二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】風林火山プリキュア!
日時: 2017/08/01 13:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=31539

初めまして!愛と言います!
今日からは、オリジナルのプリキュア、通称オリキュアの小説を書きたいと思います!
初の試みなのでグダグダとかになると思いますが、暖かい目で見てやって下さいw
よろしくお願いします!

追記:上記URLにて風林火山プリキュアの劇場版という名目の中編を載せています。良かったらそちらも見てやってください。

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Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.180 )
日時: 2017/06/15 21:34
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」1

<朱莉視点>

 ある日、一階に下りてみると、ちょうどリビングで紅助がテレビをグダグダと見ているのが目に入った。
 私はそれに呆れつつ、テレビの電源を消した。

「なっ……! 姉貴!」
「夏だからってそうやってグダグダするのはどうなのかねぇ〜? 宿題やったの?」
「あ? もう終わらせてるよ。姉貴と違って!」

 そう言って私からリモコンを奪い取る紅助。
 それに、私は「な……!?」と声をあげた。
 すると、紅助は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、私の頭をリモコンでポンポンと叩く。

「悪いけど、俺は姉貴と違って初めの方でパパッと終わらせるタイプだから。誰かさんみたいに最終日付近になって、幼馴染を頼るようなことはしないんだよ」
「そんな馬鹿にするような言い方しなくても良いじゃない!」
「別に、姉貴がそのタイプだなんて誰も言ってないけどなぁ〜?」
「こんのぉ〜!」

 紅助に掴みかかり、せめてテレビのリモコンだけでも奪取しようとする。
 その時、足がズルッと滑り、私は紅助を押し倒す形で転んだ。
 すると、たまたまテレビの電源が入り、画面が明るくなる。

「いったぁ〜……何すんのよ!」
「こっちのセリフだ馬鹿!」
「姉に馬鹿とは……!」

 そこまで言っていた時、テレビから不穏なBGMが聴こえ始め、私はビクッと肩を震わせた。
 見ると、それは心霊動画とか心霊写真とかを取り扱うホラー番組だった。

「ビックリしたぁ〜……ホラー?」
「ん……あぁ、今の時間帯はそんなに面白い番組もしてないから、適当に」
「へぇー……」

 私はぼんやりと返事をしながら、テレビに目を向けた。
 写真には女の人が写っていて、その人の後ろに顔が写ってるとか、そういう系の番組。
 そこまで見ていて、私は良いことを思いつき、ポンッと手を打った。

「そうだ! 良い事思いついた!」
「……別にそれはどうでもいいけど、宿題は早めに手をつけろよ」

 ジト目で言う紅助に、私は「分かってるよ〜」と答えた。


 それから私は蜜柑を呼び出し、千速と皐月が住んでる風間家に迎えに行った。

「ねぇ朱莉ちゃん……もう午後四時だけど、今から何をするって言うの?」
「いーからいーから」

 不安そうに尋ねる蜜柑を躱しつつ、私は風間家のインターホンを鳴らす。
 室内から『ピンポーン』とくぐもった音が聴こえ、しばらくして扉が開き、一人の老婆が出てきた。

「えっと……千速と皐月はいますか?」
「ん? 二人のクラスの友達かい?」
「はいっ。火場朱莉って言います!」
「おやおや、元気な子だねぇ。少し待っていてね」

 そう言って老婆は家の中に歩いて行った。
 少しして、千速と皐月が出てくる。

「もう、何なの? こんな夕方に」
「ふっふっふ……説明は後。まずは出てきて」

 私の言葉に二人は顔を見合わせ、靴を履き替えて家から出てくる。
 やがて、全員が出てきたのを見て、私はフゥ……と息を吐いた。

「実はね、さっきテレビで心霊写真とかの番組を見ていたんだ。それでさぁ、それを見て……はい、蜜柑逃げない」

 逃げ出そうとする蜜柑の腕を私は掴んだ。
 それに、蜜柑は涙目になって「だってぇ……」と情けない声をあげた。

「まだ全部言ってないぞ〜?」
「だって、心霊写真って怖いやつだもん……嫌な予感しかしないよ」
「まぁまぁ良いではないか」
「それで……その番組がどうかしたの?」

 千速が首を傾げながら聞くので、私はそれにポケットに入れていたデジカメを取り出して、口を開いた。

「今から皆で、肝試しのついでに、心霊写真撮りに行こ!」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.181 )
日時: 2017/06/16 21:20
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」2

 それから、私達は色々話し合った上で、裏山に登ることになった。
 ものすごく大きいわけでもないし、私や蜜柑が土地慣れしているから、夜でも遭難することなどはないだろうという話になったからだ。
 でも、まぁ……。

「蜜柑の場合、土地慣れしてなくても、私にしがみついているから関係ないよね」
「だ、だって、怖いんだから仕方ないじゃん……」

 私の腕を抱きしめるようにして密着する蜜柑が情けなく零した弱音に、私はため息をついた。
 そして、後ろを付いてきている千速と皐月の方を見て、「まぁ……」と呟く。

「千速よりかは……マシか」
「なっ……べ、別に、怖くなんか……!」
「千速は昔から怖いものは苦手ですから。私がいない間に少しは治っているかと思いましたが、むしろ悪化しているような……」
「ぐぅ……」

 皐月の後ろに隠れるようにして、千速は付いてきている。
 ちなみに皐月はすでに慣れっこのようで、あくまで冷静だ。
 幼馴染でここまで違うものかと思ったが、涙目で自分の右腕にしがみついている小動物を見ていると、人の事言えなくて辛い。
 まぁ、パパッと数枚くらい写真撮って帰れば良いかな。

「それにしても、千速は私の後ろばかり歩いていますけど、もし後ろからお化けが来たらどうするんですか?」

 そう思っていると、皐月が何やら千速にちょっかいを出し始めた。
 うわぁ……。

「さ、皐月……?」
「後ろから、ヒタ……ヒタ……足音が聴こえてきて、振り返っても誰もいない。でも、前を見て歩き出すと、明らかに自分が歩くのに合わせて、足音がするのです。ゆっくり歩けば、ゆっくりな足音。逃げようと思って速く走りだすと、ヒタヒタヒタッ! ……って」
「……前歩く」

 小さな声で千速はそう言うと、皐月より前に出る。
 すると、皐月はまた淡々とした感じの声で語り始める。

「もし、前からお化けが来たらどうするんですか? 例えば、朱莉が実はお化けで、突然こちらを振り返ると顔が無く……」
「皐月、流石にそこまでにしてあげて。千速が死んじゃうから」

 私が流石に注意すると、皐月は「そうですか……」と落胆した声をあげた。
 その時、腕から温もりと重みが消えて、やけに軽くなり、夜の涼しい風が温もった私の腕を冷やしていく。
 懐中電灯の光を近くに当ててみると、涙目で震えている蜜柑の姿があった。

「えっと……蜜柑……?」
「朱莉ちゃん……お化けなの……?」
「皐月ッ!」

 私が怒鳴ると、皐月はペロッと舌を出してお道化て見せる。
 ちなみに千速は怖がりすぎて、皐月の胴体にしっかりとしがみついている。
 軽はずみに提案しちゃったけど、この肝試し、かなり失敗だったかもしれない。

「私はお化けじゃないよ? ホラ、足あるし! ていうか、さっきの話は皐月の空想上の話だから!」
「本当に……?」
「本当、本当。それに、私から離れててはぐれちゃって、次に再会した私がお化けだったらどうする?」
「や……やだぁ……」
「だよね。だったら、ホラ、手繋ご?」

 私がそう言いつつ手を差し出すと、ようやく蜜柑は手を握り返してくれた。
 ……前途多難すぎる……。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.182 )
日時: 2017/06/15 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」3

 それからしばらく歩いていると、懐かしいものを見つけて、私は立ち止まった。
 しがみついていた蜜柑も、私が懐中電灯で照らす先を見て、「あっ」と声を漏らした。

「どうしたのですか?」
「ん? いやちょっと……昔の秘密基地を見つけてさ」

 私の言葉に、二人は私が懐中電灯で照らしているそれを見た。
 それは洞穴のような場所で、古い木の板に掠れた文字で『ひみつきち』と書いてあった。

「もう大分昔に来たところだからねぇ……すごい、久しぶり……」
「うん……少し入ってみよっか」
「「えッ」」

 私の提案に、蜜柑だけじゃなく千速までもが批判の声をあげた。
 まぁ、そんなの関係ないんだけどねー。
 私はしがみついている蜜柑を引っ張り、懐中電灯を口に咥えて皐月の手を引いて歩き出す。
 皐月が付いてくるということは、彼女にしがみついている千速も一緒に付いてくるわけでして。
 洞穴の中は暗くて、何も無い。
 私は首を動かして、洞穴の中を隅々まで照らす。

「ひゃぁひゃひほはいはぁ」
「はい?」

 キョトンとする皐月から手を離し、私は口から懐中電灯を吐き出した。

「まぁ、何も無いかぁ……って、言ったの」
「そりゃそうだよ……そもそも最後に来たのって……」

 そこまで言った時、蜜柑が何かを踏んだのが見えた。
 私は彼女の足をどかして、そこを照らしてみる。
 そこには……ボロボロになった女の子のぬいぐるみが……。

「うわーん!」

 ついには子供のように泣き出し、抱きついてくる蜜柑。
 うん……流石にこれは刺激強いよね……でも心霊写真とか撮れそう。
 抱きついている蜜柑の頭を撫でながら、片手でとりあえずぬいぐるみを撮っておく。

「これ、誰かが忘れて行ったぬいぐるみか何かじゃないかしら……?」

 おや、意外。
 蜜柑のように泣きじゃくるかと思われた千速は案外冷静にぬいぐるみを観察している。
 ……と思ったけど、皐月を盾にしてるね。最悪何かあっても皐月がなんとかしてくれるかと思ったのかな。
 じゃあ蜜柑は私のことを信用していないのかな、と少し思ったけれど、蜜柑の場合はさっき割と直接触れちゃったからね。泣いてしょうがない。
 それにしても……。

「そっか……ここ、私達以外の秘密基地だったこともあるんだ」
「むしろ、お二人が作った看板もありますから、子供たちにとっては共通の秘密基地……のような扱いだったかもしれませんね」

 皐月の言葉に、私は「そっかぁ……」と呟いて、天井を開く。

「そういうのってさぁ……なんか、良いよね。語り継がれる伝説、みたいな」
「……もう帰りたい」

 私にしがみついたままそう呟く蜜柑に苦笑しつつ、私はデジカメをしまって、「まだまだだよ〜」と言う。

「もっと色々な写真を撮って、心霊写真手に入れなくちゃ」
「いらないよそんなの。大体、なんでそんなに欲しいの?」
「えー。テレビに応募したいもん。ホラ、行こ!」

 私はそう言って蜜柑を引きずるようにして、洞穴を出た。

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.183 )
日時: 2017/06/16 22:37
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」4

 それからしばらく歩いて、何枚か写真を撮り終えた私は、「さて……」と声をあげた。

「それじゃあそろそろ帰ろうか」

 私がそう言った瞬間、三人の反応は綺麗に分かれた。
 まず、千速はガクガクと大きく頷き、皐月は「えっ」と明らかに落胆した表情を浮かべた。
 蜜柑はというと、終始私の腕にしがみついて、ずっと震えている。
 大袈裟じゃないかと思ったが、暗がりで見たボロボロのぬいぐるみは、蜜柑のように気の弱い子には確実にトラウマだろう。
 むしろ、千速があれをあまり怖がっていないのが不思議なくらい。

「皐月……流石にこれ以上続けたら怖がり二名が可哀想だから」
「むぅ……そうですか……」

 不満そうに言う皐月に、私は苦笑しつつ、未だにへばりついたままの蜜柑を引っ張って、山を下り始める。
 さっき撮った写真の中に心霊写真あると良いなぁ。

「にしても意外だなぁ。千速が怖がりで、皐月が怖がりじゃないなんて」
「そうですか?」
「うん。超意外」
「ふむ……小さい頃からよく、怪談話などは聞かされていましたから。千速にそれを話すと、よく涙を浮かべて震えていましたね。懐かしい」
「そ、そういうのは懐かしく思わなくて良いから! 大体、皐月や朱莉には、怖いものとかないの?」

 千速の言葉に、私の脳裏に真っ先に浮かんだのは、机の上に放置された宿題の山だ。
 そういえば、まだ手付かずだっけ……。

「私は強いて言うなら未だに手付かずの宿題かな……」
「朱莉ちゃん……まだ宿題やってなかったの?」

 私の腕を掴む力が強くなるのを感じる。
 あぁ、今私はものすごく幼馴染の顔を見るのが怖い。
 なので、見ない。

「皐月の怖いものは何?」

 話題を逸らすためにも、私はそう話を振った。
 それに、皐月は少しの間、キョトンとする。
 それから顎に手を当てて、やがて、口を開いた。

「私の怖いものは……」

 皐月がそこまで言った時、体に何かがぶつかる感覚がした。
 懐中電灯で照らしてみると、黒い影のようなものが、ポケットから少しだけ出ているカメラに当たっているのが分かった。

「うわーお……ナイスショット」

 どういう反応をすれば良いのか分からずそう呟いた時、皐月がそのカメラを掴んで、遠くに投げ捨てた。

「ちょ、壊れたらどうす……」

 私がそこまで言った時、カメラが空中で膨張し、オンネーンになった。
 とりあえず壊れなくて良かった……か……。

「もぉ〜こんな時にぃ〜! 皆!」

 私がそう叫んで三人の方に視線を向ける。
 皐月はすぐに戦闘態勢に入るけど、蜜柑と千速はそういう状態じゃない。
 それに私は嘆息し、オンネーンを指さした。

「ホラ、オンネーンだよ!?」
「でも……」
「オンネーンとお化けだったらどっちが怖い?」
「……お化け」
「じゃあ、お化けに比べたらあんなオンネーンの一匹や二匹余裕じゃん? ホラ、早くいくよ」

 私の言葉に、ようやく二人はアウラシュリフトロレを構える。

「「「「プリキュア! フォースオーラチェンジ!」」」」

Re: 【感謝】風林火山プリキュア!【参照2000越え】 ( No.184 )
日時: 2017/06/17 21:27
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第27話「ドキドキ肝試し!皆の怖いもの?」5

「侵掠すること、火の如し! キュアフレイム!」
「疾きこと、風の如し! キュアウィング!」
「動かざること、山の如し! キュアモンテ」
「徐かなること、林の如し! キュアフォレスト!」
「風!」
「林!」
「火!」
「山!」
「「「「プリキュア!」」」」

 変身を終えた私達は、暗闇に潜むオンネーンを、目を凝らして探す。
 変身前に使っていた懐中電灯で辺りを見渡してみるが、見つからない。

「む……どこだろう」
「……見つけた」

 その時、隣に立っていたウィングがそう言って、私が照らしていた場所とは全然違う方に走り出す。
 突然の行動に、私は動揺してしまった。

「ちょ、ウィング!?」
「千速は昔から夜目が効きますから」
「暗闇は平気でも、怖がりなんだ……」

 フォレストの言葉に、モンテは苦笑した。
 あー、そっか……モンテは暗闇とか苦手だもんね……。
 小さい頃から怖がりだし、たまにお泊まりとかした日に怖い話とかした時は寝る時に電気を消すのすら拒んだ。
 夜にトイレのために起こされなくなったのすら記憶に新しい気がする。

「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! ウィング!」

 その時、雷の眩しい光が煌き、やがて、金色に輝く腕輪をウィングが装着した。
 すると、彼女のサンダーブレスが放つ光で、オンネーンの姿が照らされる。

「おー! 本当にいた! よーし!」

 そう叫んで駆けだそうとした時だった。
 オンネーンのレンズが千速に向いて、シャッターを押したのは。

「わッ……目くらまし?」

 驚いた声をあげた千速は、それでもどうにかオンネーンに攻撃を入れる。
 しかし、やはり唐突な事に少し戸惑っていたのか、動きが鈍り、躱される。

「千速、大丈夫ですか!?」

 地面に着地したウィングに駆け寄るフォレスト。
 ウィングは、それに「大丈夫」と答えてオンネーンを睨んだ。
 しかし、次の瞬間、青ざめた表情になる。

「ん? 何が……」

 懐中電灯をそこに向けると、そこには、子供向け絵本とかの挿絵に載ってそうなお化けがフヨフヨと浮かんでいた。
 もしかしてこのオンネーン……撮った人の怖いものに化けられるとか?

「千速ちゃん、あんなのでも怖がるんだ……可愛い」

 それに対して、モンテはそこまで怖がっていなさそう。
 怖がりにもレベルとかあるのだろうか……まぁ、流石にあれを怖がるのはね〜……。

「ふむ……千速。今日は寝る前に少し怪談話をしてあげましょうか」
「えぇ!?」
「あ、それ楽しそう。私とモンテも一緒に良い?」
「朱莉ちゃん!?」

 そう暢気に話していた時、オンネーンがこちらに飛んでくるのが見えた。

「動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! モンテ!」

 すぐにそう叫んだモンテが私達とオンネーンの間に入る。

「不動の山よ! 我に集い、力と成れ! プリキュア! モンテムーロ!」

 四つの壁でオンネーンを閉じ込めようとするが、宙に浮くオンネーンはそれを上から躱す。
 まぁそうなるよねー。
 そう思っていた時、空中でオンネーンの体が膨張し、元の、なんていうか……映画泥棒のような見た目になる。
 分かる人には分かると思う。

「モンテ!」

 私が叫ぶのと同時に、パシャッという音と共にフラッシュが瞬く。
 咄嗟に私はモンテの腕を引き、オンネーンの着地に巻き込まれない位置まで行く。

「一体、次は何に……」

 ……まぁ、大体想像はできるけど。
 案の定、オンネーンは先ほどのお化けより少しグレードアップした怖さのレベルの見た目になる。
 まぁ、それだけでモンテとウィングは震えあがり、後ずさるのだけれど。

「いや……あんなの怖くないでしょ」
「あ、朱莉ちゃんはこういう怖いの平気だから……!」
「そう言われても、あんなお化け子供だましだし……。ねぇ、フォレスト?」
「えぇ……折角ならもっと現実味のある見た目にすれば良いのに。二人の恐怖が幼児レベルなのですかね」
「そ、そんな言い方しなくても良いじゃん!」

 頬を膨らませながら言うモンテに、フォレストはクスクスと笑う。
 その時、オンネーンがこちらに向かってくるのが分かった。

「しょうがない。二人は下がってて! 動くこと、雷霆の如し! サンダーブレス! フレイム!」

 私はすぐにサンダーブレスを装着し、オンネーンの攻撃を受け止める。
 腕力と腰に重心を下げることでどうにか奴の攻撃を受け止め、しばらくの間鍔迫り合いを行う。
 その時、オンネーンの姿が膨張し、先ほどの映画泥棒のような見た目になった。


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