目の前に広がる。
 すると、ちょうど飛んできていた包丁が焼き尽くされていく。
 その様子を眺めつつ、私はフォレストの前に立ち、レジェンドクロックを差し出した。

「私達は一人で戦ってるんじゃない。皆で協力し合って、皆で支え合ってるの」
「一人で突っ走った朱莉ちゃんが言っても、説得力無いけどね……」
「うッ」
「でも、そうだよ。プリキュアだけじゃなくて、皐月ちゃんの周りにはいつも、皆がいるんだから」

 そう言って、モンテはレジェンドクロックに手を置く。
 すると、ウィングもモンテの向かい側に立つようにして、レジェンドクロックに手を置いた。

「そうね。私やフレイムは、体力だけは人一倍あるし、モンテだって、自分で選んでやっていることだから、例え体を壊しても後悔はないハズ。だから……」

 そこまで言うとウィングもレジェンドクロックに手を置き、微笑んだ。
 それに、フォレストは私達の顔をそれぞれ見ていく。

「千速……蜜柑……朱莉……」
「あの時の私の言葉が悪かったかな。皐月はね、支えることに集中しすぎちゃったんだよ。モンテやウィングの仕事をチョコチョコ手伝う程度で良かったのに……」
「そうなのですか……」

 フォレストはそう呟いて俯くと、やがて、顔を上げ、微笑んだ。

「ありがとうございます。……皆さんに、そんなに心配を掛けていたのですね……」
「……ねぇ、なんとなく話合わせたけど、これ何の話なの?」

 真顔で聞いてくるウィングに、私はずっこけそうになった。
 でも、こんな緩い雰囲気が、私達らしいって感じするよね。

「私もよく分かんない! 皆、一気に決めるよ!」
「「「「今、大いなる伝説よ! 我等に力を貸し給え! レジェンドクロック!」」」」

 そう叫んだ瞬間、レジェンドクロックから光が飛んできて、三人の手首と私のサンダーブレスに絡まる。
 やがて、それより派手な腕輪に変わるのを見ながら、私たちは次の言葉を叫んでいく。

「侵掠の業火よ!」
「疾き烈風よ!」
「不動の豪山よ!」
「徐かなる森林よ!」
「「「「今、四つの力よ! 我等に集い、力と成れ!」」」」

 すると、巨大な手裏剣が出てきて、私達はそれに乗って飛んでいく。
 やがて、オンネーンの頭上に行くと、私達は叫んだ。

「「「「プリキュア! オールターンオフイリュージョン!」」」」

 そう叫んでから手裏剣から離れると、それはゆっくりと落下していく。
 私達はそれに背を向けて着地し、胸の前で指を組む。

「「「「忍ッ!」」」」

 背後から聴こえる爆発音を聴きながら、私はなんとなくフォレストの顔を見た。
 私が見ていることに気付いたフォレストは私の顔を見て、そして、優しく微笑んだ。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.254 )
日時: 2017/07/22 09:11
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「探せ!選べ!自分の仕事!レッツ・ラ・文化祭!」6

 それから、四人で暗幕やら千速が持ってた段ボール箱の中身やらを分けて教室に持って行った時、教室の中では生徒達が一つの場所に集まって話していた。
 作業をサボってるのか〜? と思っていた時、一人の女生徒が「戻って来たよ!」と皆に言う。
 すると、全員の顔が私達に向いた。

「あぁ、良かった。全然戻ってこないから心配してたんだよ」
「いや、まぁ、ちょっと……ところで……」

 私はそう言いながら、一人が持っているレジ袋に視線を向けた。
 すると、「あぁ、そうそう!」と言って、レジ袋を渡してきた。

「これ、さっき先生が買って来てくれた差し入れ! もう全員取ったから、あとは四人の分!」
「へぇ〜……ありがとう」

 私が代表してレジ袋を受け取り、中身を見る。
 中に入っていたのはお茶の缶なんだけど……なぜか五本入っているではないか。
 あれ? 私達は四人だけど……一本余り?

「ねぇ、一本余るんだけど……」
「あぁ、それは神林さんの分!」
「わ、私の……?」

 皐月が驚いた様子で聞くと、皆が頷いた。

「だって、神林さん、一生懸命働いてくれたからさ!」
「あぁ。神林さんのおかげで、作業がスムーズにいったよ。ありがとう!」

 口々の述べられる感謝の言葉に、皐月は、嬉しそうに微笑んで「ありがとうございます。皆さん」と言った。

「まぁ、体も壊して無さそうだし、今回は結果オーライってことで……」

 私が小さい声で言うと、蜜柑と千速も頷いた。


 それから作業は大詰めを迎え、忙しさは増した。
 しかし、皆で協力し合い、最後にお化け屋敷の看板を飾るだけとなった。

「もう少し右〜……そうそう、そこそこ」

 私の指示に、千速と皐月は看板を動かしていく。
 ちょうどいい感じの位置に看板が来た所でOKサインを出すと、二人はホッと息をつき、足場にしていた椅子から降りる。

「それじゃあ、二年一組の出し物、お化け屋敷……」
「「「かんせーい!」」」

 クラスの皆はそう喜びのあまり叫ぶと、各々で抱き合ったりしてその歓喜を分かち合う。
 私は蜜柑の所に行き、二人でハイタッチをした。

「ふぅ、なんとか完成しましたね」
「おっ、来たよ。準備のMVPが」

 私が茶化すように言うと、皐月は首を傾げて「えむぶいぴー?」と言った。
 えー……和製英語とか最近の言葉とか割と通じるからこれくらい理解すると思ったのに……。
 まぁでも、そんな残念な所が、皐月らしいというかね。

「一番活躍した人ってこと! お疲れ様!」
「……そうですね」

 皐月が微笑むのを見つつ、私は片手を挙げた。
 それを見た皐月や千速、蜜柑は、しばらくキョトンとした後で察してくれて、それぞれ手を挙げてくれる。
 私達は、頭上で片手でハイタッチをした。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.255 )
日時: 2017/07/22 10:39
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第39話「遊べ!楽しめ!文化祭!刻め青春の一ページ!」1

 登校すると見える校門には、カラフルなお手製の門に『文化祭』という大きな文字が躍る。
 私は、その文字に自分の胸が高鳴るのを感じた。
 いよいよ文化祭だ……!

「それじゃあ、私は生徒会での仕事が色々あるから……」
「私も陸上部で出す出店の準備があるから」

 しかし、高鳴った私の気持ちにまるで気付かない怖がり二人は、校門をくぐって早々そう言った。
 それに、私はムッと口を尖らせた。

「何さ〜……折角の文化祭なのに〜……」
「しょうがないじゃん……確か、私と朱莉ちゃんは担当の時間が一緒だから、またその時になったら会えるし」
「うぅぅぅ……」

 私が頬を膨らませていると、蜜柑は「そんな顔しないの」と言って笑い、私の頭を撫でる。
 その手を払い、私は「子供扱いするなー!」と叫んだ。

「じゃあ、皐月。私達も担当の時間は一緒だから、その時に、ね」
「はい。自由時間になったら、千速のお店に行きますね」
「私のじゃないし、来なくて良いから……」

 千速がそう言うと、皐月はクスクスと笑った。
 それにしても、千速の出店か……梨花は千速の店番を多くさせるようにさせてたし……。

「蜜柑、私達も自由時間の時に行ってみよっか」
「そうだね。楽しそう」
「二人まで……もぉ〜……」

 不機嫌そうに声をあげる千速に、私達は声をあげて笑った。
 それから、蜜柑と千速と分かれた私は、ジッとこちらを見ている勇太に顔を向けた。

「それで、勇太……未だに蜜柑を自由時間に誘う勇気が無いのは分かってるけど……」
「なッ……う、うるせぇな!」

 顔を赤くして叫ぶ勇太に、私と皐月はため息をついた。

「蜜柑鈍いから、自分から行動しないと多分気付きませんよ?」
「ぐッ……!?」
「最近自虐したりすることは減ったし、生徒会に入ったりバンド演奏したりで自信は付いてるみたいだけどね……それと恋愛関係に鋭くなるかどうかは別問題じゃない?」
「ぐぬぬ……!」

 悔しそうに歯ぎしりをする勇太。
 だって事実だしなぁ……。
 私はため息をつき、勇太の前に立って、ビシッと人差し指で指さす。

「勇太! 蜜柑を自由時間の時に誘いなさい!」
「お、お前に命令される筋合いは……!」
「命令されないと、自分からやる勇気が無いのでは?」
「……」

 言い返せない勇太は、無言で目を逸らす。
 私はそれに満足し、皐月に顔を向けた。

「じゃあ私達は私達で、ひとまずお化け屋敷の方行っておこうか。荷物も置いておきたいし」
「ですね」

 笑顔で返事をする皐月に私は微笑み、校舎に入って行った。


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